本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

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経営のヒントになりそうに思ったこと

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 こころ温まる話で、店舗の方向性を知らせる!

 12月と言えばクリスマスです。 今日は、こころ温まるお話を紹介したいと思います。 『小さい手のリレー』という話をみなさんは聞いたことがあるでしょうか? 先日、私は夕食の時にTVでニュースを見て知りました。

 登校中の小学生が、視力障害のある男性の通勤バスの乗車を10年以上サポートし続けたというお話です。 バスが来たら小学生が「バスが来ました」と言って、『小さい手』で、男性の腰当たりをそっと押して合図を送ったのです。 なぜ、リレーかというと、サポートする小学生が次々と変わっていったからです。 サポートしていた小学生が卒業して、朝のバスに乗らなくなると、それを見ていた小学生が同じようにサポートしてき、 その小学生が卒業すると、また別の小学生がサポートしたので、まるで「リレー」ようだということで、 『小さい手のリレー』と言われるようになりました。

 視力障害者のサポートをみなさんはされた経験はあるでしょうか? 実際に街中で視力障害の方を見ても、サポートする機会というかタイミングはないのではないでしょうか。 また、機会があったとしても、声をかける勇気はなかなか出てこないものです。 自分自身が目が見えなくなったことがないので、相手の心情やどのようなサポートを望むのかわからず、スルーをしてしまいがちになります。 そう考えると最初に勇気を出してサポートした小学生は凄いと思います。

 そして、もっと素晴らしいのは、それを見ていた人々が視力障害のある男性やサポートしている小学生を暖かく見守り、サポートしていったことです。 一つの善意(思いやり)が、周りの人の善意(思いやり)を引き出していったのです。 この話は絵本となり、出版されました。

 良い話を聞くと、人の心はやさしくなります。 あなたの店舗でこの本を紹介してはどうでしょうか。 コミュニティホールや地域密着型の店舗を目指すなら、こういう物語に共感をもってくれる人が多ければ多いほど、目標とする店舗を作りやすくなります。 スタッフもやさしい心をもったお客様が多ければ多いほど、働きやすいのではないでしょうか。

 この話は実話ですので、共感する人が多いと思います。 子供さんやお孫さんへのプレゼントにもなると思います。 売るというよりも、『良い本の告知』といったところでしょうか。 POPに「イチ推しの本」として、スタッフの手書きでおススメ理由を書くなどして、 カウンターの横に置いておくだけで、店舗が目指しているものがわかり、お勧めするスタッフにも好感を持ってもらえると思います。 とりあえず、この本を一冊置いて、紹介することで、店舗が大切にしている価値をお客様に伝えてみてはどうでしょうか。

参考資料:「バスが来ました」小さい手のリレー

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 従業員の能力開発について考える!

 先月8月25日、東京で人への投資を促進するための協議会が発足しました。 名称は”人的資本経営コンソーシアム”という名称です。 参加企業は320社で、ソニーやキリンなどの大手企業が参加しています。 目的は、従業員が新たな技能を身につけるための先進的な事例の共有することです。 日本政府としても2024年度までに4000億円の予算を見込んでいます。

 この協議会に参加している一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄さんは、ニュース番組WBSのインタビューで、 「人的資源にお金を出すのは『コスト』という意識だったので、効率重視のもとでは削減の対象だった」と話されていました。 今ごろまで、そんな思いの大企業がいるのかな?などと思いながら聞いていましたが、中にはいるのでしょう。 その後は、人への費用は『コスト』ではなく『投資』という視点に立つことの大切さを話し、 「(従業員に)適切な環境を提供すれば人材の価値は伸びる。 価値を発揮してもらい競争力を高めてもらい、企業価値を高めてもらうという方向に舵を切る必要がある」 と話されていました。

 日本企業はコスト削減を考え、本当に人材への研修費などをケチってきたのでしょうか? 次のグラフは2018年の労働経済白書に出ている数値で、2010年から2014年の平均値です。

 アメリカが最も高くて能力開発費がGDPの2.08%にもなっています。 次がフランスで1.78%、日本はというとこの中では最下位であり、0.10%しかありません。 トップのアメリカの20分の1です。 今、新しい技術がどんどん出てきています。 IT人材が不足していると言われますが、現在のIT人材も新しいモノがどんどん出てくるので、さらなる能力開発が要求されています。 そう考えるとこのままでは日本企業の競争力は相対的に落ちていくように感じてしまいます。

 それではパチンコ業界はどうでしょう。 能力開発に費用をかけているでしょうか? 昔のようにパチンコ企業は装置産業と考えているところでは、装置である遊技機、周辺機器の目利きができる能力の向上が第一となるでしょう。 しかし、娯楽産業と考えているなら、それに加えて接客サービス能力の向上も必要となってくるでしょう。 さらにエンタメ企業と考えるなら、お客様の心理を考えて感動してもらうための能力の開発が必要となってきます。 もちろん、ホールコンをはじめ会員管理システムなど、データサイエンスの知識も必要です。 いろいろ考えると能力開発の必要性はいろいろありそうです。

 しかし、能力開発が業績に生きるのかといえば、その身に着けた能力を発揮する場がないと無駄金になってしまうということです。 一橋大学の伊藤名誉教授が言われるように「適切な環境の提供」が必要です。
 昔、ある会社で主任を対象にホールコンと会員データを活用した運用方法を説明しましたが、役に立ちませんでした。 それは、主任が現場に帰るとほとんどの店長が、「俺は今ままでのやり方を変えるつもりはない」と断固として拒否したからです。

 WBSの山川キャスターは、「日本の経営者は研修して優秀になると転職してしまうと思っている人が多い。だから教育投資をしない」と言っていましたが、 私の経験からすると、能力を高めた部下が、能力の低い上司の下では能力を発揮できず、先がないと思い辞めるのではないかと思ってしまいます。 年功序列の中での能力開発は、結構つらいものがあるように思います。 おそらく、上司に「自分より優秀な部下が出てきて、ポストを譲ることになったらどうしますか」と尋ねると、それは困るということになるでしょう。
 上が能力アップしない限り、少なくとも能力の必要性を理解しない限り、能力開発が業績に結び付かないのではないかと思ってしまいます。 やはり、上からの能力開発が大切なのです。
 ということは、いかなるポジションにいても、学ぶ気がない人がいることは、企業にとって人材開発の障害になり、企業発展の足かせになる可能性が大きいということでしょう。 逆にいかに高齢でも新しいことに挑戦する人は、会社の宝と言えるかもしれません。

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 日本政府の台湾への無償ワクチン提供に学ぶ!

 日本政府は台湾に対して6月4日にワクチンを提供しました。 これまで台湾は新型コロナウイルスを完全に抑えた国として、世界の超優等生でした。 しかし、先月より状況が一変し、感染が拡大していることは皆さんご存知と思います。 ワクチンを台湾自身で開発しているようですが、現段階では間に合わず困っていました。 それに対して、日本が友好の証として、台湾に対し日本政府が無償で提供しました。

 私は、菅総理や茂木外務大臣をはじめ日本政府は素晴らしいことをしたと思っています。 茂木さんは「東日本大震災の際に台湾の方々からいち早く多くの義援金を送ってもらったことは鮮明な記憶として残っている。 台湾との重要なパートナーシップや友情も踏まえた今回の提供だ」と述べました。 困った時に助けてもらった恩を忘れないという考え方は、人でも国でもとても大切なことです。

 特に台湾は蒋介石さんの流れを汲んでいる国家(地域)であり、 蒋介石さんは、太平洋戦争が終わったときに、日本へ莫大な賠償を要求しなかった人だと聞いています。 その当時は蒋介石さんが、全中国の代表でした。 日本は中国の人達に大変な迷惑をかけていたのは、周知の事実です。 もし、蒋介石さんが、「沖縄をよこせ」「九州を割譲しろ」などと言い出していれば、今の日本はありません。 当然、ソ連も北海道の割譲を要求してくるでしょうし、もしかしたら本州はアメリカの植民地としていたかもしれません。

 戦後、大日本帝国から一番被害を受けた蒋介石さんが、いろいろな事情があるにせよ日本に莫大な賠償を言わなかったので、他の連合諸国は蒋介石さん以上の要求はできなかったのです。 そう考えると、蒋介石さんが拠点とした台湾に対して、日本としては大きな恩を受けているのではないでしょうか。 国際政治は甘いものではありませんが、信頼されない国は生き残ることはできません。 信頼される最低限の行動が報恩ではないでしょうか。

 国家での報恩と言えば、ユダヤ人を救った日本の杉原千畝に対するイスラエルの対応や。 オスマン帝国(トルコ)の軍艦エルトゥールル号を助けた日本(紀伊大島の人々)にするイラン・イラク戦争でのトルコ共和国の支援などが有名です。 国家レベルでも報恩の考えがあり、個人に至ってはなおさらです。 心理学では「返報性の法則」と言われています。

 コミュニティホールでも、お客様や地元の人のために何か役立つことを考えて取り組むことが大切です。 この店舗があって良かったと言われるのは、困った時に困った人を助ける時です。 新型コロナウイルスの影響で困った人が多くなっています。 ホールの運営の中で、その人達を助けることができないかを真剣に考えることが、ファン作りの近道です。

 今回日本政府は台湾へワクチンを直接届けることで、ファンを増やしたと思います。 こういう行為が日本の長期的安定と平和に貢献すると思います。 店舗としてもこれを見習い、お客様や地域に人々を助ける活動が何かできなか考えてみてはいかがでしょか?

参考資料:“友情も踏まえた提供だ” 茂木外相
    :日本政府が無償提供のワクチン 台湾に到着

関連ブログ:お寺の住職さんのワクチン接種の予約相談に学ぶ!
     :ANAの飛行機貸し切り結婚式から発想を広げる!

(注意)蛇足ですが、たまに勘違いする人がいるので書いておきます。出玉だけで恩を売ることはできません。

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 あなたにとって「こころを込める」とは?

 あなたの店舗では接客サービスに力を入れていますでしょうか?
「まごころを込めた超一流のおもてなし」
 接客サービスに力を入れている店舗や企業で、業種や業界を問わず使われている言葉かもしれません。 東京五輪を誘致するする時も、キーワードは「おもてなし」だったと記憶しています。

 接客サービスに関係している人はもちろん、そうでない方も「おもてなし」は大切だという認識の方は多いと思います。 「おもてなし」は接客サービスと類似しており、重なる部分も多いと思います。
「まごころを込めた超一流のおもてなし」
 みなさんにお尋ねしますが、このフレーズの中で最も大切なキーワードは何でしょうか?

 企業や人にとっても微妙に違いがでるかもしれません。 「おもてなし」をすることが最重要という人もいますが、そうでない「超一流」という部分が大切という人もあるかもしれません。 「普通のおもてなし」では差別化できないし、お客様も満足しない。 「超一流」であることに最大の力点を置きたいという企業や人がいてもおかしくないと思います。 でも、そうではない「まごころを込めた」とう部分が大切だという人もいるでしょう。
 それでは次の文章を見て下さい。
「まごころのない超一流のおもてなし」
 この文章を見て素晴らしいという人がどれだけいるでしょうか? 例え「超一流のおもてなし」であっても、「まごころ」が無ければ、それはただの演技であり、本当の意味での「おもてなし」とは呼べないという人もいるのではないでしょうか。

 「おもてなし」を受ける方はどうでしょうか? 「まごころ」が無くても、問題ないと思うのでしょうか? ”まごころの無いおもてなしをするホテル”と聞いて連想するのは、お客よりもお金儲けを優先するホテルとイメージを持つのではないでしょうか。 このとき「おもてなし」は金儲けの手段という位置づけにされているという感じがします。
 こころがこもっていないと相手が知るまでは、おもてなしをはじめ接客やサービスは、こころがこもっていると人は思いたがります。 その理由は、こころがこもっているということで、自分自身が相手から大切にされていると思えるからです。
 もし、提供される接客やサービス、おもてなしに、こころがこもっていないと知ったらどうでしょう。 あなたは提供される接客やサービス等を素直に喜べるでしょうか? 例えば接客やサービスが行き届かないことがあっても、こころを込めてやっていると感じると許そうという気になります。 しかしそうでない場合は、相手のミスを怠慢と判断し、不快になり、ミスを追求したい気持ちにかられます。

 このように考えていくと
「まごころを込めた超一流のおもてなし」
の最重要ポイントは、「まごころを込めた」ということになるのではないでしょうか。 おもてなしの中には「こころを込める」という意味合いが入っていると言う人もいるでしょう。 もし、そのことを意識して「おもてなし」という言葉を使っているとすれば、やはり「まごころを込めた」に反応するのではないでしょうか。 ここまで読んでそうだと思う方は「まごころを込める」、「こころを込める」ことの大切さを十分理解している人だと思います。

 接客やサービス、おもてなしを強化する店舗はあります。 そのとき「こころを込める」大切さについて話をし、これに力をいれている人がどれだけいるでしょうか? 力を入れているかどうかは、「こころを込める」という言葉に対して、自分なりの定義を持っているかどうかで判断できると考えています。 なぜなら、自分なりの定義が無ければ、「こころを込めて接客してください」と言っても、聞いている社員やアルバイトは具体的に何をして良いかわからないのではないでしょうか。 だから、「こころを込める」ということは具体的どういうことなのか話しているはずです。 ということは、自分なりの定義を持っているということになるのではないでしょうか。

 最近、「Vivy」という深夜アニメを見ていて、なるほどと思うシーンがありました。 アニメ自体は「女性型AI(人工知能)ロボット」が主人公の物語です。 主人公が第三話で宇宙ホテルでアルバイトをしている時に、支配人をしている女性型AIロボットのエステラに尋ねます。

「エステラ、あなたにとって、こころを込めるってどういうこと?」
 急に言われて戸惑っていると
「ここのCMにあるでしょ。まごころを込めた超一流のおもてなし・・・」
と主人公が続けます。それに対してエステラは答えます。
お客様に笑顔になって欲しいと願うことかしら・・・
 そして続けます。
「だから、わたしは笑顔でいるの・・・」

 この会話を聞いてAIが心を語るのでAI?らしくいないと思いながらも、エステラという女性型AIの答えを素晴らしいと思いました。 恐らくアニメの作者は接客やサービスについての造詣が深いのでしょう。
 接客業している会社の中には、「笑顔」が大切と、とにかく笑顔の訓練を機械的させるところもあります。 機械的に訓練された「笑顔」のある人間、この方がよっぽどロボット的ではないでしょうか。 もちろん、『形』は大切ですがこころが込められてない『形』は何故か空(むな)しさが残ります。 やっている本人は楽しくないし、受ける人も楽しくないのではないでしょうか。

 それでは最後に質問です。 あなたにとって「こころを込める」とは、どういう意味なのでしょうか?

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 自分の仕事に明確な意図を持つことの大切さ

 好きな番組の一つに「情熱大陸」という番組があります。 録画をして暇な時間に見ているのですが、8月に放送された「オーバーオールズ」の仕事ぶりを見て、 ホール運営のヒントになる場面があったので、是非紹介したいと思いブログにしました。

 「オーバーオールズ」は商業施設や公共空間の壁面にアート作品を描くグループです。 このグループがJR新橋駅のコンコースの壁画を依頼されて作成するときに話です。 この依頼で描くテーマは、”働く大人たちへのエール”というテーマです。

 オーバーオールズは、その絵を描く時、『思わず立止って見てしまうものにする』ことを意図します。 そして、そのためのアイデアを練るというものです。 この人たちがプロだなと思ったのは、仕事に対して意図を持ち、それを実現するために考え抜くということをしているということです。 これは非常に素晴らしいことです。

 お金をもらってする仕事のなので当り前とも言えますが、実際には自分の仕事をどうするか意図を持って取り組んでいる人は少ないと感じます。 多くは、ただ作業をしているだけで、それ以上のことを考えていないことが多いですね。 例えば、路上でチラシを配る、店の中で接客をする、窓口で対応する。 仕事をしていますが、相手をどうしたいか意図を持って取り組んでいる人はほとんどいません。
 これは会社でも会議に参加するとき、この会議をこういうように持って行きたいとか意図を持って参加している人がそれだけいるでしょうか? 多くの人は成り行きに身を任せるという感じです。

 パチンコ店でも同じような場面があります。 新台を入れる、イベントをする、それにどれだけの意図を持ってやっているか、 それを実現するためにどれだけ工夫しているのか、 ということになると、ほとんどが作業になってしまっているのではないでしょうか。 そのため途中でこれはマズいと思っても、修正しない、仕方がないと諦める。 そして自分は頑張ったと慰める。 そして毎年同じレベルの仕事(作業)をしている。

 この意図は、できたらそうしたいと思っていたというレベルではなく、何ともしてもそうしたいというレベルです。 この意図を明確にもつことの大切さに気付いた人は飛躍していくと思います。 気づかない人は、自分がただ作業をしているにも拘わらず仕事をしていると錯覚し、成果がでないことを不思議に思う人生を歩むのではないでしょうか。

 これは、職位には関係ありません。 アルバイトでも、そういう意図を持つことが出来る人は、飛躍していくでしょう。 そういう意図が持てない人は、職位がどうあろうと、環境に流されてしまいます。 業界の景気が良い時は、作業をしていても成果がでます。 しかし、景気が悪くなると途端に計画目標に対する未達を起こし、それが慢性化していきます。 自分の中でこうしたいという意図がない人は、工夫をすることが出来ないのではないかと思います。 自分の仕事ぶりに対して問題が形成されることもなく、アッと言う間に時間だけが経つのではないでしょうか。

 オーバーオールズは、壁画を描くことが自分たちの仕事と考えていません。 壁画に目が留まり、思わず共感させる所までを自分たちの仕事と考えています。 だから、壁画に目が釘付けになるためには何が必要か考える。 そして周囲の人の注目を集め影響を与えていくのでしょう。

 コミュニティ化の施策を漠然と実行していても、コミュニティホールはいつまで経ってもできません。 コミュニティを作るためにこの企画をどう役立てるのか明確に意図していないと、ただの景品イベントや面白イベントになってしまいます。 同じイベントしてもレベル差があり、意図をもっていないとその差に気が付かないのです。 レベルの低い施策をしてもコミュニティホールに辿り付けないどころか、下手をすれば評判を落とします。

 もし、自分の店舗がコミュニティホールを作るためにいろいろなことに取り組んでいるが成果が見えない、ホールのファンが出来ないという状態であるとしたら、 これまでの施策に意図を持って取り組んでいなかったことが根本的な原因かもしれません。 もっともこれはコミュニティホール作りだけではなく、仕事全般に言えることだと思います。 ただ、人との信頼を築きあげようとするコミュニティホールでは顕著に表れるといことです。
 もしもあなたが、これまで仕事をこなすことにしか注意を向いていなかったとしたら、 これからは仕事に対して明確な意図を持つことを意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。

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 お客様から応援してもらえるホールを作る

 マクアケの「応援購入」のCMを、皆さんはご覧になったことがあるでしょうか?

 株式会社マクアケは「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」というビジョンを掲げ、 クラウドファンディングのプラットフォーム「Makuake」を中心とした各種支援サービスを展開している会社です。 ご存知の方も多いとは思いますが念のため書きますが、クラウドファンディング(英語: crowdfunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、 不特定多数の人がインターネット等の経由で、他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを意味する言葉です。

 マクアケは、個人や組織に資金を提供する目的を、お金儲けというよりも、企業応援の意味合いが強いと考えているように思います。 その概念を商品購入にまで広げて、購入という行為を必要だから買うという意味にプラスして、その企業を応援したいから購入するというように、購入の概念を新たに作り出そうとしているようです。 それを具体化したものが「応援購入」という言葉です。

 購入という行為を消費者だけにスポットを当てると欲求や必要性に充足というこになります。 それを店舗にスポットを当てるとその店で買うという行為自体が店の繁栄に貢献している、つまり店を応援しているということができます。 特に同じまたは同じような商品を多くの店舗がある中で、わざわざそのお店で買うのですから、実質的にその店を応援していると同じです。 しかし、多くの人はそのことはあまり意識していません。 そこをあえて意識させようとしているのが、マクアケのCMです。

 新型コロナの影響で多くの飲食店が苦しくなったとき、常連のお客様が贔屓にしている飲食店に対して、 何かできないかということで、お食事券などを買うことで先払いをし、助けているというニュースが良く流れました。 多くの人は飲食店を利用するということは、応援していることになると薄々感じたと思います。

 これまで企業に対して、消費者が商品を購入することや店を利用することは、自分達を応援してくれていることである。 だから、自分達はより良い商品、より快適なお店を作っていき、消費者や利用者から応援してもらえるようになりましょうという努力の意義を説く話しは結構ありました。 しかし、このマクアケのように『応援』という概念を第一に掲げ、消費者の啓蒙を図るものは初めてのように思います。

 これは購入や利用の判断基準が新たに1つ、消費者や利用者の頭の中に追加されることを意味します。 商品を買う、店舗を利用するという行為に、自分のニースをウォンツを満たすという意味と、 その商品を作っている会社を応援するという意味、店舗を応援する意味があると消費者が明確に意識し始めるとどうなるでしょう。

 少し消費者の心の動きを推察してみましょう。 まず、自分の欲しい商品があるかないか、あれば次に自分が応援したい店舗であるかどうかです。 パチンコ業界であれば、まず自分の打ちたい台があるか、台整備が自分の好みになっているか、を考え、 次にこの店舗は自分が応援したい店舗であるかどうかを考えるということです。 打ちたい台や自分好みの台整備をしているホールが複数ある場合、 店舗を応援したいかどうかが行く判断基準になるでしょう。

 世の中には素晴らしい店や会社ばかりがあるわけではありません。 飲食店でも美味しい店もあればそうでない店もある。 お店屋さんでも儲けさえすれば良いと思っている店もあれば、周りの人に幸せになってもらいたいと思ってやているお店屋さんもあります。 一生懸命に努力をしている店もあれば、惰性でやっている店もある。 そういう店や会社に対して、提供される商品やサービスだけをみるのではなく、 その背景にあるものを観て買うかどうか、利用するかどうか決めるようになる習慣が生まれるということです。

 そうなった時に、皆さんのホールはお客様が応援したいと思うホールになっていると言えるでしょうか?
 今後、商品や設備で差別化が苦しい業界では、お客様が応援したいという気持ちの比重がより高くなることが予想されます。 応援したいという気持ちを成り行きに任せるホールと、意識して計画的にお客様を応援したいという演出を心がているホールでは、 どちらが生き残る可能性が高いかは自明の理だと思います。 お客様や地域から応援してもらえるホール作りに取り組むことは、縮小していく業界の中で勝ち残るために必要なことだと思います。

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 映画「空母いぶき」からトップの見識の大切さを知る!

 毎月1日は映画の日です。 映画の日はチェットが安くなり、一人1100円で映画を見ることができます。 私は久しぶりに映画を見に行きました。 一か月ほど前にイオンモールの映画館のポスターで目についた「空母いぶき」という映画です。

 テレビの予告編を見て面白いと感じたので、家内と一緒に行くことにしました。 事前に映画の評価レビューを見てみると5.0中3.0で、ゴジラの3.9より低く、本当に面白いのか少し心配していましたが、 見てみるとテンポが良く、メリハリもあり、飽きさせることなく、144分がアッという間に終わりました。 私は1100円を払う価値は十分あると思いました。もちろんこれは個人的な感想です。
 私の横で見ていたご高齢の方は、途中で”いぶき”ではなく”いびき”をかいていたので、万人が面白いと感じるかはわかりませんが、 少なくとオススメの作品ではないかと思います。

 映画の大枠の流れとしては、日本の太平洋上の小さな島が占拠され、その島の海上保安員が拘束される。 それを「空母いぶき」と複数の護衛艦と潜水艦が救出に向かうというものです。 その救出に向かう途中に、敵国が潜水艦、巡洋艦、空母で阻止してきます。 敵から魚雷やミサイルが発射され、空母いぶきが被弾する中で、 いかに戦争を回避して日本の領土を守るのか、その中で自衛隊はどのような戦いをすべきなのか、葛藤を描いています。

 興味のある方は、見ていただくと面白い思います。 この映画の中で一番印象に残ったのが、艦隊の指揮を任された艦長(西島秀俊)と副長(佐々木蔵之介)の会話です。 二人は防衛大の同期で、しかも主席を争っていたという設定です。 救出を最優先に考え、敵艦が進路上にいても強硬に突破していこうとする艦長に対して、 副長はあくまでも戦闘行為をさけて迂回することを主張します。 しかし、艦長はあくまでも自分の判断を優先し、海将(元艦隊司令)に報告に行こうとします。

 コントロール室を出た艦長を追いかけて、副長が艦長に同期として声を掛けます。
「創設以来、ひとりも戦闘で死者を出したことが無いのが、我々自衛隊の誇りだったはずだ!」
するとそれを即座に艦長は否定します。
「違う。我々が誇るべきは、国民に誰ひとりとして、戦争犠牲者を出していないことだ!」

 みなさんはこの会話を聞いてどう思われるでしょうか?
 何を誇りにするか、つまり何を目的とするかで、自衛隊の在り方が違ってくる。 人は在り方によって、とるべき行動が決まってきます。 『自衛隊を戦闘で死なせない』ことを誇りとし、目的とすると戦闘を避けることが自然な行動です。
 しかし、『戦争犠牲者を出さないこと』を誇りとした場合、目的は戦争を避けるための行動を要求されます。 戦闘を単に回避するだけでは、相手の戦闘行為をエスカレートさせ、戦争へと発展させる可能性も考慮しないといけないとなります。
 この作品の原作者は、二人の会話を通して、戦争回避とは何か、戦闘回避がイコール戦争回避ではないと言いたかったのかもしれません。 あるいは、組織のトップの見識によってとるべき行動が決まると言いたかったのかもしれません。

 この誇りや目的に違いにより、在り方が変わり、行為が変わるということに注目したいと思います。 これは何も自衛隊だけの話ではありません。 パチンコ業界でも同じことが言えます。
 例えば店長がホールの目的は、お客様に賭博をさせることと考えたらどうなるでしょう。 射幸心を仰ぐことが最重要となり、イチかバチかの勝負へと導くことを考え、そのような行動をとるでしょう。 でも店長が、お客様にパチンコを楽しんでいただくことと考えたら、行動が違ってくるのではないでしょうか。 もし店長が、来店する人を幸せにすることと考えたらどうなるでしょう。 パチンコで勝った人も負けた人も幸せになってもらうには、どうしたらよいのだろうかと工夫し、行動することになります。

 その組織のトップが何を誇りとし、何を目的とするかで組織の在り方が変わるのです。 それにより行動も変わっていきます。
 昔、「負けてもまた来たい」と言ってもらえるホールにしたいという夢を語る経営者が、何人もいらっしゃいました。 それを現実にするためには、トップが何を誇りとし、何を目的とするか、それを明確にすることがまず大切なのではないのか、 そんなことを考えながら、映画「空母いぶき」を見ていました。

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 バカには自覚症状があるが、グズには自覚症状がない!

 家内から邪魔だから本を捨ててくれと言われます。 部屋に結構本があるので邪魔になるようです。 同じような本が何冊もありますが捨てるのはもったいない。 私は、本は頭を刺激してくれるものと考えています。
 それに私は頭が良いわけではないので、読んだ本の内容を全部を覚えているわけがない。 だいたい内容の8割から9割は忘れてしまいます。 だから、何かのときに本を見返す必要があるので、手放せないのです。
 また、たまに昔読んだ本を見返すのも、結構面白い。 なんせ忘れているので、新たな刺激が得られます。

 今朝、中原彰宏氏の「大人のスピード勉強法」の小見出しが頭に浮かんだので、 内容を確認するとたいへん面白かったので紹介したいと思います。
 タイトルは『バカには自覚症状があるが、グズには自覚症状がない!』 読んだ字の通りの内容です。

 多くの人は、「自分は頭が悪いから」という言葉を言ったりします。 つまり、頭の悪さは自分で認識ができると言うんですね。 自覚症状があるというのは、自分で治せる。 だから救いようがある。

 ところが、「私はグズですから」という人はほとんどいない。 それは、グズは自覚症状がないからだというんですね。 だから、グズな人に「早くしてくれ」と言っても、 自分がグズであることが自覚できないので、 何を言われているかわからない。

 だから、そういう人は、相手に対して 「この人は何を言っているのだろう。何をあせっているのだろう。この人はおかしな人」 という認識になってしまうんですね。

 そうですよね。 自分がまともで、おかしなことが発生しているなら、 相手がおかしいと思うのが当然の思考ですよね。

 例えば、あなたがレストランに行ったとしましょう。 動きの遅いウエイトレスに、早く何かをしてくれと言っても、 本人は一所懸命に頑張っているつもりなので、それ以上早くならない。 あまり強く言うと、あなたはクレーマーという認識を、彼女に持たれてしまうということです。

 そして、グズな人は同じようなグズの人と集団を形成していく。 それはまるで、マラソン大会のような感じなんですね。
 先頭集団はよくテレビに出ますが、その後に続く人も、集団で走っている場合が多い。 それぞれの集団の速度は同じですか? 違いますよね。

 先頭集団は先頭集団の速度で走っている。 だから、誰も自分が早いという自覚はないし、それより遅くなると危機感が出る。

 それでは後ろの集団はどうでしょう。 後ろは後ろで集団で走っているので、やはり自分が早いという自覚や遅いという自覚は持ちにくい。 もちろん、それよりも速度が落ちれば、集団からおいて行かれるので危機感はでますが、 今の自分の速度に危機感は持ちにくい。 いわゆる”ぬるま湯”ですよね。
 確かに自分達の前に集団があるのは理解できるが、それを実感を伴う危機感にまでは結びつかないんです。 だから先頭集団と比べて、遅いという自覚症状はありません。 でもこれでは大会では勝てません。

 これを会社や店舗に当てはめるとどうなるでしょう?!

 対応の遅いホールスタッフがいる。 お客様はイライラするが、本人に自覚症状はない。 ホールを忙しく走り回り、むしろ頑張っていると思っている。 お客様は諦めて、我慢するか、黙って去っていく。

 対応の遅い役職者がいる。 店長から指示された仕事がすぐできない。 ホールスタッフに出す指示が遅れる。 ホールスタッフに対する動機付けが遅れる。 担当作業が遅れる。 もちろん、本人は頑張っていると思っている。 そして、ホールが不活性になっていく。

 対応の遅い店長がいる。 新台入替や育成台に対して、打つべき施策が遅れる。 役職者への指示が遅れ、ホールスタッフの指示も遅れる。 業者への指示も遅れる。 遅れるとタイミングがずれ、効果は当然出にくくなる。 今月すべきことが、当然のように来月へと繰り越される。 でも本人は頑張って最善の手を打っていると思っている。 よくやっていると思っている。

 だから社長から、「何をしてるんだ」と言われると、私(店長)は頑張っているのに評価をされないと嘆く。 社長が、役者者の動きが遅い、スタッフの動きが鈍いと言っても、 店長は、部下は頑張っていると真剣に思っているから、社長が何を言っているのか分からない。 自分たちは頑張っていると思い込んでいるから、 最悪の場合、私(店長)は部下の味方になって社長からスタッフを守ろうとする。

 対応が遅い部長がいる。 当然すべてが遅れるが・・・・。

 ここから先は、想像にお任せしたいと思います。 通常、社長は外部とのコンタクトがあるので、自分の速度について、 社員に比べて敏感な方が多いと思います。

 ただ、自社の動きの鈍い社員の速度が、勝手に上がるだろうと思うのは間違いだということです。 なぜなら、グズには自覚症状がないからです。 自覚症状がないのに薬を飲む人はいませんよね。

 これが蔓延すると社員は育ちません。 ホールスタッフもしかりです。 最近、スタッフのレベルが下がってきている。 それは、本当にスタッフのレベルが、下がってきているのでしょうか。 酷くなると、グズではない役職者やスタッフは、和を乱すということで追い出されてしまいます。 悪貨が良貨を駆逐するという現象ですね。

 こんな状態にならないように、スピードという視点を経営に取り入れる必要があるのではないでしょうか。

 今日、九州に台風が上陸し、近畿に来るそうです。 スピードの遅いグズな台風は、大きな被害を持たらします。 この文章を書きながら、台風のスピードが上がることを祈っているところです。

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 星野リゾートの都市観光新ブランドOMOを参考にする!?

 みなさんは、『都市観光地域リゾート構想』と聞いて何をイメージしますか? 私は、地域密着戦略の新たなコンセプトではないかと感じました。

 実は、昨日のニュース番組WBSで星野リゾートの新たなブランドである『OMO(オモ)ホテル』の特集をしていました。 OMOブランドは昨年10月6日に発表され、ホテルを中心とした都市観光型地域リゾート構想を具現化するためのブランド名なのです。

 昨年の発表では、今年の春に北海道の旭川と東京の大塚でオープン予定とし、大阪でも新今宮にできる予定です。 地域リゾート構想とはどのようなものか楽しみにしていました。 昨日のWBSは、東京大塚の6月オープンに先駆けて、その内容を取材したもので、見ていて感心するものがありました。

 大塚にできる星野リゾートのホテルは、「OMO5 東京大塚」でJR大塚駅の近くです。 宿泊料は、1泊7000円~とビジネスホテル並みの値段になっています。 そして部屋の広さも19㎡とこれもビジネスホテルサイズなのですが、工夫があります。 ホテルでゆったりくつろげるスペースを作っています。 例えば、室内に階段があり、ベットは2階にあり、1階はくつろげるマットのようなものを置いてあります。 また、階段も収納階段にしてあり、意外とモノが整理して置けます。

 この部屋は、ただ寝るだけでなく、テンションがあるがる部屋作りということで、 部屋に帰って来てから、話をしたり、くつろいでもらえる工夫をしています。 番組を見ていて、都市型観光事業に参入するというだけあって、 観光の楽しさを意識した部屋作りを追及していると感じました。

 面白いのは、ホテル周辺の地域を丸ごとリゾート地域として考えるというものです。 ではそのコンセプトをどのように具現化しているのでしょうか?

 番組を見ていると、ホテルの1階の壁にホテルを中心とした、高さが2m幅が3mほどある簡単な地図がありました。 そこに手作り感のある感じで、お勧めする店舗が地図に貼ってありました。 宿泊されたお客様に、周辺の面白い人気のある店舗を紹介しているのです。

「そんなのうちのホールでもやってるし、隣のホールでもやっているよ」と言われる方もいるかもしれません。 これだけだったら珍しくも何にもありません。

 面白いのはここからです。 何とこの店舗などにスタッフが要望があれば、一緒に連れて行ってくれるというのです。 その案内スタッフは、「OMOレンジャー」と呼ばれています。

 どこに案内して欲しいかは、コースで選べます。

  レンジャー名     料 金   得意分野(大塚)
  OMOグリーン    0円(無料)  散歩
  OMOレッド   1000円/2時間  はしご酒
  OMOイエロー  1000円/2時間  昭和レトログルメ
  OMOブルー   1000円/2時間  大塚のニューグルメ
  OMOパープル  1000円/2時間  ナイトカルチャー

 番組では、「OMOパープル」を頼んで案内をしてもらっていました。 1件目は、タイタンズというクラフトビールのおいしい店。 2軒目は、スナックサンライトというスナック。

 スタッフが先に入ってお客様を連れてきたことを伝え、一緒に同席していました。 もちろんお酒は飲んでいません。 ホテルのスタッフが店のスタッフを紹介し、お勧めなどを聞いたり、 スムーズな会話ができます。

 2軒目も同じで、スナックのママさんにお客様が来たことを伝え、同席。 外見から見て、まずひとりでは行かないだろうと思える少し小汚い感じのスナック。 地元の人は行くだろうが、観光客はちょっと行かないようなところです。 スタッフが率先して入っていくので、気楽に入れるという感じがしました。 ホテルのスタッフがついて来ているので、ぶったくりはないだろうという安心感があります。

 ここが凄いところで、恐らく情報を紹介しただけでは、行かないようなところに足を運ばせているということです。 いくら情報を提供しても行かなければ価値はゼロです。旅の思い出にはならず、お客様にとっては何もしてもらっていないのと同じです。 だから、このOMOホテルの工夫は大変価値があるのです。

 インタビューに応じたスナックのママは、普通なら観光客は来ないのに、 わざわざ連れてきてくれるとたいへん喜んでいました。 まさに正義の味方であるゴレンジャーの登場という感じです。

 このように実際にホテルのスタッフがお客様を連れてくるのだから、 店にとっては、ホテルが繁盛してくれることは、たいへんありがたいことと思っているという感じが伝わってきました。
 星野リゾート自体は、地元のホテルではありませんが、 これだけのことをしてくれるのではあれば、地域に在って良かったと地元の人が喜ぶのも無理はありません。 まさしく地元密着型の経営ではないでしょうか。

 ポイントは2つです。 ひとつ目は、OMOホテルはお客様(宿泊客)の知らない情報を持っている。 ふたつ目は、お客様(宿泊客)と一緒に行動する。

 これにより、情報が生かされ、宿泊客は今までにない体験をする。 素晴らしいですね。 もちろん地元店舗さんとの事前交渉は手間がかかり大変と思いますが、 確実に喜ばれると思います。

 そして同伴したスタッフとお客様が仲良くなる可能性が高まります。 また、同伴先の店舗の社長やスタッフと仲良くなれます。 コミュニティホールづくりには打ってつけの企画です。

 もちろん、このOMOの地域リゾート構想を参考にして、 十分条件の9番目の地域共生を充実させる自店なりの企画も考えることができると思います。

 もし、アイデアが浮かばないとしたら、実際のこのOMOホテルに泊まってみてはいかがでしょうか。 現場で実際にサービスを受け考える。 宿泊代はそれほど高くはありませんし、東京出張の時には良いかもしれません。 6月の中旬にはオープンしてると思いますよ。

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 伊藤忠商事の戦略的人財育成のニュースから自社を考える!

 4月13日に五大商社の一つ、伊藤忠商事が「伊藤忠中国千名大会」という祝賀会をしました。 何の祝賀会かというと、伊藤忠商事で中国語を話せる社員が1000人になったことを祝うものでした。

 実は伊藤忠商事は2015年に中国の国有企業と資本提携をした際に、 これから中国とのビジネスを本格化するにあたって、 中国語を話せる社員を1000名作ることを会社の戦略目標として掲げたのでした。

 背景としては、中国の第一線の企業経営者は叩き上げが多く、 中国語しかしゃべれない人が多い。 そのような中で、中国ビジネスをスピーディに円滑に進めていくためには、 自社の社員が中国語を話せることが必須であるという認識に立ったということです。

 伊藤忠は目標を掲げ、それを具体的に落とし込んでいきました。 中国語が話せるようになったかどうかは、中国が公認している試験に合格したかで判断することにしました。 そして、それを応援するために朝活と言うことで早朝のレッスンを行い、 レッスン料は会社が100%負担しています。 また、中国語が馴染むように中国語カフェなども作りました。

 その努力の甲斐があって、総合職社員の約3分の1に当たる1000人が中国語をマスターしたのです。

 商売を有利に運ぶには、相手の言葉を話せるというのはたいへんな強みになります。 伊藤忠は、中国語を話せる社員を大量に作ることで、今後の中国とのビジネスを有利に展開していくことでしょう。

 みなさんもご存知のように中国の成長はこれからも期待できます。 この成長市場と強く結びつくことで、自然と伊藤忠商事の成長は促されていきます。 中国が世界市場へのパイプを強くしていくにしたがい、伊藤忠商事はその恩恵を受ける可能性が高まるでしょう。

 昔から伸びる市場との関わりを持つことは、自社を成長させる最も確実な手法とされています。 今後の伊藤忠商事が、三井物産や三菱商事、住友商事、丸紅などの競合相手にどのような事業を展開していくのか楽しみです。

 ここで注目すべきは何と言っても、伊藤忠商事が戦略的に人を育てているという点です。 自社には何が必要で、どういう能力を伸ばす必要があるのか会社が明示しています。 この点は見習うべきものがあると思います。

 昔パチンコ業界の景気が良かった時、社員にお金さえ渡せば勉強してくれるだろうというような甘い考えの社長がいたという話を聞いたことがあります。 社長は社員を信じていたので、頑張った店長に思い切ってボーナスを800万円渡したら、その足でスポーツカーを買いに行って、お金を全部使ってしまったそうです。 社長としてはそのお金で本を買ったり、将来のためにセミナーや講座に参加して、能力をアップをしてくれると思っていたそうです。 これは極端な話ですが、能力アップを社員任せというより、会社が戦略的に方向性を示す必要があるように思います。

 現在、なかなか業績が回復しなくて困っている。 だったらこれを打開するために、社員に求める能力を明示し、その能力を修得できるようにバックアップする必要があります。 伊藤忠の事例を見ればわかるように、短期でできるのものではなく、3年ぐらいな中期で考えなければなりません。

 御社の3年後までに必要とする社員やスタッフの能力とは何でしょうか? それをどのような施策で、どのように実現させていくのでしょうか? 伊藤忠商事の戦略的な社員育成は、そういうことを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

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 プラネタリウム館の変貌から見えてくること!

 みなさんは最近プラネタリウムを見に行かれたことはありますか? そうです。宇宙や星座を勉強するあのプラネタリウムです。 私は近年行ったことが無かったのですが、大きな変貌を遂げているようなんです。

 昨日、NHKの朝のニュースを見ていると懐かしいプラネタリウム館の特集をしているではありませんか。 まず、アナウンサーが言った言葉は、近年プラネタリウムは「勉強の場」から「癒しの場」へと目的が変わって来ているというのです。

 背景は、少子化の影響もあり、プラネタリウム館を訪れる人が年々減少しています。 このままでは、多くのプラネタリウム館の運営ができなくなってしまう、という危機感がありました。
 来館している人を良く見ると、星の勉強をしに来ている人ばかりではないことに気づきます。 星を見に来るのではなく、デートの雰囲気をつくるために来ている人、気分転換に来ている人、 眠っている人もいる。みんなが星の勉強をしに来ているわけではないことに改めて気づいたということです。

 そこで、発想を変え、「勉強」からニーズのある「癒し」へと目的をシフトさせていきます。
 コミュニティホールに取り組んでいる方は、「勝負」から「コミュニティ」へとシフトさせている発想と同じだと思われていると思います。 実はこのように、既存のものの利用目的をシフトさせて、新しいものを生み出すということは、 世の中の変化に応じて、いろんな業界で起こっているということです。

 話をプラネタリウムに戻します。 そこでプラネタリウム館は、発想のシフトに基づき、構成要素を見直していきます。
 まず、座席です。勉強用ではなく、リックス用ですので、大きくリクライニングができるシートに変えたり、 座席のクッション性を大幅にアップしたものなどに変えていきます。 さらに、寝転んで見れるところもあります。

 次に見ている映像も、「癒し」が前提ですので、見ていて心が和むように、 見ている場所を意識したものに変えたりしています。 草原で見るのか、海の上で見るのか、山の上で見るのか、いろんな所で星空は鑑賞できるので、 見ている人が、素敵と思えるような場所を設定したものへとなっていきます。

 もちろんナレーションも、棒読みでは気分が出ません。 そこで、有名俳優を起用したりもしています。

 また、「癒し」ということで、アロマの香りを流すようなプラネタリウム館もあります。

 プラネタリウムという特殊空間ですので、 その空間でヨガをする企画を立てたり、生演奏をするところもあります。 さらにゆったりとした気分で、睡眠をとることをあえて薦めるところもあります。

 最近、行かれたことが無い人は、まさに驚きの変貌を遂げていると 感じられるのではないでしょうか。

 このような取り組みで、減少していた利用者の回復を行っているというのです。 参考になる点は多々あると思いますので、自分自身のリフレッシュも兼ねて、家族か恋人を連れて、 「癒し」をテーマとしているプラネタリウム館に行ってみるのはいかがでしょうか?

 最後にこのプラネタリウム館のニュースから考えないといけないことがあります。 それは、いくら変貌を遂げたとしても、これまで来店しない人、 つまり『プラネタリウムとは、星の勉強をするところだ』と固定観念にとらわれている人は来ないということです。 だから、その変化をどのように伝えるか、という活動が必要になるという点です。

 私もたまたまテレビ見ていたので知りました。
 では、私たちが取り組んでいるコミュニティホールはどうでしょうか。 昔のパチンコ店しか知らない人に伝わっているでしょうか。 テレビで取り上げて放送してくれれば良いかもしれませんが、そういうラッキーは期待できません。
 したがって、地道にコミュニティホールとしての取り組みをPRする施策を、やり続けなければならないということです。 取り組みをしてない方は是非ともしてください。 なぜなら、コミュニティホールの目的はお客様を自然な形で増やすことですから。

 継続は力です。 依存症問題があり、射幸性を抑制されている今こそ、 新しい業態が求められているということで、頑張ってください。

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 変革期においては、譲られた権力では、即応できない!?

 テレビで歴史番組をいくつか放映しています。 その中で、見ていて「面白い!」と思う番組があります。 毎回とは言いませんが、結構ためになります。

 今週のテーマは、『壬申じんしんの乱』でした。

 歴史に詳しくない方もいるかもしれませんので、 簡単に『壬申の乱』について触れますと、 年代は672年で、奈良(平城)時代の前のお話です。

 天智天皇の後継者になった大友皇子おおとものおうじに対して、 大海皇子おおあまのおうじが挙兵し、内乱となるというものです。 結果は、大海皇子が戦いに勝って、大王になり、 初めて天皇という称号を使います。 そして、倭国を日本国と国名も改めます。

 ここでなるほどと思ったのが、権力の種類は2つあり、 「譲られて得る権力」と「奪い取る権力」があると 歴史学者の方が言った言葉です。

 譲られて権力者になった人間は、急な改革はできない。 それは譲ってくれた人を否定することであり、 自分の正当性を否定することになるからなんですね。 変革をするためには、その権力の座で実績を上げるまで、路線変更ができない。

 もし、急速に体制変えないといけない、価値観を変えないといけない状態だと、とても対応できません。 だから、変革期に譲られた権力を得た人は、能力があっても何もできない。 要するに社長を交代しても、古参社員が沢山いて、仕事改革ができないということです。

 一方、奪い取った権力は、過去の否定から入ることができるので、 急激な変革を断行することが出来る。 日産のカルロス・ゴーンを見れば明かです。 日産の役員の中には、問題点を見つけ、カルロス・ゴーンと同じよなことをするべきと気づいていた人がいたが、 過去のしがらみがあり、出来なかったと言っています。 しかし、カルロス・ゴーンは、外部から来たのでそれを断行できた。

 この間ブログに書いた『関ケ原の戦い』と『壬申の乱』が重なって見えました。 豊臣政権下での徳川支配では、思い切った改革が出来ない。 だから、家康は権力を奪い取るために関ケ原が必要だったんでしょうね。

 番組の中で、古文書で、壬申の乱になる前に、天智天皇が大海皇子(弟)に 天皇の位を譲りたいと言ったが、大海皇子が断ったと書かれていると紹介していました。

 この時、大海皇子は、天智天皇から権力を譲られた自分を想像したのでしょう。 そして、有力豪族に囲まれて、身動きがとれない自分が見えたのかもしれません。 だから、あえて権力の座には座らず、天智天皇の子の大友皇子に譲り、戦いを起こした。

 当時、中国のとうと朝鮮の新羅しらぎに対する外交問題で、日本は重大な岐路に立たされていました。 『壬申の乱』で、有力豪族を一掃した大海人皇子は即位し、外交方針を転換します。 そして徳川幕府のような、強力な中央主権型の国家を作り上げます。

 歴史を見ると環境が変わり、変革が必要な時には、 単純に社長の座を交代し、次期社長に改革をゆだねるのは、しがらみがあり無理だと言うことが分かります。 これはジリ貧パターンで、何もできずに会社が傾いていきます。 おそらく何をしても、前の社長を支えていた幹部がネックとなり、改革は遅れていきます。

 それではどうするのか。 方法は2つあるように思います。

 一つは、これまで実績を積み上げた社長が、改革を断行することでしょう。 既存幹部が反対しても、断行する。 そこで反対派のうみを出してしまう。 その後で次期社長に引き継ぐ。

 もう一つは、社長候補に改革を子会社や一部エリアで改革を実行させ、実績を上げさせる。 それをもとにこれまでのやり方は通用しないと宣言して、社長が引退を表明し、 一緒にやってきた幹部を引退させるか、主要ポストから外すというやり方でしょう。 そうすれば新社長は、思い通りの改革ができます。

 もちろん大前提として、新社長に改革案、つまり、明日のパチンコホールとはどうあるべきかという構想を持っている、ということが必要です。 これが無いのに旧幹部を外すと会社が急死しますので、これは論外な施策となります。 その場合は、社長の座を禅譲ぜんじょうするのがベターとなります。ここはお間違えないように!

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 甘い桃を食べて、ホールの改善を考える!!?

 今年、桃を食べましたか? 家内は桃が大好きで、今年は7箱ぐらい買って、 家で食べたり、親戚や子供たち家族に配ったりしていました。

 普通、甘いと言われる桃の糖度(果物の甘さを測る指標)は12%と言われています。 多くの人が桃を食べて甘いと感じる糖度です。

 18日の報道番組のWBSで紹介された行列ができる桃の糖度はなんと、22.2%でした。 通常の倍以上の糖度です。
 通常の糖度12%の桃と糖度19%の桃の違いを比べるため、番組の中で試食をしていましたが、 糖度12%の時は、「甘い」という納得の表情。 糖度19%の桃を食べると「甘い!!!」と驚きの表情でした。 味が格段に違うのですね。

 糖度22.2%の桃を作った人は、マルヤファームの松本隆弘さんという方。 ギネスブックに、「世界一甘い桃」として登録されています。

 一度糖度の高い桃を食べてしまうと、桃の甘さの基準が変わってしまう。 これまでの基準、つまり甘さの常識が変わってしまうということになります。 これは業界地図を書き変える可能性があります。

 事業やサービスも同じではないでしょうか。 これまで常識とされていたサービスを超えるサービスがでてくると、 あっという間に業界地図が変わってしまいます。
 東京ディズニーランドが出来て、 しばらくすると多くの遊園地が消えていったことを思い出す人もいるかもしれません。

 本来、これまでの常識が覆るようなことはなかなか起きません。 ではこの松本さんには、このようなことが、なぜできたのでしょうか?

 テレビを見ていて、ポイントは2つあると思いました。 一つは、糖度測定器です。もう一つは、松本さんの桃の甘さはこれが限界だと思う、固定観念が無かったことです。

 きっかけは光センサーの糖度測定器の導入で、 自分の育てた桃の糖度を測るのが面白く、 もっと甘いものができないか挑戦していったそうです。

 ヒントはリンゴの土壌改良にあったみたいです。 一時期奇跡のリンゴと称された無農薬リンゴが話題になりましたが、 そういうものを参考にされたのではないでしょうか。 類似業界のサービスヒントに、自店のサービスを見直すというパターンですね。

 それが功を奏して、糖度がどんどん上がっていき、22.2%という世界一甘い桃を作った。 今度はそれを近所の桃農家に広めて、包近(かねちか)の桃農家の再生に寄与している。 実際、この桃を卸している道の駅「愛彩ランド」では週末になると、桃を買うために150人もの行列ができるそうです。

 この事例からも明らかなように、 改善や改良をしていくためには、それを測る測定器がいるということです。

 パチンコ業界で言えば、遊技台の状態を測るホールコンは整備出来ている。 もちろん、メーカーにより格差は有り、まだまだ改良の余地は多いにあると感じますが、 取り合えずある。

 充実していないのは、顧客データですね。 パチンコユーザーの満足度を知る。再来店の状況を知る。 どのような販促を打てば、お客様の満足は上がるのか、それが分からない。 測定できないないのに、顧客満足度を改善ができるでしょうか?

 先ほどの桃も、土壌改良剤を入れたら一発で糖度22%の甘い桃ができた、というお話しではありません。 改良をし、採れた桃の糖度を測定し、効果のあったものは残し、効果の無かったものは止める。 そういう繰り返しの中で、少しづつ糖度が上がり、良くなっていったのです。

 ホールも同じで、改善を重ねて、効果のあるものとないものを見分けて行かなければならない。 測定器がいるのは、大きな効果を見るためでなく、小さな効果を発見するためです。 小さな効果の積み重ねが、大きな違いを生んできます。

 もし、自ホールの遊技台の使い方、サービスの在り方を改善させたいと考えるなら、 優秀な測定器を整備することです。 これが第一です。 効果の分からない改善に取り組むことは、まず難しいでしょう。 もちろん創業を経験されているオーナーは別ですけど。

 残念ながら桃の時期は、過ぎてしまいましたが、来年は「愛彩ランド」に桃を買いに行きたいと思っています。

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 組織の間違った価値観が命取りになる!

 8月15日は終戦の日です。 この前後になると、戦争に関する番組が、数多く放送されます。 そして、日本軍の失敗の原因について、アレコレと語られたりします。

 失敗の原因の中で、私が面白いと思ったのは、組織が持っている価値観です。 その価値観がゆがんでいると、組織に対して大きな損害を与え、本来の目的を見失わせます。

 例えば、日本海軍において、太平洋戦争当時、敵の輸送船を撃破するのは、 『卑怯者のやることだ』というような考え方、価値観があったそうです。 勇敢な軍人は、敵の戦艦や巡洋艦を攻撃するものと信じられていた。

 その結果、日本海軍はアメリカの輸送船団をせん滅することを積極的にしなかった。 そういう作戦に参加したがらなかった。誰もが、臆病者のレッテルは貼られたくない。 特に軍隊において、臆病者のレッテルを貼られるのは嫌がられていました。

 理由は誇りや名誉心という面もありますが、 軍隊では臆病者を嫌い、常に過酷な最前線を担当させられるからです。

 戦争で勝つ一番効率の良いのは、相手の補給を断つことです。 要するに輸送船を攻撃することなのですが、組織の価値観が邪魔をして、 なかなかそれが出来ない。 そんなことばかり考えている作戦参謀は白い目で見られる。 戦争に勝利するという目的のために闘わなければならないのに、それができないんですね。

 また、陸軍でも同じでしょうが、海軍でも自分の命を守る行為は、卑怯者とされた。 そのためゼロ戦の操縦席に周りに、防弾のための板が無い。アメリカ軍機とは対照的ですね。 そのため優秀なパイロットがどんどん死んでいく。それを良しとしていた。

 しかし、ゼロ戦の優秀さは、優秀なパイロットがあって初めて実現できるものなのです。 その優秀なパイロットを育成するのに、3000時間の飛行時間が必要とされています。 他国の軍用機に比べて、かなり時間を必要とする。 (ちなみにドイツ軍機のユーカンスは、一流になるのに1800時間で十分だったそうです)

 1日10時間、ほぼ毎日飛んだとして、1年間かかります。 ところがパイロットがどんどん死んでいくので、 十分育成している余裕はないので、500時間か1000時間の飛行で戦場に出す。 一方アメリカは、人が大切と考えていますので、パイロットはなかなか死なない。 死なないように工夫していく。だから自然とベテランになっていくんですね。

 どんなに名機と言っても、素人が操縦して、 ベテランパイロットを乗せたアメリカの最新鋭機にかなうわけはないですよね。 それは誰でもわかりますが、実際にパイロットの命を守ろうと言うと、 周りから臆病者と言われる。つらいですよね。 臆病者と言っている本人自身、戦争の目的は何かもう分からなくなっているのではないかと思います。

 御社では、そんな命取りになるような価値観というか思い込みは、見当たらないでしょうか? もし、業績が悪いにも関わらず、新しいことに取り組まない、改善が進まないという状況に陥っているのであれば、 一度、店長や役職者、あるいはアルバイトが持っている価値観を、点検した方が良いかもしれませんね。

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 風が吹けば桶屋おけやが儲かる?式のホール運営の限界

 「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがあります。

 ウキペディアによると「ある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶことの喩え」とあります。

 私はこれを聞くたびに、果たしてそういう意味で使われているのか不思議に思っています。 なぜなら、風が吹けばなぜ桶屋が儲かるのか、その流れを的確に言えた人に、あまり会ったことがりません。 多くの方は、「風が吹くとなぜか桶屋が儲かる」、つまり「風が吹く=桶屋が儲かる」というロジックを超えたものがあるという認識ですね。 中の関係性というかロジックに対する関心が、ごっそりと抜けてしまっている。

 物事がうまく行っているときはそれでも問題はないのですが、 上手く行かなくなると混乱するばかりとなります。

 最近、風が吹いても儲からない。桶が売れない。 「なぜ売れなんだ」と言って、 無理に風を吹かせてみる。 しかし、風が吹いても吹かせても売れない。 最終的に、もうどう改善して良いか分からずお手上げとなる。 そうなると改善の手が打てない。打つ気がしなくなる。 諦めて仕方なく、日々の作業をしている。

 そういう人は、経営者から売上を上げるように指示されると、 『無理なことを要求されている』とこころの中で思ってしまう。 人間、こころの中でこう思ってしまうと、確証バイアスがかかり、 自分の意見が正しいことを証明する物事だけが目に入るんですね。 益々、その考えが補強されます。

 なぜ、

 でも、誰でも育成できるとは限りません。
 ではどんは人が育成できるのでしょうか。 育成できる人間は、自分はまだまだ考える力が足りないと思っている人ですね。 人は足りないと思うとそれを埋めようとします。
 そういう人は考える力を伸ばしていけます。 厳しい時代は、まさにそういう人こそ宝です。

 ここまで読んだが、何のことかよくわからない? 抽象論では、何となくわかった気はしますが、 に落ちないことが多いですね。

 何か具体的なことはあるのかと言われそうなので2,3上げると パチンコ業界の昔?の諺?
「出玉をすれば稼働が上がる」
「新台入替をすれば稼働が上がる」
というようなものでしょうか。

 もちろん、そのロジックを洞察し、考えて手を打たれている方は、 出玉をして稼働を伸ばされている(一時的な稼働上昇ではなく)と思います。 新台入替をして(一時的な稼働上昇ではなく)と思います。

 もし、そうでないなら、「風が吹くと桶屋が儲かる」が「風が吹く=桶屋が儲かる」式で、
「出玉をすれば稼働が上がる」とは「出玉=稼働上昇」、
「新台入替をすれば稼働が上がる」とは「新台入替=稼働上昇」
というように短絡的たんらくてきな思考のワナに陥っていないか
、振り返ってみる必要があるかもしれません。

 そして、「出玉の効果がない」「新台入替の効果がない」は、 洞察が足りず、的確な手が打ててないからと、 自分自身を説得することが改善に第一歩になるかもしれません。

 もし、本を読んだり研修に参加するなら、 釣った魚をくれるものではなく、釣り方を教えてくれるものがお勧めです。 前者は思考力を弱める場合が多く、後者は思考力を強めるからです。

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 100%雨を降らせる雨ごい儀式の秘密

 タイトルを見て、何のことかと思われるかもしれません。 「100%雨を降らせる雨ごい儀式」というものが本当に存在するのか?

 こんな話をすると、多くの方は否定されます。
「そんなものはありえない」

 しかし、昔、世の中にはそういうものが存在しました。 今も存在しているかもしれません。 「雨ごいの儀式」をやれば必ず雨を降らせるのです。

 儀式をやる人間が特殊な能力を持っているかと言うと、そうではありません。 超能力者でもなんでもなく、ただの人です。 でもその人がやれば必ず、雨が降るのです。

 だから、その地域に人からとても頼りにされます。 日照りになると、かならず依頼をされます。 でも、その人はなかなか受けません。 それは、体力が要求されるからです。
 でも、最終的には根負けして引き受けます。 そして、儀式を始めると雨が降るのです。

 ここまで読んで、何お話をしているのかと思われたと思いますが、 実はよくある錯覚の話をしているのです。

 錯覚?

 そうです。もうお気づきの方はいらっしゃると思いますが、 この「雨ごいの儀式」は、雨が降るまで行うのです。
 だから、儀式をやると100%雨が降るのです。 雨が降らなければ、何日も続くので、儀式をする人は、 毎日毎日その儀式に追われてたいへんなのです。 だから、なかなか引き受けないのです。

 これで「100%雨を降らせる雨ごいの儀式」は本当にあることは、 ご納得いただけたと思います。

 業界で言えば、 成功するまで出玉をする。 成功するまで新台を入れ替える。 昔はよくあったように思います。 良くなったところで、成功と定義して成果をまとめる。

 もちろんこれは成功とは呼べない、承服できない、と言われる方もいると思います。 特に、経営者の中には。
 その場合は、成功の定義を明確にすることです。

 例えば、「雨ごいの儀式を始めてから3日以内に雨を降らせてください」 と言えばどうでしょう。 期限を加えることで、因果関係がないものは排除しやすくなり、間違った行為をノウハウと誤信してしまうことは、かなり避けることが出来ます。

 結果が出てから成功基準を決めることは、 なかなか難しいものがあります。 もし、出玉や新台などの成功の判断をしっかりする必要があれば、 事前に、今回の出玉で達成したいものは何か、 今回の新台入替で達成したいものは何か、 ということを明確にしておくことをおススメします。

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 ふるさと納税に見る地域密着のヒント

 一昨晩のカンブリア宮殿は、『ふるさと納税』のサイトを運営している「トラストバンク」というIT企業が出ていました。

『ふるさと納税』は皆さんも利用されたことはありませんか? うちではふるさと納税を利用して、番組の中でも紹介された吉備中央町のお米を手に入れています。

 さて、ふるさと納税は、ざっくり言えば、自分が好きな地方自治体へ寄付という形で、住民税納付を選択できるというものです。 これがブームになったきっかけは、寄付すると見返りに何か魅力的なものがもらえるというところです。 同じ税金をとられるなら、何かをもらえる所に税金を収めた方が得をするというので急速に伸びました。

 当然、税金の付け替えですので、寄付を受けた自治体は得をしますが、 反対に他の地域に寄付をした住民が多い地域では、マイナスになり困るということになります。

 それで各自治体も寄付を集めようと必死になり、中には返礼率100%というような自治体も出て来たので、 総務省より返礼率を3割までに押さえるようにという通達が出ました。 ちなみに『ふるさと納税』の寄付金額は、2016年は総務省の推定で、2700億円もあるそうです。

 この『ふるさと納税』ですが、このテレビを見て地域の活性化にかなり役に立っていることを知りました。

 それは、ふるさと納税をしてもらうためには、魅力的な返礼品が必要となります。 そのために自治体の中には、地元の魅力的な商品を探す、 あるいは地元と協力して魅力的な商品を創り出すという取り組みをしている。 つまり、地元の良さを再発見をして、それを全国の人にPRし、寄付を募っているのです。

 紹介された平戸市の取り組みでは、従来からあった「新鮮な魚介類」「平戸和牛」に加えて、 新たに「ウチワエビのしゃぶしゃぶセット」や「平戸夏香」という新しい純国産オレンジを作っています。 さらにこの「平戸夏香」の皮を養殖ブリのえさに混ぜて、魚の生臭さを抑え、 「平戸夏香ブリ」として、さらに新しい名産品を作っているとのことです。

 販売量が増えるということで、関係者がやる気を出し、新しいものを開発している。 それからふるさと納税をした消費者からダイレクトに感想などがもらえるのも、生産者としては励みになるということです。 販売量が増えることで、それに関係している雇用も増える。 地域が活性化するという好循環を生み出しています。

 地域の良いものに光をあて、良さを引き出すことで、販売を増やす。 これが地域の活性化につながるということを、改めてこの番組では私たちに教えてくれているように思います。。 このカンブリア宮殿に出たトランスバンクは、実際、社長自ら地元に足を運び、 その良さを引き出す工夫をしているようでした。

 コミュニティホールの十分条件の9番目である「地域と共生する」ということを考えるヒントになっています。 地域密着をアピールするために、地域の良いものを育てていくような取り組みも面白いと思います。 多くのホールは、店内広告機能や販路機能、お試し体験機能を持っています。 これを、地域でこれはと思う企業や生産者とコラボして、フル活用してはいかがでしょうか。

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 あえて不利を表示する経営姿勢が安心感を出す!

 来年の10月から自動車の燃費モードの表示基準が変わるのをご存知でしょうか?

 現在、JC08モードと言われる日本の燃費基準で、自動車メーカーは、車の燃費を表示しています。 これを、来年の10月からWLTCという国際基準の表示に切り替えることを、 国土交通省が決定したとのことです。

 この背景には、三菱自動車の軽自動車の燃費表示不正があります。 現在、採用しているJC08モードの燃費表示は、実用燃費との乖離かいりが大きく、 不正に改ざんしても分からない。 だから、三菱自動車のようなメーカーが出てくると、国土省にクレームが結構あったそうです。

 あなたは、カタログの燃費表示を信用していますか?
 私は、実際と関係ない実験室での性能表示のように考えていたので、 乖離があって当り前と思っていました。 実際ユーザーの多くは信用していないようですね。

 ”e燃費”という実際の燃費の投稿サイトでは、カタログ表示と実際の燃費では、 2~3割くらい違いがあるそうです。

 新しいWLTCモードでは、実際の使用条件に近づけるため、 燃費計測時に載せる重りを155kg(JC08は110kg)としたり、 走行も、市街地、郊外、高速道路の3種類を別々に表示するようになるようです。

 その結果はどうなるかと言えば、JC08モードより、 WLTCモードの方が燃費は悪い結果がでるので、 当然、燃費表示は悪くなります。

 これに対して、マツダはそのWLTCモードでの表示を来年の10月を待たずに、 新型のCX-3(ガソリン車)より始めるとしています。

 自社にとって不利でも、お客様のためになるのであれば、積極的に取り組むという経営姿勢を示しました。

 WBSという報道番組の中で、販売店ではCX-3の購入を検討しているお客様に、 このWLTCモードでの燃費説明していました。 それを聞いたお客様は、燃費に対しての不信感が、ある程度薄らいだと、納得をしたようでした。

 そして、販売店の人が、燃費に対して安心して説明できるようになったと喜んでいました。 これまで燃費に対して、ユーザーから疑問の声が上がったり、 説明時に実際の燃費はここまでいかないと、フォロー説明をしていたのかもしれません。

 でも、会社が積極的にWLTCモードに取り組んだことで、自信を持って燃費性能について説明しているようでした。

 従業員が会社を信頼し、安心して業務に従事が出来る。 これが一番大切なのではないでしょうか。

 時代が変わり、経営環境も変化していきますが、 それにいち早く対応し、お客様や従業員に安心を与える。

 今回のWLTCモードへの積極的な取り組みを見て、
「どうせやるなら、なぜ、今やらないんだ!!!」 と一橋大学客員教授の小林三郎氏が講演の中で、おやじさん(本田宗一郎)が常々言っていた、 というこの言葉が脳裏に蘇ってきました。

 そして自分に不利なことこそ、積極的に対応していく姿勢は、 企業の社会正義に対する取り組み姿勢を、お客様や従業員に示すことになります。 反対に、仕方なく取り組む姿勢は、会社に対するロイヤリティを喪失させていきます。

 コミュニティホールに取り組む場合、お客様や従業員の会社に対するロイヤリティは不可欠です。 今回のようなマツダの取り組みは、記憶しておいて、 何かの時の判断基準の材料としたいと思いました。

          更新日:

 新連載の『スタッフの小さな成功体験』の補足

□□蛇足□□・・・連載がちょっと短かったので・・・

 人は自分の行ったことに対して、プラスの評価を受けると自分の行為に自信を持ち、 もっとプラスの評価を受けたいとやる気が出て、もっと頑張ろうとする。 これは個人の小さな成功体験です。

 掃除をすれば、
   誰でも声を掛けられる、褒められるのか?

 そんなことは絶対にありません。
 同じことをしても、評価に違いが出ます。

 優秀な現場監督者は、スタッフにこの成功体験を積ませるための工夫をする。 そのために何が必要なのかを考え、徹底した指導を行う。 例え、厳しい、そこまでやるのか、と思われても。

 では、声を掛けられる掃除の仕方とは、どのような掃除の仕方なのか。
褒められる掃除の仕方とは、どのような掃除の仕方なのか。

 それを自ら考え、スタッフにそうなるように指導が出来る現場監督者は、 やる気の循環が回り、好ましい結果を残します。 もちろん例外はあり、運のよい現場監督者は、スタッフが優秀で指導しなくても、 好ましい行動をとり、やる気の循環が回ることもあります。

 でも、うちのスタッフは言うことを聞かない。イヤイヤやる。ということであれば、

 『やっぱりのスタッフは質が悪い!』

 そう言っている間は、何も変わらないのはないでしょうか?!

          更新日:

 スタッフのマインドの話(改)

 あるところに、定年を迎え、余暇を楽しく過ごしたいと願う、初老の紳士がいました。 その紳士は、昔1度だけやったことがる、パチンコをまたやってみようと思いました。

 『どのパチンコ店がいいだろう?』

 同じお金を使うなら、使って良かったと思えるところで、 遊びたいと思いました。家の周囲には、数件のパチンコ店がありました。
 紳士は、とりあえず一番近いパチンコ店へ行きました。

 たまたま、玄関で水をくスタッフがいました。
 彼はそのスタッフに尋ねました。
「あなたは、ホールで何をしているのですか?」
 スタッフは答えました。
「私は、ホールを歩き回り、重いパチンコ玉を上げ下げし、 台を掃除しています。大変な仕事をしています」
「そうですか、それはたいへんですね」
 そう言うと彼は次のパチンコ店へ行きました。

 そこではスタッフが、店の周りのゴミを掃除していました。
 彼はそのスタッフに尋ねました。
「あなたは、ホールで何をしているのですか?」
 スタッフは答えました。
「私は、1時間1200円で働いているのです」
「そうですか、ありがとう」
 そう言うと彼は、3つ目のパチンコ店へ行きました。

 玄関前で、スタッフがのぼりを揃えていました。
 彼はそのスタッフに尋ねました。
「あなたは、ホールで何をしているのですか?」
 スタッフは答えました。
「私は、お客様の遊技の補助をしています」
「そうですか、わかりました」
 そう言うと紳士は、4つ目のパチンコ店に行きました。

 駐輪場で自転車を整理しているスタッフに尋ねました。
「あなたは、ホールで何をしているのですか?」
 スタッフは答えました。
私は、お客様が幸せになるお手伝いをしています
 紳士は重ねて質問をしました。
「でもお客さんは、パチンコで負けることもありますよね」
ええ、だからこそ、『このホールで良かった』 と思ってもらうために私はいるのです

 紳士は、ニッコリ笑うと、その店舗の中へ安心して入っていきました。

 *****気分転換に、ショートストーリー******

 このお話はいかがでしたでしょうか。
 ストーリーにするとなんとなく、言いたいことがわかり易ですよね。
 要するに同じようにニコッと笑て、挨拶をしても、心の中は、同じとは限らないということです。 イノベーション型コミュニティホールで言っているマインド醸成は、4件目のマインドを目指すものです。
 ちなみに、1件目、2件目のマインドレベルで、接客がしっかりしているのを、きっちりスタッフを調教してると言うそうです。

          掲載日:

NHKの「時そば」を見て、考える

 最近、NHKで”落語を映像化している番組”があるのを、ご存知ですか?
 古典落語の内容を、噺家はなしかのテンポに合わせて、 そのイメージ通りの設定と演技をドラマ化したものです。

 通常は、噺家の内容から自分で映像部分は想像するのですが、 それを敢えて映像化するというものです。
 その意図は、映像時代の若者に落語の楽しさを知ってもらうためか、 あるいは、落語を聞いてイメージ化出来ない人への補助なのかわかりません。 でも、その番組を見てて面白かったと同時にあることに思いあたりました。

 「時そば」は、そばの代金をごまかす人を、主人公がはたから見ていて、 自分も同じように、そばを食べて、代金をごまかそうとする物語です。

 主人公は、観察力がするどく、ごまかした人の手口を忠実に覚えます。 そして、翌日に自分がそれを再現しようとして、大失敗をしてしまうものです。
 なぜ、そうなったのかというと、主人公は忠実に手口を再現しようとするのですが、 昨夜と違うそば屋にいったので、思うようにいかなかったのです。 それでも無理に昨日と同じ手口をやり続けるので、聴いていた(見ていた人)の笑いを誘い、 最後に大失敗をするというものです。

 自分が見てきたものを、その通りにやろうとして失敗する。 これは、他社の成功事例を見に行って、 それを自店でマネて同じようにやってみるケースと似ています。
 実際やってみるが、思ったように効果が上がらない、 なかなかうまく行かないケースと、同じではないかと気づきました。

 店舗の状況や背景がそれぞれ違うので、うまくいかない。 それに気づかず一生懸命やるが、効果がでない。 第三者からみると、状況に違いが良くわかるので、おかしく見える。

 現在のように経営環境が厳しい時代では、よくあるケースではないでしょうか。

 昔のように景気が良い時には、何をやっても良かったので、 どこかのホールが成功していると聞いて、 それを単にマネをしても通用した。 だから、同業者の成功事例の紹介がもてはやされた。
 しかし、現在はそうでなくなった。 自社にマッチした的確な施策を打たないと、効果がでない時代になった。

 「成功事例はありませんか?」と聞く方がいらっしゃいます。 もちろん、それに応えて他店の成功事例を紹介する方もいらっしゃいます。 でも、単純にマネても成功するかどかはわからないということです。
 自店に合わない他店の施策を、一生懸命にやるほど疲れることはないでしょうか。

 くれぐれも、「時そば」の主人公のようにならないように、気を付けたいものです。

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モノで差別化ができにくい時代

 本の中でパチンコ人口の減少は、時代の変化を取り上げて説明している箇所(P.53~)があります。 娯楽のニーズの多様化の話です。 昔と違い、いろいろな娯楽が出て来たので、娯楽を楽しむ人が分散していき、市場が縮小する。 業界の市場という大きな話です。 これはどちらかというと量の話です。

 量的な問題だけで、質的な問題はないのでしょうか?

 質的な問題も発生しています。 これが最近?よく言われる”モノからコト”の話がそれにあたります。

 これは何かと言えば、「モノ」が成熟するまでは、 「モノ」から受ける便益を、消費者やユーザーは重視して購入や利用をしている。
 しかし、「モノ」が成熟すれば、「モノ」により受ける便益は、だいたいほぼ同じになるので、 消費者やユーザーが重視するのは、「モノ」から受ける「体験」を重視し始めるというものです。

 例えば、自動車は昔に比べ、かなり良くなりました。 どのクラスの車も同じような装備がついています。 (昔、軽自動車にパワーウインドウがついていることはありませんでした)
 同じようなクラスなら、多くのユーザーから見ると、どのメーカーでもほとんど遜色がありません。 (おそらくメーカーの論理では、他のメーカーと全然違うモノを提供していると考えていると思います)

 この時重視されるのが、購入という出来事に対して、 どのような体験をするのかをユーザーは重要視するということです。 さらに、購入後、その車でどのような体験を味わったのかが、 今後、どのメーカーを支持し、ディーラーを利用するのかを決定していくというものです。

 これを自分の業界に置き換えると何か気づくことがあるのではないでしょうか。 ホールで言えば、新台をいれても一時的な差別化にしかつながらない。 お客様の目から見ると、多少の違いはあるが、どれも同じように見えてしまう。 (もちろん、メーカーは同じシリーズで、もかなり違ったもの作ったと考えていると思います) 機種揃えにしても、同じような感じを受ける。

 この時重視されるのが何かということです。 他の業界で起こる変化は、やがて自分の業界でも起こってきます。 それは、事業の本質に違いがないからです。

 どのホールに行っても同じになるにしたがって、どういう体験をさせてくれるのかが、 重要になってきています。
 昔のように遊技台さえを打たせておけば、お客様は満足する。 繰り返し、ホールに足を運んでくれる。 そういう世界は終わっているのではないでしょうか。 いち早くそれに気づいて、顧客の体験価値を創造する企業こそが、 次世代を担う企業になると個人的に考えています。

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