◆お客様や地域の人から信頼されるための条件
本の中でコミュニティホールを作るための十分条件を10コあげています。 本の中では163ページに全体を俯瞰した図表を載せています。 文の中で、個々の項目の必要性について、北条真由美が話をしていますが、 分かりやすいように、まとめておきます。
1.ホール(店舗)の考え方を知ってもらう仕組み
人は考え方が分からない人とは、深く関わり合いになりたいとは思いません。 それは何をされるかわからないからです。 あなたは、自分の考えを一切言わない人を信用しますか? これは、お客様と店舗の関係も同じです。
2.ホール(店舗)スタッフを知ってもらう仕組み
人は自分が知っている人のところに行きたがります。 また、知っている人が多いと自然にファンになります。 あなたは、阪神ファンが阪神の選手の名前を一人も知らないと思いますか? どんなファンでも同じです。 ファンになればそのメンバーの誰かを覚えます。 また逆に、誰かを覚えるからファンになるとも言えます。 だから、お客様にスタッフの名前を覚えてもらうことが大切なのです。
3.ホールの顧客満足に対する努力を知ってもらう仕組み
あなたは、自分のために頑張って何かをしてくれる人を好ましいと思いますか? 思いますよね。お客様も同じです。 自分たちのために努力している姿を見るのは大好きです。 お客様のためにいろいろ努力をしているなら、 それを自然な形で、いかに伝えるかが重要です。 下手な伝え方は自慢ととらえられ、信用を無くします。
4.ホール(店舗)のお客様への感謝を知ってもらう仕組み
あなたはイヤイヤ渡された’おしぼり’をうれしいと感じますか? どんなに良いことをされたとしても、イヤイヤでは不快になるだけです。 反対に自分に対する感謝の気持ちを持って、 何かをしてくれることはうれしいものです。 人は心から感謝されることを好みます。 だから、感謝の気持ちがあることを、 お客様に積極的に伝える必要があります。 えっ?スタッフに感謝の気持ちがない? その場合は、スタッフの感謝の気持ちの醸成から始めればいいだけです。 頑張ってください。
5.お客様本人を知る仕組み
大抵の人は、無視されると怒ります。 あなたはいかがですか? お店に結構行くのに、全然自分のことを覚えてもらっていないというのは寂しいものです。 本で紹介している『サービスが伝説になる時』に出ていますが、 お客様が離反する最大の原因が、「お客様に対する無関心」となっています。 ということで、お店のスタッフがお客様を覚えるようにする仕組みはたいへん重要です。
6.お客様のホール(店舗)に対する要望を知る仕組み
お客様は、店舗を見てパーフェクトと思っている人はそんなに多くいません。
結構、気になる点や不都合があります。
そういう気持ちを汲み取り、自分の好みに合わせてくれることは、たいへんうれしいモノです。
また、自分がアドバイスをして店舗が少しでも良くなれば、
自分がこの店を良くした、育てたと感じます。
人は自分が育てたものにこだわります。応援します。
お客様に応援してもらう方法の一つが、育ててもらうことです。
ですから、お客様の要望を聞いて、店をお客様に育ててもらうことが大切なのです。
7.お客様同士を知り合いにさせる仕組み
知った人がいると、その人に会うために来店しようという来店動機になります。 知り合いができると、店舗がホーム的な存在となり、居心地がよくなります。 また、店舗で自然な形で知人ができるとなれば、お客様の人脈も広がり、 地域活動や地域コミュニティに参加するきっかけにもなります。 これが狭義に意味で、コミュニティ活動になります。 特にコミュニティ3.0レベルを目指し、創客を考えている場合は特に重要になります。
8.遊技機(商品)の情報を提供する仕組み
例えばヤマダ電機に行って、パソコンの近くにいるスタッフに、
パソコンのことを相談したら、良く変わらないと言われたらどう思いますか?
それでは、レストランに行って、スタッフにお勧めメニューの中身を聞いて、
なぜお奨めなのかを尋ねたら、よくわからないと言われたどう思いますか?
お客様のために一生懸命に頑張っている店に思えますか?
ここまでくると、スタッフが的確な台(商品)情報を提供する意味が、
単に情報を提供するだけの意味ではなく、
お客様に対する企業姿勢を表しているということが分かると思います。
お客様との信頼関係をつくるためには、おろそかにできないものと言えます。
9.地域と共生する仕組み
地元密着ということで、地域に強い関心があるかどうかは、
地域から収集している情報と、発信している情報で分かります。
例えば、市民だよりを、そのまま掲示板に貼っている店舗に対して、
地域愛を感じますか?
地域を愛してないと感じる店舗に好感を持つでしょうか?
多くの人は自分が住んでいる地域に関心があり、好ましいと思っています。
人は自分が好きなものに、同じように関心をもってもらうと好感を持ちます。
端的に言えば、阪神ファンに阪神が好きだと言ってみて下さい。
おそらくすぐ友達になると思います。
考えられた地域との共生活動は、地元密着をアピールできる重要な要素となります。
※以前「地域の情報を提供する仕組み」としていましたが、 実際に取り組んでいるコミュニティホールの活動内容を表す言葉として不十分なので、 2017年7月1日よりい上記のように変更しました。 言葉の概念で思考の広がりが制約されないように、 今後は講座や研修においても「地域と共生」という言葉を使っていきます。
10.世間が社会性がある公共性があると納得する仕組み
世の中の流れとして、環境に配慮して、将来を考えた正しいあるべき企業活動をしている会社を、
高く評価するようになってきています。
したがって、世間で騒がれている社会問題に対して、積極的に対応することで、
地道に努力をしている真面目な企業であることを知らせて安心してもらう必要があります。
これは地域密着とは別に、高い次元に立って人類の未来に関心を持つということであり、
より多くの人から、将来に残しておける安心できる企業と感じてもらうことができます。
※以前「スタッフがお客様を喜ばせるアイデアを出す仕組み」としていましたが、
SDGsなどの企業の社会的な活動が注目される中で、多くの方から信頼を集めるために、
社会に役立つ取り組みは必須と考え、2019年5月1日より変更をしました。
「スタッフがお客様を喜ばせるアイデアを出す仕組み」につきましては、
これまでベースとしていたスタッフのマインド醸成の中に組み込むことにしました。
各項目をまとめると、本にも掲載しているように以上のような図表になります。 以上の項目は全体的に取り組む必要があります。 一部だけやっても効果はあまり出ないかもしれませんし、 悪くするとお客様から疑いの目を向けられるかもしれません。 それは信用や信頼とは、一部でなくトータル的なもののだからです。
なお、仕組みの作り方については、本の中で北条真由美が指導しているので、 ページ数の関係で、十分ではありませんが、考え方は参考にしていただけると思います。