このコーナーは、本の中で是非こころに止めていただきたい、 と思っている文章を取り上げて解説をしています。
本のキーになる言葉
理解してもらうと、本がもっと面白くなるかもしれない
愚かなロバ P.12~
人はどうしても成功体験に固執してしまいます。 これで真理をつかんだ。 これは間違いないと思った瞬間に、 思考が停止してしまいます。 しかもそれに本人は気づかないというものです。
本の中で、風刺的に語っているのが『愚かなロバ』の話(P.14~)です。
小泉社長が、山崎店長に話すイソップ物語です。
それは、ロバが過去の成功体験にとらわれて、最後に身の破滅を招くというお話です。
聞けば「ロバは馬鹿だなぁ」と感じますが、
でも人は知らず知らずに、このロバのようなことをしてしまうのではないでしょうか?
私の体験ですが、最近、長年使っていたパソコン用プリンターの電源が突然入らなくなりました。
当然、これまでスイッチを押せば電源が入ったので、何度もスイッチを押しました。
しかし、電源は入りません。
次にやったことは、スイッチを思い切り押すことです。それを何回かやりましたが、ダメでした。
今度は、スイッチを長く押してみました。それもダメ。
さらに、コンセントを刺し直して、同じようにスイッチを押しました。
その次は、コンセントを外して、しばらくしてコンセントを刺して、スイッチを押しました。
ここまでくると、さすがに壊れているかもしれないと思い、別のプリンターを買うことにしました。
でも、その後、2週間ほどして、もしかしたら直っているかもしれないと思い、
ゴミに出す前に電源を入れて見ました。当然、ダメでした。
モノの場合は、やっていることが結果に結びつくかどうか分かりやすいのですが、この始末です。
本の中でも山崎店長は、’自分はそんなことはない’と思っていますが、 実際の行動は、過去の成功体験の延長の施策しか行っていません。 その証拠に「予算をもらえば(P.16)」なんとかなると考えています。
新台の種類が変わろうと台数が変わろうと、新台入替は新台入替ですよね。 出玉もどの機種でやろうとどれだけ出玉をしようと、やはり出玉施策ですよね。 でも競合店も頑張るので、求める結果が出ないという状況です。
これに危機感を感じて、このままではダメだと思っているのが小泉社長です。 オーナー社長は、会社の結果責任を負うので、必然的に3年先、5年先を考えています。 そのため、このままではたいへんなことになるという危機意識を持っています。 だから将来のために今、新たな取り組みをして、危機を回避しようと考えているのです。 良い意味で、危機感が改革の原動力になります。