地元密着やコミュニティ作りの成功事例は、
至るところに存在しています。
それを意識して、真似る、或いは学ぶことは、
地元密着店舗やコミュニティホールを効率よく進めることが出来ます。これを『リンク』と言います。
また、成功事例を知っていることで、自信を持った取り組みが出来るようになります。
但し、このコーナーでは、パチンコ業界のものは取り上げません。
個人的に二番煎じ(『パクリ』)は基本的に好きではないからです。
地元密着化やコミュニティ化の参考になる企業
地元密着推進やコミュニティ推進にリンクできる参考事例
■■横浜のさくら住宅■■
この会社はリフォームを専門にしている企業です。(2016/6 「カンブリア宮殿」大阪テレビで放映)
この企業を参考にできると思ったのは、
地域住民との信頼関係を築くことを第一優先事項と考え、
それを実践することで、18年間黒字を出し続けているという会社です。
横浜市の栄区、桂台地区約4000世帯の5軒に1軒は、
リフォームでこの会社を利用。クチコミで利用者が拡大。
また、この会社は「日本でいちばん大切にしたい会社」という本を書かれた
法政大学大学院教授の坂本光司氏がされている
「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の審査委員会特別賞を受賞しています。
〇会社概要
従業員:45人
資本金:9800万円(2017年)
売上高:8億6000万円(2015年)
〇事業内容:
新築・増改築
建築工事および付帯する一切の業務・建築計画設計
◎信頼関係を築くポイント
(1)他社が嫌がる小口工事を喜んで受ける。
(2)工事価格の値引きをしない。
(3)修繕や工事のアフターフォローを行う。
(4)地域のお客様のニーズに応える。
(5)お客様の交流会を持つ
(6)お客様株主制度
(1)他社が嫌がる小口工事を喜んで受ける。
小口工事受注件数:818件(受注件数の43%)にもなるそうです。 これは毎日2件以上小口工事をしている状態で、利益にならないので、 効率的に対処する必要があります。もちろん工事の質も問題になるので、 優秀な職人さんが喜んで協力してもらえる体制を作り上げていることは。 容易に想像できます。
参考になるのは、小口工事をどのように請けているかということです。
小口工事を請ければ、信用されるのではなく、信用されるような請け方をしているという点が大切です。
これを外すと『時そば』状態になってしまうので要注意です。
二宮社長はそれを熟知しており、従業員に徹底させているように思いました。具体的には、
1.すぐに現場にいく。
2.出来るだけ早く修繕や工事をする。
3.満足度を確認する。
4.顧客目線での価格(赤字でもやる)
5.工事のついでに営業をしない。但し、お客様からの依頼はOK。
というようなことを行っています。
1や2のすぐに現場に行く、すぐに工事にを行うというのは、工事を喜んでやりますという意思表示です。
電話を受けてから、3、4日して訪問した場合、依頼者はどう思うか想像してみると良くわかると思います。
二宮社長は、お客様との距離を縮めることが大切であり、手間を惜しむなと言われていました。
これを積み重ねることで、お客様が会社を信用し、大きなリフォーム工事を任せて大丈夫だろうと考え、
結果として大口工事の受注につながっているのです。
あくまでも、第一優先は、お客様との「信頼関係作り」です。
お客様の信頼が無ければ、クチコミは発生しません。 信頼関係は、大きなことではなく、小さな期待に確実に応えていくことであることを、 この会社は教えてくています。
それではお客様の小さな期待とは何でしょうか?
それは出玉でしょうか?新台入替でしょうか?面白イベントでしょうか?お客様への関心ということでしょうか? ヒントは、それをやり続けると信頼関係ができるかどうかです。
その小さな期待に応えることを、自分たちはどのように実践しているのかと問うことが、 コミュニティホールづくりのキーになると思います。
(2)工事価格の値引きをしない。
1.適正利益の確保
2.適正工事費の確保→工事品質の確保→質の高い職人
値引きをしない背景は、確かな見積り力と適正利益の算出、それと工事に対する品質と、
それを支える職人さんに対する公正な評価があると思います。
値引きを決してないというのは、そういう裏付けがあり、小口工事を誠実にやるという背景があれば、
絶大な信頼を発生させます。
それは、値切らない自分が損をするという心配がなくなるもの大きいと思います。
公平感は信頼を得るために大切な要素だと思います。
ホールでも特定のお客様が勝ち続けると雰囲気が悪くなりますよね。
出玉をガンガンしている時なら、俺も頑張ろうと思うかもしれませんが、
そんなイメージの無いホールで、特定の人だけが勝つと、このホールは不公平だと思われます。
ホールで言えば、特定の人だけが勝たないように工夫しているのは、これにあたるかもしれません。
(3)修繕や工事のアフターフォローを行う。
工事現場への状況確認訪問
工事を行った後に不都合が出ていないか、積極的に訪問する。これも確かに手間ですが、 こうすることで、お客様は自分たちは大切にされていると思い、信頼度がアップします。 しかし、訪問することが大切と言って、それに何時間もかけていては、会社は成り立ちません。 この会社は、横浜市の栄区、桂台地区に工事を集中しています。 その理由は、短時間でアフターフォローが出来る。 つまり、時間という資源を有効に使うために地域密着であることを、 最大限活かしていると考えられます。
アフターフォローを考えると、会員になりDMが可能であれば、手を打てると思うのですが、 みなさんはいかがでしょうか。 もちろんDMは、新台案内ではなく、OtO-DMとよばれる関係づくりDMですが。
(4)地域のお客様のニーズに応える。
会社に横にさくらラウンジというコミュニティの場をつくる。
ラウンジで地域住民向け企画
①料理教室
②収納術セミナー
③絵画展
ラウンジを地域住民のために開放
実はこの会社、事務所の横にフリースペースを作り、地域の人を対象に、いろんなことをされています。 番組では、お客様の声からできた感じです。 地域の人と従業員が交流し、地域の人の要望を満たしていくようなスタイルに見えました。 コミュニティホールの7番目の交流を企画されているホールの方は、 立ち上げ経緯をこの会社から学ぶのも面白いのではないかと思います。
(5)お客様の交流会を持つ
お客様に「さくらクラブ」という交流&勉強会を持ち、 国内旅行や海外旅行、工場見学など、幅広い活動を行い、 お客様との信頼関係を深めています。
お客様とホールの交流会は、一部のホールではすでにされていることですが、 この会社の訪問先などは結構参考になると思います。
(6)お客様株主制度
1.株主総会がお客様との交流の場
2.会社経営の公開
お客様を株主にしているという会社が日本にあるとは正直驚きました。
アメリカの小売りで、お客様にどんどん株主になってもらい、
利益を配当で還元したり、商品価格の引き下げや購入者への商品券などにして、
還元している企業があることは知っていましたが、
日本にもそんなオープンな企業があることはしりませんでした。
これなら値引きをしない工事見積りも納得が行きやすいと思います。
そして、株主を毎年ホテルの招待して、交流会をするという企画は、
株主=お客様だけに、お客様に会社との一体感をかもし出し、共同体的な雰囲気を出していました。
■信頼関係を重視への価値観移行のきっかけ
・住宅業界にいたころ、販売した後、お客様から壁紙が剥がれたとクレームを受けた時、
上司に報告すると、そんなものは放っておけばよいと言われたことに対し、それはおかしいと感じたこと。
・どんなに安く使用が、信頼関係がないとものは売れないと、創業期に実感したこと。
■現在の取り組み
・リフォーム業界は、悪徳業者も多く、国民消費者センターへは、毎年6700件以上の相談が寄せられています。
そのため二宮社長は、良いリフォーム業者を育てることに力を入れています。
そのために地域のお客様との信頼の作り方を伝授して、業界自体の健全化を推進しています。
【コメント】この会社の素晴らしいところは、信頼を築くために必要なことはする。
逆に、それに反することは一切しないと決めていることです。
(1)の小口工事の中で、「5.の営業はしない」というのも、その表れで、
工事に行って、「〇〇も修繕をしてはいかがですか?」
と言った瞬間に、小口工事(=お客様の困りごとを解決する)という第一目的が、
崩れてしまい、『なんだこの人は、営業にために小口工事をしている』というように、
第一目的が営業と判断されてしまう。
お客様は会社のスタッフが、自分のためにしてくれることに対しては信頼をするけど、
会社やスタッフの利益を第一で動くことに対しては信頼しないことを良くご存知だからでしょう。
地域密着でこそできる小口工事対応に全力を尽くし、信頼関係を自然な形で築いていき、 無くてはならぬ存在となった典型的な事例と思います。
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