本当の地域密着店の作り方(実践編)

コミュニティマネジメント研究所

アイデアのタマゴ

 アイデアを生み出すきっかけ作り

◆お客様が喜ぶ「雨の日企画」を検討してみる。

 今年(2018年)の雨はバカにできません。バカにしていると酷い目に遭います。 実際、私は7月5日から始まった九州から近畿にわたる大雨で、電車、高速バスがみんな運休し、身動きが取れず、鳥取で連泊を余儀なくされている状態です。
 店舗運営は気象の影響を受けやすいのですが、皆さんの店舗では雨は集客に有利に働いているのでしょうか?不利に働いているのでしょうか。 雨が降ったら、ピンとくるものがあり、お客様が喜んで来店してくれる。そんな仕組みができれば悪くないと思います。

■最近、他業界でやっている雨の日サービス例

 雨の日は集客が鈍るので、何らかのサービスを付加して集客を考える所が出てきます。

〇サンシャイン60展望台
 雨の日は東京の空を飛ぶVRアトラクションが半額
<理由>雨の日は展望が悪くなるので、半額にしてお客様に来てもらう。 キレイな景色は見えなかったけど、VRで東京を見たから来たかいがあったと思ってもらえればということです。
<ポイント>雨の日の定義:前実の午後5時時点での翌日の降水確率が50%以上の場合に適用されます。

〇大丸東京店
 6月5日(2018年)なぜかミネラルウォーターを配布していました。
<目的>店舗の専門店が行う、後雨の日お得サービスのPRです。 例えば、靴の専門店なら「防水スプレー」を靴に吹き付ける。 紳士服専門店は、ズボンのアイロンプレスサービスをしてくれる。 化粧品の専門店は、頭皮の無料診断をして、シャンプーやコンディショナーの無料で配布をする。 など、協力店舗は20店舗ぐらいとのことです。
<ポイント>ここは期間限定で実施していました。 

■ホールの雨の日のお得サービスのタネを探す

 雨の日のサービスと言えば、多くのホールで行われている雨傘の無料貸出サービスですね。 雨をからお客様の動きを連想してみましょう。 この時役に立つのが、プロセス思考です。

 郊外店の場合は、車から降りて、傘をさすか、傘なしで走ってやってくる。 そうなると多少なりとも濡れるので、乾いた「タオル」を渡すと喜ばれるかもしれません。 濡れたことで臭いが気になるなら、「リセッシュ」のようなものがあると良いかもしれません。
 傘を無造作に置く人もいれば、良い傘なので手元に置きたいという人もいるでしょう。 傘が濡れていれば、自分が濡れないようにビニールなどの「傘入れ」が欲しくなるかもしれません。
 台を打つときには、手をふきたいと思えば「おしぼり」を渡すと喜ばれるかもしれませんね。
 また、靴が濡れているかもしれないと考えれば、外側は「ティッシュ」。 靴を乾かしたい人には、「乾燥剤」を渡すと良いかもしれません。 そうすると靴を脱ぐので代わりに「スリッパ」が要るかもしれません。

 帰りは「傘」を差して歩いて帰りたいと思うかもしれません。 また、雨が酷いと「ガラコ」のようなフロントガラスの視界を良くするものがあると助かると思うかもしれません。 また、車の中が曇るので、内側の窓を拭く「タオル」のようなものが欲しいと思うかもしれません。

☆アイデアタマゴ①

 お客様の一連の動きを観察するとサービスとして使えそうな商品があることに気づくと思います。 例として挙げた文章の中で、商品は何個でてきたでしょうか。「傘」などは既に用意しているかもれません。 「タオル」を置いているホールも良く見かけます。でも、それ以外にもまだまだ考えられることに気づいたのではなでしょうか。
 今度は自分の頭で、お客様の行動をシミュレーションしてみましょう。

■サービスの設計をする

 必要だからただ渡すのは問題です。 何も考えない人間は、渡せばよい、あげれば良いと思っています。 自分を振り返ればそうでないことに気づきます。 目的は何かといえば、ここの店舗は良い店舗だね。あるいは気が利くスタッフだねと思っていただくことです。

<見かける悪い例> 貸傘を風除室に置きっぱなしにしておく。しかも汚い。

アイデアタマゴ②

 今既にあるサービスでも、お客様から喜ばれているか、客観的に見る必要があります。 「提供している=喜んでいる」というのは、良くある錯覚です。 どういうタイミングで、どのように渡せば、お客様に一番喜んでももらえるかを考えて工夫すれば、 お客様の評価は高まります。

■一言

 雨サービスは、雨の日に行動したくないという人を行動させるという視点と、 雨の日の不快を何とかしたいというものに応えるという視点があります。 今回は後者を中心の話をしています。

 特に頭を使うべきはアイデアタマゴ②の部分で、同じことをしても評価は天と地に分かれます。 サービスをしているのに評価が落ちるのは、店長を含め役職者の能力不足と考え、改善ができると考えると良いと思います。 改善できればそれはある意味ノウハウです。そのノウハウは高値が付きます。
 オリエンタルランドがアメリカのディズニーランドに数十億以上の高額なロイヤリティを払っていることから、その価値がわかると思います。

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