新型コロナウイルスの消毒についての基本的な知識①
新型コロナウイルスの感染を防ぐために、基本的な消毒の知識を持つことは必要です。 テレビやインターネットで紹介されている情報を基に作成しています。 店舗の除菌清掃や消毒清掃の参考にして下さい。
<<新型コロナウイルスと戦うための基本知識>>
新型コロナウイルスはアルコールや界面活性剤(石鹸の主成分)で消毒できると言われる理由は、 アルコールや界面活性剤が、ウイルスの膜(エンベロプ)を破壊することで、ウイルスを殺すことが出来るからです。
<<消毒に必要なアルコールの基本知識>>
ウイルスの膜を破壊する機能を持っているのが、アルコールと界面活性剤です。 これらを使用して生きているウイルス数を殺し、人間に無害となるまでウイルスを減らすことができます。 なので、これらをウイルスの消毒薬として利用しています。
【注意点】 アルコールや界面活性剤を利用して新型コロナウイルスを消毒する場合には、有効な濃度があります。 有効な濃度とは、消毒対象物に付着しているウイルスをほとんど殺すために必要な濃度です。
◎アルコール消毒液 70~83%
アルコール濃度が70%より低い場合、ウイルスが何%か残る可能性があります。 また、アルコール濃度が83%を超える場合、ウイルスの膜を破る前にアルコールが揮発してしまうので、この場合もウイルスが何%か残る可能性があります。
なお、北里大学の研究では、エタノール(アルコール)50%以上の濃度で、接触時間1分間で新型コロナウイルスが不活性化したというものがあります。 濃度が低い場合、時間が必要ということですね。
<<消毒にアルコール液を使う場合の注意点>>
アルコール消毒液を使う場合、注意することがあります。 それは、手を水洗いして、手をタオルなどで拭くことなく、そのままアルコール消毒液を手に付ける行為はNGです。 理由は、アルコール濃度を下げてしまうからです。
同じようにテーブルを水拭きをして、すぐにアルコール消毒液を掛けてまた拭く場合もNGです。
理由は同じで、アルコール濃度を下げてしまうからです。
テーブルを拭く場合は、まず汚れをとり、テーブルを乾いた布巾で乾拭きし、その後でアルコール消毒液を噴霧してください。
なお、拭き方は、往復はウイルスが拡散する可能性があるのでNG。
一方方向に拭くのが正解です。
<ポイント>
アルコール消毒液は、有効な濃度の製品を、水分を拭きとってから使用することが大切です。
参考資料:新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省)
<<ややこしい用語のお話>>
新型コロナウイルスの感染拡大防止をするために、ウイルスを始末する方法を人間はいろいろ考えます。 その中でいろいろな類似用語は生まれ、ややこしくなっていますので、整理しておいてください。
「除菌」:菌の数を減らすこと(少しでも減れば除菌)
「消毒」:菌を無毒化すること(無害な程度まで減らす)
「殺菌」:菌をある程度殺すこと(程度は決まっていない)
「滅菌」:菌を完全に殺すこと(残量が100万分の1以下にする)
「抗菌」:菌の繁殖を防ぐこと(除菌や殺菌はしない)
■一言
新型コロナウイルスと共存していくためには、除菌に対する正しい知識が必要です。 除菌をしているつもりで、そうでない場合が一番最悪です。 ウイルスは見えないだけに気づかないので要注意です。
関連資料:界面活性剤による消毒
関連資料:次亜塩素酸水による消毒
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