コミュニティマネジメント研究所

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パチンコ寓話

パチンコ・イノベーションを促進させる短編寓話集

◆◇◆ 第33話 コロナ禍と玉箱 ◆◇◆

 むかしむかしあるところにパチンコ店がありました。
 コロナ禍で、ダンダン人がいなくなり少なくなって行きました。
 周りの競合店も少しづつ人が減っています。
 店長Aはなんとかしたいと思いましたが、なかなか稼働が元に戻りません。
 何とかしようとパチンコの玉箱を買い替えました。
 すると、店舗の稼働が少し良くなってきました。
 今度はスロットの玉箱を変えました。
 さらに稼働があがりました。
 そんな中、店長会議が開かれました。

  ◇   ◇   ◇

 社長は8人いる店長に状況を尋ねました。
「いろいろやっていますが、新型コロナの影響で稼働がダウンしたままです。競合他社も同様に稼働が下がっています」
 店長次々に異口同音に答えます。
 最後の店長Aは少し違いました。
「社長、お蔭で、稼働が少し上がってきました」 寓話
「よく頑張ってるな。とこでお前の地域は新型コロナのクラスターが出ていたんじゃなかったのか?」
「そうなんですが、頑張った甲斐があって稼働が少し上向いています」
「競合店はどうなんだ?」
「競合店はコロナの影響でかなり稼動を下げています」
「そうか、ところでどんなことをしたんだ」
 問われたA店長は玉箱の話を社長に説明しました。
 社長は不思議そうに聞いていましたが、可能性があることは何でも取り組もうということで、 他の店長も見習うように言い、全店で玉箱を買い換えることにしました。

 ◇◇◇

 1か月後、また会議がありました。 各店長の報告は芳(かんば)しくありません。 玉箱を買い換えても、効果ほとんどなかったのです。
 A店長の報告の順番になりました。
「社長、申し訳けありません。稼働が下がってきています」
「玉箱効果は長く続かなかったのか・・・」
「申し訳けありません」
「ところで、地域の感染は治まったのか?」
「お蔭さまで治まりました」
「そうか、それは良かった。ひと月前は酷かったからな」
「そうなんです。 ちょうどパチンコの玉箱を変えた時に、地域1番店の近くでクラスターが発生して、スロットの玉箱を変えた時に、今度は地域2番店の近くで、またクラスター発生しました。 その時は両店舗ともお客様がかなり減っていました。 両店舗ともうちの店舗から離れていたので、助かりました」
「そうだったのか。それで今はどうなっているの?」
「両店舗ともクラスターが治まったので、かなり元の稼動に戻っています。 どうも他店に散っていたお客様が戻ってきたようです」
「そのお客様って、うちにも来てたの?」
「もちろん、来られていました。ちょうど玉箱を変えたところでしたから」
「・・・・・・・・」

 

(ポイント)

 因果関係の錯覚。人がは自分のやった行為と同じタイミングで起きた現象を結び付けてしまう傾向がある。

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