本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

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経営のヒントになりそうに思ったこと

 □□□ 2021年11月の目次 □□□

 「悪い円安」から背景の変化に対する意識を持つ!

 最近、「悪い円安」という言葉をよく聞きます。 「悪い円安」があるということは、「良い円安」があるということです。 「良い円安」とは、円が安くなることによって、景気が良くなることを指します。 ここから分かるように「悪い円安」とは、国内の景気が良くならない円安のことです。

 円安という事実は同じなのに結果は正反対になっています。 同じことが起これば、前と同じ結果が出てくる。 これが一般的です。 これを多く学ぶことで学習効果が働き、多くのものに素早く対応することができます。 しかし、今回のように同じことをしていると真逆の結果が出てくると戸惑うのではなでしょうか? パチンコ業界で言えば、出玉イベントの稼動を上げることで全体の集客が維持出来ていたのが、出玉イベントの稼動を上げてもだんだん全体の集客が下がってくるようなものです。 同じことをしているのに違う結果が出てしまうと、何故?と混乱してしまいます。

 今回の「悪い円安」はどうして起きたのか? その前に「良い円安」の話をしましょう。 昔の「良い円安」が起こるプロセスを見ていくと、まず円安になることで、外国の人達が日本の製品を買いやすくなります。 日本製品が買いやすくなると製品が売れて、メーカーが繁盛します。 するとメーカーは設備投資なのどを行います。 すると設備関連企業の売上が伸びます。 ものが売れることで、企業は利益を上げ、それを従業員へ還元します。 例えば給与の昇給や賞与の増額です。 従業員(国民)は懐があったかくなるので、欲しいものを買ったり、美味しいものを食べ、消費が伸びます。 つまり、国内でもモノが売れるので、さらに企業が潤い、従業員が潤い、商店も潤っていきます。 要するに景気が良くなったという現象が起きます。 昔は、このパターンだったので、円安は歓迎されました。

 現在はどうなっていうるのか、その流れは次のようなものです。 まず円安になることで価格競争力がつきます。 その結果多くの製品が海外に売れます。 ここまでは「良い円安」と同じです。 製品が売れるので、海外の生産工場が忙しくなり、設備投資を行います。 海外の設備工事業者は儲かり、海外の従業員の給与はあがります。 しかし、国内では投資が起こらず、従業員の給与も増えません。 それどころか、原材料を高く買う必要が出てくるので、そのため値上げをする国内企業が増え、従業員(国民)の暮らしが苦しくなるというものです。

 昔、グローバル化という言葉が流行りました。 円高に対抗するために、海外に工場を盛んにつくり、円高の影響をうけないようにしました。 企業は安定した成長のため、経営環境を大きく変化させたのです。 それを多くの企業が取り組んだために、円安の背景(産業の構造自体)が変わり、 その結果を刈り取っているのが今の状況です。

 良いと思ったことはでも、背景が変わると良くないケースは多々あります。 これまでと同じことをしているのに、全く違う結果が出たら、短絡的にやり方が間違っていたとしないで、 もしかしたら、前提としていた背景あるいは構造が、大きく変わったのではないかと疑ってみることが必要なのではないでしょうか。 また、データをしっかりとり、グラフなどで見える化して、背景や構造の変化をいち早くとらえることは、変化に対して後手を踏まないための予防策となるでしょう。

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 大谷選手も使ったマンダラシートを活用してみる!

 今、もっとも話題の男と言えば、エンゼルスの大谷翔平選手ではないでしょうか。 全米野球記者協会(BBWAA)の投票によるア・リーグの最優秀選手に輝きました。 全米各地の記者30人の投票で全員1位の満票MVPだったことも大きな話題となりました。

 この偉業を賞賛するとともに、良く紹介されるのが、大谷選手が高校時代に書いた目標達成マンダラシートです。 みなさんの中にも、どこかで目にして、知っている方がいると思います。
 大谷選手は目標を決めたら、それを達成する条件を考え、継続的に努力をすることで有名です。 先だって、ニュース番組WBSでも山川キャスターが以下の図表を取り上げて、絶賛していました。 この図表は大谷選手のマンダラのコアの部分と、コアの要素(条件)である「運」の部分をさらに具体的な課題に展開してモノです。

 コアマンダラの中心に書いたのは、『8球団からドラフト1位を取る』という具体的な目標です。 この目標を中心にして、自分でこういう条件が求められるだろうというモノを書いています。 このマンダラシートの良いところは、発想が自由になるという点です。 中心の目標に関連づけて、書いていきますが、箇条書きとは違い、目標と書いた条件を眺めながら、次の発想ができるという点です。 これを「マンダラ思考」と言い、箇条書きに比べるとかなり発想がしやすいという特徴があります。

 私の認識では、このマンダラ思考を最初に提唱されたのは、今泉浩晃さんだったように記憶しています。 今泉さんの著書を見て、これは凄いと思ったことを今でも記憶しています。 その後、いろいろな人がマンダラシートを活用されているの見ました。 実は私の研修でも、参加者の発想を高める補助ツールとして使っています。

 使い方は難しくないですが、いくつかポイントがあります。 例えば中心に書く、目標の部分です。 大谷選手は、『8球団からドラフト1位を取る』と書きましたが、 もし、中心に『プロ野球選手になる』と書くとどうなるでしょう。 プロ野球選手になる道はいくつもあります。 ドラフトで入ることもできるし、入団テストを受けて入ることもできます。 どのルートでプロ野球選手になるかで、必要な努力が違ってきます。 必要な努力が違ってくるということは、条件を明確に定めることができないということになります。 だから、明確な目標を定めることが大切です。

 それが出来たら、取り囲む8つの枠を自分で考えて、必要な条件を書き出していきます。 8個すべて埋めなくても大丈夫です。 とりあえず書いてみる。 書いてから、「これだけで目標達成ができるだろうか?」と自分に問いかけると、多くの場合、アイデアが出てきます。 それを枠の中に書き加えて、また「これだけで目標達成ができるだろうか?」と考える。 そうしていくと出来てきます。

 最初の条件は抽象度が高いものが多いので、上の表のように、条件の一つを取り出して、それを別のマンダラに中心に書き、具体的な課題を考えていくとさらに深掘りができます。 抽象的な目標から具体的な目標へとブレイクダウンしていくことができ、最終的に施策にまでたどり着けます。 ほとんどの目標のブレくダウンに使えるので、試してみて下さい。

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 バルミューダフォンのこだわりから学ぶ!

 ユニークな高級家電で有名なバルミューダが、独自のスマートフォンを発表しました。 バルミューダと言えば、最初に出したスチーム付きトースターが有名ですが、 扇風機、電気スタンド、コーヒーメーカーなど、今までにない付加価値を付けた家電で注目を集めています。 そのバルミューダが、スマートフォン市場に参入です。

 発表の際にバルミューダの寺尾玄社長は、これまでに自分が本当に使って納得のいくスマフォが無かったと言われてました。 無いのであれば作れば良いという発想ですね。 そして、自分のように納得していないけれど、スマフォを使っている人もいるに違いないという仮説です。
 寺尾社長は自信満々に
「私たちが考えた、すっきりと良い体験ができるスマートフォン」
として「バルミューダ・フォン(10万4800円」を披露しました。
 使いやすさきこだわった丸味をおびたデザイン、背面も丸味を帯び、画面の四隅も丸味を帯びています。 画面サイズは4.9インチという小さめです。 5Gが使えるスマフォの中では最小の画面です。 独自アプリも開発しており、スケジュール表や計算アプリをニュース番組WBSでは紹介していまいた。

 それでは寺尾社長が考えた『すっきりと良い体験』とはどのようなものなのでしょうか? 注目したいのは『体験』という言葉です。 通常のスマフォなら機能的なアプローチが多いと思います。 今さら通話の質を問題にする人は少ないですが、画面の見やすさ、カメラの画像や撮影機能、動画の再生の質などを重視し、 スマートフォン形状自体を売りにしているところはあまりありません。 売りにしていないということは、差別化要素にならないと思っているということです。 だからほとんどのメーカーは同じような形状をしています。 でも寺尾社長はそのようなスマフォを見て、ダサイと感じていたのでしょう。
 たとえて言えば、スタイリッシュなオフィスに昔ながら黒電話が置いてあるようなものなのでしょう。 いくらオフィスがカッコよくても、黒電話ではダメじゃないの?というような感覚なのでしょう。 寺尾社長は、スマフォを持ち歩くシーン、スマフォを取り出すシーン、スマフォを使うシーン、通話シーンというようにあらゆる場面で、 こんなスマフォなら『絵になるのに!』と思っていたのでしょう。

 多くの方は、そのようなものに関心がないかもしれません。 しかし、寺尾社長の中には、自分と同じような考えを持っている人が少なからずいると感じているのでしょう。 スマフォ市場に「バルミューダフォン」を受け入れてもらうためには、コアなファンをつくる必要があります。 寺尾社長も、まず強い共感を作り出すことが最重要の課題としています。 強い共感を持った人が、バルミューダフォンの思想に惚れ込み、これは素晴らしいと感じて使ってくれる。 それ見てカッコ良いと感じ、多くの人がバルミューダフォンを使い出すというストーリーなのでしょう。 SONYやアップルが創業当時行った製品の普及にしかたと似ています。
 こだわりのあるデザインを見ていると、使って欲しい客層が見えてくるような気がします。 逆に言えば、使って欲しくない客層が見えてくると言った方が良いかもしれません。 画面が小さいのは、どう見ても年配の人は使いにくい。 画面が丸味を帯びているのも、ゲームや動画を楽しむ人には使いにくい。 などと考えると、使って欲しい客層は、若いやり手のビジネスマンやビジネスウーマン、デザインにこだわるデザイナーやファッション関係の人なのかもしれません。

 さてここで学べることは、『こだわり』ということでしょう。 『こだわり』はある意味『絞込み』です。 特定の人の共感を呼ぶためには、その人に焦点を当てた製品(こだわりをもった製品)が必要となります。 パチンコ業界で言えば、機種揃えや運営、接客サービスですね。
 どういう人に来店して欲しいのか、『こだわり』のある運営をすることで共感が生まれ、そういう人を集めることができます。 そして、それを核にして増やすためには、この寺尾社長が言うように『すっきりと良い体験』になっている必要があります。 そうであれば、同じような体験をしたいという人がつぎつぎと現れ、店のお客様が段々増えていきます。
 あなたの店舗で遊技をしたお客様を見て、「良い体験」をしていると思う人がどれだけいるでしょうか? 一度お客様の立場に立って、体験という視点から、じっくり観察をしてみるものもありかもしれません。 いずれにしてもこのバルミューダフォンがどうなるかは楽しみです。

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 酷い接客やサービスの価値を考える!?

 みなさんはお店に行かれて、接客やサービスに不満を持つことはありませんか? 先だって買い物に行って、ムカッと来ることがありました。 良いサービスは勉強になるが、悪いサービスは交通事故のようなもので、覚えているとストレスが溜まるだけと思っていました。 みなさんはどうでしょうか?

 飲食店でも小売店でもホテルでもパチンコ店でも構いません。 接客サービスをしているところに行き、接客やサービスを受けるとザクッと3つに分けることができます。

 ①良かった
 ②良くも悪くもなかった
 ③悪かった

 接客サービスを受けて、勉強になるのは①で、素晴らしい接客やサービスを受けると、 気分が良くなると同時に自店の運営に活かせるかもしれません 良い接客やサービスの体験は価値がある。 プラス評価です。 ②はほとんど印象に残らず、忘れてしまいます。 ということで、評価ゼロです。 ③は酷いと腹が立ちストレスが溜まるので、マイナス価値を付けていました。 だから、③についてはあまり考えないようにしていました。 研修や指導などでも、①を体験して自分の中のあるサービスの基準レベルを上げて下さいと言っていました。

 しかし、最近その考えが変わりました。 ③は貴重な体験なのではないかと思うようになったのです。 今なら、多くの人に「酷いサービスを体験して、その酷さを味わって下さい」と言うべきではないかと思い始めています。 それはダメな接客やサービスを、もし、自店のスタッフがやったとしたらどうなるでしょう。 ダメ接客やダメサービスをされたときのお客様の感情が明確に分かれば、凄い危機感を持つことになります。 危機感を持つと、自店ではそんなダメ接客やダメサービスを見過ごすことができないという気持ちになります。 この気持ちをリアルに感じるためには、ダメ接客やダメサービスをしている店に行って、ダメ体験するに限ります。

「くそー!、こいつら何にも考えていない!」
「客を客とも思っていない!」
「こんなことも気が付かないのか!」

 こういう感情を感じる酷い接客やサービスに出会うたびに、
「もしこれが自店のスタッフだったら、自店はどうなどうだろう。 役職者や店長が見てない所で、こんな接客をしたいたらどうなるだろう」
と想像することで、
『せっかくのパチンコの勝ち体験を台無しにしてしまう! いつも来ている常連客が離れてしまう! お客様のロス率が20%を大きく超えてしまう!』
と具体的な危機感が湧いてきます。
 すると自ずと自店スタッフに対する観察が注意深くなり、 漏れが無い指導ができるようになるのではないでしょうか。 そう考えると③の悪かったと感じる接客やサービスは、自店の接客サービスのレベルダウンを防ぐカンフル剤になり、素晴らしい価値はでてくるのではないでしょうか。

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 ファン感で本当に感謝は伝わったのか?

 みなさんは「感謝」されたことがありますでしょうか?
 ほとんどの方はあると思います。 奥さんから「頑張って働いてくれてありがとう」と言われる。 「おとうさん、遊びに連れて行ってくれてありがとう」とお子さんから感謝される。 両親から「孝行息子」「孝行娘」と言われて感謝される。 社長や店長から「頑張ってくれてありがとう」と言われる。 お客様から「気遣いをしてくれてありがとう」と感謝される。 いろいろなケースがあると思います。
 その時の気持ちはどうでしょうたでしょうか? 「嬉しかった」のではないでしょうか。 感謝されると嬉しいものです。

 さて、11月19~21日と3日間、「全国ファン感謝デー」があったと思います。 多くのホールが参加されたと思います。 あなたの店舗も参加されたのではないでしょうか。 そこで質問です。 来店されたお客様が。どれだけパチンコ店の感謝の気持ちを感じ取り、嬉しい気持ちになって帰っていかれたでしょうか? 1000人でしょうか?2000人でしょうか?

 もちろん、パチンコ店の中には、「ファン感」というのは客を呼び込む撒きエサであって、のこのこ来店したユーザーからお金を巻き上げることしか関心がないという方もいるでしょう。 一方、日頃お世話になっているお客様に何かをしてあげたいというパチンコ店もあると思います。 ここからの話はそういう方向けです。
 もし、お客様に本当に「感謝」を表したいと考えるなら、お客様の反応は重要です。 ファン感で「感謝」を伝えているのに、お客様が全然嬉しそうにないということであれば、店の「感謝」の気持ちが伝わっていないことになります。 中には、「うちは豪華ファン感景品を用意したから大丈夫」という人もいますが、その考えは短絡的ではないでしょうか? モノをもらった人は確かに喜びますが、その喜びが「得したこと」による喜びであり、感謝の気持ちを受け取っているとはかぎりません。 みなさんも「ファン感」で抽選が当たると喜びますが、当たったからといって、店舗から感謝されているとは思わないのではないでしょうか。 それは多くの人が、心から感謝している人に対して、抽選でプレゼントをする人がいないことからもわかります。

 「感謝の気持ち」が相手に伝わると、相手は好感を持ちます。 好感を持つと、自然とその場所に行きたくなります。 つまり、ファンが増えるということです。 「ファン感」は日頃お世話になっているお客様へ感謝をささげると同時に、お客様のファン化を促進するものです。 みなさんの店舗は、上手く感謝を伝えることができましたでしょうか? もし、お帰りのお客様の顔が楽しそうにしていれば、上手くいった証です。 逆にそうでなければ、どこを改善しなければならないか、忘れないうちに問題点を洗い出す必要があるのではないでしょうか。

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 ソフトバンクの孫会長の方針から店舗運営を学ぶ!

 11月8日にソフトバンクグループが決算を発表しました。 21年7~9月期は 3979億円の赤字、21年4~9月期での純利益は3635億円ということで、前年対比で80.7%もダウンしています。 孫正義会長は、巨大スクリーンに吹雪の映像を流し、自虐的に大変な状況ですと話していました。

 このような状況になったのは、投資対象としていた企業の株価が暴落したのが原因です。 韓国のネット通販大手「クーパン」や中国の配車サービス大手「滴滴(ディディ)」の2社で1兆5000億円余りの評価損が発生しています。 この状況に対して、孫会長はこの機会に最大1兆円の自社株買いを表明、また国内の有望ベンチャー企業への投資を拡大する方針を表明したいます。 自社株の下落を逆手にとり、経営体質を強化し、「顧客構造」を変えようとしています。

 業績を安定化させるポイントは何と言っても「顧客構造」にあります. 「顧客構造」とはお客様の構成ですね。 お客様は一様ではありません。 分類をすることができます。
 例えば、ソフトバンクで考えてみましょう。 ソフトバンクの投資先は国別に分類することができます。 分類してみると、例えば中国企業が極端に多かったとしましょう。 現在、中国は「共同富裕」を前面に打ち出して、それに相反するとみなしたものは、抑制されます。 中国共産党の方針に大きく影響を受けるので、中国企業への投資が例えば8割の比重があるとすれば、万一のとき経営が危なくなるということになります。 そういう状態はリスクが高いので、「顧客構造が悪い」というような言い方をします。 それを是正するために、中国企業への投資分を減らし、1国の影響だけで大きく業績が落ち込まないようにしていきます。 ソフトバンクグループが、国内のベンチャー企業へ拡大を発表したのは、「顧客構造」を良くし、リスクを減らすためです。

 この考え方はパチンコ業界でも同じです。 出玉に反応する客ばかり集めていると、出玉の無い日は大きく落ち込むことになります。 例えば出玉客が8割になったとすると、出玉しなくなると稼働が8割減になるということになるので、経営は安定しません。 出玉客は、出玉をしたときにホールの賑わいを演出してくれるのですが、安定経営と利益には貢献しれくれません。 こういう状態は好ましくないので、「顧客構造が悪い」ということになります。
 こういう時、社長や店長は稼働を安定させるため、出玉に関係なく来店するお客様を増やすことを考えます。 これを「顧客構造の改善」と言います。 意識して、こういう取り組みすると経営が安定してきます。

 稼働が少なくなるとどうにかして稼働を集めたいと、出玉をする店舗が結構あります。 しかし、出玉というエサに飛びつくのは出玉客です。 頑張って出玉をすればするほど、出玉客は引き寄せられますが、その結果として、出玉無しの稼働が下がり、利益も取れなくなっていきます。 これは「顧客構造」を悪くする施策の典型ということになります。 お客様を増やしても、「顧客構造」が悪くなれば店舗のリスクは高くなります。 これではお客様を増やす意味が無くなってしまいます。

 稼働が下がった時、ただ稼働を増やすのではなく、どういう「顧客構造」にしたいのかを考えて、集客施策を打たなければならないということです。 昔のように稼働が下がったら、出玉営業で増やせばよいという考えは、成り立たなくなってきています。 これをソフトバックで例えると、中国企業の株価が下がったから、また中国企業に投資するようなものです。 これでは投資をするほど経営リスクを高めることになります。 みなさんも自社の客層を分類し、「顧客構造の改善」を念頭に置いた営業をされてはいかがでしょうか。

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 コロナで気にする人が増えた男性化粧品を考える!

 今、打ち合わせやお客様と会う時に身だしなみを気にする男性が増加しているようです。 新型コロナの影響でリモート中心になり、直接人と会うことが無くなり、身だしなみを気にする必要があまりなかったのですが、 最近のコロナの収束で、人との面談に対して過剰に意識をする人が増えているようです。

 ニュース番組のWBSで、男性で自分の顔を整える人が増えていると報道していました。 イケメン製作所という男性の美容ケアーをする店舗があるのですが、 40歳以上のビジネスマンの利用が増加しているそうです。 19年では17%だったのが、21年では37%と利用者がかなり増えています。

 なぜ、こんなことになっているのでしょうか? イケメン製作所の手塚拓海代表は、オンラインとの対面ギャップを解消したいというニーズの存在を挙げていました。 要するにオンラインを通して自分について顔や身だしなみの印象が事前に作られてしまう。 実際面談をしたときに、そのイメージより低く見られると、期待外れという印象を持たれてしまうので、それを恐れているのでしょう。 そういう印象を持たれると打合せや商売が上手く行かないと考えているかもしれません。 昔から第一印象が大切と言われますが、それで人の好感度が変わるからです。

 もしかしたら、あなたの店舗のお客様も、自分のフェイスや身だしなみを気にしているかもしれません。 もし、そういう方の困りごとを解消する提案をするのも、ホールに来る動機付けになるかもしれません。 WBSが解決策として人気が高いものとして紹介していたのは、肌をキレイに見せる「BBクリーム」です。 化粧品のコーセーが出している「マニフィーク」は10月の売上は前年対比6割も上昇したということです。 またフロイントゥデイ資生堂の「ウーノ ノーカラーフェイス クリエイター(1298円)」テカリを抑えるということで、かなり売れているようです。

 景品企画として化粧品を扱ったことはありませんか? 景品企画がマンネシ化しているということであれば、男性化粧品を取り上げても面白いと思います。 一番強いおススメ方法は、スタッフ自らが体験して勧めるパターンです。 男性スタッフに使用させて、納得が出来たら、男性化粧品企画をされてはいかがでしょうか?

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 奈良の東大寺大仏殿の賑わいを見ながら考える

 昨日の日曜日、久しぶりに東大寺の中に入って大仏のご尊顔を見てきました。 奈良公園は散歩コースなので、東大寺には月に何回かは行きますが、わざわざ中に入ることはありません。 通常はスルーをしています。
 無料で中に入れるなら何回でも東大寺の大仏殿の中に行きますが、通常は有料です。 大人が600円で、小学校以上が300円です。 古くからの建築物の維持にはお金がかかるので、有料なのは仕方がないと思います。 お賽銭を万単位でしてくれる奇特な人がたくさんいれば無料になるとは思いますが、そんな人は少ないのが現実です。 今回、大仏殿の中に入ろうと思ったのは、遊びに来ている孫が大仏様を見たことがないというのがきっかけです。

 家から奈良公園まで歩いていくと10月とは違い、少し人が多くなっていました。 人混みの中に修学旅行らしき中学生の集団などがいて、賑やかさが少しづつ増しています。 コロナ前との大きな違いは、やはり海外観光客の存在です。 奈良の観光客の半分ぐらいは外国人でした。 現状ではパラパラいるという感じです。 まだまだ日本の水際対策が厳しいので、外国人観光客の復活はまだ先になるでしょうが、 奈良に集まっている大勢の人を見ると、そのうちまたあの混雑した奈良になるのかと、観光地に住む住民としては複雑な気持ちです。

 緊急事態解除後の経済は復活の兆しが出ていると、ニュース番組WBSでJCBのナウキャストのデータを使いながら説明をしていました。 もちろん、一律の回復ではなく業種業界で明暗が出てきています。

 <どん底からの急回復>・・・0%がコロナ前と同水準
   居酒屋    -68% ⇒ -43%
   鉄道旅客   -61% ⇒ - 4%
 <伸びが鈍化>
   飲食料品    54% ⇒  40%
   医療品化粧品  23% ⇒  12%
 <好調が続く>
   ネット通販   37%
 <回復途上>
   百貨店    -44%

 WBSで取り上げているのは典型的な業界ですが、言いたいことは経済は回復していき、元に戻知つつあるが、戻る場所は同じではないということです。
 走行中の電車の中でジャンプをしても、飛ぶ前の場所と飛んだ後の場所はだいたい同じとところになります。 これを社会に例えると、社会全体が同じ方向に一定の速度で動いていた場合はそうなります。 コロナ後はどうなると言えば、そうわならないということです。 復元力のある業界とそうでない業界に分かれます。 傾向として代替が効かない業界は元に戻りますが、代替が可能な業界、お客様が変化をしてしまった業界は元には戻らないということです。 先ほど電車のたとえで言えば、ジャンプしたときに電車が方向転換をしたようなものです。 着地地点は違う場所になっています。

 コロナ影響が本格的に出てくるのはこれからではないでしょうか。
 コロナ前にの環境に最適化していた企業は、コロナ後の環境変化に対応していく必要があります。 環境への最適化と言うのはある意味、環境への最大の依存と言い換えることができます。 地域の環境に合わせて、地域密着型として最適戦略をとってきたということであれば、変化に対して敏感になる必要があります。 コロナが終わった時、どうなるのか。 コロナで来なくなったお客様は、コロナ前と同じやり方で帰ってくるのか。 経済が回復しかけている今の時期に、考えておく必要があるのではないでしょうか。

 奈良の大仏様の脇仏として、大仏様の向かって左手に巨大な虚空蔵菩薩が祭られています。 虚空蔵菩薩は、「明けの明星」の化身とも言われ、知恵の菩薩として、人々に知恵を授けるともいわれています。 その菩薩様を眺めながら、アフターコロナを見据えた施策の知恵をこの菩薩様ならお持ちだろうと思いながら、家族で参拝していました。

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 山梨県の観光強化戦略から店舗販促を考える!

 山梨県で観光地の活性化を目的とした大規模な実証実験が行われています。 11月の土日祝日の10日間を利用して実施するものです。 ニュース番組WBSでその様子を報道していました。

 例えば、山梨の名勝である昇仙峡では、パナソニックが開発したロボティックモビリティで「 PiiMo(ピーモ)」と呼ばれる 車椅子型の電動移動手段を利用してゆったりと風景を楽しむ企画がされています。 この「 PiiMo」は先頭車両の動きに合わせて、走行を自動的にコントロールされていて、先頭車両に観光地のスタッフが乗って周遊コースを先導して走ります。 最高時速が4㎞なので、ゆっくり周りの風景を楽しむことができるという仕掛けです。 最後尾には万一のことを考えて、スタッフが1人歩いてついていきます。
 風景をゆっくり見ながら散策したいという方で、高齢になって足腰が弱く、散策を諦めている人にとっては、 願ってもない移動手段のように番組を見ていて思えました。 車での観光となると、いくら速度を落としても、20~30㎞以上になるのではないでしょうか。 そうなるとゆっくり見るという散策気分は味わえません。 その点、この4kmの走行速度は、回りの景色を楽しみたい人にとっては、価値あるものと思います。

 他の取り組みとしては、観光スポットをバスで周遊できるというものもあります。 山梨には観光のスポットになる箇所が多数あるのですが、現状ではバスを乗り継いでの周遊が結構面倒くさい状態になっています。 それは山梨の交通網が、主要都市から放射線状に延びているからです。
 これまでの人の移動が村や町から都市部へのアクセスを重視してきました。 生活を考えるとそれがベストな感じだったのでしょう。 しかし、観光地を巡るとなると、村から村、村から町などのアクセスになるので、移動経路が全く違ってくる。 生活用移動経路では観光し難い、それが観光客のネックになる可能性は十分考えられます。 そこで今回の取り組みです。
 観光スポット同士のアクセスを良くすることで、山梨の魅力を向上させようというものです。 確かに、手軽に次の観光スポットにいけるのであれば、楽しみがアップします。

 この観光スポットの連携の地域版のようなものが、山梨のワイナリーを結ぶ「AI(人工知能)乗り合いタクシー」です。 山梨は良いブドウがとれるので、ワインを製造するワイナリーがたくさんあります。 そのワイナリー巡りを効率的にそしてリーズナブルにしてもらうために、相乗り専用のタクシーをつくり、 それをAIで管理して、最適コースを運行するというものです。 これによってワインやワイナリーに興味のある方が気軽に楽しんでもらうことができます。

 コロナ後に観光ブームが来るだろうと予想し、その時山梨の魅力を向上しておいて、他県ではなく自県を選んでもらう作戦を展開しているのです。 県の取り組みとしては、素晴らしいのではないでしょうか。 最近新型コロナで優秀な知事とそうでない知事の差が明確になって来ていると言われますが、山梨県の知事は優秀なのかもしれません。

 ここで注目してほしいのは、観光資源の連携の部分です。 「 PiiMo(ピーモ)」の活用は観光資源自体の魅力の強化です。 これも大事ですが、今ある観光資源を最大限に生かすという観光資源同士のアクセスを良くするというのは、もっと大切です。
 私はこれを、パチンコ店の販売促進とダブらせてみていました。 パチンコ店では、いろいろな販促手段があります。 ポスターやイーゼル、POPもあります。 装飾も販促手段として活用しています。 景品販売もその一環として活用ですることもあるでしょう。 それからホールスタッフの会話やカウンターでの会話もあります。 これらの販促に関する資源が本当に連動されているでしょうか?
 それぞれ、ポスターを変えるだけ、装飾をするだけ、スタッフも機種のおススメはするがそれだけ。 つまり、販促資源が有機的に繋がっていないケースを多く見受けます。 これを繋げることで、今以上の効果を上げることができます。
 例えば、スタッフが会話で「装飾を変えたんですが、気づかれました?」などというだけで、効果は格段に上がると思います。 なぜなら、多くの場合、お客様は店舗の変化に気づいてないからです。
 この山梨県の取り組は、今の経営資源の最大化の施策と見ることができれば、学ぶところがあるのではないでしょうか。

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 パンダマートから余剰労働力の活用を考える!

 パンダのマークが入ったピンクカバンを背負ったデリバリー業者がいます。 みなさんは街中で見かけたことがあるでしょうか。 2020年9月から日本で事業を開始している「フードパンダ」です。 この「フードパンダ」が渋谷でパンダマートという「ダークストア」を始めたということで、ニュース番組のWBSが紹介していました。

 「ダークストア」というのは、店舗で直接お客様にモノを販売しない、ネット注文専門の店舗です。 フードパンダの本業はデリバリーなので、本業と直結した小売業に進出してきたということです。 パンダマートには、冷凍食品や飲料、洗剤などの日用品を取り揃えています。 配達エリアは、店舗から半径4㎞圏内としています。 配達料は220円で、30分以内に販売します。

 このパンダマートを始めた理由は、デリバリー事業の仕事の波を小さくする為です。 レストランのデリバリーは昼食時間帯と夕食時間帯に集中します。 逆にその他の時間は暇になってしまいます。 いわゆる仕事に波がある業務形態になっています。 企業から見ると集めた人材の有効活用ができていないということになります。 配達員から見ると暇になるとお金を稼げないということになります。 最悪の場合、配達員が他の企業へ転職してしまうことになると、事業の縮小になってしまいます。 これを回避するために、暇な時間に新たなデリバリーを積極的に発生させる施策をとったということです。

 仕事の波を作らないという考え方は昔からあります。 みなさんも「パチンコ業界も当然そういう考え方は持っているよ」と言われると思います。 具体的には働く人の人数の調整ですね。 シフトを組むのは、仕事の波に合わせて、経営資源を最適配分するためです。 でも、多くの場合、日単位の波への対応で良しとしているのではないでしょうか。

 それでは時間単位の波に対してはどうでしょうか? 時間帯で見ると、業務量に波があり、忙しい時と暇な時が出来ていると思います。 多くの場合、忙しい時の業務量がこなせるためのシフトを組んでいるので、暇な時にスタッフの余剰が出来てしまいます。
 みなさんは、この余剰を上手く活用していますのでしょうか? 特に何もしない店舗と、余裕のある時にお客様の満足度を上げるために何かをさせる店舗とでは、小さな差ができるのではないでしょうか。 小さな差は積みかなさると大きな差になってきます。 余剰を見つけて、それを活用する施策を行うことの大切さを、このパンダマートから学べるのではないでしょうか。

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 アイスクリームの景品としての可能性!

 最近は朝夕が涼しくなり、秋っぽさが増してきています。 みなさんは、涼しくなってもアイスクリームを食べていますか? 私はあまり食べませんが、家内はせっせとアイスクリームを買って食べています。 暑くもないのに、アイスクリームを食べるのはちょっと変わっているように思っていましたが、 ニュース番組のWBSの「ケイザイのなぜ」を見ていて、私の認識が間違っていることが分かりました。

 コロナ禍でもアイスクリームの販売は好調で、2020年は過去最高の販売額となったそうです。 下のグラフを見ると、10年前から1000億円以上アップしています。

 コロナ禍での人気の秘密の1つが、賞味期限です。 アイスクリームに賞味期限ってあるの?と思われた方もいるかもしれません。 実は、アイスには賞味期限がありません。 買いだめしておいて、いつでも好きな時に食べることができます。

 ではどう人が買うのかというと、高齢者の方が多いのです。 アイスを食べると身体が冷えるので、高齢の方には向かないと思っていましたが、 実は購入で伸びているのが、60代以上という高齢の方なのです。 下の表は2012年と比べた伸び率ですが、見ていただくとお分かりのように、60代の方の伸び率が一番多くなっています。

 備考にも書いてますように、高齢の方に人気があるのが、比較的高額なものです。 自分へのご褒美とか、プチ贅沢のために購入し、コロナのウさを晴らしているようです。
 WBSの中で、ゴディバ三越日本橋店を紹介していましたが、アイスの売上は昨年の1.5倍になったそうです。 売れている商品として、「ゴディバアイスカップ(432円:お持ち帰り)」を取り上げていました。 432円はちょっとしたお値段ですね。
 そして高齢者に良く売れているアイスとして、森永製菓のジャンボシリーズの一つである「バニラモナカジャンボ(151円)」も取材をしていました。 冷凍マーケティング部の村田あづささんによると、60~70代の人で購入の半分を占めると言ってました。 興味を引いたのが販促手法で、なんと10月15日に新聞に高齢者を意識した販促広告を大きく出したそうです。 そうです、年金支給のお金が目当てです。 パチンコ業界も年金が出る偶数月は、15日を意識した運営をしているのではないでしょうか。 他業界でも考えることは同じということですね。

 さて、高齢者のアイスクリーム人気ですが、景品として活用できるのではないでしょうか。 アイスは、どちらかと言えば女性の方が反応しやすいので、女性客の強化を閑雅ている店舗にはピッタリかもしれません。 男性客に対しても、奥様が喜ぶと書いてあれば、購入されるのではないでしょうか。

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 政府の政策を事前検証することで店舗運営力を高める!

 新型コロナの影響で弱った日本経済の立て直しをしないといけない。 多くの国民が政府に望んでいることです。 では、そのためにどのような政策が必要なのでしょうか? みなさんも具体的な政策を考えてみて下さい、と言われるとそれはなかなかできないと思います。 実際、そんな時間は取れないし、知識や経験も不足しているということになります。 多くの人は、それを考えるために政治家を選挙で選んでいるので、それは政治家が責任を持って考えてもらわないと困るということになるのではないでしょうか。

 では、後は政治家に任せて、知らん顔をしていても大丈夫でしょうか? もし、これで大丈夫ならこれほど楽なことはありません。 中には、どのような結果になっても受け入れるという悟った?方もいるかもしれませんが、 それをすると主権放棄に近いので、あまり良い結果にならないことは、歴史が証明しています。 したがって、主権者として国民は、政策の立案が出来なくても、政策の善し悪しの判断はする必要があります。 善し悪しの判断は2つあって、施策を実行する前の判断と実行後の判断があります。 あなたは、どちらの判断能力に優れていますでしょうか?

 政治家の政策の良し差しの判断について取り上げているのは、この能力を磨くと店舗の施策の善し悪しの判断が磨かれると考えているからです。 テレビやネットで、政府が様々な政策を実行している、或いは実行しようとしていると話をニュースとして聞くと思います。 そういう政策は本当に役に立つのか?なぜ役に立つと思うのか、自分なりに考えて見ると、思考力が高まります。
 基本的に役に立つ政策かどうかは、その政策が解決しようとしている課題が的を得ているかどうかと、それが政策で達成できるかどうかという2点で判断できます。 「政策と課題達成」をワンセットで考え、この2点でチェックをします。 これは国単位の話ですが、これを店舗に落とすと「施策と店舗課題田達成」の関係になります。 単純に政府を店舗、国民をお客様と見なして考えると、分かりやすいかもしれません。

 まず課題(目標)ですが、これを鮮明にするとその妥当性が見えてきます。 ここで身近な例を上げてみましょう。 最近のニュースで、「政府・与党は4日、新型コロナウイルスの影響対策支援として、18歳以下の子どもや若者に現金10万円を一律支給する方針を固めました。 所得制限は設けない方針です」というものがありました。 さて、この政策は良い政策と言えるでしょうか?

 では、この政策の目的(課題)とはなんでしょうか? 「18歳以下の国民に10万円を渡すこと」が目的でしょうか? もし、政府の目的が10万円の配布であれば、多くの人は、「何のために?」と尋ねるでしょう。 それは、これが目的でなく、手段と感じるからです。 手段には目的があり、それを知りたいと人は反応します。 その目的とは何かといえば、「新型コロナの影響を受けた人への支援」ということになります。 しかし、この目的では漠然としていて、曖昧です。 なぜ、「18歳以下への10万円給付」との関係の必然性が見えてきません。 だから、バラまきと見えるのです。
 パチンコ業界で言えば、「ファン感」の目的を訊かれて明確に答えられない場合がこれにあたります。 なぜ仕入れが1セットでいいのか、或いは5セット必要なのか、チラシを撒くべきか撒かない方が良いのか、必然性が見えてこない状態です。

 それでは政策自体に問題はないのでしょうか? 政策自体が目的化している場合や不明確な場合、あまり良い方向に進まない可能性が高くなります。 ちょっと頭の中でシミュレーションをしてみましょう。
 支給は子供が対象なので、10万円は子供のお金となります。 子供に渡すので、もらえる子供ともらえない子供がでないように親の所得制限は設けないと提案与党の幹部がインタビューで答えていました。
 ところで、子供にお金を渡して、新型コロナで苦しむ世帯の支援になるのでしょうか? 金額的にこれで足りるでしょうか? 困っている方は1回だけ10万円をもらっても焼け石に水だと思います。 また、親が収入が減ったからといって、子供のお金(10万円)に手をつけて、家計を維持する姿は、政府が目指すあるべき支援の姿なのでしょうか? 本当に困っている親は、家族を養えないという自責の念に加え、子供のお金(10万円)を生活のために使ってしまうという親の扶養者としてのプライドを捨てさせる政策となっています。
 そして、子供へ支給にすることで、高所得の親の収入とは別になり、課税されないように配慮しています。 富めるものはさらに富、貧しいものはさらに貧しくなる、という状況を政府が推進する政策になっています。
 加えて、多くの親は子供がお金を使うことより、貯蓄を勧めます。 無駄遣いを良しとしません。 給付をしても単に子供の貯金が増えるだけです。 これが貧困対策になるのでしょうか?
 要するに、2兆円を配っても、追い詰められている貧困家庭以外は、給付の10万円は使わないということになります。 コロナ前に、子供の7人に1人が貧困という話を聞いたことがあるます。 コロナ禍でさらに悪化してるとすれば、6人に1人か、5人に1人が貧困になっているかもしれません。 悪い方に振れているとして、5人に1人が貧困とすると、5人のうち4人は貧困ではないので貯金をすると考えられます。 単純に計算すると2兆円にうち1兆6千億円は死に金となります。 つまり、経済効果の薄いお金をバラまくことになる可能性が非常に高いということになります。
 もちろんバラまく2兆円は国の純粋な借金であり、将来国民が負担しなければならないお金です。 どうみても問題がありそうです。
 朝、偶然「日曜報道 THE PRIME」を見ていると、給付対象になっている女子高校生がインタビューで「止めた方がいい」といっていたのが印象に残っています。
 これもパチンコ業界で言えば、誰も打たない台を大量に仕入れるようなものです。 「ファン感」でチラシを撒くが、来店しそうな有効な地域が2割しかないという方がイメージしやすいでしょうか? 銀行からお金を借りて大量に使うが、有効なものは2割しかない状態です。 これで社長はOKするでしょうか? 企業でこんなことをしていたら倒産ですよね。

 こう考えていくと、政策の善し悪しと店舗の施策の善し悪しの判断の仕方は似ていると感じると思います。 課題設定を明確にし、施策がそれを実現するものであるかどうかを論理的に考えていくとことで見えてきます。
 あたらめて11月にある「ファン感」を考えてみて下さい。 「ファン感」の目的をどれだけ明確にしているでしょうか? もしかしたら「ファン感」を実行することが目的となっているのはないでしょうか? もしそうであれば、先ほど取り上げた政府の政策と同様、おかしな点があっても気づかないのではないでしょうか?
 店舗の施策でも、政府の政策でも同じです。 「何のためにこんなことをするか?それをすることで本当に目的は達成するのか?」 問い続けることで、施策の善し悪しを判断する力が醸成されます。 みなさんも習慣にしてみてはいかがでしょうか。

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 ペットと人間の会話を成立させるAIに学ぶ!

 このブログを読まれている人の中に、ペットとの会話が出来たらいいのに、と思っている方もいるかもしれません。 実は、そう言うシステムをNECが開発したということで、ニュース番組WBSで紹介していました。

 どのようなシステムかというと、ペットにセンサーを付け、活動データを収集し、 それをAIで読み解いて言語化するというものです。 その言語化されたメッセージをLINEなどで、飼い主のスマホに送ります。 だから、ペットを家において外出先で、ペットにLINEでメッセージを言えると、 ペットに動きに合わせたメッセージが返信されてきます。

 こんな感じです。
 飼い主メール「何してるの?」
 その時、ペットが動き回っていたら、
 ペットメール「今、遊んでいるの」
 というような感じで返してきます。

 もちろん会話が成立するために飼い主のメールを読み解き、ペットの行動をから適切なメッセージを作り上げます。 ペットの行動はそれそれ違うので、AIがペットの行動を集計し、どのような時にどのような行動を取るのか、データを集めます。 データが十分集まり、AIのデータの解析が進めば進むほど、自然な会話となって行きます。

 このペットの活動データは、ペットの健康管理にも使えます。 現在、全国1000の動物病院でデータを使った診療が行われているそうです。 また、運動量が少なくなったら、飼い主にもアラートで報告されます。

 ペットがモノを言わなくても、行動で言いたいことが分かる技術です。 これは素晴らしいと思う人がいる反面、AIを使わなくても飼い主ならそれくらい分かるという方も多いのではないでしょうか。 ペットの動きを観察して、エサが欲しいとか、トレイに行きたいとか、散歩を欲求しているなどと感じて、飼い主はペットの世話をしていると思います。

 では接客業をしている皆さんは、お客様の思っていることを読み取れるでしょうか? 読み取れると思っている人と読み取れないと思っている人に分かれると思います。 その違いは主にお客様に対する観察力です。 お客様をペットと同じように考えるのは抵抗があると思いますが、 行動から相手の考えを読み取るという点では同じです。 AIと同じようにお客様の行動情報を細かく観察していくことがポイントになります。 逆にスタッフがお客様の気持ちを考えることができないのは、観察不足ということになります。

 そう考えると将来、画像認識機能でお客様の行動パターンを集め、AIが接客指示を人間のスタッフに出す時代が来るかもしませんね。
 インカムから、
 「152番のお客様、ドリンクを頼む前と同じ行動パターンをしています。ワゴンサービススタッフは急行してください」
 「320番のお客様、周囲を見ています。そろそろ玉箱を上げて下さい」
 というように・・・・。

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 衆議院選挙の自民と立憲を見て店舗運営を考える!

 衆議院議員選挙が終わりました。 振り返ると選挙の公示からアッと言う間に選挙が終わった感じです。 10月31日の夜は、ほとんどのチャンネルで選挙特番をしていました。

 今回の選挙で一番大きく議席を減らしたのが自民党でした。 解散前は276議席あったのが、15議席減り261議席となりました。 自民党のトップの岸田さんは国民の信任を得たと、胸を張って記者会見に臨んでいました。 二番目に議席を大きく減らしたのが立憲民主党です。 解散前は109議席あったものが、13議席減り96議席となりました。 枝野さんはどうなったと言えば、「議席を減らしたことは大変残念で申し訳なく思っている」と陳謝し、代表を辞任すると言い出しています。 ちなみに三番目は日本共産党で、2議席減らして10議席になしました、

 議員議席を15席減らした党首は意気揚々とし、13議席減らした党首は辞任に追い込まれる。 なぜ、そんなことになるのか。 そうです。 事前期待の問題ですね。 岸田さんは、233議席は何としても取りたいと思っていた。 もし、それを割るようなことがあれば、進退問題に発展するかもしれない。 自民党議員の多くの人が今回は30議席どころか40議席減るかもしれないと思っていました。 ところが、結果としては261議席、予想より28議席も多い。 期待値が低くかっただけに、261議席は輝いて見えました。

 一方、枝野さんはどうかと言えば、「今回は政権交代の選挙です」などと言い、 野党が過半数をとるような、過半数と行かなくても、自民党を過半数割れに追い込むような話をしていました。 当然、野党第一党である立憲民主党は、109議席から大いに議席を伸ばし、自民党が失うであろう40議席あまりの大半を取り込むような、イメージを振りまきました。 期待値は150議席ぐらいあったのではないでしょうか。 こうなると今回の96議席は話にならない議席数ということになります。 議席数が躍進するどころか減った訳ですから、党員はカンカンです。
 リニューアル・オープンの時に地域NO.1を獲ると宣言しながら、実際やってみると全然ダメだったというケースですね。 枝野さんは既存の議席数を割り込んだので、初日からお客様が入らず空席が目立ったような失態かもしれません。 業界で言えば、枝野さんを店長にしたばかりに最悪のリニューアル・オープンになってしまったとう感じですね。

 それでは枝野さんは本当に今回の選挙ではダメダメだったのでしょうか? 以下に衆議院議員選挙前の政党の支持率を記載した表があります。

 NHKは選挙直前にアンケート調査を行い、各政党の支持率を出しています。 選挙ではいずれかの党に票を入れないといけないので、表の右側に支持政党が無い人を除いて、支持政党のある中での政党支持割合を出しています。 その中では自民党の支持割合は64.3%もあり、過半数を超えています。 一方、立憲民主党は13.3%しかありません。 次に今回の議席の獲得割合を見てみると、自民党は56.1%を獲得、立憲民主党は20.6%を獲得しています。 これらの数字を見ると、64.3%も支持がある自民党は56.1%しか議席が取れず、13.3%しか指示が無い立憲民主党が20.6%もの議席を取っていることになります。 そうなると立憲民主党は支持の割には議席を取れているという評価となります。

 立憲民主党の支持率が上がらない中で、もっと議席が減少してもおかしくない選挙を、 頑張って20.6%もの議席を取った枝野さんは、よく頑張ったという評価をしてもおかしくないと思いませんか? こういう評価が内外から出ないのは、やはり自党の置かれている状況を冷静に見て、立憲民主党のメンバーに危機感を持たせなかったからではないでしょうか。 実際、1週間前の参議院議員補欠選挙では、厳しいデータが出ています。 もし、今回の選挙を「政権交代の選挙」などと大きな目標を掲げることを止め、謙虚に望んだらどうなっていたでしょうか。 例えば、以下のように・・・。

「私たち立憲民主党は、野党第一党ではありますが、国民の皆様の支持をあまり受けていません。 支持率はわずか13.3%です。 自民党が『森友学園』や『桜を見る会』をはじめいろいろな問題を起こし、支持が失われていく中でも、 私たちの党の支持率はほとんど伸びませんでした。
 これすなわち国民から頼りにならない党だと思われている証拠です。 自分達のやってきたことを反省し、自民党批判をするだけではなく、国民の信頼を得るために何ができるのか、 野党としての実績を積み上げるとともに、国民の皆様に丁寧に説明していかなければなりません。
 現在、109議席持っていますが、現在の党の支持率から言えば、62議席でもおかしくありません。 つまり、今回大敗してもおかしくない状況なのです。 自民党の支持率が減っている中で、わが党が伸び悩んでいるという現実に、危機意識を持って選挙に臨んでください。 以上です」

 立憲民主党が危機意識を持てば、有権者は反省ができる党だと思うでしょう。 今抱いている野党に対する不満を汲み取って、改善していくというイメージを持つかもしれません。 今回の選挙も、もしかしたら62議席のところまで後退するところを、96議席で踏みとどまったということで、頑張ったと評価をされるかもしれません。 ところが「政権交代」などと大風呂敷を広げたために、立憲民主党の「政権後退」となってしまいました。
 事実は1つでも、もって行き方で評価は大きく変わります。 これはパチンコ業界のホール運営でも同じです。 同じ出玉をしても、持って行き方でお客様の印象はかなり違いが出ます。 今回の衆議院選挙を「他山の石」として、ユーザーへの打ち出しを検証してはいかがでしょうか。

関連資料:PDCAの検証を参議院議員の補欠選挙で考える!

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 スタッフの仕事に対する負担を心理的に軽減する!

 スタッフを見ていても、頑張る人とそうでない人がいます。 同じような仕事でも、それを大変そうにするスタッフもいれば、当然のごとくこなすスタッフもいます。 その違いはどこになるのでしょうか。 モーガン・フリーマンの「時空を超えて」という番組で興味深い研究を紹介していました。

 アメリカにコーネル大学という大学があります。 丘の上にある大学です。 大学の授業を受けるためには、急な坂道を150mほど上っていく必要があります。 下の写真は丘の上から撮った写真です。

 この大学で教えていた心理学者のトニー・バロウ氏のもとに、ある日授業に欠席した学生がやってきて、 「エネルギーがでなくて、どうしても坂を上れなかったので休みました」と言ったそうです。 その時、困難があっても立ち向かえる時と、そうでない時の違いを研究してみようと思ったそうです。

 実験したのは、”目標によって、困難を乗り越える力に差ができるのか”というものです。 まず、大学への続く150mの坂道を登る直前に、授業を受けに行こうとする学生にインタビューをし、「その日に達成したい目標」を尋ねました。 そして、その学生が坂を上り切ったところで、別の調査スタッフがその学生に声をかけ、坂道の険しさと上る大変さについて聞きました。 その結果、当たり前ですが、坂が急だと思う人ほど坂を大変と感じるという相関関係が出ました。

 次に目標にひねりを加え、別の学生に「自分の人生の長期的な目標」を尋ねることにしました。 そして同じように坂を上りきったところで、、坂道の険しさと上る大変さについて聞きます。 その結果、人生の長期的な目標を尋ねたときに、それを調査用紙に書いた人は、今日の目標を書いた人より、坂道を苦にしないことが分かりました。

〇その日の目標=短期的に簡単に達成できるもの。
         例えば、今日はジムに行く。
〇長期的な目標=自分の夢に方向付けするもの。
         例えば、私は医師になる。

 長期的な目標を持つことで、今いる場所に永遠に留まることが無いことを自覚します。 特定の方向に向かうことが分かっていれば、途中にある障害もそれほど苦にならないことがわかりました。 目的意識によって苦難を乗り越えやすくなるのです。
 トニー・バウロ教授は、長期的な目標を持つことで、自分自身と世界の捉え方が無意識のうちに変わると考えています。 そして、それは私たちの前に続く坂道をなだらかにしてくれるというのです。

 みなさんの店舗ではアルバイトスタッフ等に長期的な目標を意識させるようにしていますのでしょうか。 例えば、アルバイトから社員になる目標でもいいですし、サービスのプロになる目標でもいいです。 それをスタッフが自覚し、明確にするお手伝いをするのです。 それにより、何のために今の現実(仕事)と向き合っているかを意識させることになり、目の前の障害(仕事)のハードルが下がるのです。
 働き方改革は、仕事自体を工夫してハードルを下げて働きやすくするという方向と 心理的なハードルを下げて働きやすくするという方向があります。 東京ディズニーランドやスターバックスは、心理的ハードルを下げて働きやすくしています。 特に、接客サービスを強化して顧客満足度を上げようとしているなら、スタッフに大変だと思わせないように、同時に心理的ハードルを下げることが必要です。

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