◆◇◆ 第34話 優秀なアルバイト ◆◇◆
むかしむかしあるところにパチンコ店がありました。
そこに優秀と可愛がられているAというアルバイトスタッフがいました。
彼は器用で何でもできました。
特に評価が高かったのが、会員募集です。
Aは毎月ダントツの多さで新規会員を獲得していました。
店長は社長から会員管理を強化するように言われているので、A君を高く評価し、いつも褒めていました。
一方、全然会員を獲得できないB君がいました。
店長は一人3人以上を新規会員獲得のノルマとしていましたが、B君は全く獲得できませんでした。
そのしわ寄せはA君に来ます。
できないB君を何とかするより、できるA君に頑張ってもらった方が結果がでるからです。
しかし、A君はダンダン腹が立ってきました。
なぜ、僕が出来ないB君の尻ぬぐいをしなければならないのか。
できないB君が辞めて、優秀な人間がくれば、店舗にとっても良いことではないかと思うようになりました。
そう考えるとB君の欠点がよく見えるようになってきます。
いらだちは募るばかりです。
朝礼が一緒になるとA君はついB君に嫌味を言ってしまいます。
ある日、B君が実家の手伝いをするということで辞めてしまいました。
A君は内心喜びました。
『これで優秀な新人が入れば楽になる』
でも新人はなかなか応募が無く、採用が決まりませんでした。
B君が辞めた直後から、A君は会員があまり取れなくなっていきました。 A君が会員募集の話をお客様にしていると、途中で別のお客様に呼ばれて募集が中断してしまうのです。 A君の会員募集の成績は目に見えて下がって聞きました。 店長からもっと頑張るように言われるのですが、ホール業務に追われて思うように会員の獲得ができません。
ある日、イライラしたA君はC君に言いました。
「僕が会員の説明しているときは、他のお客様のフォローぐらいやってくれよ」
C君はA君を見て言いました。
「イヤだね。僕はB君のようになりたくないからね」
「・・・・・・」
A君は2度とダントツの成績を上げることはありませんでした。
(ポイント)
自分の仕事は、多くの仲間に支えられていることを理解する必要がある。
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