本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

コミュニティ作りのベース

コミュニティを効率的に作るために・・・

コミュニティを効率的につくるために必要なもの

 本の中では、ページの関係で特に取り上げていませんでした、 コミュニティ化を進めるうえで必要なものがあります。 それは以下の3つです。

 1.顧客管理システム
 2.顧客心理マーケティングの知識
 3.マインド醸成じょうせい

    

1.顧客管理システム

 これは、十分条件を満たすための有力なツールとなります。
十分条件⑤のお客様を知るということでは、顧客台帳の代わりになります。 十分条件⑥のお客様の要望を記録することが出来ます。

 また、十分条件①のホールの考えを伝えるということでは、 ニュースレターが効果が高いのですが、お客様の住所が管理できるので活用できます。

 顧客別に遊技する機種の記録ができれば、 十分条件⑧の遊技機情報の提供をピンポイントで行えます。
 それに十分条件⑦のコミュニティでも、店舗で趣味のサークルなどを作った場合、 そのサークル名簿の管理に役立ちます。

 さらに、遊技情報とリンクさせれば、必要条件の①の機種揃えと台整備の不安を無くするための 有効なツールとなります。

 そして、顧客の来店状況をみることで、コミュニティの進行を検証することができます。 また、今実施ている施策が妥当なものであるか、効果検証もできます。

 ザ・リッツ・カールトンをはじめ、 サービスを重視する多くの企業が、 顧客管理システムを積極的に活用しています。

 但し、現在、パチンコ業界で、 コミュニティ推進に役立つ顧客管理システムがあるかということになると、 厳しいものがあります。 多くのものは、貯玉・貯メダル管理用であり、DM発行用でしかなく、 それ以上の利用を目的としているものは、一般のメーカーでは見かけません。 独自で開発するのも一つの手かもしれません。

 旧ヒューテックのものが、One-to-One用に作られていたので、 一番マシ(かなり改善の余地があったのでこういう言い方をしています)でしたが、 残念ながら、それはもうありません。 会員管理実践講座をしていたのですが、 それに対応するシステムがなくなったので、残念でなりません。

 データの種類は、どのメーカーでもだいたい同じものを取ることが出来るので、 システム選びの決め手にはなりません。
 それより大切なことは、データで何をしようとしているのか、 それとデータ作成のスピードが特に大切です。 これはメーカーでかなり差が出てきます。 遅いものは現場では使えません。 会員管理システムのレベルは要チェックです。

 もし、良いものが出れば、お知らせしたいと思います。

2.顧客心理マーケティングの知識

 一部のホールの方は研究されていると思いますが、 多くのホールでは、人を動かす手法として、 出玉イベントと新台イベントに頼りすぎているので、 研究ができていないように思います。
 しかし、コミュニティホールを創る場合は、人が自然と来たくなるように、 意識下に働きかける必要があるので、顧客心理マーケティングの知識が必要です。

 私は、ホール指導の際に必要性を感じて整理(顧客心理マーケティング基本講座)しましたが、 これを知っているのと知らないのでは、 コミュニティ形成スピードにかなり違いが出てきます。
 同じイベントをしても、そこまでの段取りが違うので、効果が違います。
 「知は力なり」という言葉があります。 今まで取り組んだことのない人は、是非顧客の心理を研究して下さい。 もちろん、集客にも利用でき、しかも、あまりお金をかけずに業務改善ができます。

3.マインドの醸成

 これは、コミュニティのための施策を打つとき、全般に関わり合いがあるものです。 実際、コミュニティ化支援に入ったとき、必要に応じてマインド醸成研修を、 ホールスタッフに向けて、店休日を利用して実施していました。

 なぜ、これが必要かというと、 お客様のために何かしようとすると、 どうしても手間をかけることが多くなり、仕事が増えます。 『面倒な仕事』はしたくないというのが、多くの人が考えることです。 これでは、コミュニティ化の施策が、実行できなくなってきます。

 それでは、絶対的な『面倒な仕事』は存在するのでしょうか?

 電車で2時間も3時間もかけて、 田舎から東京の銀座に、有名なカバンを買いに行くという行為は 一見面倒臭い作業です。 しかし、大好きな恋人の誕生日プレゼントということになると、途端に面倒な作業でなくなります。 行きも、帰りもプレゼントした時の彼女の顔を思い浮かべて、楽しいはずです。

 ということは、心がお客様に喜んでもらいたいという方向に向いていれば、 『面倒な仕事』は無くなり、楽しく仕事ができるということです。

 ここでいうマインドの醸成は、スタッフがお客様を喜ばせたい、 喜んでもらいたいという気持ちをはぐくむという意味です。
 この心があれば、コミュニティ作りに積極的に参加し、 コミュニティ施策の実行に協力してくれます。 そうなると、自然にスタッフのファンができ、コミュニティが出来てきます。

 実際、コミュニティ化の支援をしているときに、 スタッフのマインド醸成の必要性を痛感したので書いています。
 これがあるのとないのとでは、 コミュニティホールの形成速度がかなり違ってきます。

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