本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

勝ち残るホール(店舗)とは

人が多くいるだけでは、勝ち残れない

店舗を良くする2種類の施策

 地域一番店は、非常に魅力的です。 地域一番店舗は勝ち残る店舗であるかということになると そうではありません。

 地域一番店舗の条件は、競合店より多くに人(お客様)を集めることに対して、 勝ち残る店舗の条件は、競合店より長く人(お客様)を集め続けることです。
 前者が重視するのは、一人でも多くの人を集める施策となります。 後者が重視するのは、店舗に定着してもらうための施策となります。


(質問)2つの施策は、常に両立するでしょうか?

 残念ながら両立しているとは限りません。

 例えば、居酒屋さんがあると思ってください。 これまで静かに飲む中高年のお客様が多かったのですが、 新しいお客を呼び込んで、お客を増し、 繁盛店はんじょうてんにしようと考えたと思ってください。 そのためにキャンペーンをし、価格を下げて、 大学生や若いサラリーマンを、呼び込んだとしましょう。

 その時の状態を思い浮かべると、 騒ぐ若い人の横で、中高年のお客様が飲んでいる状態です。 その時には、お客が増えて、繁盛します。 地域で一番お客様が入る店になったかもしれません。

 しかし、中高年の方が、靜な雰囲気ふんいきを楽しみたいということであれば、 もうこの店は、自分の好みの店ではないと来店しなくなります。 若い人は、キャンペーン期間が終われば、 来店する足は遠のくでしょう。 その結果は、ご想像の通りです。

 無理してキャンペーンをやり続ければよい? これでは体力が持たないでしょう。

 パチンコ店でも、新店が出てきて対抗するために 無理な出玉で客層が変わり、 急激に稼働が下がっていく店舗を見たことはありませんか?

2種類の施策の両立を意識する

 本の中に出てくる関根翔太のジャック大滝店は、 以前は地域一番店になっていた。 しかし、競合店の出店で、二番店、三番店へと下がっていく。

 一番店の時に、一番店であり続けるための対策を、 どれだけ行っていたのでしょうか? その当時、力を入れていたのは、新台入替と出玉。 これは即効性はありますが、効果の持続性はありません。

 小泉社長は、「コミュニティと事業経営」というセミナーで、 地域一番店舗と勝ち残る店舗の違いを知り、 コミュニティホールをつくろうと考えます。 (月刊アミューズメントジャパンの連載「地域密着店」の4回目)

 本書で小泉社長がコミュニティホールに固執こしつします。 それは小泉社長の頭の中に、社員の幸せのために、社会的責任を果たすために 企業は存続し続けなければならないという ゴーイングコンサーンの思想が根底にあります。

 勝ち残るための施策を打たずに、 勝ち残る店舗になることはありません。 だから、小泉社長は、2つの施策の両立を意識します。

 小泉社長は、コミュニティホールを目指すことで、従来の集客施策を、 顧客定着化の前作業という位置づけ、 コミュニティ化で顧客定着化の促進をしようとしているのです。
 そして、従来の施策に固執し、コミュニティホールに消極的な高坂部長に対して、 将来の勝ち残りを見据みすえている小泉社長は、苛立いらだちを思えます。

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