本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

本のキーになる言葉

理解してもらうと、本がもっと面白くなるかもしれない

 このコーナーは、本の中で是非こころに止めていただきたい、 と思っている文章を取り上げて解説をしています。

「ゆでガエル」現象 P.99

 本の99ページの8行目から「ゆでガエル」の話が出ています。 これは有名なお話で、30年ぐらい前に、中小企業の経営者の集まりに行くと 必ず話題に出るほど有名だったという記憶があります。

 本にも書いてありますが、 カエルはいきなり熱い湯に入れられると ビックリして逃げ出す。

 ※もちろん一撃で死んでしまう熱い湯でないことが前提です。

 しかし、鍋の水の中に入れられて、徐々に温められると 茹でられているのに気づかずに、ジッとしている。 これはおかしい気づき逃げ出そうと思ったときには、 体力がなくなり逃げ出せないというものです。

ゆでガエル

 中小企業の経営者が大企業からの値下げ要求をのむことが多く、 我慢して値下げをしているうちに、収益力が徐々になくなっていく。 そして、このままでは倒産してしまうしかないと感じて、 新しい商品開発や現状を打開するための大幅なコスト削減をしようと思う頃には、 企業体力がなくなり、何もできず倒産していく。 こんな姿を「ゆでガエル」に例えて言われていました。

 パチンコ業界で言えば、 徐々徐々に稼働が下がっていくので、 同じ営業手法をしていて、 根本的に変える必要があるとは思わない。 そのうち下げ止まるだろうと思いながら、 辛抱強く、ホール経営を続けるというところでしょうか。

 そして、切羽詰まって思い切った手を打とうとしても、
〇お金がない、
〇良い機械がない(良い台があればそもそもこうならない)、
〇人もいない(出来る人はこうなる前に早めに手を打つ)。
 こうなっては誰も助けることができない。にっちもさっちもいかないという状態になる。 これが典型的な「ゆでガエル」パターンです。

 このたいへん面白くない話の後に 良く紹介されたのが、 パナソニックを作った松下幸之助さんの言葉です。

 まだ、パナソニックが中小企業であったころ、 元請けの大企業から大幅な値引き要求があったとき、 幹部連中が社内で文句を言っているのを聞いて、
「30%もの大幅な値引き欲求。結構やないか。 もし、これが5%だったら、多少原材料やお給料を切り詰めて対応できる。 みんな我慢するだけで、何も変わらへん。 そやけど、30%もの値引きやったら、生産工程を根本的に変えないとあかんやろ。 それが実現したら、えいら競争力がつくで。 結構やないか」
 というようなことを言われたように記憶しています。
 流石に大きくなるところは、発想が違うということでしょうか。

 教訓としては、茹でられているなら、体力があるうちに積極的に打開策を打ち、 脱出せよということでしょう。

 「ゆでガエル」にならないためには、 まず茹でられているかどうか判断すること。 次に茹でられているとなれば、我慢ではなく、 早目にイノベーションを起こして、 大幅な経営改革や業態改革を実現せよということです。

 しかしながら現実には、「茹でられている」と言われる経営者や店長は、たくさんいらっしゃいます。 しかし、従来のやり方に固執する人は、もっとたくさんいらっしゃいます。
 ここが「ゆでガエル」現象の恐ろしいところです。 茹であがるまでは、本当の恐ろしさに気づけないのかもしれません。

 従来の手法で見込みがたないなら、この際、 「コミュニティホール作りに取り組んではどですか」と言っても、 悲しいことに耳を貸されません。 「まだ、大丈夫」とおっしゃいます。

 ある人が、上手くいかないのは、『天』からやり方を変えた方が良いというメッセージでですよ。 早々に新しいやり方を開発しなさいという宿題を与えられているんです、と言われてたのを思い出します。

 夏休みの宿題を、夏休みの最終日に、必死で取り組んでいた人は、要注意ですね。 開き直って、宿題をせずに登校した人は、もちろん最悪です。

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