本当の地域密着店の作り方(実践編)

コミュニティマネジメント研究所

アイデアのタマゴ

 アイデアを生み出すきっかけ作り

◆7月のイベント・行事・記念日を活用する

 7月は日が長くなり、暑さも本格的になってきます。 しかしその前に梅雨明けが何時頃になるか気になるところです。 毎年のように豪雨になる地域があるので、雨に対する警戒は意識しておく必要があります。 猛暑になるかどうかは気象庁の長期予報を見ながら、押さえて置く必要があります。
 個人の消費に影響を及ぼす自然環境は、梅雨の長さ、暑さと日の長さです。 社会環境は、働き改革とボーナスの支給ですね。 不快が続くと気分転換を図りたいという人も増えるので、梅雨の長さや暑さはプラスに働く要素になります。 もちろん無条件でプラスというわけではありません。 梅雨の不快を除くサービスをしているとか、暑さを配慮したサービスをしているなどの気遣いが店舗にあることが大前提です。 日の長さは、働いている人の行動意欲を積極的に後押ししますので、プラス要素です。
 働き方改革で残業が減り帰りが早くなるのはプラス要因ですが、残業代が減るのはマイナス要因です。 ボーナスの支給自体はブラス要因ですが、働き改革で残業を減らした分の上乗せがあれば、さらにプラスとなるでしょう。 逆に残業を減らしてもボーナスの反映しない会社では、お客様の財布の引き締め感が強くなる恐れもあります。

 ダンダン暑くなってくると、仕事が億劫になり、気分転換をしたいという気持ちが出てきます。 8月の盆休みまでは頑張る必要があるので、ホールが気分転換の場所になると良いのではないでしょうか。 もちろん、定年後何もしていない人に対しては、 一日中家にいるよりも、パチンコ店のような大きな空間にいる方が愉しいし、自分のためになると感じてもらうことが必要です。
 お客様にとって来たくなるような場所になるように、行事やイベントの活用を考えてはいかがでしょうか。 詳しくはネット等で調べてもらうとして、そのきっかけになる主な行事などを掲載しておきます。

■7月の行事やイベントをネタにお客様の関心を引き出す!

 まず全体を俯瞰して、7月はどのような月になるのかを把握してみましょう。 7月の行事ですが、場合によっては6月から仕掛けが必要になることもあります。 少なくとも毎週ホールに来たいと思うためには、どのタイミングでどんなことをすべきかをざっくりと思い描いてみると、 お客様をもてなす流れができるのではないでしょうか。

<<7月のイベント、行事>>
  ・海開き・山開き         (7月1日)
  ・七夕,七夕の節句        (7月7日)
  ・サマーバレンタインデー     (7月7日)
  ・小暑(しょうしょ)       (7月7日)2023年
  ・盆,盂蘭盆会、中元       (7月15日)
  ・海の日             (7月17日)2023年
  ・大暑(たいしょ)        (7月23日)2023年
  ・地蔵盆,地蔵会         (7月24日)
  ・土用の丑の日          (7月30日)2023年

  ・お中元
  ・社会を明るくする運動全国強調月間
  ・梅雨明け (7月上旬~中旬頃)
  ・夏休み開始 
  ・夏祭り、花火大会 (7月上旬~)
  ・夏の甲子園 県予選大会 (2023年)

☆アイデアタマゴ①

 7月のイベント行事を見て、活用できそうなものはありますでしょうか? 海を強化しているホールでは、1日に海開きは海を訴求できる行事なので、活用しようと考えるのではないでしょうか。 ちょうど7月は海の日(7月第3日曜日)もあるので、 そう言う行事を積極的に取り上げることで、海を打ってもらいたいという思いを伝えることができます。 まずは海に関する情報の提供でしょう。
 次の段階が海に関する景品の仕入れですね。 海と言うことでは海水浴を思い浮かべる人もいますし、魚釣りを連想する人もいるでしょう。 そういうものの関連グッズを仕入れるのも一つですし、海産物も良いかもしれません。 もっとストレートに塩をテーマに、美味しい塩を仕入れて紹介することもできます。
 さらに段階を進めると海洋問題を考える企画をしても良いと思います。 海洋プラスチックの問題を取り上げて、ワゴンサービスで使用するストローは紙製品に変えたり、 景品に紙製のストローを置いたりするのも悪くないと思います。

<七夕>

 季節感を演出する最大のイベントは7月7日の『七夕』でしょう。 それは一般的な小売店なども七夕に向けて商戦を行うので、地域全体としての盛り上がりがあるからですね。 ホールの中には、竹を切ってきて短冊をつるせるようして、何かを書いてもらうところもあると思います。 ショッピングモールや商店街、空港でも見かけるので、一工夫することで、独自の面白さを演出する必要があるでしょう。

 七夕と言えば織姫と彦星、それに天の川です。 そこから星を見ようということで、景品に天体望遠鏡を選んでも悪くないと思います。 そう言えば鳥取県は、「星取県」ということで、県外から観光客を誘致しようとしています。 夜空がきれいに見えるので、そういうキャンペーンをしているのでしょう。 他の県でも星がきれいに見える所は多いと思いますので、天体望遠鏡や双眼鏡はおススメです。
 でも星に興味の無い方には、ちょっとマイナーですが、 織姫と彦星の恋物語から『サマーバレンタインデー』を提案するのはどうでしょう。 例えば、健康に良いカカオが70%以上あるチョコレートを冷やして奥さんと一緒に食べるというのはどうでしょうか。

<高校野球> 

 地域密着の店舗として地域と一体になるということでは、定番の行事である夏の高校野球の応援は有効な手段となります。 8月に入ると夏の甲子園大会ということで、地元の高校を応援するホールをよく見かけます。 野球好きのお客様もまだまだ多く、休憩の時には休憩室のテレビで高校野球を観戦している人もよく見かけます。
 もし、地元の高校を応援することで、お客様とスタッフのコミュニケーションを促進させることを企画するなら、 県大会から情報を提供し、8月の甲子園大会の布石を打っておきたいものです。 お客様の関心を集めるように、県下の高校の野球部についての情報をボードで掲示したり、 甲子園に行く高校を予想したり、応援高校のアンケートをとるなど、 いろんなことをしても愉しいと思います。
 甲子園は8月の21日ぐらいまであるので、お盆以降も甲子園の話題で盛り上り、来店して一緒に応援もらえれば、 盆明け以降の落ち込みの対策になるかもしれません。

<土用の丑の日>

 7月の後半の有名な行事は『土用の丑の日』です。 一般的にウナギを食べることになっていますが、 これは江戸時代にウナギ屋さんから夏の売上の落ち込みを何とかしたいと頼まれた平賀源内が行った宣伝が定着したものなので、 夏負けしないものであれば、何を提案しても良いのではないかと考えることができます。 ちなみに、丑の日だけに「う」のつくものが良いとされ、例えば、うどん・ウリ・梅干し・ウサギ・馬肉(ウマ)・牛肉(ウシ) がウナギ以外におススメになっているようです。
 現代であれば、ウナギの栄養素を分解し、特に夏バテに効きそうなものを揃えてお勧めするという手もあります。 普通の食料品でも良いでしょうし、サプリメントもありかもしれません。 健康ホールを考えているところであれば、丑の日にちなんだいろんな企画ができると思います。

<海の日>

 海物語の人気は高く、多くのホールで定番機種として活用されています。 ということで多くのホールでこの『海の日』を海物語の活性化イベントと位置付けて、販促をしているホールを見かけます。
 確かにマンネリ感はありますが、条件反射的に海好きのお客様は反応してくれます。 だから、いい加減にやるホールと、だから気合を入れてやるホールに分かれます。 お客様はバカではないので、店舗のスタッフを見ればどのような取り組み姿勢か分かります。 類友の法則で、自分に合ったお客様が来ることになります。 客質の良さは店格につながるので、海の日企画をするなら、ただの集客ではなく、 ”良質の海客を集める”など目的を鮮明にすると、また新たなアイデアがでてくるかもしれませんよ。

■7月の記念日等をネタにお客様の関心を引き出す!

 記念日は有名なものよりも、あまり知られていないものが多いと思います。 ということはそれを活用する場合、記念日の由来などもお客様に伝えないと、楽しさは伝わりません。 スタッフのコミュニケーション力をアップさせるために、スタッフから口頭で伝えさせるのも一つの手だと思います。

<<7月の記念日>>
  ・国民安全の日          (7月1日)
  ・蛸の日             (7月2日)
  ・波の日             (7月3日)
  ・梨の日、那須の日        (7月4日)
  ・サラダ記念日          (7月6日)
  ・ゆかたの日、乾麺デー      (7月7日)
  ・ウルトラマンの日、潤滑油の日  (7月10日)
  ・真珠記念日           (7月11日)
  ・人間ドックの日         (7月12日)
  ・オカルト記念日         (7月13日)
  ・漫画の日            (7月19日)
  ・劇画の日            (7月24日)
  ・最高気温記念日         (7月25日)
  ・幽霊の日            (7月26日)
  ・スイカの日           (7月27日)
  ・福神漬の日           (7月29日)
  ・梅干の日            (7月30日)

☆アイデアタマゴ②

 遊技台の育成で使えそうな記念日は、『蛸の日』『波の日』『真珠の日』が海に関係があるので、海物語の強化に使えそうです。 『ウルトラマンの日』はもろにウルトラマン関係の台の強化演出に使えそうです。 『オカルト記念日』や『幽霊の日』はホラーやあの世関係ですので、「リング」や「地獄少女」などの台の育成に使うことができます。 『漫画の日』『劇画の日』は「北斗の拳」をはじめとする漫画になっていたものなら該当しそうです。 特定台は押せないので、記念日にちなんだ遊技台の紹介というスタイルですね。

 食に関係するモノとして『蛸の日』『梨の日』『那須の日』『乾麺デー』『スイカの日』『福神漬けの日』『梅干の日』と結構あります。 景品仕入をして、販促をかけるに利用できます。 記念日になっている食品そのものを仕入れても良いし、その加工食品でもよいと思います。 「蛸」だからたこ焼き屋台を呼ぶのも悪くないと思います。 また、福神漬けならカレーの提案と合わせるのも自然な感じと思います。
 もし、景品で集客を行う場合は、話題性や希少性があるものに限られるので、 世の中の流行やニュースに敏感になっておくことが必要でしょう。

 ホールが健康に力を入れているなら、『人間ドックの日』の前後で健康診断の必要性を訴えて、 お客様に人間ドックをオススメするのも悪くないでしょう。 また、『最高気温記念日』では、熱中症の予防や暑さ対策の景品を仕入れるなどで、体調管理の重要性を訴求することができます。

 ※参考資料:◆お客様が喜ぶ「暑い日企画」を考えてみる。

 7月6日は『サラダ記念日』ということになったのは、歌人の俵万智が1987年に出した歌集『サラダ記念日』に由来しています。

      この味がいいねと君が言ったから
            七月六日はサラダ記念日
                        ― 俵万智 ―

 これがきっかけで短歌ブームが起きました。 昔のことなのでホールの皆さんは知らない人が多いと思いますが、高齢の方は知っています。 そこで、ホールで短歌や俳句、川柳などを募集するのはいかがでしょうか。 「令和」の由来が万葉集からきているので、和歌や短歌に注目が集まっています。
 テーマは「自由」でもいいですし、「遊技台」でも面白いと思います。 「パチンコという遊び」というテーマで、お客様の独自の遊び観が出てくると楽しいと思います。 コンテスト形式にすると評価が問題となりますので、それなりの知識が要求されます。 だから、ただの募集で十分ではないでしょうか。
 当然、お客様層にもよりますが、高齢のお客様の中には案外インテリな人もおられるので、一度やってみる価値はあると思います。 これはコミュニティホール向けの企画なので、1年に一度くらいあっても悪くないと思います。

■7月のオススメ季節性企画!

 ニュースなどで何度も取り上げられる可能性が高いキーワードを含んだ企画です。 世の中の流れがあるので、お客様が共感して参加してくれる確率が高まります。

〇七夕企画
  関連資料:「七夕」を利用して来店ネタを作りあげる!

〇海の日企画

〇猛暑対策企画
  関連資料:お客様が喜ぶ「暑い日企画」を考えてみる

〇雨対策企画
  関連資料:お客様が喜ぶ「雨の日企画」を検討してみる

〇熱中症対策企画
  関連資料:お客様のために熱中症対策企画

〇車内子供放置防止キャンペーン

■一言

 記念日の利用した企画は、その日しかできないと言うことはありません。 記念日の当日を最終日、あるいは出発として、何日か幅を持たせると効果を出しやすくなります。 企画の目的や目標を明確にして、それを達成するためのストーリーを描くことが大切です。
 企画の目的が再来店をさせるなら、どのようなステップを入れると再来店を促しやすくなるのか。 或いは、お客様との関係づくりが目的であるなら、どのようなツールを使いべきなのか。 同じように特定機種を打たせたいなら、お客様に何をポイントに情報を伝えるべきなのか。 いろいろ考えると出て来るものです。 記念日活用は頭のトレーニングになりますので、頑張って考えてみて下さい。

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