コミュニティマネジメント研究所

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パチンコ寓話

パチンコ・イノベーションを促進させる短編寓話集

◆◇◆ 第26話 仕事の愉しさ ◆◇◆

 むかしむかしあるところにパチンコ店でアルバイトをしているスタッフがいました。
 彼は本当は一流ホテルで働きたかったのですが、面接の日に交通事故に遭い、就職する時期を逃してしまいました。 しかたがないので、とりあえず生活資金を稼ぐためにパチンコ店でアルバイトをすることにしました。
 この店の店長は、笑顔、表情、身だしなみ、態度、言葉使いについて徹底するように言っていました。 ても、その店の主任はスタッフに笑顔や表情等について厳しく指導をしませんでした。

 ある日休憩室で主任と一緒になったので、主任に訊いてみました。
「店長は笑顔や表情の徹底を言われてますが、主任はあまり言わないんですね」
 そう言うと主任は答えました。
「社長の指示だからね。店長の立場も分かるけど、実際、笑顔や表情をずっと良くし続けるのはたいへんだよ。そう思わないか?」
「それはたいへんだと思いますけど・・・」
「俺はね、職場は楽しくないとダメだと思っているんだ。だからアルバイトのみんなには無理はさせたくないんだよ」
 スタッフはなるほどと思いました。 主任は見かけによらずスタッフ想いなんだ。 良い人に巡りあったと嬉しくなりました。
寓話

 ◇◇◇

 ある日スタッフは、すでにホテルで働いている同じ高校の親友に情報収集を兼ねて合うことにしました。 親友からいろいろとホテルの話を聞き、夢を膨らましました。
「とことで、お前はどこに勤めているの?」
 親の仕送りは頼めないので、同じサービス業のパチンコ店で生活費を稼いでいることを話しました。
「ところでどう?職場は?」
 スタッフは主任が物分かりの良い人で働きやすくて助かっていると話しました。
 話を聞いていた親友は言いました。
「君は、本当に一流ホテルで働きたいと思っているのか?」
 スタッフは「もちろんだ」と言いました。
 すると親友は言いました。
「そのパチンコ店はすぐ辞めた方がいいね」
「???」
「その主任は仕事(サービス)を楽(ラク)する方法を君に教えている。 それでは君はサービスで一流になれない。 一流になりたければ仕事(サービス)を愉しくする方法を教えてくれる上司の下で仕事をしないとだめだ」
「楽(ラク)じゃなくて、愉(たの)しく?」
「一流のことをしようと思うと大変だ。 しかし、その対価として大きな喜びが待っている。だから一流のホテルマンは頑張る」
「そうなの?}
「笑顔を絶やさず、言葉遣いや態度を徹底して良くすると、お客様が笑顔を返してくれる。喜んでくれる。信頼してくれる。 この体験は何事にも代えがたい自己への自信になる。 だから努力が愉しくなる。 だから誇りが持てる。 一流を目指すなら、これを教えてくれるところに行くべきだ」
 スタッフは翌日パチンコ店に今月いっぱいで辞めることを店長に告げた。

 ◇◇◇
店長「また、ひとり優秀なアルバイトが辞めてしまう」
主任「だから、笑顔や表情などをスタッフに厳しく言うのは良くないっていったでしょ。若い人は努力や我慢ができないんですよ」
店長「・・・・・・」

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