本当の地域密着店の作り方(実践編)

コミュニティマネジメント研究所

アイデアのタマゴ

 アイデアを生み出すきっかけ作り

◆秋はスポーツの秋?

 食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋などといろいろと言われますが、みなさんはどの秋が一番しっくりくるでしょうか。

 昔は、10月10日は「体育の日」ということで祝日でした。 昭和40年から祝日と定められ、長い間親しまれてきました。 なぜ10月10日になった理由は、昭和38年10月10日に東京オリンピックの開会式を記念してとも言われています。 ということで、スポーツをイメージする人も多いのではないでしょうか。

 運動会と言えば秋でした。 今では、春に行う学校も増えてきており、秋=運動会というイメージは薄れつつあります。 しかし、秋に運動会をする学校もまだかなりあります。

 運動会の起源は、海軍の兵学校の学生が行った集団の体育訓練行事を学校教育に取り入れたのことによるものだそうです。 子供の体力を向上させるのが主な目的ですが、 幼稚園や小学校はイベント化されて、 お父さんやお母さん、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんが、みんなで子供や孫を見に行きます。

 それに便乗して、思い出を残しましょうと、 カメラやビデオカメラを新しく買いませんかと 家電メーカーや家電量販店が消費者に提案します。 スポーツメーカーは、新しいシューズや体操着などを提案するのが、いつものパターンです。

 お客様の中には、子供や孫がいる方も多く、会話の時に、運動会などについて面白い提案ができれば良いですよね。

 

■運動会などをネタにお客様との会話を進める

 保育園や幼稚園から小学校までの運動会の定番競技は、何と言ってもと『かけっこ』ではないでしょうか。
 誰でも参加でき、特に訓練もいらないということで、だいたい全員を走らせます。 小学校でモテるための第一条件と言われるのが、「足の速さ」です。 足の速い男子は、女の子からモテます。

 子供の『かけっこ』市場は伸びているようで、世の中に『かけっこ教室』というものがあるのですが、 6年間で約6倍の成長しています。
 親としても自分の子供が足が遅いよりは、早い方がいいに決まっています。 ビデオで子供や孫の運動会を記念に残そうとしたとき、 もう少し早く駆けることができたらと思っている人も多いかもしれません。 しかし、子供の足を速くするために、親や祖父母がついて指導するということは、なかなかできません。

☆アイデアタマゴ①

 そこで、少なくとも会話の中で、運動会などのキーワードが出てきたら、 お子さんやお孫さんの足を速くするグッズをお客様に提案する。 事前に、ホールにお客様が喜びそうなものを揃えておくことは、悪くないと思います。

 スポーツ用品メーカーのミズノから、足が速くなる補助をしてくれるグッズを販売しているのはご存知ですか? 玩具メーカーの(株)タカラトミーアーツと共同開発した商品です。 子供が腕に付けて、遊び感覚で走りの練習ができるように考えられたものです。

 ミズノの理論によると、速く走るためには脚力や足の回転に加え、正しい腕振りによる前方への推進力が必要なのだそうです。 そのためには肘の角度が90度になるように前後に大きく腕を振ることがポイントで、 これを的確におこなうことで、速く走れるようになるそうです。

 商品の名前は「ダッシュドライバーゼクー」と言います。価格は¥4,860 (本体価格¥4,500)です。 この値段なら、4円パチンコユーザーだけでなく、1円パチンコユーザーでも手が届きます。

 商品自体は、妖怪ウォッチみたいな感じの時計状になっています。
 本体に加速度センサーとサウンドプログラムを内蔵し、 前後に腕を振ることでヒーローが走っている時のような格好良い効果音が鳴ります。 正しく腕を振ればリズムよく音が鳴り、自分で腕振りの状態が分かるため、 音をリズム良く鳴らそうとしているうちに自然と腕振りが身につくというものです。

 みなさんのお子さんに試してみてから提案すると、会話も弾み関係づくりもいっそう促進されると思います。

 運動会が終わっていたらと心配する人もいますが、 『かけっこ』の遅いお子さんにとっては、運動会直後が一番何とかしたいとう思いを強くしている時期です。
 だから、お父さんとして、あるいはお祖父ちゃんとして、「こんど走る時のためにプレゼントしましょう」というのは、悪くないと思います。

参考資料:ミズノ:『ダッシュドライバーゼクー』

 

■運動会をネタに、写真やビデオ発表会を行う

 運動会で写真やビデオを撮る人は結構多いと思います。 それでは撮った後はどうしているのでしょうか?

 多くの方は、まず自分で撮れ具合を確認するために見る。 次に家族(子供や孫)と一緒に見る。 3回目はどうやって見るのかということになると、なかなか見る機会がない。 そんな感じではないでしょうか。

 ホールが地域のコミュニティホールというならば、地域の情報ということでは、 運動会の情報は貴重な地域情報です。 これを活かすことを考えるのは有ではないでしょうか。

☆アイデアタマゴ②

 まず考えるのが、お客様に対して、お孫さんやお子さんを撮影したビデオや写真を、 ホールや休憩室のテレビで流してみませんかという提案です。 タイトルを付けるとすれば「地域情報交流企画」ですね。

 応募本数にもよりますが、ビデオは編集して10分ぐらいなものに編集して、期間を決めて流す。 流すときには、あらかじめ番組表のようなものをつくり、 応募してもらった人に知らせるようにします。 そうすれば、応募した人がホールに来店する動機になります。 応募者が来店しやすいように、放映希望時間をあらかじめ聞いておくと良いでしょう。

 写真であれば、ベストショットということで、ホールの壁や休憩室の壁面に飾るのもよでしょう。 出展者にコメントを一言付けたもらうと、見る側も分かり易いと思います。

 もちろん、時間あれば写真データを加工して、フォトデジタルスタンドのような演出をしても良いかもしれません。 立ち止まって見続ける人は少ないと思いますが、地域に根差してる店舗という演出はできると思います。

 企画が終わった後は、参加者の方に対して、 ビデオの感想と、お礼を書いてお渡しすれば、関係づくりは進むと思います。

☆アイデアタマゴ③

 しかし、応募者が少ない、いないのではないかと思う場合はどうするのか。 人員の問題もありますが、自分たちが運動会にビデオを撮りに行くことです。

 地域情報と言うことで、近くの保育園や幼稚園、小学校など、 父兄が見学できる運動家をビデオで撮りに行って、ホールで流すようにすれば良いと思います。 保育園や小学校に関係者以外に行きにくい場合、正攻法は保育園や学校にコミュニティホールの趣旨をはなして、撮らせてもらう。

 もう一は、お客様の中に保育園等の父兄がいると思いますので、 その人に声を掛けて、ビデオスタッフのような感じで行き、 運動会の風景を撮りに行くことです。

 ビデオカメラを持っていない人もいるでしょうし、ビデオを撮るのがめんどくさいという人もいるでしょう。 その方の子供さんやお孫さんが映ったシーンを編集して差し上げれば、喜ばれると思います。

 撮った運動会のビデオは編集して、30分ぐらいにまとめて、ホールや休憩室で流す。 店内の告知も充実させて、お客様の子供さんやお孫さんが映っているかもと、 興味を持ってもらえれば、OKです。 スタッフにも運動会ネタで、会話をするようにすれば、さらに良いでしょう。

■一言

 地域の行事には、地域密着ということを掲げるなら、積極的に参加し、その状況をビデオなどに撮り、 お客様と情報を共有することは大切なことです。 お客様もビデオの中に自分がチラリと出て来るのは、悪い気はしないと思います。 それは、人が誰に一番関心を持つかと言われれば、「自分」だからです。
 言いたいことは、ビデオを撮りに行く場合は、なるべく多くのお客様を映すようにしておくと良いということです。 お客様の来店動機にもなり、会話のきっかけにもなる、そのうえ地域密着の演出ができます。

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