コミュニティマネジメント研究所

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パチンコ寓話

パチンコ・イノベーションを促進させる短編寓話集

◆◇◆ 第50話 関係作り企画③ ◆◇◆

 むかしむかしあるところに男性がいました。
 パチンコが好きで、午前中に畑仕事などをし、昼食をたべてから用事がない時はパチンコ店に行ってました。 この街には10軒のパチンコ店がありました。 男はその中で3軒ほどのパチンコ店に通ってました。 3店舗とも規模も同じで、あまり差はほとんどありませんでした。
 最近はどの店も新台入替も地味で、実際中古台の入替も多く、出玉も規制があるのかあまりやっていません。 男性はとりあえず好きな台が打てれば良かったので、あまり気にしませんでした。 好きな台はどの店も置いているので、どこに行くかは気分次第でした。

 ある日、3店舗の一つが、景品企画を定期的にやり出しました。 男性は欲しいものもなかったので、あまり気にしなかったのですが、以前、京都に旅行に行ったときに食べたお饅頭が取り寄せになっていました。 男性は懐かしいと思い、景品交換の時は一つ買ってみようと思っていましたが、ポスターをよく見ると明日です。 男性は明日もこのホールに来ようと思いました。

寓話

 来てみるとカンターの前にお饅頭が置いてあります。
 男性はちょっと嬉しくなりました。
 遊技が終わり、ジェットカウンターでチケットをもらいサービスカウンターに行くと、『完売』と書いてあり、お饅頭はありませんでした。 男性はがっかりしました。 男性は、『完売』の文字を横目で見ながら、景品交換をして帰りました。

 しばらく経つとあのお饅頭が好評なので、また取り寄せになるとイーゼルで掲示をしていました。 取り寄せは明後日です。 男性は明後日、3時ごろに行きました。 取り寄せ品を確かめようと、あえてカウンター前を通る出入口から入り、カウンターを見てみるとすでに『完売』となっていました。 男性は少し損をした気になりましたが、せっかく来たので遊技をして帰りました。

 次の販売日も狙っていったのですが、また『完売』となっていました。 男性はだんだんお饅頭がどうでもよくなってきました。
 ある日気が付くと、偶然その日はお饅頭の販売日だったのですが、やはり『完売』となっていました。 男性はサービスカウンターで『完売』の札を指さしながら、スタッフに
「このお饅頭はいつも完売だね」というと、スタッフは
「そうなんです。人気があるんです。最近はファンの方が、午前中に交換していかれます。だから今日は11時前に完売です」と嬉しそうに答えました。
「・・・・・・・}
 男性心の中で『ここのスタッフは使えないな』とつぶやき、景品交換を済ませると、無言で店舗を後にしました。

     ◇    ◇    ◇

 男性がパチンコ店の喫煙室にいると知り合いが声をかけてきました。
「よぉ!久しぶり・・・。最近、あの店では全然見ないね」
「あぁ、あの盛んにお取り寄せ景品をしているあのホールのこと?」
「え?そんなにお取り寄せなんかしてた?・・・」
 一瞬首をひねりましたが、すぐに知り合いは思い当たりました。
「・・・ああ、あれね。客引き景品ね。
せこいスーパーと一緒で、数量限定の売り切れ御免商品だろう。
実際、あんな一部の超常連のためのサービスじゃないの? 俺は興味ないけどね」
 そう言って知り合いは笑いました。
 男性は少しカチンときました。
「毎回、早々に売り切れなんおかしいじゃないか!それをおかしいとも思わないスタッフ!だんだん不快になってきたから行くのをやめたんだ」
「お前も短気だなぁ。期待していく方がバカなんだよ」
「俺も期待はしていないさ。 でもさ俺はそういう見せかけのサービスというか商売って嫌いだし、 一部の客だけに”えこひいき”をしているのを見るのも嫌いなんだ
 男性は、もうどうでもいいことと思う自分がいる中で、知り合いにバカにされたように感じ、釈然としない気持ちをぶつけました。
「だからあのホールに行かないんだ。 でもさ、店舗の人間は気づかないぜ・・・。
それより、パチンコは勝つか負けるかだろう?」
「だからさ。不快なことをしない、誠実な商売をする、信用できる店舗で打ちたいのさ」
 そう言って男性は会話を打ち切り、喫煙室を出て、黙々とパチンコを打ち始めました。

 

関連寓話:第48話 関係作り企画①
    :第49話 関係作り企画②
参考寓話:第68話 総付け景品結果報告
    :第72話 景品ロス対策
    :第73話 続景品ロス対策

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