■接触感染事例:蛇口による接触感染でクラスター発生!?
昨年末に東京都の地下鉄運転士で発生したクラスターの原因について、保健所は共同利用する庁舎の洗面所の蛇口による接触感染の可能性が高いと指摘しているとニュースが流れました。
東京都営地下鉄大江戸線は運転士の新型コロナウイルスの集団感染(39人)発生のため、昨年末から今月11日まで間引運転をしたいました。
その集団感染の原因となったのが、共同利用する庁舎の洗面所の蛇口経由で広がった可能性が高いと、保健所は指摘しています。
具体的には、歯磨きの唾液がついた手で蛇口に触れ、使用後洗うなどせずそのまま放置していたために新型コロナウイルスが蛇口に付着し、
次の使用者が蛇口にさわることでウイルスが手に付着し、そこから口や目等から入って感染したようです。
対策としては蛇口の使用後の洗浄をはじめ、「蛇口は紙で覆って触れる」「使用後の手指消毒を徹底する」などを行い、今後はセンサー式の蛇口への置き換えも検討するとのことです。
交通局は日常的な手指消毒やマスク着用、アクリル板の設置などは以前から感染対策は実施していたようなので、盲点をつかれたような感じです。
感染防止対策は、「100」のうち「99」をしても、「1」してなければウイルスを阻止できないという事例です。
新型コロナウイルスは飛沫感染、エアロゾル感染が主流と言われていますが、接触感染の防止も疎かにできないということです。
これまで話題となった接触感染例としては、病院で発生した集団感染の中に「パソコンのキーボード」が原因というものもありました。
対外的にはキッチリしている感染防止対策も、バックヤードでは漏れが出るのかもしれません。
バックヤードなどで共同で使用するものについては、こまめな除菌や抗ウイルス用にコーティング剤を塗るなど、
対策漏れがないように改めてチェックをしておくことが必要なのかもしれません。
◎参考情報:読売新聞「大江戸線の運転士感染「洗面所の蛇口」が原因か」
・・・・・・ 掲載日:2021年 1月15日
■BBCニュース:新型ウイルスの変異種についての情報
最近新型コロナウイルスの変異種の問題が盛んにニュースになっています。
イギリスでは、この新型コロナウイルスの変異種が蔓延し、このウイルスが主流になっています。
この変異ウイルスが警戒される理由は、感染力が高いということです。
ボリス・ジョンソン首相は、変異ウイルスは最大70%従来のウイルスより伝染力が強いと発表してます。
この70%という数字は、インペリアル・コレッジ・ロンドンのエリック・ヴォルツ博士が18日の発表した数値です。
同博士は発表で、「明言するには早過ぎるが、(中略)これまでの状況から、非常に素早く広がっており、
(従来の変異種による)過去の拡大よりスピードが速いことがわかる。注視していくことが重要だ」と話しています。
★感染力が従来の1.7倍(by エリック・ヴォルツ博士)
今回の変異ウイルスが最初に見つかったのは9月でしたが、11月にはロンドンで確認された感染の約4分の1が、この新たな変異ウイルスとなっています。
12月中旬になると、さらなる広がりを見せ、感染の3分の2近くが変異ウイルスになっています。
ミルトン・キーンズ・ライトハウス研究所などの施設におけるウイルス検査の結果は以下のグラフのようになっています。
変異ウイルスの変異した部分は、ウイルスが人体の細胞に入り込む際に、扉を開ける鍵のような役割を果たすタンパク質(受容体)です。
変異することで、細胞内に入りやすくなり、感染力を上げています。
ケンブリッジ大学のラヴィ・グプタ教授の研究は、こうした変異によってウイルスの感染力が2倍に高まることが実験で確認されたとしています。
現在のところ変異ウイルスは②の部分だけが強力になっていることが分かっています。
③の部分などが変化すれば重症化率や死亡率も変化が出てくると思いますが、出てきていない所から変化がないと判断しているようです。
なお、①の部分も変わらないので、従来の感染防止対策で変種ウイルスを防ぐことは可能と考えられます。
今後、新たな変異種が現れる可能性もあり、(実際、南アフリカで確認されています)最新情報には注意が必要です。
◎詳細情報:BBCニュース「新型ウイルスの変異種、いまわかっていること」
・・・・・・ 掲載日:2021年 1月 5日
■研究発表:ファイザーのワクチンで報告されている健康被害(副反応)
健康被害とは、ワクチン接種が原因で起こったカラダの不調(副反応または有害事象)を言います。
ファイザー社のワクチン接種が各国で始まっています。
気になるのが、ワクチン接種による健康への影響です。
NHKのアサイチという番組で紹介されていたアメリカのFDAの報告内容を紹介します。
グラフを見ますと接種部位の痛みが最も多く84.1%となっています。
筋肉注射なので痛みはありそうでが、現在では避けては通れないものでしょう。
次が倦怠感 62.9%、頭痛 55.1%と以下のように続いていますが、重篤なものは少ないということです。
日本でのワクチン接種は強制ではなく、任意なものになるように聞いていますが、
新型コロナウイルスの感染リスクと副反応の兼ね合いでの選択となります。
副反応はワクチンの種類によっても違いがあるので、情報の収集しておくことが必要でしょう。
現在、接種で問題となっているのは、アレルギー反応です。
12月8日に接種を受けた英国民保健サービス(NHS)従業員2人が接種を受けてから間もなくアレルギー反応が出たが、
2人はその後治療を受け、現在は安定していると報告されています。
18日にはアメリカでも接種者の中でアレルギー反応がでたと報告されています。
過去にアレルギー反応を経験した人に対しては警告をしています。
いずれにしても、今後どのような健康被害が出るかは分かっていません。
引き続き注意をして、ワクチンを接種した各国の状況に関心を持つ必要があるでしょう。
・・・・・・ 掲載日:2020年12月22日
■研究発表:東大大学院の研究チームがGOTOトラベルと新型コロナウイルス感染との関係を調査
東大大学院の研究チーム(宮脇敦士・東京大学大学院助教、田淵貴大・大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部副部長、遠又靖丈・神奈川県立保健福祉大学大学院准教授、
津川友介・米カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教授)が『GOTOトラベルと感染リスクの関係を示す調査』を12月6日にインターネット上で緊急発表しました。
<<調査概要>>
対象:15~79歳の男女約2万8000人
期間:2020年8月末から9月末
方法:インターネットでのアンケート調査
調査内容:過去1か月以内に新型コロナを示唆する5つの症状(発熱、咽頭痛、咳、頭痛、嗅覚・味覚異常)を経験していた人の割合との関連を調査
嗅覚・味覚の異常など、新型コロナ特有の症状を訴えた人の割合が、GOTOトラベルの利用者では、利用していない人に比べて、統計学上、約2倍もの差があることがわかった。
例えば、嗅覚・味覚の異常を訴えた人の割合は、GOTOトラベルの利用者で2.6%なのに対し、利用しなかった人は1.7%と約1.5倍の差が出た。
この結果を年齢や健康状態の影響などを取り除く統計処理を施すと、有症率の差は約2倍に上った。
なお、発熱や咳、頭痛を含めた計5項目すべてで、利用者のほうが有症率は高かった。
年齢別見た場合、65歳未満の若い世代のほうが感染を疑わせる症状を経験している割合が高かった。
理由としては、高齢者のほうが新型コロナ感染を恐れているため、たとえ旅行をしても慎重に行動し、感染リスクを下げている可能性があるとしている。
<研究チームの結論>
(1)GoToトラベル利用によって新型コロナ感染のリスクが増加した可能性がある。
(2)新型コロナの感染リスクの高い人のほうがより積極的にGoToトラベルを利用している可能性がある。
(3)現在検討されている高齢者と基礎疾患のある人をGoToトラベルの対象外とする方法が、感染拡大のコントロールにあまり有効ではない可能性が高い。
としている。
※調査に対する疑問
インターネット上の記事の中に、旅行に行った人を対象に調べているという記載が見当たらなかったので、『GOTOを利用した旅行者』と『GOTOを利用しなかった旅行者と旅行に行かなかった人』の比較なのではないかと感じた。
また、同じ旅行者で『GOTOを利用した場合とGOTOを利用しない場合』の比較となると、GOTOを利用するだけで感染リスクが高まる論理的理由(割引サービスを受けると感染が高まるとは考えにくい)がないので、
GOTO以外の要因ではないかと疑ってしまう。
あくまでも私見ですが、旅行に行った人とそうでない人の比較を行い、旅行に行くことが感染リスクを高めたということで、
それを後押ししているGOTOはやめるべきという話なら納得できるが、そうでもないようなのでこの発表に疑問を持っている。
・・・・・・ 掲載日:2020年12月9日
■研究発表:データで検証された最も感染リスクの高い場所とは!
米スタンフォード大学が9800万人対して行ったスマホ調査で、感染リスクの高い場所の筆頭はダントツでレストランと指摘した。。
11月10日、米スタンフォード大学の研究チームは、英科学誌「ネイチャー」のオンライン版に感染リスクに関する論文を発表していました。、
調査の結果、セルフサービスではなく、店員が注文を取ったり料理を運んだりといったフルサービスを提供するレストランが、最も感染リスクが高いということが分かった。
<<調査概要>>
対象:ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなど全米10都市に住む9800万人
期間:2020年3月1日~5月2日
データ:対象者の携帯電話の位置情報
方法:住民が600〜3千人程度いる居住地をひとつの単位とし、各地区からレストランやジム、日用品店など、居住地以外の目的地に移動が起こった回数や日時を分析
調査地区数:調べた居住地区は10都市の5万7千地区、目的地は55万3千カ所
<感染が起きやすい場所>
❶レストラン(フルサービス)
❷スポーツジム(レストランの3分の1)
❸カフェ・バー
<感染が起きにくい場所>
①カーディーラー
②コンビニ
③薬局
研究チームはレストランがダントツになった要因として、「訪問客が多く、滞在時間が長い傾向があるため、感染の恐れが高いと考えられる」としている。
以前から、政府の分科会は、会食、特に飲酒を伴う会食や懇親会、ホストクラブなど接待を伴う飲食店で感染が広がりやすいと注意喚起していたが、
その正しさを裏付ける内容となっている。
・・・・・・ 掲載日:2020年12月8日
■研究発表:感染を防ぐ「中和抗体」を6か月後も保有!
12月2日午前10時、横浜市立大学医学部の山中竹春教授が感染後の抗体保有についての研究を発表しました。
これまで感染後の保有については、減少するという研究発表がありましたが、それを覆すものになっています。
発表後、この研究を各テレビ局は積極的に報道しました。
理由は、「ワクチン」による抗体獲得の有効性を後押し、希望を与えるものだったからです。
山中教授の研究グループのテーマは、感染から6か月経過した人の体内に「中和抗体」がどれくらい存在するかを調べるものです。
「中和抗体」という言葉は、あまり耳慣れないのですが、新型コロナウイルスが体内に入ると、免疫細胞の働きで様々な抗体(たんぱく質)が作られます。
作られた抗体がすべてウイルスに対して有効といえばそうではなく、感染防止に効果のないものもあります。
その中で感染防止(細胞への侵入を防ぐ)に有効な抗体を「中和抗体」と言います。
したがって、免疫ができたということは、「中和抗体」が十分出来たとをさします。
※抗体検査では、新型コロナウイルスに反応して作られたタンパク質(抗体)すべてに反応するので、陽性であったからと言って「中和抗体」があるかどうかは別です。
今回の研究で解析対象となった被験者は、20~70歳代の376人の方です。
内訳は、無症状や軽症の人は280人、酸素投与を受けた中等症の人は71人、人工呼吸器を使うなどした重症者は25人でした。
研究では、グループが独自に開発した精度の高い検出法(感染性のあるウイルスを用いた測定法)を用いています。
調査した結果、全体では98%の人が、感染から6か月たっても中和抗体を保有していました。
無症状や軽症の人は97%、中等症や重症の人はそれぞれ100%でした。
重症度が高いほど、中和抗体の強さが大きく、感染を防ぐ効果が高まる傾向がみられたということです。
羽鳥慎一モーニングショーの中で、オンラインで出演されていた山中教授は、
「中和抗体」があるから絶対新型コロナに感染しないというものではなく、
自分が持っている「中和抗体」の処理能力を超える多くの新型コロナウイルスを体内に入れてしまうと感染するので、
「中和抗体」があるからマスクはしなくても大丈夫!というような勘違いはしないでくださいと、警告をされていました。
◎山中竹春:横浜市立大学医学部教授
新型コロナウイルスの「抗体検査プロジェクト」の研究リーダー、医療データサイエンスのお第一人者
・・・・・・ 掲載日:2020年12月4日
■論文紹介:マスクをすることで免疫力を獲得できる!
NHKスペシャル「新型コロナ 全論文解読~AIで迫る 今知りたいこと~」の中で、
マスクと免疫力の獲得に関する注目すべき面白い論文が紹介されていましたので、引き続き紹介します。
論文の著者はカリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部のモニカ・ガンジー教授です。
アメリカのインディアナ州の病院で行われた実験結果を考察したものです。
この病院は新型コロナウイルスがどの程度の感染力があるかを医療関係者の協力のもと実験しました。
実験内容は、新型コロナウイルスに感染した軽症患者を隔離せず、マスクを着用した状態で、どこまで感染するのかを試すものでした。
参加したスタッフは37人で、全員が常にマスクを着けた状態にしていました。
3週間後、37人中13人が感染、13人中1人が症状があり、他の12人は無症状でした。
感染率は35%ということで、マスクをしていても新型コロナウイルスは完全に防ぐことはできませんでした。
これは当初から言われていることですので、驚くような結果ではありません。
では何が新しい発見なのか。
実は、これまで集団感染が発生した場合、マスクを着ていない場合、無症状感染者の割合は20%でした。
しかし、この実験では92.3%の人が無症状感染者になっています。
マスクをすることで、新型コロナウイルスを吸い込む量が減り、症状が軽くなったと考えられます。
★マスクを着用することで、症状が軽くなる!
そして、無症状者12人の抗体の有無を調べたところ、全員が抗体を持ち、免疫力を獲得していることが分かりました。
しかも、抗体の量は一般的に抗体を持つとされる人の3倍もありました。
なぜ、こんなことが起ったのか?
モニカ・ガンジー教授は、マスクの着用で新型コロナウイルスを吸い込む量が少なくなり、感染は微量なものとなった。
微量感染なので、症状が軽くなったと同時に、免疫細胞が感染に対応して少量であるが抗体を作った。
全員がマスクを着け業務を行っていたので、この微量感染は繰り返し起こり、その都度免疫細胞は抗体を作り続けた。
この微量感染が、免疫細胞が抗体を多く作り出す訓練となり、免疫力を高める結果となった。
★マスクを着けることで、微量感染となり免疫力が高まる!
マスクの効用としては、
1.人に飛沫を飛ばさない
2.自分が新型コロナウイルスに感染する確率を下げる
ぐらいでしたが、この論文に事例が一般的なものとすれば、
3.感染しても軽症で済む確率を高める
4.感染した場合、高い免疫力の獲得が期待できる
というように効用が増えることになります。
・・・・・・ 掲載日:2020年11月26日
■論文紹介:冬は新型コロナウイルスの生存期間が長くなる!
NHKスペシャル「新型コロナ 全論文解読~AIで迫る 今知りたいこと~」で冬場の感染拡大リスクについて、世界の論文を分析した結果を紹介していました。
キーワードで多かったベスト5が次のようなものです。
1.気温
2.湿度
3.ビタミン
4.年齢
5.地域
冬場の感染拡大のリスクに大きくかかわっている気温と湿度は何に影響するかというと
新型コロナウイルスの生存期間の長さに影響を与えます。
NHKスペシャルで報告されていたのはプラスチックに付着した新型コロナウイルスの生存期間の場合で、
夏の気温35℃、湿度60%では約2時間であるのに、秋口の気温24℃、湿度20%の場合は15時間と、約7.5倍になるというものです。
もし、ある空間を訪れた人が、1時間に「100」の新型コロナウイルスを出したとした場合、夏場は2時間で新型コロナウイルスは死ぬので、
生存ウイルスの累計は「200」に止まるが、秋口は新型コロナウイルスが生き続けるため、生存ウイルスの累計は増え続け、13時間後には6.5倍の「1300」となります。
ウイルス濃度が夏場に比べかなり高くなるので、感染確率が高くなることは容易に想像できます。
ちなみに3位のビタミンは、冬になると日照時間が少なくなるので、免疫力を上げるビタミンDが減少することで新型コロナウイルスの感染リスクが増すというモノです。
いずれにしても冬場に新型コロナウイルスが感染拡大する可能性は高くなるので、
夏場以上の感染対策(例えば、換気の頻度を上げる。除菌掃除をより小まめにするなど)が求められます。
・・・・・・ 掲載日:2020年11月23日
■研究発表:湿度90%~60%と30%では飛沫量に約3倍の差が判明!
10月13日に理化学研究所(理研)などが行ったスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションで、
室内の空気が乾燥していると、飛沫が急速に乾いてエアロゾルになる量が増えることが分かりました。
オフィス内で、1.8メートルの間隔で2人が向かい合って座っているとしてシミュレーションした結果、
一方が咳(せき)をした場合、湿度が30%のときと60%~90%の時では、
飛沫の到達数が3倍違うことが判明しました。
<湿度による飛沫の到達数>
〇湿度30%で咳をした場合の飛沫の到達数 : 6%
〇湿度60%で咳をした場合の飛沫の到達数 : 2%
〇湿度90%で咳をした場合の飛沫の到達数 : 2%
※1回の咳で飛ぶ飛沫の量を100%としています。
神戸大教授で理研チームリーダーの坪倉誠氏は「加湿器などを使って60%を目安に湿度を上げたり、エアロゾルを希釈する(薄める)ために換気したりすることが大事だ」と指摘しています。
このシミュレーション結果から、冬に新型コロナが大流行するという恐れが単なる杞憂(きゆ)ではないことが証明されていると思います。
→10月13日に発表された理化学研究所のシミュレーション実験の加筆です。
シドニー大学よ武漢大学の共同研究では、湿度が1%下がることで、新規感染者が7~8%増えるとしています。(羽鳥慎一モーニングショーより)
・・・・・・ 掲載日:2020年11月1日
■研究発表:東大が新型コロナウイルスを使った世界初の実験を実施!
東京大学医科学研究所(東大)は10月22日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の空気伝播に対するマスクの防御効果を調査した結果、
マスクの適切な使用が感染予防に重要であるとの知見を得たと発表した。
この実験は本物新型コロナウイルスを使用した世界初の実験としても注目をされています。
実験に際して様々工夫があるのですが省いて結論を書きます。
<両方マスク無し>
ウイルスを吐き出す側とウイルスを吸う側が両方ともマスクを付けない場合、1m離れてもウイルスを吸い込んでしますことが確かめられました。
〇両者の間隔 25cm :100(25cmを100)
〇両者の間隔 50cm :約45
〇両者の感覚100cm :約30
<吸う側マスク有り>
両者50cmの間隔の状態で、吸い込み側の吸い込み量をマスク無しの場合と比較。
〇布マスクの着用 :60~80%
〇外科用マスク :50%
〇N95マスクを密着して使用:10~20%
但し、N95マスクであっても、隙間をふさいだ密着状態ではない場合、抑制効果は低下
<吐き出す側マスク有り>
両者50cmの間隔の状態で、吸い込み側の吸い込み量をマスク無しの場合と比較。
〇布マスクの着用 :40%
〇外科用マスク :40%
〇N95マスクを密着して使用:10%以下
この結果について研究グループでは、マスクにはウイルスの吸い込みを抑える働きよりも、
対面する人への暴露量を減らす効果が高いことを示唆する結果であり、ウイルスを吐き出す側にマスクを装着させ、
吸い込む側にマスクを装着させると相乗的にウイルスの吸い込み量が減少することが分かったとしています。
この実験結果から見えてくる店舗としてやるべきことは、お客様全員のマスク装着の徹底を引き続きやるということになるでしょう。
※これまでのマスクに関する実験報告と傾向は同じであり、実際の新型コロナウイルスを使用し、
人が息を吐き出し、それを人が吸うという実際に近い形での実験をして確かめたことに意義がありそうです。
・・・・・・ 掲載日:2020年10月24日
■研究発表:4人で飲食した場合、飛沫を受けやすい位置が判明!
10月13日、理化学研究所(理研)などは、スーパーコンピューター「富岳」を使い、
飲食店での会話や、大人数での合唱で飛沫がどのように飛散するかのシミュレーション(予測)をした研究結果を発表しました。
<飲食店を想定したケース>
正面の人に話した場合に相手に届く飛沫数が5%程度だったが、隣の人に話すと5倍の25%超となった。
斜め向かいの人は5分の1の1%台にとどまった。
会話をした場合、新型コロナのリスクが一番高いのは、感染者の隣に座ることであることが分かった。
<オフィスを想定したケース>
オフィスで4人が机を囲む想定では、湿度90%では咳(せき)をしても飛沫が机に落ちやすかった一方、
前方の人に届く飛沫量は湿度が低いほど多かった。
<場面別の飛沫数>
〇咳を強く2度したときは3万個程度
〇会話は1分で約900個
〇大声の歌は1分で約2500個
※せき1回するのは、会話17分、カラオケで6分間歌うのと同じ。
今回のシミュレーションでは同時にマスクの効果も検証しています。
マスクをすることで鼻や口に入る飛沫数は3分の1程度に減らせるが、エアロゾル状態の飛沫は非着用時と同様に、顔の隙間からのどの奥まで届くということです。
フェースシールドも大きな飛沫を防げるが、エアロゾル状態になった飛沫は隙間から入りやすいということです。
・・・・・・ 掲載日:2020年10月18日
■研究発表:新型コロナウイルスの皮膚での生存期間確認!
10月3日、京都府立医科大学の廣瀬亮平助教の研究チームは、
A型のインフルエンザウイルスと新型コロナウイルスが人体の皮膚を含めた、様々な表面に生存する時間を比較研究し、
学術誌「Clinical Infectious Diseases」に出した論文で発表しました。
論文によると、新型コロナウイルスが人体の皮膚で生存する時間は9.04時間となり、
同条件でのA型インフルエンザウイルスが1.82時間生存したのに比べて、5倍長かったとしています。
単純に言ってコロナはインフルに比べて、接触による感染リスクが5倍高いことになります。
これまで新型コロナウイルスの人の皮膚上での生存期間の研究は、被験者に危険が及ぶため実際に行うことは困難でしたが、
研究チームは法医解剖を受けた遺体の皮膚を使って実験を行ったとのことです。
これにより手消毒の必要性がより明確になったと言えます。
従来は、段ボール上で24時間、ステンレス上で48時間などのモノの上での新型コロナウイルスの生存期間の実験データしかありませんでした。
しかし、実際問題として段ボールやステンレスに口づけしたり、舐める人はほとんどいません。
そういうモノについた新型コロナウイルスが手に触れて、そこから人の目口鼻を通して体内に侵入してくるので、
人間の皮膚についての生存期間が一番肝心なデータでした。
それを明らかにした廣瀬亮平助教の研究チームの功績は大きいと思います。
この研究から言えることは、これまで以上に手消毒を徹底すること言えます。
この研究では、手の消毒を含めエタノールで拭いた人体の皮膚でのウイルスの生存の確認もしており、
濃度80%のエタノールで拭いた場合、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスは共に、15秒で完全に非活性化された(死んだ)という結果を出しています。
最近、店頭になる手消毒をしない人が増えてきているように思います。
この廣瀬助教の研究結果を公表し、再度手消毒の徹底を呼び掛けることは、
お客様を新型コロナから守り、店舗の新型コロナ対策意識をPRすることになると思います。
・・・・・・ 掲載日:2020年10月6日
■改訂取消:CDC、新型コロナの空気感染を指摘するも撤回???
空気感染については、専門家も迷走しています。
CNNによると米疾病対策センター(CDC)が公式サイトに掲載しているガイダンスを9月18日に改訂し、
コロナウイルスは一般的に、呼吸などによって空気中に漂う飛沫(ひまつ)や微粒子を通じて拡散し得ると空気感染を指摘した。
しかし、21日にウェブサイトに18日に掲載した、新型コロナウイルスが空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介しても感染の恐れがあるとする警告を撤回しました。
その理由としては、文書の草案が誤って掲載されたとしています。
一方、世界保健機関(WHO)はエアロゾル感染の可能性を締示す証拠が出始めているとの認識を示しています。
WHOとしては引き続きコロナが主として飛沫を介して感染すると考えているが、換気が不十分な閉鎖空間ではエアロゾル感染が発生し得ると指摘しています。
「証拠に基づき、さまざまな感染経路が存在すると考えられる」としています。
店舗の感染防止対策としては、エアロゾル感染等は想定して、行うことが必要と言えるでしょう。
具体的には、マスクと手洗いに加え、3密を避け、換気を徹底することです。
・・・・・・ 掲載日:2020年9月23日
■実験発表:14種類のマスクの飛沫防止機能を実験で確かめる!
アメリカのデューク大学は、マスクにより抑える飛沫量にどれだけ違いがあるのかを実験しまとめました。
同大学の研究チームは、化学繊維や綿など素材や形が異なる14種類のマスクで、大きな声を出した時に飛沫の粒がどの程度減るのか、
レーザービームを使った実験で、マスクを通過する量を計測しました。
・ポリプロピレン(※1)のマスクは 90% 以上減少
・綿のマスク 90%~70% 減少
・ニットのマスク 約65% 減少
・バンダナ(※2)を二重にしたもの 約50% 減少
・首から口元までを覆うフリース(※3)と呼ばれる素材のもの 約10% 増加
この実験により素材によって飛沫を抑える機能に多きな違いがあることがわかります。
問題は、飛沫量が増えるフリース製のネックゲイター(※4)です。
フリースの増加については、研究チームは「繊維によって大きな飛まつが細かくなった結果ではないか」と推測しています。
※1)ポリプロピレン:一般的な不織布マスクの素材に使われているものです
※2)バンダナ:絞り染めや更紗模様で染めた木綿のカーチフ
※3)フリース:ポリエチレンテレフタラート(PET、ポリエステルの一種)で作られた柔らかい起毛仕上げの繊維素材
※4)ネックゲイター:主にフリース製で首に巻いて上部を引き上げれば口と鼻も覆える防寒具
この実験はアメリカの科学雑誌「サイエンス・アドバンシズ」で発表されたものです。
◎詳細情報:デューク大学の実験の説明
・・・8月21日掲載(21日にNHK等のニュースで紹介されています)
■研究発表:クラスターが発生した典型的なケースを分析!
8月13日、国立感染症研究所は集団感染、クラスターが発生した典型的なケースを分析し、基本的な対策を徹底するよう呼びかけました。
公表された事例集は以下の6つです。
1.医療機関での院内感染
2.カラオケを伴う飲食店
3.職場での会議
4.スポーツジム
5.接待を伴う飲食店
6.バスツアー
ケースでも換気の悪い場所で、長時間、近距離での会話や飲食をともにするなどして感染が広がっており、
改めて、3密の環境を避けるとともに、消毒やマスクの着用など基本的な対策を徹底するよう呼びかけています。
◎関連資料:クラスター事例集:国立感染症研究所
集団感染の注意点を発表した国立感染症研究所、感染症疫学センターの鈴木基センター長は、
分析した結果、感染の広まりにはマイクロ飛沫が重要な役割が果たしているとコメントしています。
マイクロ飛沫とは、くしゃみや大きな声で歌ったりしたときに出る小さな粒子のことをさします。
それが20分間ほど空中に漂っているというのです。
20分間も漂うので、一所に密室状態で居た場合、空中にさまよっているマイクロ飛沫を繰り返し吸い込むことになります。
つまり新型コロナウイルスの大量摂取という状態を作り出します。
どうもそれが感染の原因になっていることが状況証拠から分かってきたようです。
店舗でいえば、事務所や休憩室、ロッカー室で窓が無かったり、換気が十分でない場合は危ないということです。
対策としては、全員がマスクをし、「3密」の環境いかに避けるかということになります。
部屋の中にいる人をできるだけ減らし、頻繁に換気をすることにつきます。
■研究発表:日本で流行している新型コロナ遺伝子情報
8月13日、国立感染症研究所の病原体ゲノム解析研究センターの黒田誠センター長は、
日本で流行している新型コロナウイルスのタイプを遺伝子情報から紹介しました。
最初は武漢系統の新型コロナウイルスでいたが、3月26日前後からヨーロッパ系統の新型コロナウイルスが主流となり、
5月10日以降は、ヨーロッパ系統の新型コロナウイルスの変異したものが流行しているとのことです。
なお、東京型、埼玉型など地域に起因する型を認定する証拠は得られていないとしています。
最近、重症患者が少ないことから、新型コロナウイルスの弱毒化についていろんな専門家が意見を述べているので、
国立感染症研究所の脇田隆字所長は、「今のウイルスの状況、ゲノム解析の結果、今の流行状況を見ると、弱毒化しているとは、私は考えていない」と答えています。
感染症の専門家(岡田晴恵 白鷗大学教授)の話によると、弱毒化して人類との共存を図るケースはあるのですが、何十年何百年というスパンの中で起こるようです。
したがって、今回の流行は前回に比べて重症者が少ないことから、新型コロナが弱毒化していると考えるのは早計のようです。
■最新研究:心臓に約8割の確率で、新型コロナウイルスの後遺症!
ドイツ・フランクフルト大学病院研究チームによると、新型コロナから回復した患者100人(45歳~53歳)に、心臓のMRI検査を行ったところ、78人の心臓に異常が見つかった。
回復した患者は、陽性確認から64~92日たっている人で、感染時の症状の重さには関係なく、心臓に異常が見つかったとのことです。
もっとも多かったのは心筋炎で、60人が発症していました。
患者の年齢は全員45歳以上なので、若い人にも発症するのだろうか?と疑問に思う人もいるでしょうが、
アメリカ大リーグのレッドソックスの投手エデュアルド・ロドリゲス選手(27歳)も先月上旬に新型コロナにかかり回復しましたが、下旬には心筋炎が見つかり、
今シーズン全休となっています。
恐らく若い人にも同じように心臓の異常が見つかる可能性が高いと考えられています。
<心筋炎とは>
心筋炎は、心臓の筋肉が炎症を起こすもので、症状が進むと心筋が壊れて、心臓の働きが低下します。
心臓の筋肉は一度破壊されると、修復されないので、要注意です。
<新型コロナウイルスの心臓感染のルート>
心筋の細胞にも新型コロナウイルスが細胞に侵入するキーになる「ACE2受容体」が存在します。
ウイルスが血液に入り、流れに乗って心臓に到達し、心臓の筋肉(細胞)に直接感染した可能性が考えられます。(心臓画像クリニック飯田橋 寺島正浩理事長)
※新型コロナウイルスはダイレクトに心臓の細胞も感染させる!
<心筋炎の症状>
心筋炎で心臓の働きが低下すると、症状として息切れ、血圧低下、不整脈などは考えられる。
最悪の場合、心臓のポンプ機能が失調し、死に至ることもある(寺島医師)。
心筋炎の初期症状は発熱や息苦しさなど、新型コロナウイルスの症状とに非常ににているので、症状だけで判断するのは難しいものがあります。
発見するためには、血液検査、レントゲン・心電図、エコー検査、心臓MRI検査、組織を採取して検査がありますが、心筋炎を疑わないと発見しにくいものだそうです。
最近では、知見が蓄積されたことで、新型コロナ患者の心筋炎に注意すべきという方向が出てきています。
<心筋炎と入院>
心筋炎と診断されると軽症の場合、約1週間の入院、重症の場合は約2週間から1か月の入院が必要となります。
ちなみに死亡率は4.7%(日本循環器学会)となっています。
治療は確立されておらず、現在行われている治療法は、安静にして回復するまで心肺機能を維持・管理する。免疫をコントロールする薬などで、炎症を抑えるなどして、
自己治癒力での回復を待つというものです。
また、心筋炎の回復について、最近の研究によると。心筋炎は完全に回復するのではなく、後遺症が残り、慢性的な心不全・不整脈を引き起こす可能性が指摘されています。
注意:無症状で新型コロナに感染し、気づかずに回復した場合でも、かなりの確率で心臓に異常が残る。
◎ドイツ・フランクフルト大学病院研究チームの研究で分かったこと
★非常に高い確率で感染者全員の心臓病リスクを高めている。
・回復者の78人(78%)が心臓に異常が見つかったこと。
・軽症、中等症、重症などの新型コロナ感染の症状に関係なく異常が見つかったこと。
(他の研究では無症状の回復者からも心臓の炎症が見つかっている)
・年齢も関係がないこと。
★これまでは、主に鼻と口、そして肺への感染を気にすればよかった。
しかし、心臓にも感染することが新たに分かったので、回復後も心臓に対する注意が必要。
※感染から回復しても、リスクが大きいことが分かった!!
若い人で新型コロナに感染しても治れば問題ないという安直な考え方は、通用しないことが研究で分かってきた。
・・・8月10日羽鳥慎一モーニングショーより
■実験報告:うがい薬が新型コロナウイルスに効く!?
大阪の吉村知事の突然の発表で一躍注目が集まった”うがい”についての情報です。
早とちりして誤解をしている人が多そうなので、念のため取り上げました。
大阪はびきの医療センターが軽症患者41人を二つのグループに分け、①うがい薬でうがいをしたグループと②うがいをしないグループをつくり、
PCR検査で陽性率の変化をチャックして差があるかどうかを試したというものです。
試した結果データが下のグラフです。
うがいをしたグループの陽性率が、そうでないグループに比べて下がっています。
このデータを見て吉村知事がこれは感染対策になる?と早合点して紹介したようです。
大阪はびきの医療センターでは、うがいに効果がある可能性を試している段階なので、今後本格的に研究を進めるとしています。
この実験に発表に関しては、多くの専門家からは批判が上がっています。
サンプル数の少なさ、データを考察して発表する論文の前段階の話であり、
考察に対して専門家のスクリーニングがかかっていない、そもそも軽症者は8割は自然回復する等です。
ちなみに厚労省ででは、ポビドンヨードについて新型コロナに効果があるかどうかは検証していないということです。
現時点でうがいの効果について評価は次のようなものです。
〇うがいは口の中のウイルスや菌を減らす
口の中を洗うことは、口の中にある菌やウイルスを流して減らす効果はり、実証されている。
ポビドンヨードには殺菌効果があるので、水だけのうがい以上に口の中にある菌やウイルスを流して減らす効果はある。
〇うがいは感染防止対策にならない
理由としては、新型コロナウイルスが口や鼻に入ってきて数分から10分ぐらいで粘膜の中に入り込んでしまう。
帰ってからうがいをしたとしても、ウイルスに感染した後でうがいをすることになる。
なお、うがい薬に細胞内に入ったウイルスを除去できる効果はない。
したがって感染予防は期待できない。
〇うがいをすることで重症化を防げるか?については不明
仮説として、口の中に新型コロナウイルスが溜ることが分かっている。
それが何らかの形で肺に入る可能性はある。
したがって、口の中の新型コロナウイルスを減らすことが出来れば、重症化を防ぐ可能性はあるかもしれない。
しかしながら、現段階では検証できていない。
個人的には、口の中になる新型コロナウイルスを減らしており、
体内の免疫細胞の働きを助けているともいえるのではないかと考えています。
〇うがいをすることで、他者への感染リスクを減らせる可能性はある
うがいは口の中の新型コロナウイルスを減らすことが確認されているので、
飛沫に付くウイルスを減らす可能性はある。
しかしながら、うがい後それがどれだけ継続するかは不明。
可能性の段階であり、詳しい事は分かっていない。
というような感じです。
慌てて、ポビドンヨード入りのうがい薬を買いにいかなければならないというものではなさそうです。
ただ、念のため水でうがいをしておくことは、おススメできそうです。
騒動が起こったのは、吉村知事の説明の仕方にあったような感じです。
4日の吉村知事が説明する時に、ポビドンヨードを使ったうがい薬でうがいをした場合とそでないうがいというような言い方をしたので、
ポビドンヨードの有無の有効性の実験をしているような印象を与えたことで、ポビドンヨード入りのうがい薬を買う人が殺到したという現象が発生した。
もう一度か書きますが、うがいをしたグループと、うがいをしなかったグループに分けたというのが実態です。
そのうがいをしたグループがたまたまポビドンヨード入りのうがい薬を使っていたような感じを受けます。
今回の実験参加者は41人しかいないので、あまり細かいグループに分けられなかった感じがします。
もし、うがいの有効性とポビドンヨードの有効性を確かめるなら、次の4つのグループで実験をして確かめてもらえるれば、うがいとうがい薬についての必要な知見が得られたと考えいます。
①うがいをしないグループ
②水だけでうがいをしたグループ
③ポビドンヨード無しのうがい薬
④ポビドンヨード有りのうがい薬
新型コロナウイルスの研究は日本ではあまり進んでいません。
今後の研究成果が出てくることを期待しましょう。
なお、うがい薬には、妊娠中の人、授乳中の人はだめなど使用上の注意がありますので、
お使いの場合は確認して使用してください。
・・・・・・・・ 8月5日
■最新研究:新型コロナに感染して抗体ができても、消えてしまう!
一度ウイルスに感染して抗体ができると、次は抗体があるので、そのウイルスを細胞内に侵入させない、つまり病気にかからないと言われています。
だからウイルスが体内に侵入して来ても、そのウイルスの抗体ができていれば大丈夫というのが一般的でした。
アメリカの女性歌手マドンナさんが、4月30日にインスタグラムに動画を投稿し、抗体検査で陽性だったことを報告し、
「だからあしたは、遠くまでドライブに行くわ。窓を開けて、新型コロナの空気を吸うの」
と喜んでいたというニュースを知ってる方も多いと思います。
しかし、その喜びは長くないことが最新の研究で分かってきました。
7月13日に発表された研究で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した患者の再感染に対する免疫は、
数か月以内になくなる可能性があると報告されています。
イギリスのロンドン大学キングスカレッジの研究チームは、感染が確認された患者90人以上の抗体レベルを測定し、その変化を追跡調査したところ、
当初あった新型コロナの抗体が、調査開始の3か月後には、高レベルで持続している患者は、全体の16.7%にとどまり、
血流の中に検出可能な抗体が存在しない患者も数人いると報告しています。
インフルエンザなどに見られるように、抗体が2~3か月しか持続しない可能性があることを、今回の研究は示唆しています。
つまり、一度かかったから二度とかからない病気ではなく、何度でもかかる厄介な病気ということになります。
当初、国民の6割以上が感染し、国民に抗体ができれば新型コロナは収束していくという選択肢もあるように言われていましたが、
ワクチンを開発し、接種による収束という選択肢しかないようです。まさに’with コロナ’です。
この研究発表を受けて専門家は、抗体検査で陽性だった人でも「油断せずにソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)や適切なマスクの着用などを続けるべきだ」としています。
・・・AFP=時事の記事より
■最新論文:新型コロナ空気感染の可能性を指摘、警鐘!
7月6日、世界の科学者239人が、新型コロナウイルスに関する共同意見書を発表し、
同ウイルスが2メートルをはるかに超える距離で空気感染する可能性があること指摘しています。
世界保健機関(WHO)などの当局に対し、空気感染に対する感染防止策が不十分として、見直すよう訴えています。
意見書はオーストラリア・クイーンズランド工科大学のリディア・モラウスカ教授が筆頭執筆者となり、英オックスフォード大学の学術誌「臨床感染症(CID)」に掲載されました。
科学者らは、ウイルスが空気中で数十メートル移動できることができ、新型コロナウイルスについても当てはまることが複数の感染事例の分析で示されたとしています。
対策として、屋内では換気を良くすること、高効率エアフィルターと紫外線ランプを導入すること、建物内や公共交通機関での混雑を避けることを推奨しています。
中国の広州市レストランで起きたクラスターはこの感染事例に当てはまるとしています。
感染者が同じ部屋に居続け、換気をしない場合、新型コロナウイルスがエアコンの風に乗って循環し、ウイルスの濃度が濃くなっていき、感染リスクが高まることになります。
イメージとしては、豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号での感染拡大ですね。
空調を通じて感染が広がったと懸念されていましたが、空気感染を多くに人が認めるようになると、その説が真実味を帯びます。
そうなると船内で隔離するという判断は、間違いであったことになります。(この時は、空気感染はないとWHOも言ってました。今も認めていませんけど)
自社や自店のコロナリスクを回避すという意味では、新型コロナの空気感染ありきでの対応を考える必要があるでしょう。
■最新研究:感染者の感染ルート分析
オックスフォード大学の研究者等は世界各地から集められたデータを基に感染の拡大ルートを分析した結果を論文にして、サイエンス誌に発表しています。
分析の結果、発症前の感染者と無症状感染者で十分に感染拡大が起こっていることが明らかにされました。
このことから無症状の新型コロナウイルス保菌者を早期発見し、早期隔離することが、感染拡大防止には極めて重要であることが改めて確認されたことになります。
この論文から言えることは、検温チェックで防止できるのは「発症後感染者」の38%ということになります。
そして除菌の徹底は「環境による接触感染」の6%です。
「発症前感染者」と「無症状感染者」の方は見た目は分からないので、店内に入ってくる可能性は高く、クラスターを発生させる可能性があるということを認識しておくことが大切です。
その感染リスクを抑える方法は、「発症前感染者」と「無症状感染者」のマスクの着用ということになります。
しかしながら現時点では見分けることができないので、全員のマスク着用という対応をするしかないでしょう。
・・・6月15日羽鳥慎一モーニングショーより
■厚生労働省:退院基準の再変更
厚生労働省は6月12日に新たな通知を出し、新たな知見に基づき、これまで退院基準を再度変更しました。
◎新型コロナウイルス感染症の有症状患者
従来:「発症日から14日間経過し、かつ、症状軽快から72時間経過した場合に退院可能」
今後:「発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快から72時間経過した場合に退院可能」
と改めました。
◎新型コロナウイルス感染症の無症状患者
従来:「陽性確認の検体採取日(以下、単に検体採取日とする)から14日間経過した場合
に退院可能」
今後:「検体採取日から10日間経過に退院可能」
:「検体採取日から6日間経過後、24時間以上の間隔をあけ2回のPCR検査陰性を確
認した場合に退院可能」
と基準1つ増やしました。
新たな知見とは、発症から10日経つと他者への感染リスクが大幅に減少するというものです。
新型コロナウイルスを持っていても他者へ感染させなければ隔離しておく必要がないからです。
参考資料:厚生労働省の資料
参考資料:Gem Medのニュース
退院基準が緩和されると病院の負担も少なくなると同時に、患者としても新型コロナウイルスの感染負担は少なくなります。
感染負担が少なくなれば、必要以上の自粛をする人が少なくなります。
店舗にお客様が戻りやすくなるので、退院基準の緩和変更は歓迎すべき事柄です。
関連情報:◇最新研究 感染者『隔離2週間』に疑問の声
■最新研究:下水を分析すれば1週間後の感染状況が分かる!?
米イェール大学の研究チームの報告(5月22日)で、下水の中の新型コロナウイルスのRNAの量を分析すると、新型コロナウイルスの感染者数や入院患者数がある程度予測できることが分かったとのことです。
同チームは、2020年3月19日から5月1日まで、人口約20万人の下水を処理する米コネチカット州ニューヘイブンの下水処理場で下水汚泥試料を毎日採取し、
新型コロナウイルスのRNAを抽出し、下水汚泥に含まれる新型コロナウイルスのRNAの濃度と、この地域で確認された新型コロナウイルスの感染者数や入院患者数との関係を調べた。
その結果、下水汚泥に含まれる新型コロナウイルスのRNAの濃度は、時間差があったものの、新型コロナウイルス感染症の流行曲線や地域の医療機関の入院患者数と高い相関が認められたとしている。
(先行指標になりうる)
この研究の画期的なところは、新型コロナウイルスに感染したばかりの人、無症状の人の存在も把握できることです。
感染して体に中に新型コロナウイルスをもっている人に応じて増えるので、症状が出てきて対応が迫られる前に手が打てることになります。
感染者が増える(感染者が顕在化する)7日前にウイルス量の増加が確認されているようです。
このような調査は、豪クイーンズランド州や仏パリでも実施されており、東京都もこれを早期警戒システムとしての活用を考えているようです。
ちなみにこの検査は簡単に行うことができ、検査結果は5時間ほどでわかります。
全国で実施すれば、地域ごとに感染者の有無が証明され、新型コロナ対策が効果的に行える可能性があります。
■文部科学省:次亜塩素酸水の学校での使用に注意喚起
6月4日、新型コロナウイルスの消毒を目的とした次亜塩素酸水の噴霧について、文部科学省は児童生徒がいる空間では行わないよう、全国の教育委員会などに注意喚起した。
新型コロナウイルスに対する有効性が十分確認されていないうえ、世界保健機関(WHO)が「消毒剤を人体に噴霧することは推奨しない」としていることが根拠となっている。
参考資料:次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水
■最新研究:エアコン風に要注意
感染拡大の原因の一つとして、エアコンの風が関係していると考えられている。
シンガポールは4月以降、感染者が急拡大しています。
シンガポールは暑くエアコンは必需品で、かなり強く効かしています。
感染者は主に「3密」状態で寮などで暮らしている外国人労働者です。
感染の約9割を占めており、原因は寮で共同で使うエアコンにあると考えられています。
シンガポール国立大学のシュ・リ・ヤン准教授は
「シンガポールでは特に暑い季節はエアコンは無くてはならないもの。
しかし湿度が低く涼しい密閉空間は新型コロナ感染拡大を手助けするかもしれない。
窓やドアを開けておきましょう」と話しています。
MARSの時の院内感染の時もエアコンのフィルターにウイルスがびっしりついていた。(白鳳大学 岡田晴恵教授)
〇中国・広州市レストランで起きたクラスター分析
広州市のレストランで発生したくレスターを分析した最終報告書によると。
クラスターを発生させる要因になったものは、エアコンの風という報告をしている。
武漢出身のA1さんの飛沫がエアコンの風に乗りBテーブルへ、そして壁で跳ね返りBテーブルからAテーブルへ、そしてCテーブルへとエアコンの風で運ばれていった。
そしてその風がエアコンに吸い込まれ、CテーブルからAテーブルへと循環していった。
その結果、エアコン風の通り道にあたる人が、次々に感染していった。
研究チームは、ウイルスの拡散を防ぐためにテーブルの間隔を広くし、換気できるように改善することを勧めるとしている。
〇エアコンを使う時のポイント
1時間に5分の換気を2回
換気をする時はエアコンをつけっぱなしにした方が、換気のたびに切るよりも消費電力量は小さい。(ダイキン工業広報部担当者)
・・・6月2日羽鳥慎一モーニングショーより
■厚生労働省:唾液によるPCR検査を認める
6月2日から唾液によるPCR検査を有効とし、厚労省は保険適用の対象として認めると加藤厚労大臣が発表しました。
発熱などの症状発症から9日以内の有症状者を対象とした唾液PCR検査を承認・保険適用しました。
これまでのPCR検査では、検体として主に鼻咽頭ぬぐい液が用いられてきました。
しかしながら、鼻咽頭の奥に綿棒を差し込む際に、くしゃみやせきを誘発してしまう可能性が高く、検体採取時の医療従事者の感染リスクが問題となっていたのですが、
この決定でリスクが一挙に軽減されることになります。
■厚生労働省:退院基準の変更
5月29日より、原則として発症から2週間、症状回復後72時間経てば、PCR検査なしで退院が可能になる。
要するに入院期間が短くなるということです。
<これからの退院の基準>
①発症日から14日間経過し、かつ、症状軽快※から72時間経過した場合(原則)
②発症日から10日経過以前に症状軽快※し、症状軽快してから24時間経過後にPCR検査で陰性が確認され、その後、24時間以後に再度の陰性が確認された場合
※症状軽快とは、解熱剤を使用せずに解熱し、かつ、呼吸器症状が改善傾向にある状態。
<基準変更の根拠>
国内外の研究で、発症から10日程度経てば、ウイルスが検出されても、ほとんど感染する力がないことが分かったので。
参考資料:厚生労働省の資料
<これまでは退院の基準>、
●摂氏37.5度以上の発熱が24時間ない
●呼吸器症状が改善傾向である
●24時間後にPCR検査で陰性が確認され、そこから24時間以後に再度の陰性が確認される
という3要件が必要とされていました。
■厚生労働省:濃厚接触者 全員PCR検査へと方針転換
5月29日厚生労働省は、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者は症状の有無にかかわらず全員PCR検査を実施すると発表した。
現在の基準では、濃厚接触者のうち発熱や呼吸器症状がある場合や医療従事者の場合に限ってPCR検査を実施していた。(消極的PCR検査)
ただ、国内外の研究で発症2~3日前から第三者へ感染している事例が報告され、無症状でも感染性が認められることが判明している。
これを受けて、速やかに感染者を把握するため、今後は濃厚接触者全員にPCR検査を実施するという方針に改めた。(積極的PCR検査)
■経済産業省:次亜塩素酸水の除菌効果は確認されず
5月29日経済産業省は次亜塩素酸水は新型コロナウイルスの除菌に効果があると言われているが、
経済産業省が検査を委託している機関からいまだに効果は確認されていないということを受けて、注意関係の発表をしています。
新型コロナ商売として、アルコール消毒液の不足から、次亜塩素酸水の除菌効果を売りにした製品が市中に出回っているための注意喚起。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは別ものであり、次亜塩素酸ナトリウムに関しては除菌効果は認められているが、取り扱いには注意が必要です。
参考資料:新型コロナウイルスに有効な界面活性剤を公表します(経済産業省)
参考資料:次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム液の違い│よく似た名前でも全くの別物
参考資料:次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水
■最新研究:新型コロナウイルスは舌から体内へ入り込む!?
新型コロナウイルスは細胞のACE2受容体と結合して、細胞内に侵入することが分かっています。
最新研究で、ACE2受容体が舌や唾液腺に集まっており、新型コロナウイルスは口内に溜まりやすいことが分かった。
香港大学が感染者23人からデータを取った結果、
発症初期から30日間。感染者の唾液から新型コロナウイルスが検出され続けていることが判明した。
<唾液による感染事例>
〇中国武漢:万家宴(4万世帯以上が料理を持ち寄り歓談⇒87人感染
〇イラン:モスク(寺院)の柱や壁に唇をつけて祈る習慣⇒ついた唾液で感染拡大
〇日本沖縄:軍用地等地主会会議 約30人が出席。マスク10人⇒8人が感染
唾液は1日に1.5ℓと大量に出るので、周囲に与える影響は大きい。
密集のイメージが強い満員電車より、唾液が飛びやすい食事や会議の方が感染リスクは高い推測される(鶴見大学 花田信弘教授)。
・・・5月26日羽鳥慎一モーニングショーより
■新型コロナウイルス感染症の診療の手引き 第2版
5月18日付けで厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部から、新型コロナウイルス感染症の診療の手引き第2版が出されました。
この手引きは医療関係者向けですが、用語の定義などが明確であり、新型コロナウイルス感染症について詳しく知りたい人には有用だと思います。
参考資料:新型コロナウイルス感染症の診療の手引き 第2版
■最新研究 感染者『隔離2週間』に疑問の声
海外の報告では発症から1週間経てば、他の人に感染させるリスクはほぼなくなる(名古屋大学 小島勢二名誉教授)
<台湾からの報告>
1次感染者100人を調査、1次感染者と濃厚接触した人が2761人、その中で2次感染をした人が22人いた。
その22人について、1次感染者の感染経過と2次感染者の感染時期を調査した結果、1次感染者発症から6日目以降に感染した人はいなかった。
感染経過と感染者の数は上の図のようになっており、発症前後がもっとも感染力が高いことが分かる。
しかし、その感染力は急速にダウンし、6日目以降にはこの調査では感染した人はいなかった。
<ドイツからの報告>
ドイツでは分離培養調査(他人にどれくらい感染させる力があるのかを調べるもの)を実施。
調査報告では、発症診断直後が最も感染リスクが高く、その後日を経るごとに減少し、8日目以降感染力を失うとしています。
<台湾での感染者隔離状況>
台湾では自国の研究と海外の研究を踏まえ、『発症後1週間を経過し、病状が悪化する恐れが無ければ、隔離せず、自宅療養を勧める』ということにしています。
無駄な隔離を無くし、社会復帰を早める。ちなみにインフルエンザは、5日経過すれば感染力を失うので、5日自宅で休めば職場復帰が可能としています。
・・・5月19日羽鳥慎一モーニングショーより
■一言
新型コロナウイルスについては新しい知見が出てきており、それに合わせて基準などが変わってきています。
最新の情報を基に新型コロナ対策を考えることが大切です。
このコーナーを作るあたり、羽鳥慎一モーニングショーの中で紹介されているものは信用ができると判断し、引用しています。
信用できると判断したのは、おそらくこうだろうと推測で間違った事実を報道したとき、翌日のすぐに番組の中でコメンテーターが謝罪をし、訂正したところを見かけたからです。
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