本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

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経営のヒントになりそうに思ったこと

 □□□ 2018年5月の目次 □□□

 無印良品の野菜販売が、売上向上と地域共生のヒントになる!

 無印良品にみなさんは行かれますか?
 私の住んでいる近くでは、近鉄奈良駅の近くに無印良品があったのですが、今は撤退してします。 無印良品は安心して購入できる商品が多いように感じていたので残念です。

 実は先週、報道番組WBSを見ていると、無印良品が生鮮食料品を売り始めたとその様子を紹介していました。
 販売している店舗は、イオンモール堺北花田店というところで、 広さは4300平方メートルとかなりの大きさです。 その半分のスペースを使って、生鮮食品やお惣菜の販売、イートインなどを行っているということです。

 生鮮食品販売の一番の狙いは、お客様の来店回数を増やすことです。 従来の品揃えの場合、お客様の月の来店回数は、1~2回ぐらいなものです。
 それが野菜などの生鮮食品を置き、それも鮮度にこだわることをアピールすることで、毎日それを買いたいという人が出てきます。 そうなるとお客様の来店頻度を大幅に上げることができます。
 来店回数が多くなると、ついで買いなどが発生し、売上アップに繋がる可能性が高くなります。

 ホールでも同じですよね。 立ち寄り頻度が高くなれば、何となく打ってみようという気持ちになる時が出て来るので、稼働が上がることになります。
 だから、この施策は来店ポイントだけでも貯めませんかと、お客様にアプローチという販売促進策と同じですね。

 加えて、無印良品はその施策をなるべく有効なものにするために、商品の配列を考えています。
 例えば、野菜を買いに来た人に、お皿などの食器を見えるようにレイアウトしています。 野菜を買いに来た人が、野菜からお料理、お料理からそれを載せるお皿と連想しやすくすることで、 こんなお皿で盛り付けしてみたいと感じさせ、購入を増やそうとしています。
 実際、生鮮食品を出すことで、売上が10%から20%もアップしたそうです。

 ホールで言えば、来店した人が目にしたら気になって、思わず座ってしまうような機種構成を考えて、 レイアウトを工夫しているということと同じと言うことです。 業界は違いますが、売上向上の本質は同じということですね。

 そして、コミュニティホールを目指している人に、是非その発想を参考にしてもらいたいことを話します。
 それは、新鮮野菜を地元から仕入れているというところですが、 その中に他にはない頑張って他とは差別化をしている農家や、こだわりを持って育てている農家さんの野菜を仕入れているということです。 ここがさすが無印良品さんというところです。

 例えば、キノシタファームのフルーツトマトを仕入れています。
 このフルーツトマトは、バック栽培をしています。 バック栽培とは、ビニールバックの中でトマトを栽培する方法です。 これによりトマトの水分をコントロールすることで、トマトの糖度を上げ、通常より甘いトマトを作っています。 うまく管理しないとトマトの不良品が発生するので、あまり取り組む農家がいません。 上手く管理するというのは、手間がかかるということなので、やりたがらないのです。 しかし、味は美味しいんですね。
 そういう農家さんを見つけ出し、応援している。 もちろん、そのフルーツトマトは美味しいので買いに来る人も多く、1日でなんと500パックも売れたことがあるそうです。
 無印良品は、新鮮にプラスして地域の美味しいものを再発見し、地域の人に提供していることになります。

 また、三浦農園さんからは、なにわの伝統野菜である泉州黄たまねぎ「今井早生」を仕入れています。 この「今井早生」は一時期作る人が無くなり、幻の野菜と言われた玉ねぎだそうです。 それを三浦農園さんは復活させようと頑張っている。 無印良品さんは、それを仕入れて価値を伝えることで応援しているのです。
 これも他で売られているものではないので、差別化商品となります。

 コミュニティホールの十分条件の9項目で、地域との共生の話をしています。 その中で、みんなが知っている当たり前のことを情報提供をしても価値はなく、 地域の人がこんなの知らなかったという、地域を再発見するような情報にこそ価値があるという話をしていますが、 無印良品さんはそれを実践している企業ということになります。

 この無印良品さんのように、毎日来させるためにただ野菜を仕入れるというだけでなく、 一工夫することで、単なる来店頻度向上策を地域共生策に昇格させています。

 このような取り組みは大変ですが、非常に高い付加価値を生み出していきます。 ただのホールで良ければお勧めしませんが、 地域の人からあのホールは違うねと言われ、地域から支持され続けるためには必要なことではないでしょうか。

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 宮川選手と日大の対応を見て、世間の正しさの基準を考える!

 前のブログで、記憶は当てにならないと書きました。 そして、真実が明らかになるためには、録画や録音などの新しい客観的事実証拠が出てこないと難しいでしょう。 真実についてのこれ以上の展開は無理かもしれません。

 しかし、世間の多くの人は、宮川選手の話が真実だと思っているのではないでしょうか。 これは世間が感じる真実です。 物事は世間が認識した正しさで、動いていきます。

 これまでの”宮川選手の対応”と”日大の対応”の違いがそうさせたということになります。

 教訓としては、世間を納得させるためには、いち早く整合性のある行動をとらないと、 多くの人から反発を受け、疑われるということです。

 なぜ、宮川選手への支持が集まったのか。

 宮川選手は、「誠実に謝罪する」とはどうあるべきかを考え、『なるべく早く、名前と顔を出し謝ること』だとし、それを実行に移しました。 そして、言っていることとやっていることの整合性をとり、『ここらから謝る限りには、何もかも隠さない』という姿勢を貫いた。
 まるで、昔、武士が誇りのために腹を切るという、自分を捨てる行動に見えました。
 日本人は潔さを好みます。
 サクラの文化ですから。

 今回の『あるべき姿を示す』ということでは、何となく忠臣蔵の赤穂浪士の姿と重なりました。 赤穂浪士は身を捨てて、『武士のあるべき姿』を示したので、元禄の人々から喝さいを浴びました。 江戸市民は、幕府の判断を誤りとし、赤穂浪士をほめたたえました。 それと重なるような感じです。

 もう一つの重なり方は、宮川選手=浅野内匠頭、内田前監督=吉良上野介ですね。 宮川選手が我慢に我慢を重ねて追い詰められ、殿中で刀を抜いてしまう。 内田前監督は、吉良上野介と同じように、相手が誤解していると訴える。 いかがでしょうか。 こうなると赤穂浪士役は、日大の現役選手?となるかもしれませんね。

 勝手な妄想はここまでにしておきます。

 今後も、この問題は、この『あるべき姿』は問われていくと思います。 日本大学はもちろんですが、日大のアメフト部の選手、関東学生アメリカンフットボール連盟などにも波及していくでしょう。

 何かがあっては困りますが、 万一、危機に遭遇した場合、『あるべき姿とは本来どういうところにあるのか』を考え、いち早く行動することが大切だと言うことですね。 それを教えてくれる教訓ではないかと思いました。

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 日大の内田前監督の記者会見を見て人間の記憶を考える!

 連日、日本大学の問題が取り上げられています。 日大アメフト部の危険タックルの問題というより、一連の日大の対応の悪さが問題となっています。

 会見を見ていると内田前監督は、もしかしたら本当に指示をだしていない、 宮川選手と言葉を交わしてない、と思っているのではないかとも思えます。

 実は、人間の記憶はあまり当てにならないことが、多くの実験で実証されています。 つまり、見ていないものを見たと言ったり、見ていたものを見ていないということが容易に起こります。 同じように言ったのか、言わなかったのか、意識したものでないと、それがどんどん変わっていきます。

 記憶は、一つのデータが大脳の中にコンパクトに収まっているのではなく、 パソコンの合成画面のように、建物の記憶、人物の記憶、声の記憶、感覚など、 バラバラに大脳の中に格納されており、それを合成して記憶再生させています。 もちろん、日々大脳の中には、いろんな情報が入り込むので、混線は容易に起こります。

 記憶を再生させるとは、毎回違うところからパーツを集めて組み立てるので、 記憶違いは容易に起こります。

 特に今回、内田前監督には非常に高いバイアスがかかっているので、 自己保存志向が強ければ強いほど、記憶の変容は起こる可能性は高いのではないかと思います。

 以前読んだ本の中にある大学の記憶の実験が載っていました。 それは、教授が学生の記憶の確かさを確かめるために行いました。

 どのようなものかというと、 1人の学生に講義をしている壇上に上がってもらい、 質問を黒板に書いてもらう。 そして、書き終えて壇上を降りたのを確かめてから、 壇上にあるその黒板を転倒させるいうものです。

 転倒させた直後は大きな音がし、授業が一瞬混乱します。 しかし、すぐに黒板を元に戻し、その後は普通に授業を再開し、終了します。

 その1週間後に、その日の講義のレポートを書かせたところ、 講義を聞いていた半数以上の学生が、その日の講義は一人の学生が黒板を転倒させたために混乱したと書いていました。
 そしてレポートを書いた何人かは、具体的にどのようにして黒板をその学生が倒したかを詳しく書いていました。 これで冤罪成立です。

 多くの方は疑問に思われるかもしれませんが、同じような実験は数多くされており、人間の記憶の不確かさは証明されています。 人間の記憶はそんなものです。 つまり、「記憶=真実」とは限らないということです。

 内田前監督は本当に『言ってない』のかもしれません。 あるいは。、内田前監督が記憶の変容を起こし、『言ってない』と真剣に主張しているのかもしれません。
 内田前監督が一点の迷いもなく、主張するとなれば、日大としてはかばうことになるのではないかと思います。
 もっともそうではなく、発言した内容を問題にするよりも、発言した人物を信じるというのは、多くの閉鎖された世界で起こる現象です。 もちろん、これかもしれません。
 いずれにしても、世間が宮川選手を正しいと認めれば認めるほど、日大としては内田前監督を擁護する必要があると感じるのではないでしょうか。

 人の記憶が当てにならないとなると人間社会は成り立ちませんが、 人の記憶は絶対正しいと思うと、水掛け論になりらちがあきません。 今回の件は、録画や録音などの新しい客観的事実証拠が出てこないと、正しさを判断するのは難しいでしょう。

 故意に隠さなくて記憶の変容は起きるということを踏まえると、 自分の記憶を補足する手立ては、日頃から意識することが大切です。 特に、水掛け論になりそうな案件には、注意しましょう。

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 新宿高島屋の公開ヨガ教室から店舗集客のヒントを考える!

 みなさんは百貨店に行かれてますか? みなさんもご存じのように、百貨店業界も構造不況業種ということで、 業界自体は縮小をし続けています。

 そんな中、今月18日~22日にかけて、新宿の高島屋でヨガの公開レッスン教室が開かれました。 面白いのは、人通りのある1階の建物の敷地で、レッスンを行っていたことです。 道行く人は、何をやっているの?というような感じで見ていました。

 なぜこんなことをしたかと言えば、 何となく歩いている人の注意を引き付け、高島屋の店内にいざなう為です。

 実は百貨店へ行く人や頻度が落ち込んできているので、 店頭でインパクトのあるパフォーマンスを行い、 変わったことをしていると興味を持たせ、 店内に入ってもらうことに重点を置いています。

 背景としては、百貨店自体の集客装置としての機能が、低下してきているからなんですね。 マイボイスコムの調査によると百貨店の利用者の内訳は、以下のようになっているそうです。

         2006年    2018年
 週1回以上    9.0% →   4.3%
 月1回     35.0% →  18.7%
 半年に1回   35.1% →  31.6%
 ほとんど無い  19.0% →  37.1%
 無い       0.9% →   8.3%

 百貨店を利用する頻度が大きく落ち込んでいるのが分かります。 月1回以上行く人が、44.0%から23.0%と半減しています。 この数値を見れば、百貨店が低迷しているのが実感できます。

 もちろん高島屋さんは、入店してから購買に結びつける仕掛けもしっかり考えています。

 今回、ヨガで呼び込むので、ヨガにまつわる商品を充実して、売り場を作っています。 高島屋の催事場でもヨガ教室が公開されており、その横ではヨガのウエアなどを販売しています。

 女性でヨガをしている方やしていた方は、 ヨガレッスンを見ながら、自分が実際やっているような気になり、 新しいヨガウエアを購入しようとしている人もかなりいたようです。
 また、ヨガから健康、美容などの連想もできるので、 健康器具の実演販売や化粧品、有機野菜の販売なども行っていました。

 この高島屋の取り組みの背景は、集客力の落ちた店舗に当てはまるものがあります。 店舗への興味が薄れ、今まで立ち寄っていた人が素通りしていく。 大きな看板を出したからといって、立ち寄るとは限りません。

 この高島屋をヒントにするなら、 道路沿いでのパフォーマンスということになるのではないでしょうか。

 駐車場の前を車で通る人が、「おや?」と思えるものをする、ということになります。
 例えば、気候が良くなってきているので、お客様や近所の方を集めて、ラジオ体操をしてみる。 あるいは、朝市を企画して、オープン前に軽トラで野菜など販売するスペースとして、地域の農家とコラボをする。 フリーマーケットを駐車場の一角で行う。
 今、ダイハツが高齢者向けの軽トラを売り出しました。 時速50kmなら危険を察知してブレーキが自動的にかかる軽トラです。 梅沢富美男が独特のCMをしているので、ご存知の方も多いと思います。 その販売代理店と交渉し、駐車所の一角に展示場や、体験コーナーをつくるのも面白いかもしれません。

 もちろん初めての実施は何かと大変ですが、コミュニティ化が進んでいるホールは、ハードルが低くなっているはずです。 いろんなアイデアを考える余地があると思います。

 なかなかお客様は来ないと嘆くよりも、 地域と協力し、新しい店舗の形を示すことを考えてはいかがでしょうか。 そんなことを思いながら、高島屋のニュースを見ていました。

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 スルガ銀行の「かぼちゃの馬車」融資問題を反面教師とする!

 5月15日にスルガ銀行の決算発表がありました。 注目を集めたのは破たんしたスマートデイズが行っていた「かぼちゃの馬車」に対する融資問題でした。

 かぼちゃの馬車は、スマートデイズがオーナーを募集し、女性専用の賃貸物件を建てさせ、30年間の賃料収入を保証することで、オーナーを必ず儲けさせるというモノでした。 この儲け話に乗るために、オーナーはお金を用意しなければならないので、その融資をスルガ銀行にお願いしていたというものです。

 結局スルガ銀行が融資をした人は1258人にもなり、融資総額も2035億円も融資をしています。

 銀行はお金を貸すのが商売なので、融資ができるかどうか審査して、問題ないのでお金を貸していたはずでした。
 ところが、この融資の審査を通すために、スマートデイズが個人の財産状態を確認する書類である通帳などを書き変えていた。 ここまでは、スマートデイズの問題です。 これを見抜けなかったとなれば、スルガ銀行の審査能力の問題なのですが、実際は行員が書き変えを知りながら、融資を行っていたらしいということです。

 記者会見の中で、スルガ銀行の米山明広社長は、どうも多くの行員がこのことを知りながら融資を行っていたらしいと発言しました。 詳しいことは調査をして、後日発表するということです。

 この不適切融資について、メディアから、このような不適切な融資が大量に発生した原因は何でしょうかという質問がありました。

 それに対して米山明広社長は、「社員がリスクについて理解していなかった」と答えていました。

 これを聞いて私は違和感を覚えました。
 それは、融資の適格性を欠く融資と、融資をしたオーナーが抱えるリスクとの因果関係がないと思ったからです。

 米山社長の言い方だと、オーナーが抱えるリスクが大きければ不適格融資はしないが、リスクが小さいと勘違いしたので不適格融資をしてしまったように聞こえました。
 それとも、このような不完全なビジネスモデルに対する融資は、スルガ銀行に損失を招くという危機意識がなかったので、不適格融資をしてしまったと言いたかったのでしょうか。

 いずれにしても、そもそも『銀行の書類審査とは何か』という根本問題を曖昧にして運営している企業ではないかという感じがしました。

 会社にはいろいろな機能やルールがあります。 それを何ためにしているのか、TOPが明確に認識していない悪い事例だと思います。 米山社長の答弁を聞いて、これなら不適格融資が行われるもの無理はないと感じました。

 これを反面教師としてとらえるなら、社長は各責任者が何のためにその機能あるのか自覚を持っているのかチェックをする。 店長は、店舗のルールや機能が、何のためにあるのか担当者や役職者に確認をしておくということになります。
 振り返る機会を設けることで、ルールを無視することによって起こるトラブルや経営危機を、事前に防止できるのではないでしょうか。

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 Jリーグが「サッカー以外で生きる道を探す」理由とは!

 みなさんは、サッカーはお好きですか? 私の子供は野球派でしたが、甥がサッカー派で、高校進学もサッカーの全国大会にでるような高校を選び、そこのサッカー部で頑張っていました。

 ところで、そのサッカーですが、早いもので今月15日は、Jリーグが生まれて四半世紀、つまり25年になります。 そこで都内で、イベントというかJリーグ関係者によるワークショップが開かれました。

 そのワークショップのテーマが、 「Jリーグのサッカー以外で生きる道を探す」というモノでした。 もしかしたらみなさんは、そんなことを何故するのか?と思われるかもしれません。

 その背景は、Jリーグは本当に日本の文化として定着したのだろうか、生活の一部として取り込まれているのだろうかという不安があるからです。 つまり、これからも安定してJリーグが存続発展していく基盤がまだできていないという危機感があるのです。

 ここ3年は観客動員数も1000万人を超え、順調に見えます。 しかしながら、その内訳は、非常に熱心なファンが繰り返し来るのであって、 ファンの広がりを見せてるのかというと、そうではないのではないと考えています。 当り前ですが、すそ野が広ければ広いほど安定します。

 それはプロになる選手の質の安定でもありますし、 観客動員数の安定、ひいてはJリーグの発展に繋がります。 それは、プロ野球を考えれば容易に想像できることです。

 そこで、Jリーグは「Jリーグ=サッカー」という固定観念を打破して、 Jリーグが持っている機能に注目し、もっとファンを増やせるのではないかと考えたということです。

 つまり、グランドという設備、それに付随した施設、Jリーグのサッカー選手、Jリーグの社員、 集客能力、芝生を維持するノウハウなどを活用することにより、 地域の問題を解決するなど地域の役に立ち、地域とWin-Winの関係を築くことができる。

 それにより、Jリーグに接触する住民が増え、Jリーグに好感を持ち、 Jリーグを自分達に必要な組織と思ってもらうことで、ファン予備軍を作っていくことを考えています。

 ファン予備軍が何かのきっかけで、サッカーを見に来てくれる。 あるいは、テレビでサッカーを見て視聴率を上げてくれる。 自分の子供が何かスポーツをしたいと言ったときに、自分の子供を子供サッカーチームに入れてくれるかもしれない。 また、Jリーグを身近に感じた子供が、学校の部活動でサッカー部を選択してくれるかもしれない。 結果として、予備軍の何パーセントかは、Jリーグのファンになってくれる。

 ではそのようなことを考えているかというと、Jリーグは、自治体から、地域が抱えている問題を解決するという委託を受け、投資家から必要な資金を出してもらう。 そして、Jリーグ自らの様々な機能を使って、問題を解決していくというものです。 そして成果に応じておカネを自治体からもらうというビジネスモデルを考えています。

 その他に具体的にビジネスとして動き出しているものに、芝生ビジネスがあります。 保育園や幼稚園、小学校などの運動場を芝生に変えるという動きがあり、それを商機と考えて、 サッカーグラウンドの芝整備ノウハウを生かして、校庭の芝生化を請負っているところもあります。

 みなさんは、この話を聞いてどう思われますか?

 コミュニティホールの発想と似ていると思われる方もいると思います。 コミュニティホールも発想は同じで、「パチンコホール=遊技」という固定観念を打破して、 もっといろんなことがやれるという考え方に立っています。
 特に、一人で遊びに来ることができるという集客機能を利用して、遊技以外にもっといろんなものを提供し、 そのことで、パチンコをしない人もホールに来てもらい、遊技に興味をもってもらう人を増やすというものです。

 Jリーグの動きに類似性があると分かっていただけたら、今後のJリーグのサッカー以外の活動にも注目し、 リンクができる部分はリンクをして、コミュニティホールに役立てていただきたいと思います。

 最後ですが、このJリーグのワークショップを主催した人は発想が柔軟だと思います。 それとJリーグを地域の中にその存在を溶け込ませなければ、先細りしてしまうという危機感も素晴らしいと思います。
 これは、パチンコ業界としても、学ぶべきものがあると考えますが、みなさんはいかがでしょうか。

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 問題のアメフトの試合から自分の指示、指導を振り返る!

 最近、関西学院大学(関学)と日本大学(日大)のアメリカンフットボール(アメフト)の試合がニュースになっています。

 みなさんはアメリカンフットボールの試合を見に行かれたことはありますか? 私は昔、大学時代に一度見に行ったことがあります。 カッコイイのですが、人と人がぶつかり合う危険なスポーツと感じました。

 後で知ったのですが、『究極の鍛錬』という本に、アメリカのプロチームの話ですが、 アメリカンフットボールは危険なので、選手がケガをしないように練習試合などはしないと書いてあり、なるほどと思ったものです。

 今回、ニュースで紹介された、関学と日大のアメフトの試合の様子は、 素晴らしいプレイではなく、危険なプレイというか、反則プレイについてでした。 テレビで繰り返し映し出される映像を見ると、 私はこれはフィールド内で行われた個人を傷つける”傷害行為”ではないかと感じました。

 これに対して関学が徹底して抗議をしています。 昔、関学のアメフトでは、優秀な選手がケガをして、下半身不随になったことがあります。 だから、そういう悲劇は繰り返したくないという想いを強く持たれていると思います。 それなのに相手チームが意図的と思える反則行為を犯した。

 問題になっているのは、それを日大の内田正人監督をはじめコーチも容認しているのではないかと言うことです。 この危険行為を行った選手は、注意を受けることなく、その後も試合に出続け、反則行為を行い、最後に退場させられています。 ニュースの映像を見ても、注意されるどころか、よくやったというようなしぐさをコーチがしている。

 優秀な個人にけがを負わせ、チーム力の落とし、試合を有利に導く!?
 こんなことを実際行っているのか?
 それも日本一になったチームが?
 学生に何のためにスポーツをさせているの?
 まともな人間を育てるためではないの?
など疑問が出てきます。

 関学は、反則行為の背景に日大の内田監督の指示に有無について、日大から受け取った回答書の内容を明らかにしています。
「”意図的な乱暴行為を教えることはまったくない。 ルールに基づいた指導を徹底しており、指導者の教えと選手の理解にかい離があった。 指導方法について深く反省している”と回答があった」

 当然、そうだろうと思いますが、試合中の対応を重ね合わせると、どうしても違和感がでてしまいます。

 話を聞いていてイメージがダブるのが、神戸製鋼のデータの改ざん問題です。 トップは不正を支持していません。 しかし、現場では不正をしている。

 構造としては、上の人間が不当に圧力をかけると、下は悪いことと知りながら、おかしなことをしてしまう。 もちろん、個人としての倫理観などがしっかりしていれば、そんなことは起こらないとも言えます。
 しかしながら、そんな高潔な人間は多くはいません。 だから、上に立つ人は指導や指示の在り方に気をつけなければならないということですね。

 経営とスポーツは違う? 少し抽象度を上げれば、同じ組織運営の話なので、本質的に同じ問題と言えます。 他の世界で起こっている事例を見て、それを「他山の石」とすることが必要だったのかもしれません

 しかし、日大の内田監督が試合終了後に「あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」と発言したとのことですので、 神戸製鋼のデータ改ざん事件ではなく、経営陣が関与している東芝の粉飾決算事件との類似性の方が強いのかもしれませんね。

 今回のような事件はあってはならないのですが、 そこから学ぶべきものは結構あります。 他山の石として活用もできます。

 例えば、主任に対して不当に圧力を掛け過ぎて、それがスタッフに悪い影響をだしていないか。 改めてチェックしてみるもの悪くないと思います。 店長としては、圧力をかけてるつもりはないのですが、部下の役職者はプレッシャーを感いている場合は結構あります。
 力のある店長ほど、部下へのプレッシャーは大きくなるので、一度自分の指示や指導を点検してみるのも悪くないと思います。 もちろん、社長にも同じことは言えることですね。

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 メガバンクの本業利益の減少から、現状打破への挑戦を意識する!

 銀行と言えば手堅い商売をするところという認識ですが、 今回の決算を見ると、現在のビジネスモデルが少しずつ、うまくいなかくなってきているようです。

 昨日、メガバンク3行の2018年3月期の決算が出そろいました。 グループの純利益では三菱UFJフィナンシャル・グループは9,896億円、三井住友フィナンシャルグループは7,343億円と前の年に比べて、それぞれ増益でしたが、 みずほフィナンシャルグループは5,765億円で4.4%の減益となり、明暗が分かれた形になっています。

 しかしながら、銀行の本業である”実質業務純益”は、各社とも仲良くダウンしています。
  三菱UFJ銀行 7165億円:前年対比 15.5%減、
  三井住友銀行  6171億円:前年対比 27.1%減、
  みずほ銀行   3285億円:前年対比 33.5%減
以上のように非常に厳しいことがわかります。

 銀行本業の収益悪化の背景には、 日銀の超低金利政策の継続による金利収入の低迷があります。 具体的に言えば、銀行の利ザヤを比較すると、アメリカは3%以上あるのに対して、日本では0.84%となっています。 非常に厳しいですね。 それに加えて国内外の金融環境の変化もあります。

 三菱UFJFGの平野社長は、中国などの経済成長の鈍化や金融規制の強化、 金融とITを融合したフィンテック企業と既存銀行の競争激化の3要素を挙げ、 「低金利で少子高齢化が進む日本は、より本格的な構造改革に取り組まなければならない」と言われていました。

 各行とも本業の減に伴い、コスト削減ということで、銀行の店舗展開の在り方を考え直しいくようです。 その中で店舗の大幅な削減やネット強化による顧客接点の増加などを実行していきます。 さらに本来ライバル同士が手を組み、ATMを共有化する。 そして、余剰となった人員の大幅削減(3行で約3万人)を考えています。

 ニュースを見ていて思うことは、どんな業界でも変化があり、盛衰が起こるということですね。 別にパチンコ業界だけが苦しくなっているのではないということです。

 注目したいのは、今後の銀行業界の変化です。 変化が起きた時に、それを乗り切るために、新しいビジネスモデルを考えて参入してくる所が出てきます。 そういうものを参考にすると良いヒントがもらえたります。

 今の融資の方法に一般企業が満足しているのかと言えば、そうではないと思います。 今の預金の運用のやり方は完璧なのかと言えば、そうではないと思います。 だったら、今のIT技術なAIを使って、新たばイノベーションを起こすことは可能です。

 誰もが仕方がないと諦めていることこそチャンスと言われています。 同じことはどの業界でも言えます。 「なんだ、なぜ、今まで気づかなかったんだろう」と言わせることができれば、成功です。

 銀行業界の不満は詳しく知らなくても、 パチンコ業界の不満はよくわかるはずです。 良い機会ですので、もう一度、お客様が持っている不満で、 仕方がないと自分達が思っていることを見直してみるのも面白いかもしれない。 そんなことを思いながらニュースを見ていました。

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 今年は猛暑!?スタッフのエチケット強化の仕組みを考える!

 今日から暑くなりそうです。 暑くなると、気になるのが体臭です。 接客サービスをする人間は笑顔や身だしなみが必要ですが、 汗臭い体でサービスをされても、接客を受ける側のお客様としては微妙ではないでしょうか?

 だから、スタッフの体臭について知らん顔をすることはできません。 店長も役職者の方もそう思う人は多いと思います。
 だからと言って、みなさんはスタッフの体臭について注意をすることができるでしょうか?

 自分でも体臭について注意されるのは、面白くありません。 気にはしますが、他人から言われるのは勘弁してほしいのではないでしょうか。

 しかし、これはお客様のためだからと言って、スタッフのやる気を削いでしまうのも考え物です。 ましてや女性スタッフに体臭のことを言うと、それこそセクハラなど大きな問題になりそうです。

 だから、出来るなら自分で気づいて、自分で自主的にケアをして欲しい。 そうは思いませんか。

 実は、朝のテレビを見ていて「体臭測定器」が手軽にあるのを知りました。 今はセンサーも発達しており、いろんな臭気が測定できるんですね。

 いいんじゃないかと思ったのがコニカミノルタの「kunkun body(クンクンボディ)」です。 世界初の体臭見える化チェッカーと言ってます。
 では何の体臭が見えるのかというと、次の3つです。
   1.汗臭
   2.ミドル脂臭
   3.加齢臭

 センサーを所定の場所にあてて数秒で臭いの種類と強さをスマホに表示してくれます。 値段もアマゾンで調べると30500円でした。 高すぎるということはないと思います。

 これから暑くなっていきます。 当然いくら冷房が効いていると言っても、頑張るスタッフは汗をかきます。 スタッフ休憩室や事務所を出る時、エチケットとしてセンサーで測定する習慣を作ってはどうでしょう。

 自分で測定して、マズイと思えば、自分で汗を拭くなど対策をとれます。 また、女性スタッフで汗臭を気にする人は、測定値を見ながら「まだ大丈夫だね」など、 汗臭を気にせず働けます。

 便利グッズで、夏のスタッフのエチケットを強化してはいかがでしょうか。 特に今年は猛暑になると言われています。
 「ライバル店のスタッフは汗臭いけど、このスタッフはいつも爽やかだね」 といってもらうのも悪くないと思いますよ。

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 「微笑みの国で仏頂面騒ぎ」から接客サービスを点検する!

 5月12日のヤフーニュースに「微笑みの国で仏頂面騒ぎ」という見合出しが載っていました。

 何のことかと思いクリックしてみると、
「ほほ笑みの国」と呼ばれるタイで、空港の観光客出迎え係の女性2人が「不機嫌な顔をしていた」と非難を浴び、 観光警察に呼び出される騒ぎになった、 と書いてありました。

 問題となった2人は、10代の学生アルバイトさんで、バンコクのドンムアン空港で伝統衣装に身を包み、 到着した中国人団体客の首に歓迎の花飾りを掛け、両手を合わせながら記念写真を一緒に撮られる仕事をしいたということです。 もちろん、団体客の歓迎ムードを盛り上げるためです。 ところが、2人は仏頂面で花飾りを雑に観光客に掛け、写真撮影の瞬間だけ作り笑いしていた。

 見ていた人が不快になったんでしょうね。 その様子を写した動画をインターネットの投稿した。 するとそれが拡散し、さらに出迎え係がチップをもらった時だけほほ笑むパロディー動画まで登場してしまったそうです。

 この2人は、タイのイメージを傷つけたとして国民に謝罪し!? 雇用主の写真サービス会社は事実上の2人を解雇処分にしたということです。

 ここまで敏感い対応したのは、2017年の中国人の旅行客は980万5,753人と訪タイ外国人1位という背景があるからでしょうね。 要するに超お得意様というわけです。 中国の人のイメージが悪くなると経済的なダメージになるということですね。

 このニュースからいろいろと考えることができます。

 1.まず、イメージは大切で、それを維持するためには、たまたま仏頂面などはマズイということですね。
「100-1=0」という言葉があります。99人が良くてもたった一人良くないレベルの人が混ざると「イメージ」は崩れてしまうというものです。
 店舗でもスタッフが、いつも笑顔で最高の接客をしているとは限りません。 調子の悪い時もあります。 そんな時、最低レベルの接客をどう維持するのかが問題ということです。 それを、スタッフの問題としてしまうのか、役職者の問題とするのかで、対応に差が出てきます。 あなたの店舗ではどうでしょうか。

 2.次に思うのが、『言っていることとやっていることの整合性』というものですね。
 タイが「微笑みの国」と言われてなければ、これほどの問題にならなかったかもしれません。 前評判が良いと期待するので、その分悪い接客に出会うと悪さが目立つというものです。
 コミュニティホールでも、お客様に対してできてると言ってしまうと、出来てない部分が目立ちます。 だから、出来ているとことではなく、目指して頑張っているという言い方が無難です。
 もちろん、名門ホテルやディズニーランドなどのように、完璧と周囲に認知されているところは、 ひとつのミスも妥協も許されないということになります。 だからたいへんなんですね。 みなさんの店舗では、『言っていることとやっていることの整合性』は取れていますでしょうか。

 3.3つ目が、中国人のサービスに対する意識が高くなってきている?ということです。 仏頂面に対してクレームを言うのは、中国全体のサービス意識が高くなったからだと考えることができます。
 昔、ガイアの夜明けという番組で、2010年上海万博前の上海の商店街の様子を紹介していました。 その時、店員がカニを食べながら店番をしている様子や、チケットを放り上げる愛想の無い接客など、接客サービスという意識はかなり低かったように思います。 それは、中国の人がそれほど高い質の接客サービスを求めていないからだと思っていました。
 しかし、今回の話で、経済的に豊かになり、接客サービスに対する意識もかなり高くなってきているのでしょう。

 人の接客意識は、年々高まっていく傾向になります。それはどの業界でもそういうものに力を入れるからです。 店舗に来るお客様も、競合店だけを見ているのではなく、他の業界の接客も見ています。 そんな中で接客意識が高まる可能性は高いのではないでしょうか。
 要するに従来と同じお客様なので、従来と同じ接客レベルだから大丈夫とは限らないということですね。 みなさんの店舗では、お客様の接客ニーズに応えるようなレベルになっているでしょうか。

 今回3つ書きましたが、過ぎると長くなるので、ここらへんでやめます。

 いかがでしたでしょうか。面白い記事だと思いいろいろ書きましたが、 こういう話をスタッフの休憩室などに掲示して、 役職やスタッフと共有するのも悪くはないと思うですが・・・。

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 日本企業最高収益のトヨタ決算会見から危機意識を学ぶ!

 今週9日、トヨタの決算報告会が在りました。 2018年3月期の純利益は2兆4939億円と過去最高であり、日本企業の過去の純利益ランキングでも1位となりました。 しかしながら、決算会見に臨んだ豊田章男社長の表情は非常に厳しいものがありました。

 その主な理由は、ニュースなどの報道を聞くと大まかに3つぐらいにまとめられます。
① 今回の利益のうち約2500億円は、自己の力ではなく環境のお陰という偶然性によるものであったこと。 その環境とは、円安による効果とアメリカのトランプ政権が行った減税です。豊田社長としては、偶然を誇ることはできないということでしょう。
② 販売台数(連結ベース)が896万台とほぼ横ばいに推移したこと。 つまり、今年は昨年に比べ6628億円純利益は増えているが、お客様は増えていないとも言えます。 ホールでも利益を取れたと単純に喜ばないのと同じ発想ですね。
③ 今後の新規技術の開発に多額の投資が必要とされていることです。 世界の競走を勝ち抜くためには、いくらお金があっても十分とは言えないということですね。

 トヨタの危機意識の強さは、決算報告会がこれまでの慣例を破っていたことからも伺えます。 トヨタの決算報告会の始まりは、株取引にストレートに影響を与えない午後3時以降でした。 しかし、今回は午後1時半に決算を発表しています。 そして、豊田社長の中長期の経営に対する考えを語る時間を大きく増やしました。 また、決算会場に投資家などを積極的に呼び込んでいます。

 ここで豊田社長が語った言葉が、 「自動車産業は、今、100年に一度の大変革の時代に突入している。 未知の世界での生死を掛けた戦いが始まっている」 というものです。

 対処しなければなならい危機は、過去、現在、未来に分けることができます。 過去の危機は、すでに発生してしまったことに対するものです。 現在の危機は、まさに今発生しているものです。 未来の危機は、まだ発生していません。

 過去と現在の危機は見えていますが、この未来の危機は洞察力と想像力がないと見えません。 現状を把握し、それが将来的にどのように発展し、影響を及ぼしていくかというシミュレーション能力が不可欠です。 これには個人差があり、共有化することが難しいと言われています。

 豊田社長はこの危機意識を共有化するために、あえて異例の決算報告会をしたのでしょう。 それは報告会の豊田社長の言葉の中に、 「私が思っていた危機感と社内の危機感ではギャップがあった」と言うことからも明らかです。

 実際、これまでライバルとして競争してきた企業とは別の企業との戦いになります。 例えば、中国のBYDは、もともと電池メーカーとして1995年に創業した企業ですが、 中国政府の支援政策あって、新エネルギー車販売台数では、アメリカのテスラやドイツのBMWを押さえて、世界トップとなっています。

 掃除機で有名なダイソンも電気自動車の製造を行うことを表明しており、量産体制を作ると宣言しています。 ダイソンは家電で蓄積したモーターの技術と蓄電池の技術があり、それをもって電気自動車業界に参入してきます。

 自動運転技術では、グーグルをはじめ大手のIT企業が参入をしてきており、こちらも手を抜けません。

 豊田社長の頭の中ではこの変革が非常に早く起こり、 今のペースではトヨタは取り残されてしまうと感じているようです。 それは、「企業の進路や巡行スピードを変えるとかは、トップしかできない」と言われていることから推察できます。

 トヨタはカイゼンで有名な企業で、安穏とした体質ではないはずですが、それでもスピードが遅いと豊田社長は感じられているようです。

 確かに自動車産業は大きな変革期がきているようです。 しかし、すべて業界で大小の差はあれど、変化は起こっています。 その変化に適応していけないと、トヨタのような大企業でも凋落してしまう可能性があるということです。

 みなさんの会社では、会社の幹部や店長の間で将来に対する危機意識が共有されているでしょうか。 そして、それを回避するためにどの方向に行くべきか、それをどれくらいの速さで行うべきかが、明らかになっているでしょうか。

 豊田社長の会見ニュースを見ながら、さすがに日本のトップ企業の社長は、未来の成功に焦点をあてて動いていると実感しました。

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 サントリーの新ノンアルコールビール開発から学ぶ!

 今週、サントリーの新しいノンアルコールビール「ALL-TIME(オールタイム)」の新作発表が行われました。 このノンアルビールは、サントリーのチェレンジ精神があふれています。

 特徴としては、まずペットボトルを使っていることです。 ノンアルコールビルは通常アルミ缶などに入っていますが、 サントリーは、新しい挑戦として透明なペットボトルを使用しています。

 次にノンアルコールビールなのですが、あえて透明にしています。 これも通常はビールと同じような色をつけるのが業界の常識でしょうが、 ここでも新しい試みをしています。

 味はもちろんビール味です。 ビールらしい香りと苦みがあり、確かにノンアルコールビールです。

 このようなノンアルビールを作った背景としては、 まず、ビール業界自体が縮小傾向にあり、ビールに変わる代替飲料の開発が絶えず求められていること。 次に、ノンアル飲料も近年消費が鈍化してきていること。 そして、無糖炭酸飲料の分野が大きく成長していること。2010年と2017年を比べると市場規模は約5倍になっています。

 サントリーの思惑としては、無糖炭酸飲料の伸びから、その消費者層をノンアルコールに取り込みたいというものがあるようです。 そして、ノンアルコールビールを飲むシーンを拡大したいと思っています。 そのためにペットボトルのラベルに飲むシーンを消費者がイメージするように描いています。 どんなシーンなのかというと、以下の3つです。

  『ランチ』
  『会議』
  『スポーツ』

『ランチ』は昼飯の時に、食事と一緒に飲んで欲しいというメッセージです。 レストランなどで焼肉定食を食べる時に、一緒に飲んでほしい。もちろん餃子定食でもかまいません。 ノンアルコールビールは夜の食事や居酒屋だけのものではないですよ、と訴えています。

『会議』の提案も大胆ですね。 会議の時に、お茶や水のペットボトルやコーヒー缶を持って参加する人はいても、 ノンアルコールビールを持って参加する人はあまりいないのではないでしょうか。 しかし、サントリーは大胆に会議で飲みましょうと提案しています。
 実は、この新商品透明になった理由として、開発段階の試飲会の時、 「ビールの色がついていると、さすがに会議中に飲む勇気が無い」という言葉がきっかけだったそうです。 透明なら、傍から見たら炭酸水を飲んでるようにしか見えないから、いいんじゃないかと透明にしたそうです。

『スポーツ』は、水分補給ということですね。 従来、スポーツ飲料や清涼飲料が主流で、炭酸飲料を飲む人も増えてきました。 それならノンアルコールビールでしてみてはいかがですかという提案です。

 この商品開発の責任者の方はまだ33歳で、若い人の発想を生かして商品化したということです。 もちろん、商品化はお金がかかりますので、山田賢治社長とも開発段階で議論が白熱したらしいですが、 最終的に「やってみなはれ」と社長がそのチャレンジ精神にOKを出したとテレビの取材では言われていました。

 ここで参考にすることは、やはり『挑戦』ということでしょう。 今までの業界の常識にこだわらず、新しい挑戦をするところです。 社員からそういうアイデアが出て来るほど、社長としては嬉しいことはないと思います。
 もちろん、社長はそういうことを歓迎するような考え方の普及や仕組みをつくる必要があります。 例えば、成功の反対は失敗ではなく、成功の反対は、何も挑戦しないこと。 というようなことを明確にし、真摯な失敗の責任を問わない度量が必要でしょう。

 それでは、この新ノンアルコールビールは売れるでしょうか?
  発売予定日:6月19日
  価格:150円

 コンビニでは、アルコールが置かれている棚に置く予定だそうです。 そうなると、サラリーマンは昼間からアルコールの棚をチェックすることは少ないと考えられるので、目立つ何かを考える必要があります。
 もし、普通の炭酸水が置かれている棚に置くことになるとどうでしょうか? これも、問題があり、炭酸飲料のビール味となると、ノンアルコールビールとしての価値が低下します。 結構販促が難しいかもしれませんね。
 何をするにも知恵が必要ということですね。
 いずれにしても現場では、現場改善サイクル(OIJA)を早く回して、最適解を見つける必要があるでしょう。

 では、ホールでの活用はどうでしょうか?
  〇サントリーの新ビールとして景品にする。
  〇屋台の焼き鳥屋を呼んだ時に、この販促キャンペーン商品にする。
  〇200円未満なので、総付けの商品としても配布可能ですね。

 とりあえず、透明でペットボトルに入っているという挑戦的な商品です。 話題性があるので、ホールの企画に活用できるのではないでしょうか。

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 焼肉店「ワンカルビ」の戦略から改善のヒントを考える!

 月曜日のWBSで焼肉店チェーンのカルビワンが特集で出ていました。 この焼肉店は家から比較的手近いところにあり、子供がいる時には食べに行ってました。 このお店の「ワンカルビ」という名前の肉が特に美味しく、よく注文していました。

 この焼肉店のワンカルビは、食べ放題が基本で、肉の種類は40以上あり、サイドメニューも豊富で全品95種類もあります。 制限時間は2時間。肉は注文を聞き、持って来てくれます。

 この焼肉チェーンが関西で66店舗、九州で12店舗展開しており、今年東京へも進出し勢いがあるとのことでした。 そして最大の特徴が、高齢者の利用者が多いということで、取り上げられていました。

 高齢者層の多い理由は何かといえば、価格体系に工夫がしてあるというのです。 基本的にこの店の「食べ放題+95品」の価格は3580円なのですが、 年齢によって以下のような割引を行っているのです。

 基本価格   3500円(税込 3866円)
 50歳代    3220円(税込 3477円)
 60歳代    2860円(税込 3088円)
 70歳以上   2500円(税込 2700円)
 小学生    1790円(税込 1933円)
 4~6歳     500円(税込 540円)
 3歳以下    無料

 70歳以上になると1000円以上も安くなり、これなら食べても損はしないだろうと思わせるものになっています。
 高齢者の心理としては、「年を取るとそんなに多くは食べられない。だから食べ放題はもったいない」というものがあります。 だから、家族がお祖父ちゃんやお祖母ちゃんをを誘っても、もったいないからと行きたがらない。
 でも、1000円以上安いとなれば、自分なり納得感があり、息子の家族と行くのにも気軽に参加できる。 もちろん、高齢者同士の付き合いの中で、食べ放題にいくハードルも下がります。
 焼肉を食べる時に、わざわざ「ワンカルビ」に行こうと言っても、誰もが納得する理由(誇れるもの、納得するもの)を作っています。 これは、コミュニティホールの必要条件の3番目に取り上げていますが、商売繁盛のためには結構大切なポイントです。

 でも高齢者は肉を好んで食べるだろうか?という疑問を持つ人もいるかと思います。 実は年代別の一日当たりの肉の摂取量は、ここ10年で40%以上もアップしているのです。

      2016年  2016年  対比
 60歳代   55g   84g  52%
 70歳代   47g   66g  40%

 年を取ると魚などのあっさりしたものを好むというのは昔の話で、最近の高齢者は肉もよく食べます。 1回の量は多くなくても、それなりの肉は食べたいと思う人は多くなっています。

 肉は高齢者合の健康に悪いのでは?と思っている方は、 PHPから出ている『肉を食べる人は長生きする』柴田博著 《日本応用老年学会理事長》を読んでみるのもいいかもしれません。
 肉を食べると太るとか、コレステロールが増えるとか言われていますが、健康な高齢者は肉 を常食としていることが多いそうです。
 この書では、様々な地域で100歳以上の高齢者の調査を行ってきた柴田さんが、 100歳以上方の共通項を分析し、健康寿命を伸ばす正しい健康習慣を提案しています。 来店しているお客様には、できるだけ健康で長生きしてほしいという思いはあると思いますので、 この本のポイントをホールで紹介するのも悪くないかもしれません。

 話をカルビワンに戻します。
 ワンカルビは、東京出店に際し、高齢者の人口構成の多い地域を調べて、出店しています。その様子をWBSで紹介していました。

 ワンカルビを経営している株式会社ワン・ダイニングの高橋淳社長は、高齢者をねらう理由を次のように言っていました。
 ひとつは、今後60歳以上の方が増えてくる成長市場であること。 そして、高齢者の方は夕方5時過ぎとか、比較的早くから来店する方が多く、メインとなる6時から8時の客層とダブルことが少ない。 つまり、上乗せで稼働をアップさせることができる、と言います。 それに、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんが孫を食事に連れて行くことも多く、その選択肢の中に焼肉食べ放題が入るということになります。 目の付け所は良いと感心します。

 ところで、みなさんは、高齢者の方向けのサービスを開発していますのでしょうか? もちろん店舗の立地によっては、通勤客が多く高齢者が少ない店舗もあるでしょう。 しかし、高齢者の方が多いというのであれば、高齢者向けのサービスを真剣に考えて見るのも悪くないと思います。

 但し、センスの悪いサービスをしてもダメですよ。 昔、椅子にシルバー専用シートと書いて、高齢者にゆったり楽しんでもらうようにしたというホールがあったと聞いたことがあります。 もちろん失敗しています。 これは別にサービスではないですし、高齢者心理を考えるとまったく面白くない対応と見えます。 でも考えた方は稼働を上げるために真剣に考えたのでしょう。

 真剣に考えるイコール良い企画とは限らないので、チェックは必要ですね。 一番良いチェックは、企画を実行する前にお客様に訊いてみることです。 コミュニティホールの十分条件の6番目として、お客様の要望を聞くとしていますが、 その応用と考えれば、すぐに手法を思いつくと思います。 そこまでしなくても、関係づくりができていれば、スタッフに頼めばすぐ確認できると思います。

 高齢者の増加は確定されて未来なので、 早めに魅力的なサービスを作りあげて下さい。 このワンカルビさんの戦略はよく考えていますので、ヒントになると思います。

 ちなみにこのワンカルビさんは、年齢は自己申告だそうです。 趣旨からすると当然そうあるべきでしょう。

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 天草の滋味「ヒトデ料理」からに会社経営を考える???

 みなさんは「ヒトデ」を食べたことがありますか? 私は鳥取の海辺の漁村で生まれましたが、食べたことはありません。

 今朝起きて読売新聞の日曜版を見ていると、「ヒトデ料理」の記事が出ていました。 この時初めてヒトデが食べられることを知りました。
 ヒトデは棘皮動物(きょくひどうぶつ)でウニと同じ仲間なのです。 ウニと同じように生殖巣(せいしょくそう)と呼ばれている栄養細胞があり、 それを食べることができるのです。 味は、ウニを少し苦くしたような味だそうです。 食べると意外に美味しい癖になる味とのことです。

 天草地域で、食用としているのはマヒトデで、このマヒトデのことを「ゴホンガゼ」と呼ぶそうです。 実はウニを「ガゼ」と呼んでおり、まさにウニに五本の足があるというようなイメージの呼び名です。

 マヒトデの生息域は、九州から北海道まで日本中ですが、食用としているのは、この天草地域だけらしいです。 理由としては、水質が悪い海で育つと有害物質を蓄積しやすい。 だから、同じマヒトデでも、天草と水質などの環境が違う地域で食べるのは危険だそうです。

 ここから会社経営を連想するとどういうことが言えるのでしょうか? (研修を受けた方は、読む前に『抽象化思考』をしてみてください)

 ひとつは、食わず嫌いということが言えます。 今までにやったことのないことは、なかなか取り組むことはできません。 恐らく現状との違いが大きければ大きいほど、 社員の目には、ヒトデのように見えるのかもしれません。 だから、社員は食べたがらない。やりたがらない。ということになります。

 対処法は、本質は何かを見ることになります。 ヒトデとウニは同じ棘皮動物と分かれば、形は違うが基本的構は同じと分かります。 そうすると違和感は緩和されます。ちなみにナマコも同じ棘皮動物です。

 もう一つは、マヒドテを食べているからと、どこのマヒドテでも食べられるわけではないという点です。 どういうことかと言えば、他のホールでやって成功しているからといって、 安直に自店でやったとしても成功するわけではないというのと同じです。

 例えば、成功事例として業界誌やセミナーで、あるイベントやサービスが紹介されていたとして、 それが同じ地域の競合店でマネをしていない。 あるいは、成功事例として以前に紹介されているけど、他の店舗でされていない。 こういう場合は、「天草のマヒトデ」と同じような理由があるかもしれないということです。

 つまり、天草のマヒトデは食用とするための条件がそろっているから食用であり続けているということです。 その条件とは何かを考えることなく、いきなりマヒトデを捕まえてきて食べても消化不良や体調を崩してしまうのと同じす。
 したがって、他店で成功しているからと言って、その行為だけに目を奪われるのではなく、 なぜ、そのイベントやサービスが成功しているのか、成功するための環境(条件)を把握することが必要ということです。 同じ他店視察に行っても、この環境(条件)に気づくかどうかがカギとなります。

 業績を改善するためには、従来と違う新しいことにチャレンジする必要があります。 新しいことにチャレンジするイメージとして、「ヒトデ料理」をヒントにしてみました。

 なお、この天草のマヒトデですが、一昨年4月の熊本地震以降、数が激減しているそうです。 地震との因果関係はわからないそうですが、漁にでてもなかなか取れない日もあるとか。 ホールも同じですが、ここもヒトデ不足となっているようです。

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 未病ビジネスという発想をホール運営に取り入れる!?

 先月の末、神奈川県に未病バレー「BIOTOPIA(ビオトピア)」という施設がオープンしました。 広さは60ヘクタールと大きく、東京ドーム13個分ぐらいあります。 これは、神奈川県、株式会社ブルックスホールディングス及び大井町の三者が進めている事業です。

「BIOTOPIA」は県が運営する体験型施設で、未病を知り、 楽しみながらライフスタイルを見直すきっかけを得ることを目的としています。 そして、自然豊かな広大な敷地を活かし、食、運動、癒しを通じた様々な未病改善の取組が実践できるものになっています。

 特に未病改善体験施設「me-byo エクスプラザ」は、お子さんと行っても十分楽しめそうな施設です。 歩行機能の確認テストや歩く姿勢をコマドリ写真で撮り確認できるとか、また反復横跳びなどもあり、 運動ができる服装で行き、自分自身の現在の運動機能のチェックができます。 もし近くなら、連休が明けたら、「このBIOTOPIA」に家族と一緒に行かれてはいかがでしょうか?

 ところで、みなさんは『未病』という言葉をご存知でしたか? 未病とは、健康でも病気でもない状態を指します。 東洋医学の言葉だったと思います。 「あなたは健康ですか?」と訊かれて、健康とは言えないけれど、病気でもないよね、という状態ってありませんか? これが未病です。

 この未病の状態を放っておくとダンダン健康を損ね病気へと移行していきます。 そうなると病院に行って診断や治療を受けることになる。
 国としては、未病の段階で生活習慣などを改める必要性に気づき、 健康を意識した生活を送るようにしてもらうことが、好ましいと考えています。 特に国家予算の多くを国民の医療費に使っている(平成27年度の国民医療費は42兆3,644 億円)ので、 出来る限りそれを抑制したいというところが本音でしょうね。
 もちろんこの負担は私たち国民の税金で賄うことになるので、 私たち自身も病気にならないように、未病の段階で健康になるように意識をする必要があります。

 この『未病』から『健康』へと向かう行為にインセンティブをつけて、応援することは広い意味での社会を良くする行為につながります。
 自然な形で国民を健康に導く。素晴らしいことではないでしょうか。 このような健康を意識させるビジネススタイルがこれから増加していくと考えられているようです。

 例えば、第一生命では健康診断を受けた証明を契約時に見せると保険料が1割から2割安くなります。 このような保険を売り出すことで、健康診断に対する意識を高め、健康への意識を高める効果があります。

 パチンコ業界としてもこのようなスタイルをホール運営に取り入れて、 パチンコユーザーの健康促進を図ることを考えるのは悪くないと思います。

 例えば、お客様の健康のためということで血圧計を置いてるホールがありますが、 それだけでは利用する人が限られてしまいます。
 そこで、お客様が血圧を測ったことをスタッフに申告してもらうことにし、それをホールが毎回記録する。 コミュニティホールをされているホールでは当たり前ですが、会話のネタですよね。 そして、ワゴンサービスと連携して、青汁などの健康によいドリンクの割引券をお客様に渡す。 そこまでしなくても、通常のコーヒーの半額券を渡す。
 お客様は血圧を測ることで健康を意識し、ホールは継続した関係づくりのネタになる。ワゴンも販促になる。 こんな感じですね。

 健康と言うことでは、お客様に縄跳びを貸し出して、100回跳んでもらったら、〇〇をするでもいいかもしれません。 とにかくお客様の健康を増進させるものやきっかけを作っていく。 発想力の勝負です。

 高齢者の利用が多いホールでは、お客様がいつまでも健康で足を運んでもらうことが大切なので、 早い時期にホール運営の中に”未病ビジネススタイル”を取り入れることは意味があることだと思います。

※発想がでない第一の原因は知識の不足です。次に思考の硬直(こうちょく)です。 思考の硬直を防ぐには、弊所でやっている研修を受けてみるのも一つの方法です。

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 ローカル線『いすみ鉄道』の地域との在り方を参考にする!?

 昨日、平成筑豊鉄道の再生の取り組みについて書きました。 自分たちの駅、自分たちの鉄道と思ってもらうために、一緒に作業をすることは非常に大切なことだと思います。 では、その結果、その先の地域住民や利用者との関係はどうなっていくのでしょうか?

 鉄道会社がお客様と仲良くなる。地域住民と仲良くなる。 その先がイメージできると、今の取り組みの方向性が明確になると思います。 その先と思える事例が『いすみ鉄道』と地域との関係です。

 いすみ鉄道は、千葉県にあるローカル鉄道です。 全長26.8kmで駅は始発と終点を含めて14駅しかありません。 社長の鳥塚亮(とりずかあきら)さんは、2009年に経営立て直しの公募で選ばれた方です。 鉄道マニアでいすみ鉄道を良くするために様々な改革を取り組んでいます。

 この鉄道の経営が苦しいのは、やはり平日の乗客数が右肩さがりで採算がとれません。 そこで観光鉄道化を行い、土日祝のお客様を取り込み頑張っています。 例えば料理を出すお刺身列車、お酒が飲める居酒屋列車。販売店にはムーミンとのコラボ商品も並んでいます。

 実は、この鉄道会社には地元や鉄道ファンで構成された応援団が結成されているのです。 この鉄道会社を潰したくないという人が集まって、 鉄道会社のイベント手伝いをボランティアで行ったりしています。

 土日祝限定だと思いますが、駅弁も女性の応援団のおばちゃん方が作って、 男性応援団が駅弁を販売しています。

 また、この沿線に大多喜高校があり、生徒会が中心となり「いずみ鉄道対策委員会」というものをつくり、 駅の清掃を月1回ボランティアでしています。 そして、生徒さんからの提案でイベント列車も走らせています。 例えば「マンドリン・ギター列車」。 大多喜高校のギタマンクラブ員が20名ほど乗り込み、列車の中で演奏会をするというものです。
 高校生にとって電車は重要な足なので、いすみ鉄道が潰れて廃線になると、たいへんなことになります。 そのために一緒に頑張っているのです。

 地域の人や高校生、それに鉄道ファンが一緒になって応援してくれる。 昨日ブログに書いた平成筑豊鉄道もこんな感じになっていくのではないかと思っています。

 パチンコホールも同じで、このホールを無くしたくないという方をどれだけ増やせるかが、 今後の勝ち残りを考えた場合、重要な視点ではないでしょうか。

 そのためには、お客様や地域の人達から、このホールは無くなると困る。 あるいはこのホールは残すだけの価値があると思ってもらう必要があるということです。

 コミュニティホールを取り組まれている方は、 そういう視点を盛り込んだ運営になっているか、 確認していただくことをオススメします。

 価値のある取り組みをコツコツと積み上げる行為を続けていくことが、 自店の応援団を形成する土壌となるのではないでしょうか。

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 『平成筑豊鉄道』の再生への取り組みを参考にする!?

『ガイアの夜明け』という番組で、地方のローカル線の取り組みを取り上げていました。 その中で参考になると思ったのが、平成筑豊鉄道の再生への取り組みのやり方です。

 平成筑豊鉄道は、JR博多駅から1時間ぐらい離れたところにあり、自然豊かな場所にあります。 この鉄道は第三セクターとして運営され、社長を公募していました。

 社長になったのは、河合賢一さんという方で、社長に就任後、 この鉄道の問題を把握するため、利用者の声を直接聞くという行動を起こします。

 利用が多かったのが中高一貫の福岡県立育徳館中学校・高等学校の学生さんで、 全校生徒の約1割にあたる100人が利用していました。

 そこで河合社長自ら学校へヒアリングに行きます。 教室で8人ぐらいの学生から平成筑豊鉄道の印象を聞くと次のような感想が返ってきます。
 「駅が暗い」
 「殺風景」
 「清潔感が無い」
 「夜は恐い」

 実際、学校の最寄り駅である「新豊津駅」(無人駅)に行ってみると、指摘のあった通りの状態。 資金難を理由に駅の清掃も改修も行われていませんでした。

 そこで河合社長は、改修デザインを以前から知り合いであった水戸岡鋭治さん(鉄道デザインの大御所)に依頼をします。 そのデザインを基に改修を行うのですが、駅に愛着を持ったもらう為に、育徳館の学生さんに手伝ってもらいます。 番組では、学生さんが駅にペンキを塗るなどしていました。

 そして出来上がった駅を見ると、駅の掲示板があったところに大きな額縁だけがかかっており、 今後、育徳館の学生さん達の絵などを飾る予定にしているとのことです。

 お気づきのように、お客様の要望を自分たちがだた応えるというようなスタイルにしていないと言うことです。 お客様にも手伝ってもらうというのがポイントです。 番組で言っていたように、駅に愛着がわく可能性は非常に高いと思います。

 これは、ホールでも同じことが言えます。 コミュニティホールの十分条件の中に「お客様のホールに対する要望を知る仕組み」というものがありますが、 お客様の要望を聞いて、それをただ実行すれば良いというわけではありません。 一番良いのは、この平成筑豊鉄道がやったようにお客様を巻き込むことです。 巻き込むことで一体感が生まれ、仲間意識が生まれます。

 一緒に作り上げることは、仲間意識の醸成には非常に役に立ちます。 だから、完成した駅に額縁を設け、学生さんの絵などを貼るという行為も、 駅を一緒に作り上げることになるので、これも仲間意識を育てます。

 考えて見るとホールでもお客様の手を借りて、完成させることができるものがあるのではないでしょうか。 あれば、お客様を自然に巻き込む方法を考えて実行すると、お客様との距離が縮まり、コミュニティが加速します。 お客様と一緒にできる仕事を探してみてはいかがでしょうか。

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 星野リゾートの都市観光新ブランドOMOを参考にする!?

 みなさんは、『都市観光地域リゾート構想』と聞いて何をイメージしますか? 私は、地域密着戦略の新たなコンセプトではないかと感じました。

 実は、昨日のニュース番組WBSで星野リゾートの新たなブランドである『OMO(オモ)ホテル』の特集をしていました。 OMOブランドは昨年10月6日に発表され、ホテルを中心とした都市観光型地域リゾート構想を具現化するためのブランド名なのです。

 昨年の発表では、今年の春に北海道の旭川と東京の大塚でオープン予定とし、大阪でも新今宮にできる予定です。 地域リゾート構想とはどのようなものか楽しみにしていました。 昨日のWBSは、東京大塚の6月オープンに先駆けて、その内容を取材したもので、見ていて感心するものがありました。

 大塚にできる星野リゾートのホテルは、「OMO5 東京大塚」でJR大塚駅の近くです。 宿泊料は、1泊7000円~とビジネスホテル並みの値段になっています。 そして部屋の広さも19㎡とこれもビジネスホテルサイズなのですが、工夫があります。 ホテルでゆったりくつろげるスペースを作っています。 例えば、室内に階段があり、ベットは2階にあり、1階はくつろげるマットのようなものを置いてあります。 また、階段も収納階段にしてあり、意外とモノが整理して置けます。

 この部屋は、ただ寝るだけでなく、テンションがあるがる部屋作りということで、 部屋に帰って来てから、話をしたり、くつろいでもらえる工夫をしています。 番組を見ていて、都市型観光事業に参入するというだけあって、 観光の楽しさを意識した部屋作りを追及していると感じました。

 面白いのは、ホテル周辺の地域を丸ごとリゾート地域として考えるというものです。 ではそのコンセプトをどのように具現化しているのでしょうか?

 番組を見ていると、ホテルの1階の壁にホテルを中心とした、高さが2m幅が3mほどある簡単な地図がありました。 そこに手作り感のある感じで、お勧めする店舗が地図に貼ってありました。 宿泊されたお客様に、周辺の面白い人気のある店舗を紹介しているのです。

「そんなのうちのホールでもやってるし、隣のホールでもやっているよ」と言われる方もいるかもしれません。 これだけだったら珍しくも何にもありません。

 面白いのはここからです。 何とこの店舗などにスタッフが要望があれば、一緒に連れて行ってくれるというのです。 その案内スタッフは、「OMOレンジャー」と呼ばれています。

 どこに案内して欲しいかは、コースで選べます。

  レンジャー名     料 金   得意分野(大塚)
  OMOグリーン    0円(無料)  散歩
  OMOレッド   1000円/2時間  はしご酒
  OMOイエロー  1000円/2時間  昭和レトログルメ
  OMOブルー   1000円/2時間  大塚のニューグルメ
  OMOパープル  1000円/2時間  ナイトカルチャー

 番組では、「OMOパープル」を頼んで案内をしてもらっていました。 1件目は、タイタンズというクラフトビールのおいしい店。 2軒目は、スナックサンライトというスナック。

 スタッフが先に入ってお客様を連れてきたことを伝え、一緒に同席していました。 もちろんお酒は飲んでいません。 ホテルのスタッフが店のスタッフを紹介し、お勧めなどを聞いたり、 スムーズな会話ができます。

 2軒目も同じで、スナックのママさんにお客様が来たことを伝え、同席。 外見から見て、まずひとりでは行かないだろうと思える少し小汚い感じのスナック。 地元の人は行くだろうが、観光客はちょっと行かないようなところです。 スタッフが率先して入っていくので、気楽に入れるという感じがしました。 ホテルのスタッフがついて来ているので、ぶったくりはないだろうという安心感があります。

 ここが凄いところで、恐らく情報を紹介しただけでは、行かないようなところに足を運ばせているということです。 いくら情報を提供しても行かなければ価値はゼロです。旅の思い出にはならず、お客様にとっては何もしてもらっていないのと同じです。 だから、このOMOホテルの工夫は大変価値があるのです。

 インタビューに応じたスナックのママは、普通なら観光客は来ないのに、 わざわざ連れてきてくれるとたいへん喜んでいました。 まさに正義の味方であるゴレンジャーの登場という感じです。

 このように実際にホテルのスタッフがお客様を連れてくるのだから、 店にとっては、ホテルが繁盛してくれることは、たいへんありがたいことと思っているという感じが伝わってきました。
 星野リゾート自体は、地元のホテルではありませんが、 これだけのことをしてくれるのではあれば、地域に在って良かったと地元の人が喜ぶのも無理はありません。 まさしく地元密着型の経営ではないでしょうか。

 ポイントは2つです。 ひとつ目は、OMOホテルはお客様(宿泊客)の知らない情報を持っている。 ふたつ目は、お客様(宿泊客)と一緒に行動する。

 これにより、情報が生かされ、宿泊客は今までにない体験をする。 素晴らしいですね。 もちろん地元店舗さんとの事前交渉は手間がかかり大変と思いますが、 確実に喜ばれると思います。

 そして同伴したスタッフとお客様が仲良くなる可能性が高まります。 また、同伴先の店舗の社長やスタッフと仲良くなれます。 コミュニティホールづくりには打ってつけの企画です。

 もちろん、このOMOの地域リゾート構想を参考にして、 十分条件の9番目の地域共生を充実させる自店なりの企画も考えることができると思います。

 もし、アイデアが浮かばないとしたら、実際のこのOMOホテルに泊まってみてはいかがでしょうか。 現場で実際にサービスを受け考える。 宿泊代はそれほど高くはありませんし、東京出張の時には良いかもしれません。 6月の中旬にはオープンしてると思いますよ。

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