本当の地域密着店の作り方(実践編)

コミュニティマネジメント研究所

アイデアのタマゴ

 アイデアを生み出すきっかけ作り

◆9月のイベント・行事・記念日を活用する

 9月に入ると秋の声という感じになる人が多いと思います。 それは、小売業界などは一斉に秋物の販売を強化し、その他の業界でも季節の変わり目を利用しての販促に乗り出します。 でも、実際の気候は残暑が続き、とても秋というよりまだまだ夏の延長のような感じです。 ホールとしては残暑に対応したサービスをしつつも、 変化を演出するために季節感を取り入れた雰囲気を店舗の中で演出したいところです。
 そして9月も彼岸を過ぎると日が短くなってきていると実感できるので、 景品イベントなどで秋を演出するのも悪くないと思います。

 また9月は防災を意識する月でもあるので、地域の人と防災意識を高める活動も必要でしょう。 特に台風の発生が頻発している場合は、ホールから災害対策の提案を積極的にすることで、 地域の安全安心を啓蒙していくことは大切なことだと思います。
 お客様にとって来ると気づきがあるような場所になるように、行事やイベントを組み立てるのがお勧めです。 詳しくはネット等で調べてもらうとして、そのきっかけになる主な行事などを掲載しておきます。

■9月の行事やイベントをネタにお客様の関心を引き出す!

 まず9月とはどのような月なのでしょうか。 8月は夏でもあり、お盆休みなどの長期の闇もある。 家族がおられる方は、家庭サービスで疲れを溜めているかもしれません。 夏バテして体調がまだという人も多いと思います。 でも心の中では意識を切り替えて9月を充実させたいと思っているお客様も多いと思います。 そういう人の気持ちを後押して、賛同を得られるような来店動機を作る必要があります。

<<9月のイベント、行事>>
  ・防災の日            (9月1日)2023年 関東大震災100年
  ・重陽の節句           (9月9日)
  ・敬老の日(第3月曜日)     (9月18日)2023年
  ・彼岸の入り日          (9月20日)2023年
  ・秋分の日            (9月23日)2023年
  ・彼岸明け            (9月26日)2023年 
  ・中秋の名月           (9月29日)2023年

  ・秋の全国交通安全運動    9月21日~9月30日(2023年)
  ・健康増進普及月間      9月
  ・がん制圧月間        9月
  ・始業式
  ・秋祭り
  ・運動会
  ・味覚狩り
  ・秋の花粉症         8月~10月

☆アイデアタマゴ①

 9月の課題は、お盆以降の稼働の減少を一気に解消することです。 そのためには、お客様が店舗に来るきっかけを与える必要があります。 そのためには取り組む記念日や面白イベントを本気でやることが必要です。 自分の中で、是非この企画に来てもらいたいという気持ちが湧くまで、考え抜くことです。

<防災の日>

 1923年9月1日午前11時28分に発生した関東大震災の死者行方不明者14万人以上とされる惨事を教訓として、 防災の意識を高めるために政府が1960年に制定し、毎年全国で防災訓練が行われます。 本命は地震対策でしょうが、7月~9月にかけて梅雨や台風などでゲリラ豪雨が発生しやすくなっています。 したがって、万一に備えての防災グッズの紹介は、地域の人への注意喚起にもなり定番企画と言えるでしょう。 そして防災グッズもどんどん新製品がでていますので、紹介するのは喜ばれるのではないでしょうか。

 気を付ける点としては、9月1日に力を入れるなら、少なくとも1週間前から呼び込みをかける必要があるので、 8月の下旬までに準備をして、ピーアールをする必要があるでしょう。 恐らくNHKなどもテレビで防災意識を高めようとするので、そういうものを利用することも考えておくと良いでしょう。
 今年(2023年)は特に関東大震災から100年という節目ですので、いろいろなイベント企画がされると思います。 地域で参加できるものは積極的に参加し、店舗の防災意識の高さを地域の人に知ってもらいましょう。

<重陽の節句>

 「重陽」とは9月9日にあたり、菊に長寿を祈る日です。陽(奇数)が重なる日そして、奇数の中でも一番大きな数字という意味で重陽といわれています。 日本では奈良時代から宮中や寺院で菊を観賞する宴が行われています。 「節句」とは季節の変わり目に、無病息災、子孫繁栄、五穀豊穣等を願い、お供え物をしたりして邪気を祓う行事です。
 五節句とは日本では古来より奇数は縁起のいい要数、偶数は縁起が悪い因数と勘は得られており、 その縁起の良い奇数が連なる日をお祝いにしたのが、五節句の始まりとのことです。 ゾロ目は縁起が良いという考え方は昔からあり、パチンコもそれを取り入れているのかもしれませんね。

 江戸時代には節句を式日(祝日)としていたそうで、その季節にまつわる植物の名前で呼ばれることもあります。
  1月7日:「人日(じんじつ)の節句」  ⇒「七草の節句」
  3月3日:「上巳(じょうし)の節句」  ⇒「桃の節句」
  5月5日:「端午(たんご)の節句」   ⇒「菖蒲の節句」
  7月7日:「七夕(たなばた)の節句」  ⇒「笹の節句」
  9月9日:「重陽(ちょうよう)の節句」 ⇒「菊の節句」
 ※9月9日は数字の最も大きな陽数が重なるので、「重陽」と呼ばれています。

 重陽の節句の催しとして密かに注目されている風習に「後の雛(のちのひな)」というものがあるそうです。 江戸時代の頃に庶民の間で広まった風習で、桃の節句に飾った雛人形を半年後の重陽に虫干しも兼ねて飾り、 健康や長寿、厄除けを願っていたというものです。 雛人形に添える花は菊なので、華やかな中にも大人の落ち着きのある菊の雰囲気から「大人の雛祭り」とも言われていたそうです。 単なる虫干しは結構手間ですが、健康や長寿の儀式とすると、面倒だからやりたくないから、 家族を幸せにしたいからしようという発想に変わると思います。 心理学などで言われるリフレームですね。

 重陽の節句はゾロ目なので、注目を集めやすいと思います。 縁起が良いので由来をお客様に紹介しても悪くないと思います。 しかし、これだけではインパクトは弱いので、何か違うイベント絡ませる必要があるでしょう。

<敬老の日>

 敬老の日は、 「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、 長寿を祝う」国民の祝日です。 ホールにもよりますが、高齢者の方がたくさん来られている店舗は多いと思います。 しかし、敬老の日の祝い方は難しいとよく聞きます。 それは高齢者は年寄り扱いをするのを嫌うからです。 それは、今の高齢者の方の意識年齢は10歳ぐらい若く、還暦や古希と言ってもピンとこないからです。 おそらくピント来る方はパチンコ店には来ていないのかもしれませんね。 だからこそ、気持ちの良い敬老の仕方を開発することが求められているのではないでしょうか。

●長寿のお祝い
 60歳 還暦(かんれき): 60年で干支がひと回りし生まれた年の暦に戻ることから
 70歳 古希(こき)  : 杜甫の詩の「人生七十古来稀(こらいまれなり)」から
 77歳 喜寿(きじゅ) :「喜」の草書体は「七」が3つで「七十七」に見えることから
 80歳 傘寿(さんじゅ):「傘」の略字が「八十」と読めることから
 88歳 米寿(べいじゅ):「米」の字を分解すると「八十八」になることから
 90歳 卒寿(そつじゅ);「卒」の略字が「九十」と読めることから
 99歳 白寿(はくじゅ):「百」から「一」をとると「白」になることから

 他業界を見ると焼肉屋さんが、年齢により食べ放題の料金を変えていますが、それを積極的に利用する人も多いようです。 ホール言えば、年齢によりワゴンサービス料金が安くなるようなものでしょう。 これを敬老の日限定として特典とするのもいいかもしれませんね。

<秋の味覚狩り>

 秋は食べ物がおいしくなり、いろいろな食材の収穫時期となります。 お店でいろいろな旬の食材を買って食べるのも美味しいですが、 実際に収穫して食べるのは格別なものがあります。 そこでお客様を集めて一緒に味覚狩りに行くという体験ツアーを考えても悪くないと思います。 あるいはスタッフと行って景品の仕入れにすることもできます。 「私たちが行って美味しい〇〇をとってきました」ということで、景品に出すのも悪くないと思います。 参考までにじゃらんの秋の味覚狩りランキング(2019年)を出しておきます。

   1位 梨、洋ナシ    6位 サツマイモ
   2位 ブドウ      7位 シイタケ
   3位 ミカン      8位 柿
   4位 リンゴ      9位 イチジク
   5位 栗        10位 落花生

 自店の近くにどのような味覚狩りがあるか調べておきましょう。 プランは集客方法から収穫後の演出までトータルで考えることで、より有効なコミュニティ施策となるでしょう。

<秋分の日>

「春分の日」「秋分の日」には、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。 祝日法では、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされ、秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ」日とされています。
 「春分の日」と「秋分の日」を中心とした、それぞれ前後3日間の計7日間が「彼岸」です。 春分の日・秋分の日を「彼岸の中日」といい、彼岸の初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸の明け」といいます。 現世と来世の境を川にたとえ、煩悩の多い現世を川のこちらの岸「此岸(しがん)」、悟りの境地である来世を川の向こう岸「彼岸」と呼びます。
 一般の家庭でもお仏壇を清め、お供えをして、ご先祖様のお墓参りに行きます。 お彼岸は、他国には見られない日本独自の仏教行事です。

【 秋彼岸 】 
 9月20日(水):彼岸入り
 9月23日(土):彼岸の中日(=秋分の日。祝日)
 9月26日(火):彼岸明け

 昔から運を上昇させる行いとして、「お墓の掃除をする」というものがあります。 地方ではお彼岸にはお墓参りに行く人が多いのではないでしょうか。 勝負事では運は欠かせないものです。 『お墓の掃除を応援するキャンペーン』をして、お墓に行ってきた方には、 開運ドリンクとして、新しいドリンクメニューの試飲に参加してもらうというのはどうでしょうか? 最近、機能性表示食品がいろいろ出てきています。 新メニューをお客様と一緒に見つけるということで、それらを試す機会をアレンジしてはいかがですか。

■9月の記念日等をネタにお客様の関心を引き出す!

 9月の記念日はパチンコに直接関係があるものは少なく、少しひねりを効かせた企画が必要でしょう。 ただ、コミュニティホールとして地域貢献や社会貢献を打ち出している店舗では、 利用できる日がそこそこあると思います。

<<9月の記念日>>
  ・防災用品点検の日          (9月1日)
  ・宝くじの日             (9月2日)
  ・ホームラン記念日          (9月3日)
  ・救急の日              (9月9日)
  ・警察相談の日            (9月11日)
  ・マラソンの日、宇宙の日       (9月12日)
  ・セプテンバーバレンタイン      (9月14日)
  ・オゾン層保護のための国際デー    (9月16日)
  ・キュートな日,キュートナーの日   (9月17日)
  ・苗字の日              (9月19日)
  ・空の日               (9月20日)
  ・世界アルツハイマーデー       (9月21日)
  ・国際ビーチクリーンアップデー    (9月22日)
  ・清掃の日              (9月24日)
  ・主婦休みの日            (9月25日)
  ・招き猫の日、洋菓子の日       (9月29日)
  ・交通事故死ゼロを目指す日      (9月30日)

☆アイデアタマゴ②

 ホールが地域活動や社会貢献活動に力を入れている、あるいは入れようともているなら、 『国際ビーチクリーンアップデー』『清掃の日』は活用しやすい記念日ではないでしょうか。 ちょうど夏の海シーズンが終わり、浜辺をきれいにする活動をする季節です。 記念日企画として、地元のボランティアと一緒にやっても面白いし、店舗単独で企画をしても悪くないと思います。 時間がかかるとスタッフや店の負担も多くなるので、時間限定、場所限定で、短時間で一定の場所を徹底してきれいにするのが効果的だと思います。 そして短時間に集中することで途中だらけることなくやり遂げることで、達成感をスタッフに味合わせることができます。 もちろん店舗に清掃ボランティアを呼び掛けるのも良いでしょう。 一緒に清掃作業をするとお客様とスタッフが親しくなく可能性が高まります。

 ホールが健康に力を入れているなら、『救急の日』と『世界アルツハイマーデー』ですね。 「AEDの活用」や「認知症の勉強会」に取り組んでいるなら、これらの日を利用して、啓蒙活動に取り組むのも悪くないと思います。 単日ではインパクトが弱いので、キャンペーンとして取り組み、これまでの活動の報告会などをすると、 本気で地域の健康に取り組んでいる他の店舗とは違う店舗と見てもらえると思います。

<世界アルツハイマーデー>・・・2022年10月15日追加

 認知症は毎年確実に増加していることから、認知症に対する正しい認識を国民が持つことが必要とされています。 しかしながら、言葉を知っていても認知症について具体的に知らず、認知症患者の心情や行動について理解できないまま、 単なる病気として健常者の立場からでしか見ることができない人が多くいます。
 例えば、”認知症の人が何度も同じことを尋ねる”ということを知っていても、健常者からの理解としては、 記憶力がないので、同じことを何度も聞いているとしか考えることができず、だから認知症者は困った存在としか認識できない人が多くいます。
 しかし、認知症者が何度も尋ねる背景は、過去に忘れたことで”怒られた””迷惑をかけた”という記憶から、 ”怒られたくない””迷惑をかけたくない”という一心から何度も聞くという行為を行っていることがわかっています。
 このように行動の背景が理解できると「なんで忘れるの!}という言葉ではなく、「私が覚えているから大丈夫だよ」という言葉に変わるのではないでしょうか。

 店舗に来るお客様の身内に認知症患者の方がいる確率は増えています。 認知症に対する正しい理解を進めることで、認知症の方をお世話している方も気が楽になりますし、認知症の方も安心して暮らせることができるようになります。 パチンコ店としては、遊技機による脳の活性化を通して、認知症の予防という面での貢献を意識し、スタッフには遊技の良い面を改めて知ってもらうと同時に、 『世界アルツハイマーデー』の前後で認知症について理解を促すことで、店舗に来られている認知症の方と関わりのあるお客様のこころの負担を少しでも軽くできると思います。
 もちろん認知症の正しい理解が認知症の方を関わりない方にも広がれば、町全体が認知症の方に対して思いやりのある対応ができるようになるので、 住みよい街、地域になるのは間違いないと思います。

 ・スタッフへの「パチンコ・スロットと脳の活性化」についての社内勉強会の実施
 ・認知症講習会の実施
 ・世界アルツハイマーデーを含む、認知症理解促進キャンペーンの実施

<その他>

 活用によっては面白いのが『主婦休みの日』ですね。 パチンコに来ている人は男性が多く、『主婦休みの日』を知らない方も結構多いともいます。 だからこそ、店舗で主婦のための景品などを揃えて、『主婦休みの日』は奥さん孝行をしてはどうですかと提案するのです。 主婦が喜びそうなグルメ情報を提供して、25日(給料日)にデートをする提案も悪くないと思います。 できたらチラシをカウンターなどで渡すようにしておけば良いと思います。 お客様がチラシを持って帰って奥さんに見せれば成功です。
 「将を射んとする者はまず馬を射よ」ということわざがあります。 お客様の奥さんが自店の見方になってもらえれば、ご主人が自店に来る可能性が高まるというものです。 事前に流れをつくり、最低でも2週間前からの仕掛けておくと面白い演出ができると思います。

■9月のオススメ季節性企画!

 ニュースなどで何度も取り上げられる可能性が高いキーワードを含んだ企画です。 世の中の流れがあるので、お客様が共感して参加してくれる確率が高まります。

〇災害対策企画

〇敬老の日企画

〇認知症への理解促進企画

〇秋の交通安全キャンペーン

■一言

 季節指数という話があります。 過去の経験を基に売上や稼働を予測します。 しかし、社会が変動しているときは、人々の習慣や行動に変化が出てきます。 季節指数を絶対視し過ぎると、稼働アップのチャンスを逃しているのに気づかなくなってしまいます。 そんなことが無いように、限界を設けずいろいろなアイデアを出して、限界を超える工夫する鍛錬が必要です。 記念日活用はアイデアを絞り出すトレーニングと考え、頑張って新しいことに挑戦してみて下さい。

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