本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

本のキーになる言葉

理解してもらうと、本がもっと面白くなるかもしれない

 このコーナーは、本の中で是非こころに止めていただきたい、 と思っている文章を取り上げて解説をしています。

「月に3回以上勝たせれば、・・・」 P.69

 本の中で「月に3回以上勝たせれば、ほとんどのホールで九〇%以上の再来店確率ですよね」という話が出てきます。 再来店といちばん相関関係があるのが、勝ち体験数です。

 ホールが繁盛するためには、 お客様が多くいないと話になりません。 かなり昔は、パチンコユーザーはたくさんいたので、 多くのホールでそれなりに稼働がありました。

 パチンコ人口が少なくなってくると稼働の変動が激しくなったり、 稼働が減少してきます。 その変化を捉えるためには、お客様を一つの塊ととらえるより、 セグメント(分割)すると理解がしやすくなります。

 お客様の分類のやり方はいろいろありますが、 一番シンプルなのが、非継続来店客(新規客)と継続来店客(再来店客)という分け方です。 一般的になじんだ言葉ということで、「新規客」と「再来店客」という言葉を使って説明します。 管理がし易いのは月当たりの客数なので、再来店客を月単位で捉えます。 すると以下のような数式になります。

 今月来店客数 = 今月の新規客数 + 今月の再来店客数

「新規客」は、営業のやり方で集客にバラつきが出ます。 パチンコユーザーがたくさんいたときは、新規客がたくさんいたので、 ホールは安定していました。 パチンコユーザーが少なくなると、新規客のバラつきが大きく出てきて、 稼働がバラつきます。

「再来店客」は、ある程度店に居ついているので、 再来店客は変動が少ないので、安定したお客様と言えます。 店舗の業績が低迷してくるのは、再来店客が減ってくるもので、 これが減ってくると、新規客をいくら集めたとしても、 徐々に下降線をたどることは、皆さんもご存知と思います。

 業績を安定させ、コンスタントに稼働をあげるためには、 店舗に再来店客を多く集める必要があります。 再来店客数は、下の計算式のようにあらわすことができます。

 今月の再来店客数 = 先月の来店客数 × 再来店率

 再来店率が高まれば、それだけ再来店客数が増え、稼働が安定します。 その再来店率が高まるための要因を調べたところ、いちばん相関関係があったのが、 一か月の勝回数でした。 それが下の図です。

勝ち回数と再来店率” width=

 勝回数以外にも、勝ち率、勝敗金額、投資金額、景品金額、還元率などを調べて 見ましたが、勝ち回数が一番でした。
 したがって、お客様の勝ち体験を増やすことは、再来店につながり ホールの安定経営に貢献することは間違いありません。

 そして、いろいろな店舗で勝回数ごとの再来店率を調べると、 どの店舗も3回以上勝つと、90%以上の確率で再来店をしていました。
 これは何を意味するでしょうか?
 そうです。これは特定の人を3回勝たせれば大丈夫であり、それ以上、例えば10回、20回勝たせたとして、 再来店率はあまり変わらないということです。 それよりも、その勝ち体験を、勝ち数が少ない人に分散させることが出来るかが、 多くの再来店客をつくることのカギとなることを意味しています。

 それでは出玉をすればよいのか!?

 となると、出玉は台粗利を減少させるのは確実ですが、 単純な出玉で、お客様の勝ち率上昇するかと言えば、そうでもありません。 単純な出玉で、勝ち率を意図的に上昇させることができたのは、一回交換の営業です。 今の無制限営業では、大勝客は確実にできますが、勝ち率が上昇するとは限りません。

 自店で検証されず、過去の思い込みで営業されていた経営者や店長は、結構錯覚され、 稼働が付かないのは、出玉が足らないからと、さらに出玉に資金を継ぎ込まれていました。 今だに、そういう方をお見かけします。これが『愚かなロバ』の話につながっていきます。

 (昔)出玉 = 勝ち率上昇
 (今)出玉 ≠ 勝ち率上昇

 出玉営業の目的が台粗利を減らすこでなく、勝ち率を上げることであれば、 勝ち率を上げるための工夫がいるということです。 そして、出玉営業をした価値があったかどうかの検証は、 お客様の勝ち率を上げたかどうかで判断すべきと言うことになります。

 安易に、出玉=台粗利減少=勝ち率上昇というロジックは、 無駄金になる可能性が非常に高いと言えます。

          作成日:

inserted by FC2 system