本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

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経営のヒントになりそうに思ったこと

 □□□ 2019年8月の目次 □□□

 ホテルのアメニティ業界のメーカーの対応から学ぶ!

 みなさんはホテルのアメニティグッズを持ち帰ることはありますか?
 観光旅行に行ってホテルに泊まると、ホテルのアメニティ商品(ミニシャンプー、ミニリンス等)を持ち帰る人が多いそうです。 持ち帰る理由は、旅の記念にしたり、コレクションで集めている、あるいはまだ使い切っていないので持ち帰るなど様々です。 このホテルのアメニティ業界に異変が起きているとニュース番組のWBSで特集をしていました。

 異変の原因は、資生堂がホテルのアメニティ業界から撤退したのです。 撤退理由は、資生堂の売上が好調であり、さらに売上を上げるため、伸びる分野に資源を集中するために、 今のホテルのアメニティの製造ラインで別の製品を作るというものです。 ホテルのアメニティ製品は薄利多売の業界なので利益が取りにくいと言われています。 資生堂からすると魅力が無い業界なんですね。 実際2018年の12月にアメニティ製品の販売を終了しています。

 資生堂がホテルのアメニティ業界から撤退したので、困るのはホテルです。 アメニティを出さないわけにはいかないので、急遽他のメーカーにお願いして作ってもらうしかありません。 WBSでは「アパホテル」が「サラヤ」さんに依頼して作ってもらっている事例を紹介していました。 資生堂は何と言っても日本の化粧品のNo.1ブランドなので、宿泊するお客様の印象も良かったと思います。 それが急に他のメーカーになれば、人によってはサービスを低下させていると感じるかもしれません。

 でもこの状況はホテルのアメニティを作っている会社からすると大きなチャンスです。 一気に売上を伸ばすことができます。 パチンコ業界で言えば地域の一番店が急に営業を中止したのと同じですね。 そこに行っていたお客様が、仕方がないので他のホールを探している状態です。

 WBSでは2つのメーカーを取材していました。
 一つは「メディカルスペース」というメーカーです。 ホテルからの問い合わせが殺到し、生産数が前年対比2倍になったそうです。 課題は生産力にアップということです。 これまでアメニティ作りは手作業でしていたので生産が追いつかない。 そこで2億円をかけて工場を増設し、機械化をしていくとのことです。

 もう一つは「バルクオム」というメーカーです。 男性用にスキンケアを販売していた会社ですが、この機会にホテルのアメニティ業界に本格的に参入してきました。
 このバルクオムは「今までの薄利多売から、より高品質で継続して使いたいと思ってもらえるものを作る」ということで、 アメニティのデザインや品質に力を入れて、高級ホテルに自分たちのアメニティ製品を売り込んでいます。 もちろん単に購入してくださいというのではなく、高級ホテルのコンセプトにあったデザインと品質を作り提案営業をしています。 提案したアメニティがホテルのイメージに合えば、ホテルは価格が多少高くても購入してくれると取材で答えていました。

 みなさんは対応が違う2つのメーカーの話を聞いて、どう思われたでしょうか。 前者の「メディカルスペース」は規模を拡大して、ただ単に現在のアメニティ市場の穴埋めをしていくというものです。 一見ラッキーに見えますが、構造的リスクを内在させています。 それは製造力だけを強化しているからです。 製造力強化は他のメーカーでも簡単にできます。 そのうち市場の穴は埋まります。
 現在は東京五輪の影響でホテルの客室数は増えているので、問題はありません。 しかし、その後減少に転じてくるとどうなるでしょう。 5年先、10年先に業界が過当競争になったり、縮小したことを考えた場合、どうなるでしょうか。 採算をとるために、拡大した生産ラインを維持しなければならず、そのために、販売数を維持しなければならなくなります。 そうなると薄利多売に拍車がかかり、苦しい経営を強いられることになります。

 後者の「バルクオム」は商品開発力と商品提案力をアップして、他メーカーでは真似のできないアメニティ商品を販売しようとしています。 現在の課題として自社ブランドの認知度を向上させて、消費者の方からも支持されるメーカーとなっていくことです。 そのために高級ホテルをターゲットに顧客開拓をしています。 高級ホテルに泊まったら「バルクオム」のアメニティが結構ある。 高級ホテルが「バルクオム」を使うのは、「バルクオム」が高級ブランドだからだ、というように誘導したいと考えているようです。 そして、ホテルの選択基準の一つとして「アメニティ」が加わり、自社のアメニティがホテルにお客様を呼び込むまでにしたいと考えているようです。 この会社の戦略では、業界が縮小しても価値を認めてもらって、ホテル業界から大切にさせるという手が打たれているように思います。

 両メーカーとも環境の変化に合わせて施策を実行しています。 しかし、その施策には違いがあります。 今の打ち手が3年先、5年先の将来どのような形で自社に帰ってくるかを考えることは大切です。 自社の未来はいつ作られるかということになると、まさに”今”作られていると言えると思います。
 毎日お忙しいとは思いますが、たまには時間をとって、将来のイメージと今の施策との間に乖離がないか、 チェックする時間を持つことが必要ではないでしょうか。
 また、ホテルのアメニティ業界のメーカーの話をパチンコ業界に置き換えて、自店や競合店は「メディカルスペース」型の経営をしているのか、 「バルクオム」型の経営をしているのかと考えてみるのも、何か経営改善のヒントになるかもしれませんね。

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 コンビニ本部の深夜営業への対応姿勢から学ぶ!

 コンビニの24時間営業が問題となって、結構月日が経ちます。 24時間営業をあっさり辞めるのかと言えばそうではなく、いろんなことを試しています。

 8月22日(2019年)からローソンは深夜営業の無人運営の実証実験を始めました。 「スマートコンビニ」ということで、店舗を無人で対応し、購入から決済までをお客様自身で完結する営業スタイルです。 深夜0時から朝の5時までは原則として無人営業店舗となります。

 どのようなスタイルかというと、 0時になると店舗に鍵がかかります。 入店のためには、カードか事前に登録された顔認証が必要です。 店内は通常スタッフがいるカウンターは閉まっており、 スタッフが直接売っているタバコ、ファストフード、チケットなどは購入できません。 また、お酒などの年齢確認のいるモノも購入できません。 監視カメラは通常7台ぐらいですが、この店舗は約30台とお客様の行動をあらゆる角度から監視できるようになっています。 防犯の抑止力も兼ねているそうです。 お客様は自分の好きな商品を持ってセルフレジで決済します。 そして退店という流れです。 顔認証などのシステムや監視カメラやセルフレジの導入など費用もそこそこ掛かりそうですが、 実際、効果がどれだけあるのか実証実験するということです。

 ところで、コンビニの深夜営業の売上割合は何%だと思いますか?
 実は6%ほどだそうです。 その6%の売上を守るために、費用をかけて「スマートコンビニ」をする価値があるのでしょうか? 深夜営業の売上では、人件費や光熱費を考えると採算が取りにくいのは事実です。 深夜営業が赤字なら思い切って営業を止めれば、売上は下がるが利益は上がるはずです。 最終的に利益を最大化をするということでは、コンビニ本部もあっさりビジネスモデルを変更すれば良いのにやろうとしていません。

 実は、コンビニ本部は実証実験ということで、一部の店舗で深夜営業を中止するとどうなるかを試しています。 その結果どうなったのかというと、深夜営業を中止すると昼間の売上が下がり採算が悪化することが分かったそうです。 深夜売上6%だけなら、コンビニ本部は加盟店に深夜営業を選択制にしたかもしれませんが、 昼間の売上が下がるということは、他店に売上をとられるということなので、 コンビニの生き残り競争に負けてしまうことを意味します。 これではマズイので、深夜営業の最適なスタイルを模索するためのいろいろな取り組みをしており、 その一つが今回の「スマートコンビニ」ということです。

 競争が激しくなると一つに打ち手の間違いが致命的になります。 もし仮に加盟店からの要望があるからと『深夜営業は各自で判断してください』としてしまうと試しに加盟店が深夜営業に取り組むでしょう。 そうなるとこのチェーンは深夜営業をしないというイメージがついてしまいます。 こうなると業績が悪くなったからと元に戻してもなかなか売上は基に戻りません。 お客様にこちらが好ましいと思うイメージを刷り込むことは難しいことは、みなさんご存知の通りです。 逆に好ましいイメージが壊れるのは早く、あっと言う間です。

 これはパチンコ業でも全く同じだと思います。 昔、出玉イベントができた時、特定日を強化しているホールが結構ありました。 出玉をして、それにプラスしてイベントで期待感をつくり、稼働が良かった。 その特定日に人が集まり出すと、さらに強化日を増やして稼働を上げようとして失敗しているホールが結構ありました。
 失敗しているホールは、出玉と期待感の演出でお客様が来ているのに、この時点でお客様が特定日についた特定日のイメージが確立したと錯覚して、 出玉をやめたり、期待感を煽らなくしてしまうのです。 ところがお客様は、店舗が特定日の強化を止めたと思い集まらなくなるというパターンです。
 そこから強化しても、お客様から見ると一貫性が無いと見えるので、特定日を信用せず、稼働が分散して集まらなくなってしまう。 こうなるとこれまで積み上げた努力が無駄になってしまいます。 それでも昔は市場環境が良かったから何とかなった。 でも今頃こんなことをしていては命取りですよね。
 こうならないためには、このローソンのように実証検証を行い、出玉を止めた場合どうなるのか、期待感を落とした場合どうなるのか、 お客様に分からないようにその影響を検証していく必要があります。

 基本的に特定日の定着化は、出玉をしなくても、さらに言えば利益をとっても、多くのお客様が来てくれるかどうかでわかります。 その上で他の日を強化する場合は、従来の特定日に対する不信感を与えないためにはそれなりの配慮が必要です。 そういう意味では、コンビニ本部が慎重に深夜営業の影響を検証実験などで確かめている姿勢は、 同じく競争が激化している業界としては、見習うべきものがあるのではないかと思いながらニュースを聞いていました。

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 1300台の新店一人勝ち地域の話から考える!

 ある社長から電話があり、情報交換をしていると、 ある地域で大手〇〇〇が1300台の店舗ができたために、周りの店舗が大打撃を受けたという話を聞きました。 こういう話を聞いて思い出す小話があります。

 斎藤一人という人のCDの中に入っている小話ですが、 ある商店街の中にある昔から営業している老舗うどん屋さん話です。 これまで商店街の中にうどん屋はその店舗しかなかった。 経営は順調で問題は無かった。
 ところがある日、商店街の一角にうどん屋さんが新規で出店した。 そうするとその日を境にお店の売上がどんどん減っていく。 今まで毎日来たお客さんも、新しいうどん屋に行ってしまう。 その時、老舗うどん屋の店主は 「最近の客は薄情だ、ちょっと新しい店が出来たというだけで、そっちに行ってしまう」 と言って嘆くというお話です。

 この話の後に斎藤一人さんは、店主の考え方がおかしいと言います。 店主は思い違いをしている。 ちょっと新しい店ができただけで客を取られる店は、それまで本当のファンを作ってこなかったからなんですね。 いつも行っているのにファンにならないということは、ホントは嫌だったけど他に行くところが無いから仕方なく行ってたということですね。 これまで我慢して食べてくれたお客様に感謝をしなければならないのに、 文句や愚痴をいうことはとんでもないことだという考え方です。

 実際のところ大手〇〇〇のノウハウが卓越していたのか、 或いはその地域の店舗が酷い経営をしていたのかは知りません。 しかし、もしファンを育てていたら、新しいとか、台数が多いとかはあまり関係が無くなります。 ファンはその店の運営が好きだからくるのであって、ファンにとっては私一番の凄い店なのです。 他にどんな素晴らしいものがあるかは関係ありません。

 自分のかかりつけ医師との信頼が来ていれば、 その医師がどの大学を出て医者になったとか、 本当に地域で一番の医師なのかは全然問題になりません。 これと同じです。

 この1300台の話を聞いて、パチンコ営業のやり方は、まだまだ改善ができるのではないかと思いました。 そして、多くのパチンコユーザーは毎日不満に思いながら遊技をしていることが分かりました。
 自店のファン作りの経営に取り組んでいる店舗は、本当にお客様はファンになってくれているのか、 検証しながら頑張って下さい。 おそらく、1300台の店にお客様をとられた店舗も、自分たちはファンを作っていると思っていたはず。 でも検証をしなかったので窮地に陥っている。 同じようなことは、あの超一流ホテルのリッツ・カールトンでもあったので、気を付けてください。

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 そうめん専門店の努力の在り方を参考にする!

 毎日、暑い日が続きます。 食欲が無い時でも、気軽に食べれる典型的食べ物と言えば、そうめんではないでしょうか。 そうめんの発祥は奈良県の桜井市になります。 そこに大和の国の一の宮(大和の国の土地神を統括している神様がいる神社)である三輪神社があります。

 大昔(1300年ぐらい前?)、そこの住んでる人に神様から声がかかり、そうめんをつくるようにと天啓があったそうです。 奈良では、そうめんと言えば「三輪そうめん」がブランドです。 でも値段が高いので、スーパーなどではあまり売られていません。 贈答用などが多いような気がします。 私も家で口にするのは、「揖保乃糸」など他地域のそうめんが多いです。

 奈良はそうめん発祥の地ということだけあって、毎年2月には全国のそうめん関係者が、 三輪神社に集まって、今年のそうめんの相場を占います。 神主の方が三輪の神様にお伺いをたてると、回答があるようです。 さすが「そうめんを作れ」とおっしゃった神様ですね。

 そうめんですが、皆さんは夏以外にも食べていますでしょうか? 多くの人は夏以外にはあまり食べない人が多いと思います。 そう考えると「そうめん専門店」という形態は、なかなか厳しい商売のように感じます。

 ニュース番組WBSに行列のコーナーがあるのですが、この間、行列ができる「そうめん専門店」を紹介していました。 そうめんはそうめんでも「半田そうめん」という徳島特有のそうめんを出しているお店で、東京の中野のある「阿波や壱兆」という店舗さんです。 半田そうめんは、200年の歴史があり、一般的なそうめんより太いのが特徴です。 そのためコシがあって、もちもちしているそうです。

 店主の田中嘉織さんは故郷の半田そうめんの美味しさを多くの人に知ってもらうために、10年前にこの店をオープンしたそうです。 でも、そうめんは夏がメインです。 すぐに飽きられてしまいます。 そこで田中さんは、”お客様に飽きられない”、”夏だけじゃない”と思われるような工夫をしようと決意して頑張ったそうです。
 そのために考案したメニューがなんと800種類。1年間で80種類、2週間で3つのペースで、10年間メニューを作り続けたということですよね。 実際に店に出すメニューは、定番メニューと週替わりメニューの9種類だけだそうですが、 その背景には凄い努力の積み重ねがあります。

 どうでしょうか? 同じ9種類のメニューでも、10コ考えて9種類の店と800コ考えて9種類の店とどちらが繁盛すると思いますでしょうか? 恐らく見た目には同じだと思います。 一回利用したぐらいでは分からにかもしれません。 しかし、その店に何回か訪れ、会話をするとどうでしょうか。 その店に行けば行くほど違いが分かるのではないでしょうか。

 ホール経営も同じです。 1回行って見えるものはしれています。 努力を積み重ねている店とそうでない店の違いはあまりわかりません。 中途半端な努力でも、タイミングが良ければ繁盛します。
 しかし、何回も行くと違ったものが見えてきます。 努力の積み重ねは、どこかににじみ出てきます。 それが分かった時、ファンになるのではないでしょうか。 だから繁盛し続けるためには、見えない部分が非常に重要になってきます。 その一つが誰もがする努力をできないレベルでやるということだと思います。

 メニューを考える。 これはアイデアです。 アイデアは努力することで出てきます。 「僕はなかなかアイデアが出て来ないんだよね」という人がいます。 はっきり言って努力が足りないということです。 それを恥ずかしげもなく言う人がたまにいます。 どこかズレています。 その人にアイデアを出すために何をしているか尋ねると良くわかります。 ほとんど何もしていません。
 アイデアは三輪そうめんの話のように神から天啓が下りてくるものではありません。 こまめな情報収集、アイデアを練る時間の確保、ヒントを見つける注意力です。 業績改善のアイデアが出ない人は、頭が悪いのではなく、アイデアを生み出す努力がたらないのです。

 半田そうめんを多くの人に知ってもらいたいと専門店を開き、 800種類ものメニューを考えた「阿波や壱兆」の田中さんの姿勢からは学ぶべきものが多いと感じました。

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 『カニカマファンクラブ』をコミュニティの参考にする?

 カニ風味の「カニカマ(蟹蒲)」ってご存知ですか?
 今、人気が出てきており、メーカーは増産をしていると同時に、 様々な「カニカマ」が開発されています。

 ウィペディアによると、「カニカマ(蟹蒲)」とは、かにかまぼこ(蟹蒲鉾)の略で、風味・食感・形・色などを蟹(かに) の身に似せて作られた蒲鉾(かまぼこ)だそうです。 「カニ」の文字は入っていますが、実際にはカニ肉は入っておらず、海外ですり身に加工し冷凍すり身として輸入されたスケトウダラを主原料とする場合が多いとのことです。 私は「蟹」の何かが入っているのかと思っていましたが、全然関係ないのですね。

 ニュース番組WBSでは、大手カネテツデリカフーズが生産ラインをフル稼働していおり、 7月「カニカマ」の売上が過去最高を達成したと報道していました。 カネテツデリカフーズの主力商品は、”カニではありません”というキャッチコピーで注目を集めた「ほぼカニ」255円(税抜)ですが、 開発を進め最近では「カニマッチ」160円(税抜)や「チキンにくん」160円(税抜)など若者向けの商品を出しています。
 かまぼこなどの練り製品のメイン購入者は60代以上なんですね。 このままでは伸びに限界が来るので、若い人をターゲットに新感覚の「カニカマ」を提案しています。 どこの業界もパチンコ業界と同じ悩みを抱えているということですよね。

 では新感覚とは何かというと、健康特にジムのトレーニングやスポーツに興味を持っている若者向けに、 たんぱく質補給の機能食品として食べてもらうことを狙ってます。 60代の人はかまぼこなどの練り物は、イコール酒の肴かオカズでしたが、そのカテゴリーとは違う栄養補給食品として売り出しています。 レトルト処理により、常温保存が可能になったことで、バックなどに入れて気軽に食べてもらうことができます。 同じ商品でも提案の仕方を変えることで、成長市場にシフトしていくというものですね。
 このカネテツデリカフーズの新商品は片手で食べられるようにしているということなので、 ホールでお客様の空腹を軽減する手軽な食品になるのではないかと思って見ていました。

 実は「カニカマ」をブログに書こうと思ったのは、WBSの中で東京の新宿屋台村の中に『カニカマファンクラブ』があると紹介していたからです。 『カニカマファンクラブ』は、「カニカマ」が好きな人が集まって、「カニカマ」の新しい食べ方を研究する会だそうです。 一昨年発足し、会員数は300人に達しているよのことです。 番組の中では、クラブのメンバーが自分が考えた新しいカニカマのレシピを持ちより、 新宿屋台村で試食用の料理を作ってもらっていました。
 新宿屋台村では、持ち寄ったレシピの中で良いものはメニューに加えてお店で出すということなので、 このクラブのメンバーは、お店運営の協力者になっていますよね。 もし、自分の考えた料理がメニューに加えられたら、食べに来るのは当然ですが、友人や知り合いを誘うと思います。 お店にとっては一石二鳥どころか三鳥のサークルになっています。

 この事例はコミュニティホールの中でのクラブづくりの参考にすることができます。 コミュニティホール十分条件の7項目目の他業界の参考事例ですね。 『カニカマファンクラブ』がやっていることは、テーマを決め、参加者が自分で研究し、それを発表し、試すことができるというものです。
 コミュニティでクラブを作っても、一方的に話を聞くだけ、あるいは与えられるだけではすぐに限界が来ます。 要するに面白くないのですね。 自分が主体的に活動できる場になっていないと充実感がありません。 それにお互いの意見交換ができないですよね。 そういう意味では、この『カニカマファンクラブ』はリンクして取り入れることができる事例ではないでしょうか。

 「カニカマ」自体も面白いですが、『カニカマファンクラブ』もリンク思考を使うと、 自ホールのコミュニティ化の参考になると思います。

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 併設飲食店を『ミクストラン』にして業績を伸ばす?

 『ミクストラン』という言葉をご存知ですか?
 異業種とレストランを組み合わせた造語ということです。 簡単に言えば『複合型飲食店』ですね。 でも、何かの施設に飲食店が併設されるのは珍しいことでは無いと思いませんか?

 ニュース番組WBSで紹介していた異業種は、トレーニングジムに併設しているサラダ専門店、文房具店の中にあるカフェ、 本屋の中にあるカフェ、ボーリング場にあるレストラン、コインランドリーに併設されているカフェ、 プラネタリュームに中にるカフェ、面白いところでは散髪屋に併設されているカフェなどです。
 おやっと思うモノもあれば、誰でも考え付きそうなものもあります。 なぜそれを今『ミクストラン』と呼ぶのでしょうか?

 ホワイトペッパーグルメ外食総研の上席研究員の有木真理さんは、WBSのインタビューで、 「別の業態と掛わせることで他社との差別化を図っている。 ターゲットにドンピシャの業態を作っていくのが今の主流」と言われてました。 要するにただの併設店では無いということですね。 併設することで、ある種のメッセージを消費者に出しているということなのです。 だからこれまでの併設飲食店と違うというメッセージを込めて、『ミクストラン』という言葉を使っているようです。

 例えば、トレーニングジムとサラダ専門店の組み合わせですが、 最初、トレーニングジムだけをしている時には、あまり認知されなかった。 ところがサラダ専門店を作ったところ、サラダに魅かれてダイエットやボディケアを気にする人が集まって来た。 そういう人にトレーニングジムの案内することにより、会員が倍になったと言っています。 サラダ専門店がトレーニングジムの集客機能を果たした事例です。

 パチンコ店に飲食店が併設されているのは、珍しいことではありません。 ある一定の規模の郊外店になると併設されているケースが多いと思います。
 ではそれは『ミクストラン』と言えるのか?
 有木さんの言葉を借りると、「それで競合店との差別化ができていますか?」ということですよね。 NOならそれはただの併設飲食店ということになります。
 また、こんな問いかけもできます。
「その飲食店を併設することで、店舗のコンセプトを明確にしていますか? あるいは、求めるお客様像を明確にしていますか?」
 いかがでしょうか? あなたのホールに飲食店があるとして、『ミクストラン』と呼べるでしょうか?

 呼べないならチャンスと考えて、差別化するための工夫をしてはどうでしょうか? ターゲット向けのメニュー開発でも良いと思います。 今あるパチンコ店の資源である飲食店を活かすことで、盆明けの稼働低下を防ぐという考え方も悪くないと思います。

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 日本軍敗戦の記録を反面教師として学ぶ!

 8月15日は「終戦の日」ということで、戦没者の追悼式典などが毎年行われます。 同時に太平洋戦争に関係した特集などもよく組まれます。 そういう映像を見ながら、太平洋戦争に負けたのは、日本の物資が少なかったのも事実ですが、 軍部自体の作戦のマズさが、大きな原因であり、その轍を踏まないように気をつけなければならないという、 反面教師的な見方になってしまいます。

 昨晩見たのが、ガダルカナル島(ガ島)にける陸軍最強を言われた一木支隊の全滅を取り上げたNHKの番組でした。 ガ島は、ソロモン諸島の中にあり、ハワイとオーストラリアを結ぶ地点になる島です。
 この島に最初に目をつけたのは日本軍で、ハワイとオーストラリアを分断するために、ガ島に飛行場をつくり制空権を確保して、 その領海のアメリカ船舶の航行を阻止するというものでした。
 しかし、ある程度工事が進んだ段階で、アメリカ軍が1万以上で上陸し、飛行場を占拠します。 1942年8月7日のことです。 アメリカからすると、ガ島はラバウルにいる日本軍に攻勢をかけることができる場所なので、ここを戦略拠点と定めて死守しようとします。

 これに対して日本の大本営は直ちに奪還作戦を起こします。 この時は海軍と陸軍は協力してガ島奪還を行うことを決めます。 そして翌日8月8日には、日本海軍の第八艦隊が、ガ島を占領した兵員輸送船とその護衛艦隊のせん滅に向かいます。 このスピード感は見習うべきものがあると思います。 しかしながら、作戦の実行に問題が出てきます。 何かと言えば、何のために行動をしているのかが、不明瞭なのです。 作戦目的が明確に現場の司令官(現場責任者)の認識されていないのです。

 第8艦隊は夜襲を行います。 日本海軍は夜目がきく(夜の暗闇の中で物を見る、見分けることができる)ので、夜襲を得意としています。 当時、日本人は目が良くて夜襲をして、成功体験を積み重ねていたのです。 作戦は見事に成功し、闇夜に紛れて輸送船団の護衛をしていた重巡洋艦や空母に近づき、これを撃破します。 ここまでは良かったのですが、さらに前進して輸送船団を攻撃することなく、引き返してしまいます。

 本来の目的は、ガ島のアメリカ軍の排除なので、兵隊や武器弾薬を満載している輸送船団を撃滅することです。 第8艦隊は護衛艦隊をせん滅したので、飛行場の近くに行きアメリカ軍の輸送船団を沈め、 アメリカ軍の野営地を艦砲射撃すればその後の戦局はかなり変わっていたと思われます。 アメリカ軍の補給を断てば、アメリカ軍は人命重視の掲げているので撤退することになり、日本陸軍の飛行場奪還作戦は成功したと考えられます。
 この報告を聞いた現地軍司令部の陸軍参謀長の二見秋三郎少将は、「ヤリ方、ナマヌルキコト多ク、全クキガシレズ」と手帳にその怒りを書いています。 しかし、海軍は護衛艦隊をせん滅したことで満足し、アメリカの空母からの攻撃の可能性を理由に、自己の正当性を主張します。

 テレビを見ながら、この反省の無さが海軍をどんどんダメにしていったように感じました。 なぜなら、この過ちは2年後の1944年10月に行われたレイテ沖海戦の失敗と酷似しているからです。
 日本海軍は、レイテ沖海戦の本来の目的であるレイテ湾にいるアメリカ輸送船団のせん滅をしていません。 別働隊の小沢艦隊が護衛艦隊のおびき出しに成功し、護衛艦隊のいないアメリカ輸送船団をせん滅できるチャンスをつくったにも関わらず、 主力部隊の栗田艦隊はなぜかレイテ湾に突入することなく反転して帰ってしまいます。 そのためフィリピンの日本陸軍の壊滅を早めることになります。

 そう言えば真珠湾攻撃においても、戦艦や巡洋艦を撃沈しただけで満足し、ハワイのアメリカ軍施設の破壊をせずに、南雲中将は日本へ帰ってしまいました。 これも同じパターンですよね。
 真珠湾攻撃の目的はアメリカ太平洋艦隊を長期に動けなくすることですが、軍施設が残ったハワイでは、沈没した戦艦や巡洋艦をすぐに引き上げ、半年後には戦力はほとんど元に戻してしまいます。 燃料タンクは無事ですし、軍艦の修理ドックが無事なので、軍艦の修理はすぐにできますよね。 そして、戦力を回復したアメリカ海軍は、東京への空襲を行います。 この海軍の目的遂行に対する不徹底さが、太平洋戦争ではやけに目につくように思います。

 話をガ島に戻しますが、アメリカは輸送船団が無事だったので、すべての武器や資材を陸揚げし、軍備を整え、飛行場建設を開始します。 8月18日になって満州にいた陸軍最強とうたわれた一木支隊の先遣部隊916名が一木清直大佐とともにガ島に到着します。 現地司令部の二見少将は一木支隊の攻撃に難色を示しますが、参謀本部から圧力がかかり、一木支隊の飛行場奪還作戦を実行させます。
 参謀本部が奪還作戦を急がせた理由は、アメリカ軍が飛行場を完成させると、制空権を奪われソロモン諸島の補給路が立たれるからです。 もう一つは、ガ島のアメリカ軍は2000人ほどと勝手に思い込み、陸軍最強の一木支隊なら勝てるだろうと判断したからです。 アメリカ軍は護衛艦隊が壊滅したので、恐れて兵を輸送船に乗せて引き上げたと、相手を見くびって推測をしていました。 だから、現地司令部に圧力をかけて実行させたのです。
 でも、実際の兵数は、10900人対916人なので日本は圧倒的に不利です。 結果は一木支隊の全滅。 戦死者777人、損耗率は約85%にも達しました。

 みなさんは、10900人対916人の兵力差で勝てると思いますか? ほとんどの方は無理だろうと感じると思います。 実際の兵力差はもっとあり、アメリカは機関銃を持っていました。軽戦車を持っていました。 日本軍の装備は日露戦争で使った三八式歩兵銃です。 兵数でも劣り、武器でも劣った中での戦いです。 勝てる方が奇跡に近いと思いますが、負けた責任は全て一木大佐が無能であったということに大本営はしてしまいました。
 本来は敵1万人に対して千人弱で戦いをさせたこと自体が本来のミスなのです。 しかし、大本営はそれを認めようとしませんでした。 自分の失敗を隠すために、一木支隊は作戦もなく無謀な突撃を繰り返して全滅したとされてしまったのです。

 NHKでは一木大佐の作戦行動を再現していました。 一木支隊は飛行場から35km離れたところに上陸し、ジャングルの中を進んでいきます。 飛行場の近くに来た時、一木大佐は飛行場の様子が分からないので、38名からなる偵察部隊を出しますが、全滅します。 この時点で一木大佐は嫌な予感を覚え、作戦中止も視野に入れた判断を現場司令部に仰ぐため、無線を連絡を試みますが、 無線を中継するはずの日本海軍の潜水艦が勝手に持ち場を離れており、連絡がとれません。 仕方なく一木大佐は当初の命令通り、作戦を結構します。 作戦は夜襲による飛行場奪還です。 なぜ夜襲なのか? それは夜目がきくからという理由と、兵力をごまかせるからです。 発想は海軍と同じですね。

 しかし、アメリカ軍はそのことに気づいていました。 なぜか? 日本軍は毎回のように兵数が少ないと夜襲をするからです。 だから、ジャングルをこっそり歩いて来ても分かるように、収音マイクで音を聞くようにしていました。 そして鉄条網を張り巡らし、日本人の得意な突撃をさせないようにしていました。 さらに、川の土手を利用した防衛陣地をつくり、高所から日本軍を狙い撃ちにできるような仕掛けもつくっていました。 決死の覚悟で突っ込んでくる一木支隊は、まさに飛んで火にいる夏の虫状態です。 敵の仕掛けた罠にハマり、全滅です。

 本来、偵察隊が全滅した時点で、相手の用意周到さが理解できなければならなかったのかもしれません。 しかし、連絡を司令部にとろうとしたということは、一木大佐は十分分かっていた可能性があると思います。 でも、確たる証拠もなしに、作戦は中止できなかった。 恐らく中止をした時点で、『臆病者』というレッテルを貼られる可能性は高かったと思います。 そして、ソロモン諸島の制空権を失うきっかけを作った責任を取らされた可能性は高かったでしょう。 だから、最良の選択としては、万が一を狙ったのかもしれません。 もし、あなたが一木大佐の立場ならどうしたでしょうか?

 この一木支隊の全滅後、陸軍は逐次兵力を投入し、延べ3万人の兵隊を送り込みます。 そして被害を大きくしていきます。 死者は2万人にもなります。 そのうちジャングルの中で飢えでなくなった方は約1万5千人といわれています。 参謀本部は、ガ島の飛行場が完成し、制空権をとられて補給ができないにもかかわらず、兵隊を送り込み戦いを続けさせたのです。 ガ島を撤退したのは1943年2月ですから、半年間無謀な戦いをし続けたということになります。

 アメリカ軍を侮らず、帝国陸海軍とも目的意識を明確の持ち協力し合えば、ガ島の奪還は成功したように感じます。 アメリカにはガ島の日本軍との戦闘が分刻みで報告書にまとめられていました。 日本はそのような戦闘記録をとり、問題点を洗い出し、改善策を検討したのでしょうか? 失敗を他人のせいにしている時点で、そんなことはしてないように思います。

 戦いに勝つためには、負けた時にはなぜ負けたのか、徹底的に研究することが必要です。 それをしないと同じ過ちを繰り返すことになると思います。 みなさんのホールではいろんな記録が取られていますか? そして、それを基に反省が行われ、改善策が議論されているでしょうか。
 戦争のドキュメント番組を見ると、データに基づく施策の有効性の検証をしているのがアメリカ、 それをしないで精神論を語っているのが日本という構造に見えてきます。
 少し長くなりましたが、戦争は勝ち負けが明確であり、研究も進んでいるので、 良い面はお手本として、悪い面は反面教師として、いろいろと店舗運営の参考になると思います。

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 岡崎市のダイワスーパーの成功事例から学ぶ!

 岡崎市に「ダイワスーパー」というスーパーマーケットがあります。 食料品を中心とした小さなスパーマーケットです。 駐車場はわずか20台です。 一般的なイメージは、近所のおばさんがボチボチ買いに来て、何とか成り立っているというものです。 しかし、この店は若い女性であふれるというのです。 この様子をニュース番組WBSの行列コーナーで紹介していました。

 若い女性が来る理由は、このスーパーが販売している「フルーツサンド」を買うためなのです。 販売開始時間は日によって違いますが、その販売開始前には長蛇の列ができて、 入場開始とともに我先にとフルーツサンド売場に急行します。 そして、ひとりがフルーツサンドを何個も買って帰ります。 販売されているフルーツサンドは、フルーツを贅沢に使ったサンドイッチで、バナナやミカン、マスカット、キウイ、マンゴーなど15種類ほどあります。 1個食べるとお腹が一杯になるとインタビューを受けたお客様は言っていました。

 このフルーツサンドを考えたのは社長の大山晧生(25)さんで、1年前に社長を継がれたそうです。 引き継いだ時はスーパーは赤字で、周りのスーパーも大手スーパーとの競争に負けて潰れている状態でした。 その時、「大山社長は周囲のスーパーが潰れて行った原因を、大手と同じ土俵で戦って勝とうとしたことにあると仮説を立てます。 端的に言えば価格競争ですね。 大手が大量に安く仕入れて安く販売しているのに、仕入れ値が高い小さなスーパーが安い値段で勝負をかけたので、採算が取れず潰れて行った。 1本70円や80円で仕入れた野菜を98円で売る商売、薄利多売ができる環境ではなくなっている。

 パチンコ業界で言えば大手は遊技台をかなり安く仕入れている。 小さなホールはそうはできない。 この時点で大手と同じ出玉をやれば、確実に利益率は下がり確実に苦しい経営をなっていく。 また、1台からの利益を少なくしたとしても、お客様の増加は期待できない。 ということで、このスーパーの経営環境は理解しやすいと思います。

 さて話を戻すと、大山社長は「価格競争だけはやめようと思い、違うやり方を随分探した「そうです。 その中でたどり着いたのが、単価の高いフルーツにさらに付加価値をつけて販売するフルーツサンドだったのです。 ただフルーツを打っているわけではないので、価格は付加価値を含めて付けることができる。 実際価格は、356円~1490円と高額なフルーツサンドもつくっています。 そして、フルーツは良いものにこだわり、リピーターを狙う。 同時にフルーツの見せ方にもこだわり、フルーツサンドにしたときの見栄えを考え、それを棚にきれいにディスプレーする。 インスタ映えを意識して、口コミを狙う。

 そして大山社長は集まって来た人に対しての心配りも研究しています。
 例えば、販売開始時間を待っているお客様を集めて、じゃんけん大会をその場で行い、 1位になった人に一番高級なフルーツサンドを無料で提供する。 ある意味試食ですが、それをお客様巻き込み、ゲーム感覚でやっています。 WBS中では、その場で優勝して人が、一番高いマンゴーのフルーツサンドを食べて、「美味しい」と言ってました。 それを見た人は、せっかくだから私も一つ一番高いフルーツサンドを買ってみようと思うのではないでしょうか。
 また、暑いので商品のスイカをその場で包丁で切って、行列待ちをしている人にふるまっていました。 その時、たった今行列に並んだ女の子が、スイカを食べられなくて残念な顔をしていたのを大山社長が見て、すぐにメロンを切って、食べさせていました。 もちろん、その女の子を連れてきたお母さんは大満足で、おそらくフルーツサンドをたくさん買うだろうと思いながら番組を見ていました。

 大手とは違う方法を見つけて、それを強化していく。 一つでもこれは凄いと思えば、人はそこに行ってしまいます。 フルーツサンドで一点突破を行い、お客様が来る理由を作り上げたとても素晴らしい事例と思います。 収益構造が違う中で、自分に不利な土俵で闘うことは自殺行為です。 このダイワスーパーのように「動機付けの一点突破は参考になる」と思っています。

 どういうことをすれば一点突破の力になるのか? 大山社長はこんなコメントをインタビューで話していました。 「周りの人が面白そうだと思ってくれることをやれば応援してくれる」「 キーワードは『周りの人が面白そう』です。 店舗の改善改革をやるけれども『全く面白くない』企画、それは成功しないということです。 店舗の改善改革をやった時、準備をしている時、『これ面白い』と店長やスタッフ(一番近い周り)が感じると、成功する可能性はかなり高いといえます。 一点突破で徹底的に取り組むことの大切さを、普遍的な成功ポイントとして、このダイワスーパーは教えてくれているように感じました。

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 NECのノスタルジー作戦の成功確率から考える!

 NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)は、8月5日に40周年記念モデル「LAVIE Pro Mobile PM750/NAA」(価格約19万円)を発表しました。
 NEC PCの新作のノートパソコンの発表ですが、40周年と言われても何のことか分からない人もいると思います。 実は40年前にNECは、初の本格パソコンであるPC-8001を販売し、その後パソコン業界でNo1のシェアになっていくきっかけを作ったんですね。 今回これを販売促進企画のメインにするというものです。

 過去の体験や記憶に訴えかけて懐かしさを演出し、ついつい購入させるやり方をノスタルジー作戦などと言います。 記憶や体験はモノと連動している場合が多く、過去に馴染みのあるものに対しては、良く知っているという感覚から安心、安全という意識を持ち易く、 ついつい懐かしさのきっかけとなったモノを買ってしまうことなります。
 昔の良き時代を思い出してもらい、売上などを少しでも上げようという考えは、多くの人が思いつくと思いますが、 それを本格的に取り組んだものがノスタルジー作戦という感じです。

 例えば、パチンコ業界に近い漫画業界では、今年(2019年)の7月11日に集英社が「おとなのジャンプ酒場」を1年の期間限定の予定でオープンさせました。 店内には1980年代のヒーローが終結ということで、「北斗の拳」「キン肉マン」や「聖闘士聖也」などのポスターが貼ってあり、 80年代のジャンプ立ち読みコーナーも設置しています。 また、メニューも「ドラゴンボール」をイメージして作ったミートボールや、「キン肉マン」をイメージしたハンバーガーなど、工夫しています。 来店した人がお酒を飲みながら、昔のジャンプの思い出に花を咲かせるということを想定してます。 「少年ジャンプ」は80年代は500万部を超える発行部数を誇っていましたが、現在は100万部代なので、この取り組みを通して少しでもファンに戻って来てもらいたいという意図がうかがえます。

 NEC PCは40周年ということで、新製品のNECのロゴを40年前のロゴを使用し、カラーリングも「PC8001」をイメージさせるものにしています。 そして、極めつけは「PC8001」の復刻版「PasocomMini PC-8001」を作り、抽選で2000名にプレゼントするという企画です。 この復刻版は本物のパソコンで、端末を繋げると昔流行ったレトロなゲームが楽しめるようになっています。

 では販促企画は当たるでしょうか? 現在NEC PCは、販売に苦戦しているということです。 ソニーや富士通に比べて販売が伸び悩んでいるようです。 それを改善する企画となるのでしょうか?

 法人向けの販売でノスタルジー作戦が成功するか?と言えば、あまり期待できないように思います。 稟議書のモバイルパソコン購入理由に、復刻版「PasocomMini PC-8001」のおまけがついているから、とは普通書けないと思います。 また新製品のカラーリングを購入の理由付けにすることもないでしょう。 ということでは、法人向けに販売が伸びるとは思えません。
 個人向けということでは、この「PC8001」にノスタルジーを感じるのは、50代か60代ぐらいです。 その人達が懐かしいからと高性能の40周年記念モデルを買うとも思えません。 もちろん一部のゲームオタクな人は別でしょうが、ゲームオタクはもっと年代が若いように思います。 でもそういう人にとっては、「PC8001」を見てもあまりノスタルジーは感じないように思えます。 ということで、私の頭の中では、この企画はあまり効果が上がらないように思いました。

 このNEC PCの販売作戦について、ニュース番組WBSで紹介していましたが、コメンテーターの入山章栄氏が、 NEC PCは国内販売の不振の原因を、NECが国産メーカーであるという日本人の認識が希薄になってきているからと分析しているのではないかと言われていました。 NECがパソコン事業を切り離し、中国のレボノ傘下に入ったことで、中国企業イメージがついてしまったのではないか、 それがファーウエイ問題と絡み、販売不振を引き起こしている。 この40周年を機会として、それを払しょくする狙いが見える。 だから、結構手の込んだ販促をしていると言われるのです。 聞いていて一理あると思いました。

 実際、販売促進企画と言われるものは経営課題を解決するために行うものです。 パチンコ業界で言えば、新台入替や景品イベント、改装などの販促企画はいろいろあると思いますが、 基本的には、自社や自店の課題を解決するために行ってこそ、効果が期待できます。 漠然と何かをすれば結果が出るものではないということですね。

 いろんな販売促進を頑張ってやっているが効果が出ないという場合、 課題解決と販売促進企画がマッチングしていないということになります。 もし、やっている販売促進がどうもうまく行っていないと感じる場合は、 販売促進策が本当に課題解決につながるモノか検証する必要があるでしょう。
 このNEC PCの販促企画を見ながら、改めて課題との整合性をチェックして販促の無駄をなくする必要があるように思いました。

 ※自店の課題が不明確な場合、課題を体形的に整理する研修がお勧めです。

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 「キットカット」の変化を経営姿勢表現のヒントにする!

 ネスレ日本をご存知ですか?
 そうです、「ネスカフェ」や「キットカット」を作っている食品加工メーカーです。 ネスレ本体は、スイスのヴヴェイに本社を置く、世界最大の食品・飲料会社です。 2018年の売上は9兆9129億円もあります。 ネスレ日本はその日本法人ですね。

 そのネスレが8月1日に「キットカット」の主力製品である大袋タイプ5品の外袋を、 プラスチックパッケージから紙パッケージに変更すると発表しました。 9月下旬出荷分より全量切り替えを行う予定です。 この取り組みを実行することにより、年間約380トンのプラスチックごみの削減につながるとのことです。

 今回の発表はプラスチックごみの問題に向けた取り組み姿勢を内外に打ち出し、 プラごみ問題への取り組みへの具体的行動に参加する企業を加速させる狙いもあるようです。 ニュース番組WBSのインタビューにネスレ日本の高岡社長は、 世界のネスレが一歩先に出ることで、世界に好影響を与えることができれば、大きな意義があるというような発言をされていました。

 回りを見て、他がやり出したら仕方なしにやっていく企業があります。 こういう企業が多い中、率先して環境問題などに取り組んでいく企業姿勢は見習うべきものがあります。 率先してやらないのは、利益が圧迫されるからでです。 経営者としては利益を減ずることはしなくないと思います。 そこで問題となるのが何のために利益が減少するかです。

 世の中ではSDGs※という言葉が近年日常的に出てきています。 世の中は、地球の環境問題などをはじめ、長期的な視点に立って、人間が安全に幸せな暮らしができることに対する関心が高まってきています。 投資家もSDGsに積極的に参加する企業へ、投資を集中していくとう流れが加速してます。 この影響もあり、上場企業はよりSDGsに敏感になっています。
 自己の利益よりも世の中の利益を優先させ、あえて会社の利益が減少させる場合、世の中の人はこういう取り組みを率先して行う企業には、是非とも存続して欲しいと感じます。 そういう思いはその企業のファンをつくり、その企業製品の購買意欲につながります。

 この話を聞いて、これは上場企業の話と思わないでください。 コミュニティホールを目指している企業にも大いに関係があることです。 コミュニティホールの十分条件の第一項目として会社の考え方を明示することをあげています。 このSDGsに参加することが、地域や環境に配慮する社会性のある企業であるという姿勢を見せることになります。
 例えば、このプラスチックごみ問題にしても、ホールでプラスチック製品を紙などの代替製品に切り替えても何トンもの削減にはならないと思います。 しかし、その姿勢を示すことが大切なのです。

 お客様の中には、その姿勢に共感してくれる人が必ずいます。 特に客質管理を徹底して、良質のお客様を集めている店舗には、そういうお客様が多いと思います。 だとすれば、このネスレ日本に取り組みを見て、自店舗でできる何かをはじめるきっかけとしてはどうでしょうか。

※SDGsとは、持続可能な開発目標のことで、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。 持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本企業も積極的に取り組むところが出てきています。(外務省の文章より引用)

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 かんぽ保険の不適切販売から人材育成を考える!

 みなさんは郵便局とのお付き合いはありますか? 私の家では、子供の学資保険など郵便局で行っていました。 郵便局というとやはり公的な機関というイメージが強く、一般の民間の企業より、信用度を高くしても問題ないだろうと何となく思ていました。 ところが、7月に日本郵政 がかんぽ生命の保険販売にあたり、不適切な販売をしたということで問題となりました。 その件数は、過去5年間で18万3千件にものぼります。

 7月31日に日本郵政グループ3社のトップが記者会見を行い、 今回の問題発生についての詳細と今後の対応について語りました。 ちなみに日本郵政グループを簡単に説明すると、持ち株会社の日本郵政株式会社を中心に、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険が主要事業会社という構成です。 記者会見の3社は、今回の問題に関係している日本郵政、日本郵便、かんぽ生命保険のトップ3人が行ったということです。 今回の問題における各社の関係は、まず保険を作ったのが「かんぽ生命保険」で、それを販売したのが「日本郵便」で、 「日本郵政」は2つの会社の指導的立場というものです。

 保険の売り方に問題を起こしたのは「日本郵便」ということなので、「日本郵便」が謝罪するれば済むようにも思いますが、 適切な保険の販売の実行を管理できなかった「かんぽ生命保険」にも責任があるので謝罪の場に来ています。 そして、グループの運営の方向性を決めている「日本郵政」も責任の一端があるので、謝罪するということですね。

 この問題をブログで取り上げようと思ったのは、「日本郵便」の横山邦夫社長の言葉が印象に残ったからです。 記者会見の中で横山社長は、 「経営環境が変わっているにもかかわらず、計画が従来通りの作り方であったことが、今回の事態を招いた。これは、経営の責任です」 というように趣旨の謝罪をされました。
 今回の不適切販売を末端の販売員が勝手にやったことだとは考えていないということですね。 そして販売に対する管理ができていなかったが根本的な原因とも言っていないんですね。 そうではなく、経営陣が世の中の動き、経営環境の変化を見て、適切な経営戦略を建てなかったの原因で、 今回の不適切販売はその根本原因が引き起こした現象に過ぎないという捉え方です。 言い換えると、今回の問題を一般社員が根本的に悪いのでもなく、管理者が根本的に悪いのでもなく、経営者が根本的に悪いということですね。
 不祥事が起こると根本原因を一般社員や管理者に押し付けて、自分の目が行き届かなかったという経営者に比べると、経営の意義と重みを知ってる人ではないかと私は感じました。

 日本郵政グループは、2017年度から3年間で純利益を100億円以上拡大する方針を立て、利益の追求に邁進まいしんしたそうです。 そのために現場に過度なプレッシャーをかけ、目標を達成するためにはどんな手段を使っても許されるというような空気があったそうです。 ニュース番組のWBSでは、現役の販売から当時の状況をインタビューしており、 「目標を達成しない人には、具体的な指導もなく罵詈雑言ばりぞうごんがあびせられた」 あるいは「黙って転職用の就職情報誌を机の上に置かれた」と証言しています。

 パチンコ業界に置き換えると昔ながらの計画の立て方しか知らない経営者と営業部長。 計画通りに目標を達成しない店長を叱咤するだけで、なんら新しいやり方を示さない営業部長というところでしょうか。 そして、店長に対して具体的な指導もなく、「できないなら辞めてしまえ」と言っているという感じですね。 でもこれは衰退している業界のどこでも見られるありふれた光景です。 従来のやり方を変えることなく業績が落ち込むだけの会社は、業界から淘汰の対象となっている会社になっています。 そこでよく起こる現象ですね。
 自然界で言えば『自然淘汰しぜんとうた』ということです。 大きな意味でこの世の中は自然の原理が根底に流れています。 「自然淘汰』は自然の原理です。 人間社会もその中にあり、例外ではありません。

 もし淘汰されるのが嫌ならどうすべきかと言えば、やはり頭を使い、経営環境の変化に応じた新しい経営戦略や戦術を開発していくしかないということですよね。
 頭を使わない人は、オペレーション(運営)をしてさえすれば何とかなると思い込んでいます。 いや、実際は思っていないかもしれませんが、考えることができない(具体的な指導ができないということは、考える能力がないからですよね)ので、 自分の仕事の充実感を出すために、オペレーションをしている現場にプレッシャーだけをかける。
 無理に圧力をかけると、ついやってしまうのが『ちょっと悪いこと』、今回の不適切販売のようなことです。 業界で言えば、組合の取り決めを守らなかったり、限りなく黒に近いグレーなことをしたりということですよね。 もちろん、知恵のある部下が現場にいれば改善案を出すかもしれません。 でもそんなケースは希ですよね。 なぜなら、頭を使わない人(上司)が、頭を使いう人(部下)を育てることはできないからです。

 会社として発展を目指し、不適切なことをしたくないということであれば、考えることができる人(経営幹部、経営管理者)を育成するしかないと思うのですが、・・・。 そんなことを思いながら、郵政グループの記者会見のニュースを見ていました。

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 渋野日向子選手の笑顔に学ぶ!

 渋野日向子が AIG全英女子オープンで、日本人選手として42年ぶりにメジャー大会制覇を成し遂げたとして、 テレビや新聞で大きく報道されています。 何気なく朝のテレビを見ていると渋野日向子選手の特徴として、笑顔が取り上げられていました。

 渋野選手はプレイ中も笑顔を絶やさなかったということです。 もちろん球を打つときは真剣な顔ですが、 それ以外は、笑顔でおやつを食べたり、応援に来ている人とハイタッチをしたりしている様子が映し出されていました。

 渋野選手は、ゴルファーは見せるスポーツであり、ゴルフプレーを通じて、応援に来ていただいた方を笑顔にすることが自分の使命であると考えているということでした。 この考え方は素晴らしいと思いませんか?
 多くのアスリートの人は頑張っている自分の姿を見ていただくことが多くの人に勇気を与えることになると考えている人が多いと思います。 実際、感動的なプレーをされるとみている方も体が熱くなってきます。 この考えはゴルフでも同じであり、真剣にプレーすることだけに集中する選手が多いのではないでしょうか。
 そんな中でこの渋谷選手は、応援しに来てくれた人を笑顔にするというところにポイントを置いている。 お客様をどうしたいのかという目的を見据えた動きになっているのですね。
 接客サービスを頑張っている人はたくさんいます。 その頑張りの多くは業務をこなすことにポイントを置いている人が多いように思います。 接客や作業をすることでお客様がどうなって欲しいのか、そういう視点を絶えず意識している人は少ないのではないでしょうか。

 パチンコ業界で言えば、玉の上げ下ろしをすることで、お客様に笑顔になって欲しいとか考えて行動しているスタッフがいるでしょうか。 またそういう指示を出している店長や役職者がいるでしょうか。 別に玉の上げ下ろしだけでなく、カウンター業務でも、アメの配布でも同じです。 自分(スタッフ)はがの作業を通じて相手(お客様)にどうなってもらいたいのか、そういう目的意識を持って行動する場合としない場合では、 細かな動きやイレギュラー対応に違いが出るように思います。

 ちなみに笑顔の効用ということで、テレビで紹介されていたのが、東海大学の競技スポーツ学科教授の高妻容一氏の実験です。 笑顔で100m走った場合と真顔で100m走った場合、どちらのタイムが良いのかということを測ったら、13人中7人は笑顔の方が好タイムで、平均-0.18秒速かったということです。 また同じように笑顔でボールを投げた場合と、真顔で投げた場合も測定し、13中9人が笑顔で投げた方が平均12km球の速度が上がったそうです。 このことから類推すると、スタッフも笑顔で働いた方が、カラダの動き良くなるということなのでしょう。

 そしてもう一つ紹介されたのが、大阪国際がんセンターの話で、笑顔でいるとNK細胞(がんを攻撃する細胞)が、笑顔でない場合よりも1.3倍多くなるということです。 笑顔で接客サービスを行い、お客様を笑顔にしていくと、スタッフもお客様も癌予防にもなり、健康を維持できる可能性が高まるというものです。

 以上のような情報は、もうすでに知っている方もいると思います。 でもこういう笑顔が大切という話は、随時仕入れてスタッフに朝礼や終礼など折に触れて話すことが重要ではないでしょうか。 何度もいうことで、笑顔を大切にしている会社、店舗ということが分かりますし、 話を聞くと改めて笑顔をしようと思うのではないでしょうか。 何度も何度も言ってスタッフの笑顔を習慣化させる。 こうなれば、自然に店舗の雰囲気は良くなると思います。

 蛇足ですが、テレビで渋野選手の笑顔を見るたびに、スタッフの休憩室に渋野選手の笑顔の写真を貼っておくのも一つの方法ではないかと思ったりしています。

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 最低賃金の引き上げから人材の位置づけを考える!

 7月の末に厚生労働省中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。 最低賃金(時給)は全国平均874円から901円と27円アップということになりました。 引き上げ率は3.1%と過去最大の引き上げとなっています。 これを受けると2019年の東京の最低賃金(時給)は1013円、神奈川な1011円と、初の1000円越えとになります。

 人手不足ということで、人が集められず苦労されている店舗も多いと思います。 パチンコ業界自体は人気業界ではないので、選んできてもらうためには、賃金を高くして引き寄せるしない(※1)と思っている方もいらっしゃいます。 実際、パチンコ業界は、他の飲食業界と比較すると、高額になっているのではないでしょうか。 他業界よりも高い賃金が魅力なので、他業界の賃金が上がれば、それ以上の賃金を設定しなければならず、 毎年最低賃金が引き上げられる度に、時給がこれで良いか見直しが必要となります。

 1か月ぐらい前に最低賃金について同じ審議会と思いますが、全国平均としては時給1000円以上が望ましいとして、 安倍総理大臣に報告が届いており、安倍総理もその方針で取り組むことを了承しているので、 最適賃金は、この調子で毎年上がっていくこと思った方が良いと思います。

 背景には他の先進諸国と比較して日本の時給の安さがあります。
◎各国の最低賃金(時給)2018年
   フランス  1196円
   ドイツ   1070円
   イギリス  1035円
   カナダ   985~1154円
   日本    874円
日本を他の国と同じように1000円台までもっていべきと考えるのは自然な流れと思います。

 それでは時給が今よりも上がった場合、ホール経営の健全性を維持するためにどうすればよいのでしょうか。 一つは機械化ですね。設備投資を行いなるべく人を雇う必要がないようにする。 二つ目は業務処理能力を上げる。同じ人数でも多くのことをこなせるようになり、人が少なくなっても十分業務をこなしていけるようにする。 三つ目は一人当たりの集客力を上げるとい考え方です。時給が1割アップしても、その人がいることでお客様が増えれば問題はないという考え方です。

 一つ目と二つ目は人間を作業する人と見ているので、作業を機械に置き換えるという発想や、人の作業効率を上げるという発想になります。 三つ目は、芸能事務所の考えに似ていると思います。芸人は集客のための貴重な資源であり、芸人のお給料が高くなるということであれば、芸人の首を切って人件費を浮かすというようなことやらないでしょう。 芸能事務所は、芸人に能力をもっと磨いて集客できるように頑張れということになります。

 最低賃金があがり、時給が上がるという状況は今後も続いていきますが、 対処法はアルバイトスタッフを経営戦略の中で、どう位置付けているかによって違いが出てきます。
 コミュニティホールを目指している店舗では、基本的に3つ目の対応となるでしょう。 そのためにスタッフの魅力をアップするための教育訓練の整備の充実が急がれると思います。 最低賃金の話をテレビで見ながら、そんなことを考えていました。

※1.もちろんアルバイトを集める方法は、他の方法もあります。だから時給上げるだけにこだわらないようにしてください。いずれ機会があればそういうお話をする会があるでしょう・・・。

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 ナイトタイムエコノミーを考える!

 ニュース番組WBSによると観光白書によると日本はナイトタイムエコノミーのコンテンツが不足していると書かれているそうです。 ナイトタイムエコノミーは午後8時~午前3時までの間の経済活動を指します。 なぜ書かれているのか? それは日本に来た訪日外国人が「日本の夜は物足りない」と言っているからだそうです。

 みなさんは夜の遊びと言えばどのような遊びを思い浮かべますか? 映画館を思い浮かべた人もいるかもしれません。 大都市なら演劇もあるでしょう。 カラオケ?これもあるでしょう。 居酒屋やパブで飲む?スナック?など飲酒に関係するお店を浮かべる人が多いのではないでしょうか。 なぜこうなるかと言えば、日本人は基本的に夜は活動しないからです。 正確に言えば、夫婦が活動しないからです。

 ところがヨーロッパは違います。 ヨーロッパでは夜は大人の時間として、大人が遊ぶためのいろいろな文化が発達してきたのです。 そこそこ裕福な家庭には家政婦さんのような人がおり、若い夫婦は子供を寝かしつけて、オペラを見に行くのは当たり前です。 夜のコンサートに行ったり、ダンスをしたりする。 日本でそういう夫婦はどれだけいるでしょうか。 子供だけを家において外出するようなことは考えられないのではないでしょうか。

 夜、夫婦で外出する習慣があれば、ヨーロッパのように夜の文化が発達していきますが、 男しか外に出ないということになれば、飲酒関係に偏ったものになってしまうのは仕方がないように思います。 だって男同士で映画を見に行く?演劇を見に行く?あまりピンと来ないですよね。

 やはり夜の文化を育てるためには、男女が一緒に夜活動する習慣を作る必要があるのではないでしょうか。 そして、それを促すようなエンタテインメントを用意するということになります。 しかし、日本人の行動習慣を変えるとなると大変なので、当面は現在の夜営業店舗の強化というような気がします。 夜遅くまで営業している居酒屋やレストランで何かを工夫して、飲んだり食べたりするだけではなく、遊びの要素を取り入れることによって、女性を連れて来店してもらいやすい工夫が必要だと思います。

 WBSの「深夜に動くケーザイ現場」のコーナーでは、パブに卓球台を置いたお店を紹介していました。 卓球台が5台も置いてあり、飲みに来た人が卓球をして盛り上がるということです。 オーナーの山下亮社長は、ロンドンに行った時、卓球台を置いているパブが結構あり、知らない客同士でも卓球をして盛り上がっていたので、日本でもやってみたかったとインタビューに答えていました。 卓球の発祥はインドと言われており、1880年代のイギリスに伝わり上流階級の遊びとして広まっていったと言われています。 そのころスポーツではなく単なる遊びだったので、恐らくお酒を飲みながらゲームを楽しんで交流を深めていたのでしょう。

 ところでパチンコ店は夜遅くまで営業しています。 ナイトタイムエコノミーの全体はカバーできませんが、3時間弱はカバーできます。 パチンコ店は日本の物足りない夜を少しでも補うことができるでしょうか? 補うことができないと思ってしまうと発展がないので、補えると考え、何をしたら補えるのか考えると頭の体操になって良いのではないでしょうか?

 例えば昼の営業形態と夜の営業形態を変えてみる。 変えるということでは、スタッフの服装かもしれませんし、景品の陳列状態かもしれませんし、ワゴンサービスのメニューかもしれません。 あるいは新しいサービスを提供するモーニングサービスならぬイブニングサービスあるいはナイトサービス。 中身はそれぞれ店舗が置かれている状況と客質によって違ってくると思いますが、 昼ではなく夜行く理由を作ることが大切です。 できれば女性が立ち寄りたいと思う理由をつくれるとさらに良い感じになると思います。

 もちろん訪日客を狙うのであれば、対外的な営業が必要になるでしょうし、 来店した訪日客の言語対応なども必要になってきます。 ただ打つだけで満足しないのなら、いろんなアイデアを出して日本の文化に触れていることを教えてあげることが必要でしょう。 訪日客は買い物中心から体験中心へと旅の目的をシフトしてきていると言われています。

 ナイトタイムエコノミー強化してみてはいかがでしょうか。

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 「ハレクラニ沖縄」から店長へのミッションを考える!

 みなさんは沖縄によく行かれますか? 娘夫婦が先週沖縄に行ってきたということで、「琉球ハブボール」をお土産として買ってきてくれました。 このようなお酒があるとは知らなかったのですが、飲むと結構おいしく、これはホールでお勧めできる商品ではないかと思いました。
 「ハブ」とう名前のとおり、ハブのエキスと香り高い13種類のハーブのエキスをダブルブレンドした沖縄生まれの新感覚ハイボールです。 爽やかで飲みやすく、ハブのエキスが入っているので、マムシドリンクとダブり、何か元気がでそうな感じがします。

 さて、本題は沖縄商品の話ではなく、沖縄の高級ホテルの建設ラッシュのお話です。 沖縄はリゾート地としての評価が高くなっており、毎年観光客が増えています。 そのため「ハイアット」や「ヒルトン」というような高級ホテルが進出し、日本で高級ホテルを展開する「星野リゾート」も2020年に沖縄でホテル展開をするそうです。 そんな中で今年「ハレクラニ沖縄」がオープンします。

 「ハレクラニ」はハワイの名門ホテルで、これまでハワイにしかありませんでした。 それが今回、初めて「ハレクラニ」をハワイ以外に出すということで注目を集めています。 「ハレクラニ」はハワイ語で「天国にふさわしい館」という意味で、これまでこの名前にふさわしい土地がなかったので、ホテルをつくならなかったそうです。 ということは、今回の沖縄進出はそれにふさわしい場所が見つかったということだと思います。

 場所は沖縄の恩納村です。 ホテルは1.7㎞にわたり海岸線に接しています。 ホテルの全室(360室)から海が見えるオーションビューです。 スタンダードタイプの部屋の大きさは50㎡で料金は5万円(消費税、サービス料別)からです。 最上級の部屋は、293㎡もあり、広いテラスにプライベートプールも完備しており、長期の滞在に適しています。
 高級ホテルなので設備は一流ですが、これが他のホテルとの差別化になるのかいうとそうでもなさそうです。 理由は簡単で、周囲に高級ホテルがあふれているからです。 ハード的なものはお金をかければ揃えることができます。 世界の高級ホテルのレベル同士で、ハード的な差別化を図ることは難しいということです。 となるとソフト面が勝負のポイントということです。

 この「ハレクラニ沖縄」を手掛けたのは三井不動産です。
「高級ホテルが恩納村に集積しているが、ここで独自のことをやり評価を受けることができれば、 一つのビジネスとして目処が立ち、十分に他社と差別化して展開していける」 と三井不動産の菰田正信社長はニュース番組WBSのインタビューに答えられていました。 この「ハレクラニ沖縄」で成功パターンを作り、水平展開をしていく計画です。

 ここの注目したいのは、菰田社長は単にホテル運営をさせるというのではなく、水平展開のための成功パターンを作れというミッションを与えていることです。 与えられたスタッフからすると、とりあえず目標の売上と稼働を上げる、あるいはお客様の接客サービスをするという作業意識から、 どのような運営をすることが、今後のビジネス展開に必要なのかという高い視点での運営意識に変わります。 これが大切なのではないでしょうか。

 自社の店長に頑張って売上や稼働を上げることだけを期待するのと、 今のような環境における成功ポイントを探るようにというミッションを与えるのとで、仕事の質に違いがでるのではないでしょうか。
 成功のパターンを作れというミッションを与えた場合、当然店長会議では、売上や稼働の確認の他に、成功のポイントに対する究明状況を訊かれるので、情報を集め自分のしている運営を検証しなければなりません。 店長にしてみると、これは結構大変作業にありますが、自分の行っている施策に関して客観的になるので、もっと良くしたいという改善意識が芽生えてきます。 そうなると店長の能力アップも自然にされるのはないでしょうか? そして、こういうことに積極的に共鳴してくれる店長こそが、年齢に関係なく明日の会社を背負っていく人材なのではないでしょうか。

 三井不動産の菰田社長が「ハレクラニ沖縄」に課した役割のような発想を、店舗運営に取り入れるのは悪くないと思いながらWBSを見ていました。

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