イノベーション型コミュニティホール
本でテーマとしているコミュニティは、 ただの集まりの場を作るということではなく、 スタッフとお客様との間に信頼関係が生まれて、 お客様が積極的に自分の知り合いを連れてきてくれる状態を目指すものです。 定義は下記のようにしており、本の16ページにも書いてあります。
イノベーション型コミュニティホール経営とは「ホールと顧客、顧客同士の間に信頼関係が生まれ、顧客が積極的にホールで楽しみたいと思い、顧客同士がホールで会うことを楽しみにし、知人などをホールに連れてきてくれ、あたかもホールの一員として行動してくれる状態をつくりあげる経営」
この定義のポイントは、「信頼関係」の構築です。 お客様とホール、お客様同士の信頼関係があって初めて、目指すコミュニティを作れるというものです。 信頼関係があるから、そこで安心して楽しみたいと思い、 信頼関係があるから、そこで人と人との交流が楽しみになる。 そこではお互いを仲間と認識し、共同体感覚が芽生えてくる。 ホールを良き共同体と思うので、知人を連れてきてくれるようになり、 自分が所属する共同体への貢献を願うようになるというものです。
ホールに来るみんなで、遊技を媒介とした交流文化を作り上げ、健全に楽しみ続けるということでは、 ここまで行くのが理想的な形と考えています。 日本型地域の社交場という感じです。 このポジションを獲得することで、パチンコ産業は地域社会にとってなくてはならない存在になっていくと考えます。
もちろん、積極的にお客様がお客様を連れて来るためには、 誰もが納得する新たな価値を提供する必要があります。 新たな価値の提供がなされるとお客様の来店動機が変わります。
つまり、従来の
『パチンコを打ちたいからホールに行く』
『時間を潰したいからホールに行く』
『ストレスを解消したいからホールに行く』
ということに加え、
『人と交流するためにホールに行く』
『人生を充実させるためにホールに行く』
というように、
新たな来店動機の変化を目指すものと言えます。
もう一つの特徴として、お客様とスタッフの関係は、上下的な垂直関係ではなく、 横でつながる水平関係になることを目指すものになります。 つまり、仲間になると言うことです。
〇仲間が運営するホールだから、安心して利用できる。
〇仲間が運営するホールだから、一緒に何かをしたい。
〇仲間が運営するホールだから、応援したい。
健全な仲間意識が芽生えると、ホール運営にプラスに働きます。 例えば以下の図表のようなことが起こります。
図表の1のケースで言えば、信頼関係があるので、大きなスランプがあったとしても、
「こういうケースをたまにはあるさ」と、お客様が善意に解釈してくれるということです。
同じことでも、信頼関係がないと、単純に遠隔をされていると悪意に考え、他の店舗への移動を考えます。
未だにパチンコユーザーは、ホールは遠隔操作をしていると思い込んでいる人が多いので、 図表の1のように解釈してくれるのは、離反を防ぐ効果があるので、ありがたいことだと思います。
※注意点としては、お客様との仲間意識を育てるためには、
接客の仕方を少し変える必要があります。
一生懸命にサービスをしたり、接客を丁寧にしたとしても、
お客様とスタッフの関係に変化が生まれるとは限りません。
必要なのは、仲間になるため、仲間を作るための接客・サービスです。
もし、頑張っているのに、仲間意識ができないというのであれば、
接客・サービスなどを少し見直すことも必要かもしれませんね。