本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

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経営のヒントになりそうに思ったこと

 □□□ 2024年 8月の目次 □□□

■コーヒーの「2050年問題」から問題解決を考える!

 コーヒーの「2050年問題」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、2050年頃には地球温暖化などの影響で、コーヒーの栽培地が半減してしまうという問題です。 コーヒーは北緯25度から南緯25度の間の”コーヒーベルト”と呼ばれる地域で作られています。 これが地球温暖化で適さない土地が増えていき、 コーヒー豆の病気の発生やコーヒー豆自体の品質の低下が懸念されているのです。 コーヒー豆自体の生産量が減少すれば、価格は高騰する可能性が高まりますし、 品質の低下は、美味しいコーヒーを手軽に飲めないかもしれないということです。 コーヒー好きにとっては大きな問題です。

 ニュース番組WBSでは、この問題に対する一つの解決策として、 「サスティナブル エスプレッソ」を提案し、 日本へ進出してきたアメリカの企業アトモ コーヒーを取り上げていました。 「サスティナブル エスプレッソ」というのは、コーヒー豆を使わない代替コーヒーで、 通常は破棄されるナツメヤシの種子など12種類の材料を粉末化したものに、 カフェインを付加してコーヒーを再現したものです。 従来のコーヒー豆に比べて、CO2排出量を83%も削減するそうです。 来日したエド・ホーンCOOは、ほとんどの消費者はコーヒー業界が大きな課題を抱えていることを知らないので、 このコーヒーの販売を通じて、消費者への啓蒙活動も同時に行っていくようでした。

 改めて問います。 コーヒーの「2050年問題」とは具体的に何が問題なのでしょうか?
 実は問題の定義の仕方で解決策は違ってきます。 ちょっと思いつくままに書くと以下のような感じでしょうか。

 ①コーヒー豆の栽培地が半減すること
 ②コーヒーの品質が低下すること
 ③コーヒーの供給が低下すること
 ➃コーヒーの価格が上がること
 ⑤コーヒー豆の生産者が打撃を受けること
 ⑥コーヒー豆作りの雇用が半減してしまうこと

「サスティナブル エスプレッソ」が対応しているのは、 ③に対する解決策で、代替コーヒーによる供給量の低下を防ぐというもの、 あとは今まで廃棄されていたものが売り物に変わるという点では、 ⑤の生産者の収入減少を防ぐというものもあるかもしれません。 こうして考えると、アトモ コーヒーの解決策は、問題の一部しかカバーしてないことが分かります。

 実は同時にチョコレートの原材料のカカオ豆の農園も2050年までにかなり減少するという問題も取り上げており、 これに対して日本の大手チョコレートメーカーのロッテがカカオ豆の殻をバイオ炭にして農園の土壌改良し、 農園の生産性の向上に取り組んでいる事例をWBSで紹介していました。 この農園の土壌改良の取り組みを、コーヒー豆で行えば、①~⑥までの問題に対して、 対応するのではないでしょうか。

 ざっくりと「問題」と言っても具体的に定義をしないと、問題解決策は出るけど、 解決したい問題が十分解決しないということが起こります。 もし、そういうことが発生した場合、「問題とは何なのか」を改めて定義をしてはどうでしょうか。 そうすることで、解決できない部分が明確になり、新たな施策が考えることができると思います。

 最後、蛇足の質問です。 「パチンコユーザー減少問題」とは、具体的に何が問題なんでしょうか?

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■兵庫県知事の一連の問題のインパクトを考える!

 心理学の用語にアンカリング効果というものがあります。 最初にインパクトのある情報を与えられると、それが基準となってその後の判断に影響を与えるというものです。 似たような用語にハロー効果もあります。 ある対象を評価する時に、それが持つ堅調な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象を言います。 どうも人はインパクトのある情報にさらされると、それ以降何らかの影響にさらされてしまうというものです。

 この話を長々としたのは、最近の一連の兵庫県知事のニュース報道を見て、 この問題は多くの人の判断や価値観、物事の捉え方に影響を与えているのではないだろうかと思うからです。 兵庫県知事と言えば、斎藤元彦さんです。 1977年生まれで現在、47歳。 東大を出て、総務省に入省。 知事選で日本維新の会が推薦し、自民党党本部も追随。 若手で頭が良く、エリートのヤリ手、日本維新の会が認める新しい風を起こしてくれる期待の星。 県政改革をし、素晴らしい業績を上げてくれるだろうという期待がかなり高かったと思います。

 しかし、この時、日本中に大きなインパクトを与えてかといえば、そうでもなかったと思います。 日本維新は多くの若手政治を推し、当選させています。 若い人はやってくれる。 総務省出身だから国との調整も上手くできるだろう。 実際に似たような事例は、全国に数多く在り、上手く行く場合もあればそうでもない場合もある。 県民も強烈な期待感というよりは、そこそこやってくれるだろうという感じだったのではないでしょうか。

 でも、今回の事件は、一般の人が持っている思い込みを変えるインパクトがあったと思います。 それは、今まで使っていた言葉を単純に使うことができなくなってきていると感じるからです。
 例えば、「これからの政治は若い人に任せるべきではないでしょうか」という言葉は、もう安直に使えません。 年寄は権威主義であり、過去にとらわれ、自己を過信している、謙虚さに欠けるところがある。 とういうよなイメージで、世代交代を訴えることができたのですが、斎藤知事の事件報道以降は、 そういう人間は若くてもいるじゃないか、年寄りがダメで、若い人が良いと単純に言えない、 という雰囲気が出ているような気がします。
 逆にいえば、年齢にごまかされることなく、また華々しい経歴だけを見るのではなく、 候補者本人をしっかり見ること、人格までしっかり見ることの大切さを教えてくれたように思います。

 物事は相対的です。 私は自分が住んでいる奈良県の知事について特に評価していませんでしたが、 兵庫県知事のニュースを聞くたびに、奈良県知事はそういう問題を起こしていないので、 同じ維新推薦でもまともな人が知事になっていると感じてしまいます。 これは最初に上げたインパクトのある情報による評価の書き換えが、私の中で起こっているのでしょう。

 インパクトはプラスとマイナスがあります。 店舗の信用力を保つためには、マイナスのインパクトを出さないことが大切です。 スタッフ全員が、日頃から一般的に好ましいと言われる生活をする必要があります。 そういう意味では良い企業、良きスタッフ、良き市民を目指す必要があります。
 これは私の感覚ですが、インパクトが同じなら、マイナスのインパクトは、プラスのインパクトの5倍影響力があるように思います。 地道に5回良いことをしても、1回悪い評判が流れるとすべてはチャラになってしまうのではないでしょうか。 良いことを接客に置き換えるとわかりやすいかもしれませんね。
 悪名は千里を走るとも言いますので、斎藤知事の事件は反面教師となるのではないでしょうか。 実際は斎藤知事は事実無根かもしれませんが、その影響の大きさはこれからの選挙にも及ぶような気がします。

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■お客様が歓迎するメールを送っていますか?

 まだまだ暑い日が続いています。 猛暑日はイオンモールからメールが来ます。 自店は自治体から『クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)』の指定を受けていますので、 是非お立ち寄りくださいというものです。

 『クーリングシェルター』とは、気候変動適応法に基づいて、適当な冷房設備を有する等の要件を満たす施設を危険な暑さから避難できる場所として自治体が指定した施設です。 「熱中症特別警戒アラート」が発表されると、親切にメールで案内をしてくれます。 もちろん、イオンモールの目的は館内でゆっくりしてもらって、 『いいものあったね!』というような体験をお客様にしてもらうことにあります。 でも、その案内は個人に送る正当な理由があるので、違和感はありません。 せっかくだからイオンモールに行ってもいいなという気になります。

 さて、店舗のメールで、送られたお客様が”もっともだ”と思うようなメールをどれだけあるでしょうか? 別に単なる集客メールが悪いとは思いませんが、 店の集客アップのために、 同じようなメールを何回も送られてくるのに嫌気がさすお客様も少なくないのは事実です。
 もし、送ることで自分のホールを思い出してもらうのが目的なら、 なるべくお客様が価値があるというメールを送るようにして、 お客様にストレスを与えないのがよいと思います。 逆にアソコのホールのメールは役に立つと思われたら、 メールを通してホールの価値も上がるのではないでしょうか。

 例えば、秋の交通安全週間の時に「明日から秋の交通安全週間が始まります。 お来店の際は、安全運転でお願いいたします。」 というような簡単なメール等を送ってみようというような試みですね。 警察の交通に協力し、安全運転を守ることはお客様にもメリットがある。 受け取ったお客様も「もうそんな時期か」と店舗からメールが来たことを、 好意的に受け取ってくるのではないでしょうか。

 たかがメールですが、工夫することで、お客様の好感度を上げることができると思います。 そう思って工夫を積み重ねることが、地域に無くてはならない店舗作りには必要なことではないでしょうか。

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■総裁選の表と裏から店舗視察のヒントを学ぶ!

 昔、「ジョーカーゲーム」というアニメがありました。 内容は、太平洋戦争前に作られた陸軍のスパイ組織の話です。 第1話の主人公はスパイ組織と陸軍の連絡役になった大尉でした。

 ある日、大尉はスパイメンバーとポーカーをしてボロ負けます。 大尉は、「こんな日もあるさ」と言って自分の部屋に帰ろうとします。 その時、ポーカーをしていたスパイメンバーの一人に、 「大尉は勝っていましたよ。ただ情報戦に負けただけです。カードの手札が洩れていました」 と言われます。 それを聞いて大尉は「お前たちは卑怯者だ!」と声を荒げます。
 するとスパイメンバーは、「我々はポーカーをしていたわけでない」と言い、 情報提供者を買収したり、情報提供者が真の協力者かどうか見極めたり、 また提供される情報がニセモノかどうかをジャッジするゲームをしていただけと説明します。

 要するに大尉は、参加者がまじめにポーカーゲームをしていると勝手に思い込んでいただけで、 他のメンバーは、情報操作でジョーカーを引かないためのゲームをしていたということです。 一見もっともらしいゲーム(行為)でも、真のゲーム(行為)は全く違っていることが、 世間(政治)にはよくあるというお話です。

 さて、今回の自民党の総裁選は、どういうゲームなのでしょうか。 一見すると自民党を刷新するために、意欲のある国会議員が、 我こそは総裁にふさわしいとして、正々堂々と立候補しているように見えます。 これが表のゲームの姿ですね。
 10人もの総裁候補者が名乗りを上げると言われています。 みなさんは、本気で総裁になれると思っている人が何人いると思いますか? 現状は参加制限無しのオリンピック競技を見ているような感じがするのは私だけでしょうか。 事前の調査を見る限り、どう考えても3~4人ほどに絞られるのではないでしょうか。

 10人の候補がもたらす事実として浮かび上がってくるのは、 第一回目の投票で単独過半数を取ることは誰もできないということです。 すると上位2名の決戦投票は自明の理です。 傍から見ると第1回目の選挙で単独過半数阻止に党を挙げて取り組んでいるというように見えます。 決戦投票では国会議員の人気の多さで選ばれることになります。 とうことは党員人気が低く、国会議員人気が高い人を選ぶ出来レースとなっているような感じがします。

 今回、単純に従来から影響力のある人をすんなり総裁にすると、 自民党は旧態然とした体質だと思われ、自民党の人気は回復しない。 回復するためにはそうではないという演出が必要となります。
 その第一弾が、小林さんという若手に一番最初に名乗りを挙げさせ、自民党の若い力をアピールする。 二世議員の小泉さんだけでは、訴求力が弱いと判断したのかもしれません。
 第二弾は、女性候補の出馬表明ですよね。 自民党は女性も思ったことが言える男女平等な組織であることをアピールできます。
 第三弾が、候補者の多さですよね。誰でも総裁に手を挙げることができる自由な組織であることアピールする。 加えて、候補者が多いと討論会なども深堀ができなくなるので、痛いところをつかれにくくなる。 マスコミも公平の観点から、平等に浅い紹介にならざるを得ない。 1時間番組で10人出るとすれば、NHKでも一人5分発言できるかどうかでしょう。 国民にインパクトのある独自の主張を持っていた候補者がいたとしても、5分では伝わらないでしょう。

 最終的に、自民党は誰もが納得できる民主的なやり方で次の総裁を選んだということで、国民の人気を取り付ける。 看板だけを新しくして、以前の体質を温存しながら乗り切るためのなんちゃってゲームという見方もできます。 恐るべき自民党の演出力です。
 同時期に総裁選を進めている立憲民主党と比べれば、その差は歴然です。 立憲民主党がやっているのは、ただの党内の権力闘争と映ります。 立憲民主党に求められている今を変える革新性や柔軟な発想力の演出のかけらもありません。 自民党と比較して若手も育っていないように見えます。
 国民としては、やっぱり自民党の方がましではないか!、と思ってしまうと感じるのは私だけでしょうか。 私の目には立憲民主党は総裁選の本質を理解せず、ジョーカーを引いて喜んでいるように見えてしまいます。

 一見やっていることと、実際に意図していることが違っているケースはままあることです。 小さな例を上がるとすれば、コミュニティホールがやっている会員募集です。 一見するとただの入会ですが、 実際はお客様との会話のきっかけづくりを行い、お客様との関係を築いていくというものです。 だから、入会を断られても問題はありません。 会員をネタとしてお客様と親しくなるのが真の目的だからです。 意図を知らないと、無駄なことをしている店舗にしかみえないでしょう。

 さて、自民党という組織の意図が、どこにあるかは実際わかりませんが、 やっている行為の裏を読む訓練は、他店舗視察にも役立つと思います。 そういう視点で、今回の自民党総裁選びを観察してはいかがでしょうか。

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■熊本城の「見せる復興」から店舗運営を学ぶ!

 観光の新しいテーマとして『見せる復興』というものがあるのをご存知でしょうか?
 通常、観光と言えば準備万端整えてお客様をお迎えするというのが普通の姿です。 しかし、この発想では完成しない限り、お客様を呼べないということになってしまいます。 でもそれは仕方がないと諦めるのがこれまでの姿でした。

 これに対して『見せる復興』は完成するまでの過程自体を、観光資源として売りに出すという発想です。 ニュース番組WBSで紹介していたのは、首里城と熊本城の『見せる復興』です。 番組の中で、首里城の担当者が熊本城の復興を見て参考にしたとあるので、 熊本城が『見せる復興』の先輩というか、観光にイノベーションを起こした最初のケースなのでしょう。

 ご存知のように熊本城は、2016年4月14日に発生した震度7の地震により、大きく損壊しました。 13棟の国重要文化財がすべて被災し、石垣の崩落や天守の屋根瓦の落下など被害は甚大でした。 私はセミナー等の仕事で熊本は何回か行ったことがあります。 熊本城を遠目で見ながら、機会があれば観光してみたいと思っていました。 テレビで天守閣が崩落しているのを見て、早めに見て置けば良かったと後悔した記憶があります。

 熊本城の被害はかなり大きく、現在も復旧工事が続けられています。 WBSでは、そんな状況を逆手にとって、空中回廊(2020年)を17億円かけてつくり、 石垣の修理の様子や通常では見ることができない高所の石垣を間近に見えるようにして、 修理工事をしている”今しか体験できない新たな価値”を創り上げている様子を紹介していました。 今しか体験できないという希少性を売りにすることで、新たな集客を図っているのです。
 2023年現在では、震災の前の約8割まで、来場者数を戻してきています。 2017年、2018年は来場者ゼロだったので、現在、奇跡的な復活をしていると言えるのではないでしょうか。

 この完成品を売るのではなく、完成までの作業や工程を積極的に公開することで、 完成するものに新しい興味を持たせたり、希少体験をさせたり、自分たちの努力や苦労を演出したりすることは、 ホール運営の中でも可能ですし、すでにされていると思います。
 例えば、「新台を事前にシマに入れて何日間か置いておき新台オープンをする」というケースがあります。 この行為も抽象度を上げると『見せる復興』に類似していると気づくのではないでしょうか。 そういう発想に立つと、イベントの陳列や装飾なども様々な演出がで、見せ方も工夫ができます。
 お客様の興味は完成品だけにあるのではなく、未完成品にも興味を持ちます。 また持たせるように演出をするのが、運営者の腕の見せ所です。

 熊本城、空中回廊の話を聞いて是非行ってみたいと思いました。 みなさんも、熊本県に施策に行くことがありましたら、熊本城も視察対象に入れてはどうでしょうか。

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■事前の最適戦略がなぜ上手くいかないのか?!

 「動学的不整合性」という言葉をご存知でしょうか? 私はお盆はコロナにかかり、何のする気がしないので、家の本を整理している時にこの言葉を見つけました。
 この言葉は、事前には最適である戦略が、実際に時間経過とともに実行段階では、必ずしも最適でなくなることをいう専門用語です。 もっと分かり易く言えば、作戦を立てた時点で最も良かった方法が、時間が経過した時点でその作戦を相手に読まれてしまい、 逆に相手がその作戦をうまく利用して対応されてしまうために、当初の目的を果たせないというケースを言います。

 例えば、店舗のクリンリネスの質をあげたいと思い、定期的にクリンリネスをチェックをするように伝えたとします。 すると、クリンリネスをチェックする当日は一生懸命に掃除をし、どの店舗もチェックをクリアしてしまう。 では、店舗のクリンリネスの質は上がったかと言えば、前と同じで変わらないというケースですね。

 昔、よくあったのがリニューアルオープンで、店舗の稼働を上げたいという場合、 事前に発表すると、リニューアルのために出玉資金を回収されると思い、だんだんお客様が少なくなる。 リニューアルオープン時には人が来るが、しばらくすると減ったお客様がもとにもどっただけで、思ったように稼働が上がらない。 ホールがお客様の動きを見ているように、お客様もホールの動きを見て、損をしないように立ち回ろうとします。 その結果、思った通りの営業ができないのです。

 「動学的不整合性」は経済や金融で使われていますが、店舗経営にも十分当てはまりそうです。 しかし、経済や金融と違い、店舗経営ではこれを上手く立ち回ることは可能だと思います。 なぜなら、お店に来るお客様に対して、店舗がある程度影響を及ぼすことができるからです。

 身近な例で言えば、撤去台を考えてみましょう。
 お客様に撤去を伝えた時点で、バリバリの回収台と思われてお客様は打たなくなります。 それは、過去にそういう経験をしてきた学習の結果と言えます。 お客様の頭の中は、育成しないから回収しているだろうという憶測で一杯です。 もし、撤去する前に徹底して回収しようと事前に考えていたら、失敗ということになります。

 しかし、お客様に撤去を伝えたと同時に、「今までありがとうキャンペーン」をすればどうなるでしょう。 実際、回収台として回収できないので、通常営業台として、甘めにしても知れていると思います。 よほどお客様に信用の無い店舗ならいざ知らず、わざわざ店舗がそう言うならと、打ってくれる人はいると思います。 成功確率を上げるためには、機種管理を会員管理ですれば、過去の遊技者数も分かるので、それなりの遊技経験者がいる台が分かります。 そういう台でキャンペーンを行えば、思った以上に集客ができるでしょう。

 お客様への心理的働きかけを忘れて、「動学的不整合性」の理論通り、当初目標を達成できない店舗を見かけます。
 商売はお客様との心理戦です。 お客様と店舗の信頼関係ができればできるほど、お客様は店舗の働きかけに応じて動いてくれます。 もし、当初の仕掛けが上手く行かないということであれば、 お客様の心理状態を推察して、お客様に先手を打って働きかけをしてみてはいかがでしょか。

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■新幹線の保守車両衝突事故から考える!

 7月22日(2024年)に新幹線の保守用車両同士が衝突し脱線する事故が発生しました。 新幹線で車両の衝突事故が起こるとは全く思っていなかっただけに、驚きました。 この事故により、東海道新幹線の名古屋駅から浜松駅間で終日運転が見合わせとなり、大きな影響が出ました。

 ちょうどこの時期、東京に飛行機で行こうと空席情報を見ていましたが、 この事故の発生で十分な空席があるはずが、瞬く間になくなり、 予想しない出来事は身近に起こるものだと思い知らされました。
 発生の可能性のあるものは、必ず起こる。 ただ、いつ起こるかがわからない。 地震と同じですね。

 この事故の原因についてJR東海の川越洋施設部長が8月6日に報告をしていました。 原因は保守車両6両のうち、少なくとも3両のブレーキ機能が大きく低下した状態で走行していたことにあり、 停止できず事故になったとしています。 「本来なら使用停止すべき状態になっていたが、事前に認識できなかった」と報告しています。

 ではなぜ、認識できなかったのか? 使用停止の水準にまで低下したことに気づかなかった理由として挙げたのが、 『メーカーの想定と異なる点検をしていた』ためだということです。 鉄道会社、安全のためにブレーキチェックは必須であり、それはしていた。 ただ、車両を作ったメーカーとは違うチェックをしていたということです。 要するに「点検方法の誤り」というわけですよね。

 今年1月に23日にJR東日本でも、架線の張りを調整する部品が破断したことによる大きなトラブルがありました。 これも、検査する社員の半数が『検査箇所を誤認』していたと報告しています。 事前にトラブルを避けるために点検は大切なことですが、 点検自体が正しい点検であるかどうか、定期的に点検する必要があることを、 新幹線のトラブルは私たちに教えているのかもしれません。
 年に1回ぐらいは、今の点検が正しいかどうか、 思い込みが無い第三者がチェックしてみるのもいいかもしれませんね。

関連資料:陥りやすい『なんちゃって管理者』について考える!

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■良い企業でないと地域に進出できない!

 ユニクロを運営するファーストリテイリングの会長兼社長の柳井正さんが、 ニュース番組WBSのインタビューを受けていました。 その番組では、ファーストリテイリングがバングラデシュの「アジア女子大学」の支援について取り上げていました。 2013年から支援し、柳井さんは支援財団のトップも兼任しています。 支援を受けて卒業した学生は約1500人。 卒業生は海外で活躍しているそうです。

 柳井さんは、アジア女子大学を支援する理由について、 「今から成長するのはアジア、その中で成長する原動力は若い人。 アジアの若い人は自国で活躍するチャンスが少ない。 海外で仕事をしたいという意欲が非常に高い。 なので支援をしている」 というように話されていました。

 ファーストリテイリングは海外展開を加速しています。 業績も好調。 2023年9月~2024年5月期の純利益は3,128億円(前年比31.2%UP)。 こういう中で、あえてアジア地域の支援活動を行っている意味を、インタビューで突っ込んで聞いていました。 その時、聞き手が「今、世界のマーケットを”切り取って”いってますよね」と言った時、 柳井さんは、「我々は、マーケットを”切り取って”いるんじゃない。マーケットを”育てている”んだ」と、 インタビューアーの発言を訂正していました。

 柳井さんは、マーケットを”切り取る”というのは”昔の発想だ!”と言い切っていました。 「海外に進出しようとすると、『あなたは今まで世界で何か良いことをしていますか?』と必ず聞かれる。 世界で仕事をしていくためには、その問いに答えられない限り、その国に出てもダメだと思う」 というような感じで話されていることが印象的でした。

 昔は儲かればそれでいい。 その国の国民がどうなろうが、それは知ったことではない。 第二次世界大戦前の植民地時代は最もひどかったと思います。 戦後、自国が世界が発展していくためには、他国も良くならないといけないという発想が生まれ、 近年では持続的発展という観点から、企業レベルにおいても、地域にメリットをもたらすことが求められています。 その地域で長く、地域密着として発展していくためには、何らかの貢献が要求される。

 現在、すべての企業が地域の発展を意識しているとは思いませんが、 地域の発展を意識して活動している企業の認知度が高まるにつれて、 地域に貢献しない企業は、その地域から支持されなくなるのではないでしょうか。

 この流れは国内においても同じだと思います。 地域に進出してきた企業に対して、この企業は地域の発展に貢献してくれるのか、 或は、ただ地域からお金を吸上げるために来ているのか、そういう尺度で見られている可能性は十分あると思います。 P業界でも意識の高い企業は、積極的に地域貢献を打ち出しています。 同じ遊ぶならどのホールに行く? 業界が出玉営業色を払拭するに従い、パチンコユーザーのホール選びの判断基準は、徐々に変化しているのではないでしょうか。

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■岸田総裁の退陣で組織はどう変わるのか注目する!

 岸田文雄自民党総裁が、14日、首相官邸で記者会見をし、9月に予定されている党総裁選に出馬せず、 退陣することを明らかにしました。 スマホに配信されたニュースを見て、岸田さんらしいと思いました。
 派閥の解散と同じで、いきなり発表することで、世間の注目を集める手法です。 でも、”いきなりステーキ”がいきなり長期低迷に入ったように、 いきなりを連発するのもどうかな、などと思ったりしました。

 退陣の理由としては、自民党国会議員のさまざま不始末の尻拭いをし、改革に取り組んできたが、 最後に自民党を率いるトップとしての責任を取る必要があるという趣旨でした。
 個人的には、安倍晋三さんが総裁の時に起こした様々な不祥事が、 岸田さんの代になって発覚したということであり、 自民党で明らかになった不祥事の責任をわざわざとる必要はないと思っています。
 もし、責任をとるのであれば、改革の結果ではないでしょうか。 問題が発生し、その問題が再発しないように改革策を打った。 改革策を承認したのは岸田さんなので、この責任についてはしっかり取ってもらう、というのはいががでしょうか。

 実際組織がおかしくなるのは、時間がかかります。 おかしくなった組織はすぐ元に戻るのか?と言えば時間がかかります。 正確に言えば日本では時間がかかります。 日本人の思考パターンは、急激な組織改革を苦手とするからです。 ある意味大家族主義というか、身内意識が働いて、悪いものを悪いというだけで切り捨てることができないのです。
 日産自動車を立て直すときに、カルロス・ゴーンさんをトップにしましたが、 それはゴーンさんが各段に優秀だからというのではなく、 組織のしがらみにとらわれない決断ができるということで、トップになったのは有名なお話です。 日本人はやるべきことが分からないのではなく、やるべきことの決断ができないのです。

 今日は15日、終戦の日です。 終戦が近くなると毎回「なぜ、アメリカと戦争をしてしまったのか」というような番組が組まれます。 そして、内容は日本の政府幹部のほとんどの人は、 アメリカと戦争をすれば負けるということが分かっていた、 それでも戦争を避けられなかった、という感じですね。
 最新鋭のゼロ戦を、トレーラーではなく「牛車」で工場から飛行場まで運んでいた国が、 アメリカに勝てると思っていたら、ちょっと頭のおかしな人ですよね。 もちろん国民はそんなことは知らないので、政府の勝てるという発言を鵜呑みにしていたと思います。

 日本人は頭が悪いということは無いと思います。 なぜなら、何が問題で、現状のまま放っておくとどうなるか分かっている。 戦前の日本政府にしても、日産にしても、おそらく今の自民党でもおなじではないでしょうか。 もしかしたら、低迷している企業も同じようなケースが結構あるかもしれません。 組織の問題が分かっている人はいるが、ただ、周囲に配慮して、正しい決断ができない。

 何が正しくて何が間違っているかを知り、それを行動に移すことを強力にススメル思想があります。 「陽明学」です。 幕末の志士の中で流行った思想です。 有名どころでは吉田松陰や西郷隆盛も学んだとされています。 その中で説かれているのが「知行合一」です。 知は行いの初めであり、行いは知の完結である、という考え方です。 知っているだけではダメ、行動に移してこそ、その知は完全なものとなるというものです。
 幕末の人気者も学んだ思想なので、自民党の国会議員の中にも学んでいる人がいることに期待しています。

 日本人は外圧が無ければ変われないとよく言われます。 戦前の日本政府の敗戦そしてGHQ、日産の倒産の危機そしてカルロス・ゴーン。
 今回、自民党は本当に危機に陥るまでに、改革ができるのでしょうか? 組織改革が必要とされている企業の参考になるか、それとも反面教師になるか、 そういう視点で総裁選に注目してみるのも、ありではないでしょうか。

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■地震臨時情報に対する海水浴場の対応から考える!

 みなさんは「南海トラフ地震臨時情報」の影響はありましたでしょうか? 臨時情報が出た翌朝9時過ぎ、妻が働いているスーパーマーケットから帰ってくるといきなり言いました。 「水、全然なくなっているわ。 お客様の中には、何件も回わって、ここならある(奈良市内で一番の大型店)と思ってきたのに、なんでないの! と叫んでいる人もいたよ」 日頃から、地震に備えて飲料水の備蓄(3日分)はしておきましょう、という話はよく聞きます。 しかし、実際している人は少ないのだと思います。

 こういう時に、日頃から地震に対する備えができていることを、アピールすることができれば、 お客様も「さすがは○○○○店さんだ、日頃の準備に余念がない」と感心し、評価が高まるというものです。 防災の日や大地震の日が近づくと、防災キャンペーンなどをしているホールが、 こういう事態に自店にストックしてある「飲料水」などをホールに展示することで、 お客様の安心、安全を訴求するというのが、地域貢献に対する真摯な取り組みをPRする場になります。 これは8月9日のブログにも書かせてもらったことです。

 さて、今回の「南海トラフ地震臨時情報」への店舗の対応は十分だったでしょうか?
 今回、テレビを見ていて、対応の違いが気になったのが海水浴場の対応です。 和歌山県白浜町では、海水浴客の安全を確保するために早々に海水浴場の閉鎖を決めました。 そのため海水浴を目当てに近くの宿泊施設を予約していた人は当然、相次いでキャンセル。 海の家もホテルや旅館も仕方がないと諦めていました。 ニュースの中では海水浴場の閉鎖を決めた自治体に対して文句を言う人はいませんでした。

 ところが、今回の地震臨時情報の発表後も通常通り、運営を続けた海水浴場があります。 徳島県海陽町の海水浴場です。
 海陽町は南海トラフ巨大地震で大きな被害が出ることが予想されている地域です。 自治体は検討をした結果、たとえ南海大地震が起こったとしても、避難できると判断し、 海水浴場を閉鎖しませんでした。
 通常なら万一を考えてということで、閉鎖にしても誰も文句は言わなかったと思います。 しかし、この自治体は独自の検証で大丈夫と判断し、続けているところが凄いと思いました。

 情報を受けて、自店の状況、それを取り巻く環境などを分析し、 独自にしっかり判断し行動をするということはとても大切なことです。
 人は結果のみに目を奪われがちですが、そうではなく情報を受けて、 自身が正しいく判断ができたかを問題にすべきではないでしょうか。
 今回の「地震臨時情報」で白浜町は、せっかくのお盆の儲け時を台無しにしてしまったというのは、 タダの結果論です。 注目すべきは、「地震臨時情報」を基に判断したプロセスが正しくされていたかどうかです。 もし、正しく判断された結果であれば、今回の判断は将来につながるのではないでしょうか。 海陽町にしても、同じです。
 言いたいことは、当たりはずれの結果に惑わされず、 しっかりとした運営判断がなされていたかに注目する必要性です。

 これはパチンコホールの運営でも同じではないでしょうか。 色々な運営企画を行っても、大きく集客できるとは限りません。 ある意味、運が左右することもあります。 したがって結果だけを見て、良い企画、悪い企画と判断していては、ノウハウは溜まりません。 結果だけで店長の評価をしていると、優秀な人材を育成するのが難しくなります。
 良い企画を打ちづつけていけば、店舗の評判は良くなり、業績も上がってくるものです。 たまたま結果が良かった企画を再実行しても、店舗の評判は良くなるとは限らず、業績もよくなりません。 なぜなら、それは再現性がないからです。 また、店舗が求めるお客様満足を確保できないからです。 その結果、店舗のファンが増えず、店舗体質は良くなりません。 そして、最大の問題点は人が育たないというところではないでしょうか。

 正しい判断するための課題は、企画の良し悪しを判断するデータです。 これがないと、結果(稼働数、頭数数)がすべてになってしまいます。 今あるデータをどう生かして、正しい判断に結び付けるか、これが業界を問わず大切になってきています。 それは市場が成長しない中では、間違った施策を打つことは、自滅につながるからです。

 結果は大切ですが、結果だけで判断して、良かったと思うのは問題ではないでしょうか。 海陽町の海水浴場のニュースを聞き、他の自治体の住民はどう思っているだろうなどと勝手に想像しながら、 今回の「地震臨時情報」はいろいろな問題を投げかけていると思いながら、テレビを見ていました。

 

<蛇足>
 地震が発生しなかったのに海水浴場を閉鎖した。 今回の「地震臨時情報」に過剰に反応してしまった。 近未来、2回目「地震臨時情報」の発表。 今回は地震が本当に来るだろうか? 3回目「地震臨時情報」の発表・・・・。
 n回目「地震臨時情報」の発表。 これだけ地震がこないということは、「地震臨時情報」はあてにならないのではないか。
 n+1回目「地震臨時情報」の発表。 「当たらないから、今回は海水浴場は閉鎖しなくていいか・・・」
 教科書にのっていた昔話では、この後、大災害が来ることになっています。

※気象庁が発表する「地震臨時情報」が、”地震発生を当てるモノ”と勘違いしないようにしたいものです。

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■熱中症になると『目』に深刻なダメージ発生!?

 全国的に猛暑日が続いています。 猛暑日と言えば、熱中症です。 全国で熱中症で救急搬送される方がかなり増えています。 7月29日から8月4日までの間に熱中症により救急搬送された人が、12,272人となっています。 その前の週よりは若干少なくなったものの、多くの人が熱中症になっていることが分かります。

 ところで、熱中症にかかるリスクが新たに発見されたことをご存知ですか? 一般的に熱中症にかかると内臓にダメージを与えることが分かっていますが、 新たに『目』にも深刻なダメージを与えることが金沢医科大の研究で分かってきました。 深刻なダメージとは、「白内障」の発症リスクが高まるのです。

  60代での発症リスク 4.2倍
  50代での発症リスク 3.5倍

 例えば、60代の白内障の発生リスクは、通常5.3%なのですが、 熱中症を発症した場合、22.0%に跳ね上がるようです。

 白内障は、眼球内のレンズの機能を果たす「水晶体」が白く濁る病気です。 それにより、ぼやけて見えたり、光を妙にまぶしく感じてしまうなどの症状が出ます。 加齢や喫煙、紫外線がリスクを高めることが知られていますが、 今回、金沢医科大学の佐々木洋教授(眼科学)が、2016年から23年の国内の医療機関を受診した約255万人の診療報酬明細のデータを分析した結果、熱中症も白内障のリスクを高めることが、明らかになりました。

 佐々木教授によると、熱中症によって高温になった水晶内のたんぱく質が変質したことが考えられるということです。 佐々木教授は、熱中症になった場合は、体だけでなく、目を冷やすことも大切だと話されています。

 熱中症:身体だけでなく、目も冷やすこと!

 熱中症は少し養生すればよくなることだし、お客様は熱中症になっても、 回復すればまた元気に来店してくれるから、大丈夫ということではないということですね。 白内障になってしまうと、メガネを変えても視力は良くなりません。 ぼーっとした遊技台を見てゲームを楽しむことはできません。 ゲームどころか人生を楽しむことができません。 「白内障」は手術で良くなりまりますが、水晶体の濁りが酷くなると、手術をしても上手く見えない場合があると私は眼科医から言われたことがあります。 『目』は人体の中で最も大切な器官の一つなので、できる限りのリスクは避けるべきだと思います。

 まだまだ暑い日が続きますし、地球温暖化のことを考えると、この暑さは毎年続き、 さらにひどくなっていく可能性があると思います。 お客様の人生や健康を考えると、私は熱中症対策は必須施策だなという考えになっています。
 熱中症と「白内障」の関係について、もうご存知の方もいるかもしれませんが、 「熱中症対策キャンペーン」などをする時には、最新情報として、 熱中症と白内障の関係についてお客様にお伝えすることをおススメします。 お客様との関係づくりができていれば、私のカラダことを心配してくれていると、 お客様に喜ばれることでしょう。

参考資料:読売新聞朝刊8月11日「熱中症 白内障リスク増」

 

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■南海トラフ地震臨時情報で店舗の姿勢をPR!

 昨日、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。 2019年から運用が始まって初めての発表ということです。 TV局各社も、テロップなどでこの情報を伝え続けていました。 いよいよ南海大地震が来てしまうのか、と思われた方もいるかもしれません。

 気象庁の会見の場では、この情報が特定の期間中に必ず地震が発生することを伝える情報ではない、 と繰り返し言っていました。 常日頃から南海大地震や東海大地震が起こる可能性は高いという告知はしているので、 その可能性が極端に高まったというものではないと、過度に反応しないように言葉をえらんでいました。
 ちょうどお盆の期間と重なるので、記者の中にはお盆の帰省を控えた方がよいのか尋ねていました。 基本的に帰省を見合わせる必要はないが、帰省先での避難場所は把握しておく置くことをおススメしますと言っていました。

 今年はまさかの「元旦」の能登半島地震から始まっています。 「元旦」の次は「お盆」というのもありかもしれません。 何も因果関係はないのですが、関連付けてしまうのが人間です。
 でもここは万一を考えて、店舗でも地震関連の企画をしておいた方が良いかもしれません。 人間は忘れやすいいきものです。 能登半島地震が起こった時は、防災の関心を高めますが、時間が経つと防災の必要性を忘れていきます。 なので基本的には情報による啓蒙が第一だと思います。
 例えば「緊急企画!『日ごろの備え』再確認キャンペーン」などと大きな見出しをつけて打ち出し、

❶家具の固定はしていますか?
❷避難場所や経路の確認はしていますか?
❸家族との連絡方法は決めていますか?
❹水などの備蓄は大丈夫ですか?

などと問いかけるというものです。
 地震が起きたときにお客様がなるべく安全であるように、 再確認してもらいたいことを大きく告知するのがいいのではないでしょか。 店舗のキャンペーン告知を見て、少しでも地震対策の意識が高まれば、お客様が無事である確率が高まるというものです。

 店舗としても日頃からお客様のために準備をしているものがあれば、あえて展示をして、 店舗としてもお客様のために努力していることを伝えるのも悪くないと思います。
 例えば、お客様のために非常用の水や非常食を用意していたとしても、 お客様が知っていなければ、お客様に利用してもらえません。 防災に関しては隠れた努力ではなく、見せる努力が必要です。

 備えあれば憂いなしです。 備えはいくらしても、しすぎることはありません。 地域によっては、今回の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」で動揺されているところもあると思います。 地域密着店として、地域のお客様のことを考えている姿勢をタイムリーに示すことは大切なことではないでしょうか。

 

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■NTTドコモの新社長の考え方に賛同する!

 みなさんはどこの携帯電話をお使いですか? 楽天が通信事業者として参入する前は、主に携帯電話のシェア争いの話がメインでした。 しかし、楽天が参入したことで、携帯電話のシェア争いからポイント経済圏のシェア争いへと移行しつつあるように見えます。

 人手不足や新札発行で、キャッシュレス対応を進めている店舗なども出てきており、 どのポイントを貯めることが自分の生活を豊かにしてくれるのか、 という観点でお客様が携帯キャリアを選択し始めて来ていると考え始めてきているようです。 通信大手各社は自店のポイントの付加価値を上げるための取り組みをしています。
 パチンコ業界で例えれば、ある一定の条件をみたしている店舗は、どこに行っても同じような感じなので、 遊技台以外の別の価値で、お客様がホールを選択し始めていると思ってもらうと分かり易いと思います。

 現在、最大手のNTTドコモはアマゾンジャパンと提携し、dポイントをアマゾンの買い物で利用できる(8月1日より)ようにするなど、ポイント経済圏の強化を進めています。
 ニュース番組WBSでは、今年5月にNTTドコモの社長になった前田義晃氏に、 今後の展開についてインタビューをしていました。
 前田社長はインタビューの中で、エンタメと携帯との相性の良さを強調し、今後エンタメ分野を強化していくという話をしていました。
 具体的な取り組み例としては、国立競技場の活用です。 2025年から国立競技場の優先交渉権者になっており、競技場の音響や映像演出などに大幅な手を加えて、 来場者の体験価値とその配信による視聴価値を大きく上げて、 NTTドコモの経済圏とつながる価値を上げていくようです。
 スポーツをはじめ様々なイベントは、映像技術等の進化で、演出のバリエーションが増え、 今まで味わったことのない感動を私たちに与えてくれるのではないでしょうか。 私は今流行になっている没入感を体感させてくれるのではないかと期待をして話を聞いていました。

 インタビューの最後に前田社長にまず取り組むべき課題は何かという質問をしたところ返ってきたのは、 意外にも「通信品質」の改善でした。
 前田社長が喫緊の課題としていたのは、 携帯キャリアの基本中の基本である携帯電話の『つながり易さ、快適な通話』でした。 具体的には、2025年3月末までに通信品質トップを目指すということです。
 Opensignalによる「モバイルネットワークユーザー体験レポート」によると、2023年12月~2024年2月の調査で、 携帯キャリア4社の中で、ドコモが一番つながり難いということになっています。 私はTVを見ていて少し驚きました。 昔のイメージでNTTドコモが一番つながりやすいと思っていたからです。

 ポイント経済圏の争いは通信が快適であるのが大前提です。 つまり必要必須の条件ですね。 当たり前ですが、それを欠いていくらポイント価値を上げても誰も支持してくれません。
 これはコミュニティホールでも同じです。 遊技台品質は必須条件です。 これをいい加減にして、いくら出玉をしようが、サービスを良くしようが、いろいろな企画をしても、 お客様から支持をされることはありません。 やった一時期はお客様は来ますが、必須の要望に応えていないので、お客様は離れていきます。 もちろん、何もやっていないホールに比べれば、お客様が減る速度はかなり遅くはなりますが、衰退は免れません。

 コミュニティホールをしているからと、遊技台品質を疎かにすると必ず反動が来ます。 コミュニティホールの怖さは、遊技台品質が悪くても、お客様はしばらくは改善を期待して来店してくれることです。 それに気づかず甘えていると、お客様はホールに見切りをつけ始めます。 要するに大切なお客様を流失させることになります。
 今は猛暑が続いているので、暑いからお客様が来ないだけ!とたかをくくっていると、 秋にはとんでもない目に遭う可能性があります。 私は番組を見ながら、さすがNTTドコモの社長、定石を外さないと思いました。

 

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■パリ五輪「チャンピオンパーク」をヒントにする!

 パリ五輪に選手とファンの交流の場が設置されているのをご存知ですか? その名称は「チャンピオンズパーク」と言います。 エッフェル塔のふもとにあるトロカデロ広場に設置されています。

 どのようなことをするのかというと、前日にメダルを獲得したメダリストを招待し、パレードなどの祝賀が行われます。 また決勝戦のライブ放映に加えて、アーティストによるパフォーマンスやさまざまな文化活動も行われています。 彼らはそこで喜びを表現し、集まったファンたちの祝福されます。 ファンは、競合の応援はもちろんしますが、別途交流の機会を設けてもらうと、より一層選手たちのファンになっていきます。 もし、一言でも言葉を交わすことができたら、ファンにとっては一生の思い出になるでしょう。

 さて、みなさんはこのパリ五輪の演出をどう思われるでしょうか? オリンピック選手が優勝して、表彰台に上り、メダルを受け取る光景は、よく目にします。 メダルを授与された瞬間は盛り上りますが、あくまでも選手と観客(ファン)の距離は遠いものがあります。 昔なら試合が終わったということで、すぐに帰国してしまうというパターンですね。 一時は盛り上がるがすぐにその熱量は冷めてしまうという感じではないでしょうか。

 でも、今回のパリ五輪のように試合から祝賀までを一つの流れにして、 選手とファンが喜びを分かち合う場面を作ってもらうと、双方にとって喜びは表彰台の瞬間だけでなく、 翌日の祝賀会にまで持ち越すことができます。
 高いレベルの喜びを味わうほど、選手はやる気が出ますし、 ファンもより熱心に選手を応援するようになります。 世界中でオリンピック離れがあるとも言われる中、 一人でも多くの人の心にオリンピックは良いものだという印象を残す作戦としては有効なのではないでしょうか。

 ファンを獲得するということでは、パチンコ業界も「ファン感」をしています。 ところで「ファン感」をしてファンは増えているでしょうか? 「ファン感」をするたびに、地域のパチンコ人口が増えていく!という話は寡聞にしてあまり聞きません。 こういう話をすると、「ファン感は遊技ファンを増やすためにやっているのではなく、 日頃ホールに足を運んでもらっていることに対する感謝の心をお客様に表しているだけだ!」 という声が聞こえてきそうです。
 では、ファンが増えなくていいのですか?と訊かれると多くの人は、増えた方が良いと言われると思います。 考えてみると一方的に感謝されても、信頼関係はできないですし、ファンにはならないですよね。

 例えば、飲食店でごはんを食べて、会計をして出ていく時に「ありがとうございました」と言われて、 その店に親しみができ、ファンになるかどうか考えるとよくわかると思います。
 では、こんなケースはどうでしょう。 ごはんを食べて会計を済ませたら、急に「おめでとうございます!○○が当たりました」と言われて景品をもらった場合はどうでしょう。 別に悪い気はしないですが、この店のファンになるか言えば別でしょう。 乞食でもないので、モノクレでお客様がファンになるかと言えば難しいのではないでしょうか。
 そう考えると「ファン感」で抽選をガンガンすることと、ファン育成は別であり、 「ファン感」をしてもファンは増えないのは当たり前という感じになるのではないでしょうか。

 もちろん「ファン感」を義務としてしかたなくされている店舗もあるので一概にはいえませんが、 もし、「ファン感」を自店のファン作りに活かしたいと考えるなら、一工夫加える必要があると思います。 その一工夫を加えるヒントが「チャンピオンパーク」の中になるのではないでしょうか。
 「ファン感」では100%ファンが増えないということはないと思います。 ファンになる人もいると思います。 ではどういう人がファンになるのか、そういう人を増やすヒントが「チャンピオンパーク」にあると思っています。 もし、自店の「ファン感」をもっと有効活用したいということであれば、「チャンピオンパーク」を研究してみてはいかがでしょうか。

 

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■炎天下のモバイルバッテリー放置を考える!

 毎日暑い日が続いています。 暑い日はクルマを駐車場に置いておくと、とんでもない暑さになります。 だから、子供を車内に放置するのは、命の危険に関わります。 でも、この認識は多くの人に浸透していると思います。 それでも車内放置が無くならないので、万一に備え、忙しい中、駐車場の見回りをされているところもあると思います。

 それではモバイルバッテリーを車内放置したことによる火災の危険性についてはどうでしょうか?
 東京消防庁の2021年のデータですが、炎天下の車内でモバイルバッテリーを放置したことによる発火事故は、141件と報告されています。 モバイルバッテリー発火の原因は外部衝撃、電池の劣化、充電方法の誤りなどが主な要因ですが、 夏場は炎天下の車内に置いておくだけで発火する危険性もあるため、注意が必要です。 nite(製品評価技術基盤機構)は、炎天下の車内ではモバイルバッテリーが発火する恐れがあると警告しており、 実験映像も公開されています。

 もし、店舗の駐車場で車が炎上するようなことがあれば、たいへんですよね。 パチンコどころではなくなります。 そう考えるとお客様に対して、モバイルバッテリーの車内放置をしないように呼びかける 『モバイルバッテリー車内放置防止キャンペーン』は、 お客様を危険から守るりっぱな活動と言えるのではないでしょうか。 すでに多くの店舗でも取り組まれていると思いますが、まだまだ猛暑日が続きます。 念のために書いてみました。

 

参考資料:モバイルバッテリー火災実験動画

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■卓球の早田選手を応援するきっかけから考える!

 みなさんはパリ五輪で応援している選手がいますでしょうか? 私はとりあえず卓球の「早田ひな」選手を応援しています。 その理由は、早田選手についての情報を他のオリンピック選手に比べて一番多く持っているからです。

 私は卓球好きというわけではありません。 なので卓球についていろいろ調べ、早田選手についての情報収集が、 オリンピック選手の中で一番多くなったわけではありません。 早田選手の情報が多くなったのは偶然です。

 関西では日曜日の夜に「情熱大陸」という番組をやっています。 かなりの長寿番組で、主に個人にスポットを当て、 仕事(目標)に対する取り組み姿勢や私生活の一部などを紹介しています。 私は、その番組で早田選手が取り上げられたのをたまたま見ました。 それが早田選手の情報量が増えたきっかけです。

 早田選手は、東京五輪では控え選手となり活躍できなかったこと。 本人は天才ではではないので、何事も努力を人一倍重ねることで、自分自身を強くしていこうとする姿勢。 試合に負けてもそれにこだわらず、次の試合に向けてすぐに練習を開始するポジティブな性格。 実際、試合直後に自分の課題を洗い出し、その克服に向けて練習をしている姿を番組で映していました。

 4歳ぐらいの時から卓球をはじめ、サウスポーに変えたのは、 早田選手の動きを見ていた卓球クラブのコーチからのアドバイス。 卓球選手のほとんどは右利きなので、左利きの選手はかなり少数派のようです。 小学生の時の作文が紹介され、その中で「おばあちゃんになっても、一生卓球を続けていく」と書かれていました。 卓球がなによりも好きという早田選手は、小さい時からの夢を今も追いかけ続けているのです。
 身長は167㎝あるのですが、筋力が落ちやすいので、毎日1時間は筋力トレーニングをしているとか、 パワーをつけるために少なかった食事の量を増やしたなど、 いろいろなことを番組で紹介していました。

 番組を見終わる頃には、早田選手に対する私の中にある認識がかなりバージョンアップされました。 早田選手の卓球に対する想い、試合で勝つというより、卓球を極めたいという真摯な誠意、 それを裏付ける努力量、こういう選手は是非応援したいと思うようになりました。 パリ五輪の結果はまだ出ませんが、是非メダルを獲得して欲しいと思っています。

 長々と早田選手のことを書きましたが、言いたいことは外部から情報によって、 早田選手に対する認識が書き換わったということです。 人は客観的に対象物を見ているのではなく、自分の中になる情報とリンクをさせながら見ているということです。 その情報によって、好きになったり、嫌いになったり、応援したくなったり、無関心になったりしているということです。

 心理学の実験の中に、情報の多さにより店舗に関する好感度に差ができるかという実験があります。 同じような店舗を選んで、情報量だけを変えて、どちらの店舗をより好ましいと感じるかという実験です。 もちろん情報の質という部分では同じレベルにしてあります。 結果は情報量が多い店舗に対する好感度の方が高いということが確認されました。 情報は質だけでなく量も好感度に大きく影響します。

 さて、みなさんはお客様に対して、どのような情報発信をされているでしょか。 自店に好感を持ってもらいたい、この機種にファンをつけて定番機にしたい、稼働を上げたい、 いろいろな思いをもっていると思いますが、何もしなければ現状は変わるはずがありません。 また、少しの働きかけでは影響力は知れています。
 お客様が持っている情報の質や量が変わらない限り、店舗のファンになったり、機種のファンになったりしません。 もし、私が情熱大陸で早田ひな選手を取り上げた番組を見なければ、タダの卓球選手という認識に留まっていたでしょう。 しいて応援したいという感情は湧かなかったと思います。

 言いたいことは、お客様の行動を変えるため視点の一つが、お客様の脳内情報の書き換えです。 目先の集客も大切ですが、お客様の脳内情報をどのように書き換えていくかが最も重要なことです。 店舗戦略にこれを上手くデザインすることが、自店のファンを増やし、他店との恒常的な差別化につながると考えます。

 

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