コミュニティマネジメント研究所

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パチンコ寓話

パチンコ・イノベーションを促進させる短編寓話集

◆◇◆ 第57話 フレームが問題 ・環境問題と店舗経営・ ◆◇◆

 むかしむかしあるところにパチンコ店の店長がいました。
 店長はパチンコ店でも社会の流れに沿って運営することが大切だと思っていました。 世の中には、SDGsとか環境問題などの言葉が溢れています。 店長はそういう取り組みを自店でもしようと思いました。 社長に話すとそれは良いことだから進めるようにと言われました。   

     ◇ 

 店長はまず廃プラ問題に取り組みました。 景品を入れるビニール袋を無くしました。 ドリンクのストローやカップを竹を素材とした容器に変えました。
 次にCO2削減ということで、無駄な電気を使わないようにするために看板の電球をLEDに変え半分にしました。 駐車場の街灯もLEDに変え半分にしました。
 そして、景品でも廃棄ロスがでないように、食べ物の取寄せ商品の量も少なくして、早目に売り切れるようにしました。
 さらに、ゴミ問題を考えてチラシは枚数を減らし、回数も少なくしました。 店内でもゴミ問題を考え、使い捨ておしぼりは配布しないことにし、布おしぼりをカウンター横において、必要な人に取りに来てもらうようにしました。
 また、廃棄台が少なくなるように新台の購入数を減らしました。 そして、中古台を入れるようにしました。

 ある日店長は社長から呼び出されました。
「店舗の稼動が落ちてきているが、大丈夫なのか?」
「社長、大丈夫です。世間の人は店舗の取り組みに賛同し、戻ってきてくれるはずです」店長は自信を持って言い切りました。

     ◇ 

 数か月後、店長は降格になりました。
 むしゃくしゃした元店長は学生時代の友達と飲みに行きました。
 そして、友達に思いっきり愚痴りました。
「もう少しやれせてくれたら、業績は良くなったのに・・・」
 黙って聞いていた友達は言いました。
「君には悪いけど、たぶん、業績は良くならないと思う」
 元店長はムカッときました。
「何故、そう思う!」
「答える前に、一つ質問させてくれ」
「なんだ」
「ゴミ収集車の職員の服を着た人が、ゴミ置き場の前に立っていたら、君はどう思う?」
「そんなの、ゴミを収集していると思うに決まっているだろう」
「じゃ、ホームレス風の姿の人が、ゴミ置き場の前に立っていたら、どう思う?」
「そりゃ、ゴミをあさっていると思うさ」
 友達は、ニッコリ笑って言った。
「今のが君の店舗の業績が良くならないと思う俺の答えさ」
「・・・・・・」

寓話

     ◇

<考察>

 やっている行為が同じでも、何をしてるのか解釈が違ってくる。 正しい解釈(こちらが意図している解釈)をしてもらうためには、そう解釈させるための「フレーム」を作ることが必須事項ということです。

     ◇

<会話の続き>  

「恐らく、君の取り組みを見て、多くの人が”環境にやさしいホール”の取り組みではなく、”お金がないホール”の取り組みと思ってるじゃないかな。 誰しも、お金が無いホールには誰も行きたくないからね。」

 

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