新型コロナ運営対策コーナー

コミュニティマネジメント研究所

新型コロナウイルスの感染

 感染防止の正しい知識を身に付ける

新型コロナウイルスに感染するとは?

 新型コロナウイルスの感染を防ぐために基本的な知識を知っておいて損にはなりません。 新型コロナに関連するニュースを見ていても理解が早まります。 そして感染拡大対策の説明をスタッフにする時も、知っているということは有益です。 施策の必要性や防止策の有効性に対する説得力を増してくれます。

<<感染するとは?>>

 ウィペディアによると次のようになっています。
 感染(かんせん、英: infection)とは、生物の体内もしくは表面に、より体積の小さい微生物等の病原体が寄生し、増殖するようになる事 。 また、侵入等のその過程 。 それによっておこる疾患(しっかん)を感染症という。 となっています。

 新型コロナウイルスが手に触れたりしても、感染とは言いません。 新型コロナウイルスは身体(目や鼻や口)の粘膜に付着し、細胞内に侵入することで初めて増殖することができます。 新型コロナウイルスの特徴は、ウイルスの突起にあるたんぱく質をカギとして、人間の細胞内部に侵入することです。

<<感染の関係式>>

 専門家の話では、粘膜などに付着してから数分から10分で細胞内に入り込むとのことです。 感染が起きるためには、感染部位に充分な数だけ到達する必要があると言われています。 新型コロナウイルスがたまたま1個入ったからと言ってすぐに感染するわけではないということです。

 個人の感染の関係式は、

  ◎個人の感染 = 体内に侵入するウイルスの量 ÷ 個人の免疫力の強さ

と表現できます。

 基本的に感染防止策は、人の「体内に入るウイルス量」を減らすことです。 そのために飛沫や手等から口や鼻、目に入るウイルスを減らすことです。 どれくらい減らせば良いかは、「個人の免疫力」でウイルスを無効化できる範囲内ということになります。 免疫力が強ければ強いほど、感染する可能性は少なくなります。

<<免疫力を超えるウイルス量の目安>>

 個人の免疫力には違いがあるので、どれだけのウイルスが体内に入ると感染(ウイルス増殖)は一概には言えないと思いますが、目安は示されています。 いわゆる濃厚接触者の定義がそれです。

 濃厚接触者とは、患者が発症する2日前から、1メートル程度の距離で、マスクをせずに15分以上会話した場合(令和2年4月30日以降)とされています。

参考資料:濃厚接触者の定義変更

 5分間の飛沫で3000個の飛沫が飛ぶと実験で確かめられています。 したがって、1m以内で15分以上の会話をしているというのは、 1m以内で9000個の飛沫を浴びると、免疫力で対応できる以上の新型コロナウイルスを浴びたということになるのでしょう。 そこから、感染するかしないかは、個人の免疫力の力次第ということになります。 それは濃厚接触者と判断されても感染する人とそうでない人がいることからも分かります。

 ちなみに叫ぶような大きなお声で話すと飛沫数は1.52倍になるので、 そういう状態で15分いると13700ぐらいの飛沫を浴びることになります。 逆に飛沫数を9000以下に抑えたいのであれば、大きな声を出す場合、9分以下の接触時間に抑えておいた方が良いとなります。

関連資料:飛沫感染についての知識

 大きな声で話すホストクラブやライブハウス、演劇なども感染者がいる場合、 飛沫数が多くなるのでリスクが高いと言われます。 そして、密閉空間になると飛沫が漂っていることなり、その状態で繰り返し呼吸をすると、 飛沫に付着した新型コロナウイルスを体内に継続的に取り込むこといになるので、個人の免疫力を超えて取り込む可能性が高くなります。 だから、換気をして飛沫等についている新型コロナウイルスを外に出してくださいということになっています。

<<体内に侵入するウイルスの量>>

 感染防止考える第一の視点は「体内に侵入するウイルス量」を減らすことです。 これについては、感染者が体外に出すウイルスを抑えるというものと、非感染者が体内へのウイルスの取り込みを抑えるというもので決まります。

◎体内に侵入するウイルス量 = 感染者のウイルス拡散の抑制 × 体内取り込み抑制

 これを考えて政府が打ち出している基本的な感染防止対策のガイドラインが出ていますし、 業界別にも出ています。
 世界的にもめていたマスクについては、最初、体内取り込み抑制の視点で語られていたので、効果がないと言われてました。 しかし、「感染者のウイルス拡散の抑制」という視点から有効とされて、あのWHO※でも推奨しています。

※世界保健機関(WHO)は2020年6月5日、新型コロナウイルスをめぐるマスク着用の指針を変更し、公共の場での着用を推奨すると発表した。 マスクで「感染力があるかもしれない飛沫を遮断」できると示す、新たな研究結果を踏まえた対応だとしています。

関連資料:新型コロナウイルスに対するマスクの効果

<<個人の免疫力>>

 この部分は7月4日放送されたNHKの「人体 vs ウイルス」で放映していたものをベースとしてまとめたものです。 新型コロナウイルスに対する免疫による攻撃は4段階あるようです。

<第1段階:食細胞による新型コロナウイルスの掃討>

 まず第一が新型コロナウイルスを食べてしまう。これは食細胞(好中球)により行われます。 新型コロナウイルスが細胞に侵入すると細胞から大量の警報物質(インターフェロン)がでます。 その情報を受けて食細胞が排除すべき異物(新型コロナウイルス)を特定し、攻撃を仕掛けていきます。

※警報物質が出ない場合、そうでない場合と比較すると2日でウイルスが1万倍増えることが確かめられているそうです。

<第2段階:感染細胞の破壊>

 次に新型コロナウイルスに侵されて、ウイルスの巣になった細胞を破壊する。これはキラーT細胞と呼ばれる免疫細胞が行います。 感染した細胞を放っておくと、新しい新型コロナウイルスを作り続ける(約1千倍に増殖)ので、それを止めさせるために、細胞ごと破壊します。

<第3段階:抗体による新型コロナウイルスの増殖防止>

 3つ目が抗体による新型コロナウイルスの細胞内侵入の阻止です。 新型コロナウイルスの細胞内侵入の手口を理解した免疫細胞(B細胞)は、それを阻止するために新コロナウイルスのカギを覆う抗体というカバーを大量に作ります。 抗体は新型コロナウイルスを見つけてくっ付き、細胞侵入の鍵が効かなくなるようにします。 細胞内に入れない新型コロナウイルスは死ぬか、食細胞に食われるか、いずれにせよ活動停止に追い込まれます。

<第4段階:感染記憶の保持>

 一応3段階まで行ったところで、人の身体回復します。4つ目とはウイルスに対する情報を保持して、再び身体にウイルスが侵入してきたときに、即応できる体制を保つことになります。 これはT細胞やB細胞の情報保持しているかということです。 但し、ウイルスが変化していく場合は、この機能が働きません。 インフルエンザウイルスのように毎年ワクチンを打たないといけないケースもあります。 新型コロナではまだ知見が蓄積していないので、この部分については各国で研究されています。

関連資料:最新研究:新型コロナに感染して抗体ができても、消えてしまう!

<<新型コロナウイルス増殖の仕組み>>

 東テレニュースで紹介されていたものです。細胞内に侵入したウイルスがどのようにして約1000倍になるのか、分かりやすく説明しています。詳しく知りたい方は参考資料を見てください。

【新型コロナウイルス増殖の仕組み】(概略)

1.新型コロナウイルスが、人の細胞に侵入する(感染)。
2.新型コロナウイルスは、感染した細胞にたんぱく質を作るよう指示を出す。
3.新型コロナウイルスは、細胞内で大きくなったたんぱく質を小さく切断するよう、酵素プロテアーゼに指令を出す。
4.指示を受けた酵素プロテアーゼは、大きくなったたんぱく質の一部を切断する。
5.新型コロナウイルスは、4で小さく切断されたたんぱく質を利用して新たな新型コロナウイルスを作り出す。
6.3.4.5を繰り返し、新型コロナウイルスが増殖する。

参考資料:新型コロナウイルス増殖の仕組み

■一言

 新型コロナウイルスの感染を防ぐために、〇〇をする、××をしないなどと言われます。 では感染とはなんでしょうか? 感染とは何かを知らずに感染予防と言われても、それが正しいのかどうか、それが必要なのかどうかもわかりません。
 言われたことを言われるままただ遵守するということでは、 能動的な感染防止対策はとれません。 店舗によっては、言われたことを言われた通りにやればよいとしているところもあるかもしれませんが、 それではお客様に高い満足をもたらすことはできません。 ひとり1人のサービスについての知識と理解があり、判断することが出来て質の高いサービスが可能になります。
 同じように正しい知識を頭の中にいれることで、 出されている感染対策の趣旨が理解でき、より効果のある感染防止対策を行えるようになります。

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