コミュニティマネジメント研究所

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パチンコ寓話

パチンコ・イノベーションを促進させる短編寓話集

◆◇◆ 第95話 接客サービスとお客様! ◆◇◆

 むかしむかし、あるところにパチンコ店の社長がいました。 社長はパチンコは出玉がすべてだと思っていました。 そして、店舗数を拡大していきました。 しかしながら、最近、業績が落ち初め、打開策が思いつきません。

 ある日、経営者の集まりで講演を聞き、接客サービスの大切さに感動しました。 早速、店長を集め、接客サービスの大切さを話しました。 困惑している店長を見て嘆きました。 なぜ、彼らは俺の話を理解できないのだろうか、と。
 そこで社長はやって見せるしかないと思い、 接客コンサルタントに依頼して、各店で接客研修を実施しました。 確かに以前に比べ接客サービスレベルは向上しましたが、業績は良くなりません。

 社長は店長会議で各店長にお客様の反応を問いました。 店長の答えは「一部のお客様は喜ばれていますが、迷惑そうなお客様もいらっしゃいます」 というような感じで、接客サービスの効果は微妙という感じでした。

     ◇ 

 社長は、ホテル経営をしている友人を訪ねました。 友人は社長から、セミナーで感動したこと、その後の会社や店舗での取り組み、 店長からの報告などの話を聞き、おもむろに口を開きました。

「パチンコ業界の『業態開発』が出来ていないのが悪いんじゃないか」と答えました。
「業態開発?」
「そう。ホテル業界は業態開発が進んでいる。 ラグジュアリーホテル、リゾートホテル、ビジネスホテル、ラブホテルもある。 利用者は、自分の利用目的でホテルを使い分けている。 だから、それぞれのホテルで、利用目的にあった接客サービスをしている」
「なるほど」
「例えば、ビジネスホテルに泊まるビジネス客に、地域のおススメ観光案内をしても、 それがサービスの向上になるかと言えば、微妙だろう。 ましてや、ラブホの客に対面で会話して、そんな案内をしていたらもう来ないんじゃないか。 彼らにとってのサービスは、スタッフとの接触をなるべくしないことだろう」
「そうりゃそうです」
「業態開発が進んでいないということは、 いろいろなニーズを持った人が混在している状態というわけさ。 賭け事をしてワクワクしたい人、ゲームを楽しみたい人、ストレスを解消したい人、 時間つぶしをしたい人、スタッフと話をしたい人、いろんな人がいる。 そうだろう」
「・・・・・・」
「接客サービスは全ての人をカバーするものでないよ。 だから、いろんなニーズを持ったお客様が混在している、キミのような店舗でやれば、 誰かが満足して、誰かはうっとうしいと思うのは、当たり前じゃないかな」
「・・・・・・」

寓話

 社長は帰り路、クルマを運転しながら考えました。
 これまで、出玉でお客様を集めてきた、ということは賭博好きなお客様が多いはずだ。 ということは、接客サービスは最低限でいいんじゃないかな。 危く講演講師に騙されるところだった。 これまでで良かったんだ。 接客サービスにお金をかけるならその分出玉に回そう。 社長は上機嫌で家路を急いだ。

<解説>

 接客サービスを相手に合わせてこそ、喜ばれる。 相手が望んでもいない接客サービスは、ただのサービスの押し売りにしか過ぎない。 接客サービスを強化するということは、そういうことを喜ぶお客様を集めなければ効果は薄くなってしまう。

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