コミュニティマネジメント研究所

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パチンコ寓話

パチンコ・イノベーションを促進させる短編寓話集

◆◇◆ 第42話 不当な評価に抗議 ◆◇◆

 むかしむかしあるところにパチンコ店でアルバイトをしている若者がいました。
 彼は高校を中退していました。
 いろいろなところで働きましたが長続きせず、このパチンコ店で7件目になります。 最初は気持ちよく働くのですが、いつも途中で職場が嫌になってくるのです。

 このパチンコ店で働いて3か月ぐらいたったとき、またいつもように職場が嫌になってきました。
『どうせこの店も、俺が頑張って働いても認めてはくれない・・・』
この想いは日に日に強くなっていきました。
 そして、いつも高校を中退してしまった後悔の念が出てきます。
『やっぱり、高校ぐらい卒業しておけば良かった。高校も出ていないから世間が認めてくれない・・・』
 若者はまたやる気を無くしていきました。
 ある日、若者はとうとう店長にアルバイトを辞めることを伝えようと決意し、事務所にいきました。

寓話

 事務所に行くと店長はホール内を映す監視モニターを見ているところでした。 幸い事務所には店長しかいません。 若者はアルバイトを辞めたいと店長に告げました。
 店長は若者の方を向き、聞き返しました。
「辞めたい?わかりました。理由を聞いてもいいですか?」
 若者は今さらと思いましたが、適正な評価をされていないから仕方な辞めるのだと話しました。
「なるほど、適正な評価をされないから辞めるというのですね。それはあなたが辞めたくなるのは当然です。 具体的にどのようなことがあったのですか?良かったら話してくれませんか?」
 若者は少し躊躇ちゅうちょしましたが、店長に対しては面接のときに好感を持っていたので話すことにしました。
「いろいろありますが、例えばこの間の給与で同じときに入ったAくんは時給が上がったのに、私はそのままでした。 同じような仕事をしておかしいと思います」
「Aくんは時給が20円上がったのに、自分は上がってないことが、適正な評価をしていないという根拠というわけだね」
「ええ、これは一例です。Aくんは大学を出ているから優遇されているのではないですか?学歴で仕事の評価が変わるような職場にはいたくありません」
 若者はまた言ってしまったと思いましたが、もう辞めることにしてるので後悔はありません。
「なるほど、君がそう思うなら仕方がないね」
 若者は不当な差別に対する怒りでいっぱいでした。
「わかった。店舗に対する信頼が無くなれば、ここに留まることはできないのは当然だろう。 でもただ一つ言わせてもらうと、時給の評価をしているのは主任なんだ。 そして主任は君の学歴を知らない。 会社の方針で学歴などの個人情報は社内でもなるべく公開しないからね。 それとAくんは大学を出ていない、高校中退ですらない。 中学卒業だよ」
 それを聞いて若者は反論しました。
「私は、A君が○○大に行っていたと立ち話をしているのを聞きました」
「それは○○大付属中学に行っていたというのを聞き間違えたんだろう。確かにAくんは○○大付属中学卒業だからね」
「・・・・・・」

     ◇

 

(ポイント)

 人は自分の回りの出来事を、自分が持っている世界観をもと解釈してしまう傾向にある。 そしてその世界観に添った行動をしてしまう。 その結果、思い込み(世界観)は強くなっていく。

 では世界観と行動のどちらが先かでしょうか?

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