本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

本のキーになる言葉

理解してもらうと、本がもっと面白くなるかもしれない

 このコーナーは、本の中で是非こころに止めていただきたい、 と思っている文章を取り上げて解説をしています。

「品質基準」 P.82

 本の82ページの3行目から「品質基準」という言葉が出てきます。
 すべてモノやサービスにはバラつきがあります。 一見同じように見えるものでも、ばらついています。 全く同じスイカやカボチャはありません。 人間でも瓜二つの顔と言っても、まったく同じではなく ばらついています。

 これは工業製品でも同じです。 同じように見える者でもミクロレベルではばらついているのです。 それは遊技機自体でも同じです。

 でもそれらを同じものと扱って問題はありません。 それは同じであるというある基準を満たしているからです。 この基準を「品質基準」というような言い方をしています。

 この品質基準がなければ、作られるものはどんなものができるか、 わかったものではありません。 でも、このような基準は誰しも持っています。 それは善し悪しを判断しているからです。

 ここからは、分かりやすいように本に出てくるラーメン店の話をします。
 店主が、スープを味見して、これはダメだという場合は、 店主が頭の中に味の品質基準をもって、判断しているということになります。 この品質基準が高いと、味のレベルが一定しているということになります。 でも、品質基準が高いから美味しいとは違うということです。

 ということは、品質基準をどこに置くかも重要というこになります。 そこで出てくる発想が、お客様目線ということになります。 お客様が、美味しいと満足するレベルが、品質基準の置き方となります。

 品質基準=基準の置き方+基準の高さ

 美味しいラーメンを作るために、どのような味が好まれるか研究(基準の置き方)し、 その味を繰り返し、再現していく(基準の高さ)ということになります。

 良い品質を追求していくことは、たいへん良いことですが、 落とし穴があります。 それは、お客様はある一定以上の品質の違いは、見分けられないということです。

 品質を追求して日本一を目指すのは悪くはないのですが、 そのための労力はたいへんなものになります。
 しかし、お客様はその違いが分からないということです。
 芸術家はもちろんそれを追求するでしょうが、 商売人はそれを追求しません。 なぜなら、採算が取れず商売にならないからです。

 ということは、品質基準は置き方を工夫すればするほどよい、 高ければ高いほど良いというものではないということです。

 商売人としてやるべきことは、お客様が満足し、 他社との差が分からない最低レベル基準を見つけるとです。 そうすれば投下した労力に対して、最高のパフォーマンスを挙げられるということです。

 この基準を研究し、明確にすることが、無駄に労働時間を使わず、 お客様に満足するものを提供できるということになります。

 逆にこういう基準が明確でないと、 時間をかけて頑張ることが善し悪しの判断基準となり、 過剰品質を評価する傾向になります。 従業員は頑張っているがそれ以上の成果が出せず疲弊していく。 恐ろしいですね。

 労働環境の改善が叫ばれる中、こういう基準を明確にして、 作業を効率化することは、絶対に必要と思います。

 幸い多くのホールでは各種データをとられているので、 勘と度胸で基準を決める必要はなく、 仮説検証をし、デジタル的に決めることができると思います。

 コミュニティホールに必要なのは、 他社に差別化されない最低品質以上のモノやサービスの提供です。 本書を読んで、くれぐれも美味しいラーメンとは、最高品質のラーメンであると 勘違いしないでください。 それにこだわるとコミュニティホール化の施策を行う時間が無くなってしまいますよ。(^^;)

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