本当の地域密着店の作り方(実践編)

コミュニティマネジメント研究所

アイデアのタマゴ

 アイデアを生み出すきっかけ作り

◆3月のイベント・行事・記念日を活用する

 3月はようやく暖かくなってくるのかなという期待が膨らむ季節です。 暖かくなると活動的になるので、冬とは違う春らしさを感じたいと思う人が多いのではないでしょうか。 パチンコを手段(レジャー)として、人生を愉しく過ごしたいと考える人にとっては、とても大切なことです。 だから、それに応える演出をするのが、お客様へのおもてなしになると思います。

 ということで3月の行事等を活用して、お客様が来て良かったと思ってもらう取り組みをしていきましょう。 そして、この店舗は頑張っている、やる気がある、と思ってもらうことで、 お客様の期待感を高め、お客様の来店動機となる何かを作ることが大切です。 行事やイベントの情報は、詳しくはネット等で調べてもらうとして、そのきっかけになる主な行事などを掲載しておきます。

■3月の行事やイベントをネタにお客様の関心を引き出す!

<<3月のイベント、行事>>
  ・春の全国火災予防運動      (3月1日~7日)2023年
  ・桃の節句、ひな祭り       (3月3日)
  ・啓蟄けいちつの日(ひな人形を片付ける日)(3月6日)2023年
  ・ホワイトデー          (3月14日)
  ・彼岸の入り           (3月18日)2023年
  ・春分の日            (3月21日)2023年
  ・彼岸明け            (3月24日)2023年
 
  ・梅まつり
  ・桜まつり
  ・人事異動、転勤
  ・卒業式、新社会人
  ・入学、入園準備
  ・春の選抜高校野球        (3月18日~)2023年

 3月の大きな行事は、ひな祭りですが、2月にバレンタインデーを強調していると、 必然的にホワイトデーがメイン行事になると思います。 多くの小売業でも、バレンタインと関連してホワイトデーをすると予想されますので、やっている感はでると思います。

 この3月の特徴は、人の移動が起こることです。 つまり、環境の変化が起こるので、それに対応するための準備をする人が多いということです。 その人達を何らかの形で手助けしたり、応援することができれば、お客様も喜んでくれるはずです。

☆アイデアタマゴ①

◆ひな祭り

 3月の最初の行事として『ひな祭り』は全国的に知られた行事ですが、 イメージとしては、対象となるのは小さな女の子というような感じですね。 小さな女の子は店舗に来ないから、取り組んでもあまり受けないと考えることもできます。

 しかし、ホールには昔の女の子が来るから、懐かしさを味わってもらい、 来店動機につなげたいと考えることもできます。 いわゆるノスタルジー作戦というものです。

 また、こんな見方もできます。 最近のお父さんは、娘を溺愛する人が多い。 ホールに来るお客様の中にも、娘さんを持たれている方もいらっしゃる。 そういう人対して、娘さんが”ひな祭り”に際し、泣いて喜ぶ商品がホールにあると分かれば、どんなものか見てみたいと来店する気になるのではないでしょうか。 加えて、お祖父ちゃんも孫娘を可愛がる。 お客様の中にも孫娘がいる人を何人も知っている。 お父さんと同じように、お祖父ちゃんも反応するかもしれない。 そう考えると、『ひな祭り』企画として、1日から3日間、日替わりで女の子が喜ぶ景品を仕入る。 それを1週間前からPRして、来店を促すというのも悪くないかもしれません。
 もちろん景品は、人気商品ナンバー1の商品とか、新商品、話題性のあるものが、 お客様のこころを動かすので、頑張って探す必要があります。 そういう努力も併せてお客様へメッセージとして伝えることで、 お客様との信頼関係が進みます。

 やはりお客様を巻き込みたいと言うことであれば、 『ひな祭り写真コンテスト』のようなものを企画するのはいかがでしょうか? 中身は、自分の家の雛人形を写真に撮るというのが基本ですが、 百貨店なので飾られている雛人形でも良いと思います。 写真をどのようにとるかが問題なので、家にある雛人形にとらわれる必要はないと思います。 表情豊かに、部分アップでも面白いと思います。

 お客様に何かの賞を上げたいなら、部門を作って部門賞を作るのも悪くないと思います。 例えば、「インスタ映え賞」「ユニーク賞」「雅賞」「かわいさ賞」などいろいろ作ればよいと思います。 歴史のある街では、江戸時代や室町時代以前の雛人形をもっている方もおられるかもしれません。 地域の興味深い歴史を発見ができるまもしれません。

 雛人形は啓蟄(けいちつ)の日に片付けるものらしいので、 コンテスト写真の撤収は、3月6日が今年の啓蟄の日なので片付けるのが良いかもしれません。 昔は、雛人形をさっさと片付けないと婚期が遅れると言われていました。 雛人形を片付ける時期を知らない人もおられるかもしれないので、 コミュニティ掲示板に由来を書いておくのも悪くないと思います。

 『ひな祭り』だけを考えてもいろんな企画が出てきます。 行事を見て、何もしないということもできますし、 発想を広げていろんな企画をつくることもできます。
 何もしない店舗に対してやる気を感じるためには、出玉や新台入替の多さでしょうが、 いろいろな企画をして頑張りをアピールすると、店舗のやる気を直接感じ、 お客様も愉しいと思い、やる気がでると思います。

◆梅まつり(追加更新)

 3月に入ると梅が咲き始めます。梅が咲くと春が近いと実感します。 ホールに季節感を出すのに格好の題材と言えます。 梅の名所は結構あり、各地で「梅まつり」などを開催しています。 行ってみるとシニアの方が沢山いらっしゃいます。 その多くの方が一眼レフを持ち、キレイな梅の花の写真を撮る気満々です。

 近くに梅の名所があれば、ホールで案内するのはどうでしょうか。 もし、高齢者のお客様の中には、奥さんへのサービスをおろそかにしている方もいらっしゃるかもしれません、 そんな方に「梅まつり」に行きませんかと、コミュニティ掲示板で案内するのはどうでしょうか。
 そして、店内で「梅の写真を募集する」してどうでしょう。 せっかく行くので写真を撮られる方が多い、その方に写真を展示しますので、応募しませんかと声を掛けるのは、 再来店を促す理由になり、写真をお持ちいただいたら話しを聞くことで、コミュニケーションを深めることができます。 もしかしたら、夫からサービスを受けた奥さんは、気持ちよくパチンコ店にいく夫を送り出してくれるかもしれません。

 お客様も喜び、その家族の方も喜ぶ。 同時にスタッフとコミュニケーションも図れるというこことで、みんな良しの企画になる可能性は高いと思います。
 課題としては、写真の募集方法で、スタッフの手間をかけずに簡単に応募できるやり方を確立することでしょう。 一眼レフなどのデータで受ける場合と、スマホの写真は別にしても良いかもしれません。 いろんなものを受け入れると、スタッフが大変になり、コミュニケーションどころでなくなると、 本末転倒になるので要注意です。

◆ホワイトデー

 ホワイトデーもただクッキーと言うよりも、 義理チョコをもらった多くの人は、何を返せばよいか迷っているのではないか。 でも迷っている時間はもったいないので、誰かが面白い提案をしてくれるのを本当は望んでいるに違いない。 と仮説を立てて、多くの男性の悩み解決をしてあげれば、喜ばれるのではないでしょうか。
 そうなるとクッキーはただの手段なので、もっと面白い手段を探すことができ、他は提案しないものを発見するかもしれません。 もちろん、スタッフは大変で苦労しますが、それを伝えることで、お客様との関係が作られていくという コミュニティホールの十分条件の第3項目を満たすことができます。

◆彼岸

 春分の日も「彼岸の入り」と「彼岸明け」までを考えると、7日間のお墓参りキャンペーン期間ととらえることができます。 高齢者の方は、彼岸を大切にされると思いますので、お墓参りの便利グッズを揃えたりするのも良いかもしれません。 もちろん、地域の和菓子屋さんとコラボして牡丹餅を取り扱うことも悪くないと思います。
 例えば、牡丹餅はあまり日持ちしません。 そこで、もし和菓子屋さんが夜の8時で閉まるのであれば、ホールに持ってきてもらい景品として出すことも可能だと思います。 もちろん課題もあるとは思いますが、食品廃棄の問題を考えると、社会的な意義はあると思います。

◆春の選抜高校野球(追加)

 2019年は3月23日から選抜高校野球大会が始まりました。 夏の甲子園とは違い、各県の代表が出るわけではありませんが、地元の高校が出ている時は、地元密着を目指す店舗としては応援したいものです。 勝っている場合はなおさらです。 なぜなら、「連合の原理」というものが働き、地元の人は選手に対して親近感はアップしているからです。 だから、出場校を応援すること自体が、地元のお客様の気分を良くします。 逆に応援しないと、応援している人からは、地元に関心のない酷い店舗と思わせる危険があります。
 応援のために試合の組み合わせ表を置いたり、試合当日には、試合があることが分かるような掲示をしておくことです。 休憩室にテレビのあるところでは、アナウンスで放送をしていますと言うこともできます。 同じように試合に勝った場合は、その旨をアナウンスするのも良いでしょう。
 お客様の中にもしかしたら同じ高校の出身者や子供や孫が通っているというケースもあります。 高校野球に関心を寄せることは、大切なイベントだと思います。

■3月の記念日等をネタにお客様の関心を引き出す!

<<3月の記念日>>
  ・行進曲の日        (3月1日)
  ・ミニの日         (3月2日)
  ・耳の日          (3月3日)
  ・サンゴの日        (3月5日)
  ・世界一周記念日      (3月6日)
  ・消防記念日        (3月7日)
  ・サウナの日        (3月7日)
  ・国際女性の日、みつばちの日(3月8日)
  ・感謝の日         (3月9日)
  ・東日本大震災の日     (3月11日)
  ・スイーツの日       (3月12日)
  ・オリーブの日       (3月15日)
  ・ミュージックの日     (3月19日)
  ・国際幸福デー(幸福の日) (3月20日)
  ・サブレの日        (3月20日)
  ・世界水の日        (3月22日)
  ・ホスピタリティ・デー   (3月24日)
  ・散歩にゴーの日      (3月25日)
  ・さくらの日        (3月27日)

☆アイデアタマゴ②

 人は何かをするとき、理由を求めます。 人は行動を起こす理由があると思い、無いと別の理由を探そうとします。 これをホールに当てはめると、理由があって行うキャンペーンなどの活動は、違和感を持たれませんが、 何も理由がないキャンペーンは、おかしいと思われます。 それどころか、これは何か理由を隠していると勘ぐられ、適当な理由をつけられてしまいます。 良い理由を付けられるのであれば問題ないのですが、 大抵は悪く理由を付けられます。

 だから、『〇〇の日』があるのは助かるのです。 例えば、「3月5日は『サンゴの日』なので、海を強化しています」と言えば、 そうなのかと強化していることを疑いません。 そういう企画もあるだろうと納得します。

 20日総付けとして「サブレ」を配っても、「今日はサブレの日です。だからサブレを総付けします」と言えば、 誰もが違和感がないと思います。
 また、20日は、国連が定めた国際幸福デー(ハピネスデー、幸福の日)です。 この日を記念して数日後に国別幸福度ランキングが発表されます。 日本は2019年は58位ですが、こういうモノをコミュニティ掲示板に情報として貼り出すも悪くないと思います。 このランキングは6つの基準をポイント化してつけますが、その中に「健康な平均寿命」というものがあり、 この個別ランクは話がしやすく、チェックして話題にするのも良いと思います。

 27日はサクラの日なので、『さくら写真コンテスト』も悪くありません。 お客様の多くは桜の花を見に行くと思います。 その時の桜を写真に撮って店に持ってきてもらう。 桜は開花時期が全国バラバラなので、いつから始めるかは一概に言えませんが、 三分咲きぐらいから始めてはどうでしょうか。
 とは言っても桜は誰もが愛でるので、桜企画をするのを不審に思う人は無いと思います。 27日はサクラの日いうことで、改めて写真の応募を募るという利用方法があるかもしれません。

 3月は接客・サービスに関係する記念日としては、9日に「感謝の日」と24日に「ホスピタリディー」があります。 これらの日に新サービスを出して、「感謝の証」としたり、「ホスピタリディーの強化の日」とすることができます。 記念日に協賛してやるので、周囲の人から見ても納得感があります。 それぞれの記念日が作られた理由などを説明しながら企画を実行することがポイントでしょう。

◆東日本大震災の日

 3月の中で特に取り上げてもらいたい日は、3月11日の東日本大震災の日です。
 この時の津波の映像は頭の中に残っていますし、その時に人と人との助け合いや絆の大切さを実感した日でもあります。 私はその時栃木県で、ホールの店長と打合せをしていたのですが、突然の揺れと停電を経験し、 電気の来ないホールで、クライアントのホールのメンバーと一晩過ごしました。とても寒かったと記憶しています。
 日本は自然災害が多く、人は助け合う必要があります。 その助け合いのベースがあれば、もっと助け合いがしやすく、防災にも役に立つのではないかと考えたのがコミュニティ作りです。
 パチンコ店が大人の社交場になることで、コミュニティを作り、何かの時に助け合いを行うことができれば素晴らしい。 そして、その機能は地域に必要なので、ホール自体が無くてはならない存在になると考えたのです。 それはホール運営に携わっている人に、業界に対する誇りを持ってもらうきっかけになると思っています。
 ですから、この日は自然に災害に注意を喚起する何らかの企画をして欲しいと思っています。 具体的に言えば、防災グッズの景品企画でもいいですし、防災食料品の試食会でいいと思います。 何がしか企画をすることで、パチンコホールは地域の安全と安心に貢献しているという基本姿勢を見せることが大切です。 特にコミュニティホールをされている店舗は何かをしていただくことで、お客様のコミュニティへ取り組みについての理解も得やすいのではないかと考えます。

■一言

 何度も書きますが、イベント、行事や記念日から自由な発想というか連想を広げることがポイントです。 もちろん、立てた企画がお客様にとって魅力的になっていたのか、自分の立てた仮説を明確にし、実施後に検証していくことが大切です。 検証していくことで、毎年毎年、より高度な企画の立案や巧みな運営ができるようになるでしょう。 それが会社のノウハウとなり、個人の能力アップにつながると思います。

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