『One-to-One』・・・以下の意味で使用してます。
◆『One-to-One』とは
『One-to-One』は、『One-to-Oneマーケティング』の略で使用しています。
従来のマス・マーケティングが顧客をマス(集合体、群れ)ととらえ、
それを属性や傾向などの共通項から絞り込み“顧客ターゲット”を設定するというアプローチなのに対し、
One to Oneマーケティングは顧客を個としてとらえ、パチンコ業界では、個々の顧客の嗜好やニーズ、来店履歴、遊技履歴などに合わせて、
個別アプローチを行うマーケティング活動を言います。
なお、このホームページでは、『One-to-Oneマーケティング』を略して『OtO』とも書いています。
◆『One-to-Oneマーケティング』の提唱者は?
このコンセプトを提唱したのはマーケティングコンサルタントのドン・ペパーズ(Don Peppers)氏と
マーサ・ロジャーズ(Martha Rogers)氏で、その著書「The One to One Future」(1993年)によって広く知られるようになりました。
彼らはOne to Oneマーケティングを「1回に1人の顧客というビジネスを構築するために情報技術を駆使し、
異なる顧客に異なる対応ができるように企業努力をすること」と説明しています。
詳しく研究したい方は、「ONE-to-ONEマーケティング」という本が、ダイヤモンド社から出ていますので、それを参照してください。
◆『One-to-Oneマーケティング』の特徴は?
提供する情報や応対内容を一人一人変化させることにより、
顧客は、あたかも企業と自分が一対一の関係を築いているように感じさせるところが肝になります。
お客様の情報をストックできる会員データベースが構築されており、いつでも簡単に取り出し、活用できることが大前提となります。
◆『One-to-Oneマーケティング』と『マス・マーケティング』の違い。
マス・マーケティングが新規顧客を獲得することを主な狙いとするのに対し、 One to Oneマーケティングは既存顧客との双方向で継続的な関係維持を重視したものです。
業界が成長期にあり、集客が容易な時期には、マス・マーケティングを優先させることで、
売上拡大が可能ですが、成熟期を迎え、衰退期に入ると顧客数が減少し、
なおかつ安易な広告などでは反応しなくなってきます。
それは、商品やサービス自体の差別化が難しくなり、どこに行っても同じような商品やサービスが受けられるので、
ユーザーの選択基準がモノから体験へとシフトしていきます。
良い体験を求めた場合、それに関わる人との関係性が大きな影響を及ぼします。
そのため人との関係構築を目的とする『One-to-Oneマーケティング』が注目されます。
◆『One-to-Oneマーケティング』と『対面販売』の違い。
たまにOtOと対面販売を混同される方がいるので、敢えて書いています。
お客様と対面式で接客することと、One-to-Oneの違いは特徴で明らかなように、
お客様情報をデータベースにストックして活用することにあります。
もちろん対面販売でも、お客様情報を紙の顧客台帳に記録をして、
それを基に信頼関係を作り、販売をされている方もいらっしゃいます。
例えば、スーツの青木のトップ販売員の町田さんなどです。
その顧客台帳を活用して年間8000着ものスーツを売るという、
以前、『ガイアの夜明け』という番組でも取り上げられた凄い方です。
しかし、情報技術の活用がなされていないのであれば、
One-to-Oneの定義からはずれますので、OtOの達人ではなく、凄い対面販売の達人となります。
◆『One-to-Oneマーケティング』の強化
One-to-Oneマーケティングを式で表すと以下のようになると考えています。 したがって、強化とはそれぞれの要素を強化することにほかなりません。
One-to-Oneマーケティング
=(IT+リレーションシップ力〔関係作り力〕)×PDCA×OtOマインド
1)ITは、会員管理システムなどの顧客データベースと、それに付随するシステムを指します。 パチンコ業界においては、以前ヒューテックがOne-to-One志向のシステムを作っていましたが、 現在では、マス管理用の会員システムがほとんどで、今後の開発が期待されます。
2)リレーションシップ〔関係作り力〕は、関係づくりをするための企画力で、情報があってもそれを活用して、
どのようにお客様との関係を深めていくのか考えなければなりません。
それができないと、いくらITを充実させても宝の持ち腐れとなってしまいます。
コミュニティホールづくりをする場合、相性がよく、顧客情報をフル活用できます。
〇参考・・・・・・>コミュニティホール研修(基本編)
3)PDCAは、文字通り計画を立てて、実行し検証し改善していく能力で、
人の満足度は同じことをしていては、低下していきます。
そのためにPDCAを回して、お客様との関係づくりへの取り組みを更新させる力が求められます。
〇参考・・・・・・>PDCAマネジメント研修
4)OtOマインドは、スタッフのお客様に対する関心や愛情を持つことで、
いくら接客を良くして、サービスを改善したとしても、スタッフ自身にお客様への関心が無ければ、
信頼関係は構築できません。したがって、スタッフのマインド醸成も重要な要素となります。
〇参考・・・・・・>マインド醸成研修
◆『One-to-Oneマーケティング』と業界の相性
One-to-Oneマーケティングと相性が良いのは、 来店など接触と同時に相手が特定でき、顧客情報をすぐに引き出せる業界です。
現在では、通販関係です。電話を掛けてくると、その電話番号で相手を特定し、過去の購買履歴などを引き出して、対応します。 保険会社でも、同様です。さらにAIと組み合わせて、お客様の要望やクレームに応じて、対応策が表示されるようになています。 オペレーターの方はそれを見て、お客様個人に相談にのり、最適な提案をするようになっています。
以前、中国のトヨタの販売店では、車の番号を記憶させて、お客様が店に入ってくると、 ナンバープレートを読み取り、担当者のアイパッドに訪問をメッセージは入り、 同時にお客様情報が自動的に表示するシステムを導入し、対応している書かれている本がありました。
一方、百貨店が一時期One-to-Oneマーケティングを導入しようとしていたようですが、 事前にお客様を特定することが出来ず、成果が上がったという話は、聞いたことがありません。 しかしながら、IT技術が進化し、顔認証をはじめ相手を特定する技術が進めば、 脚光を浴びる可能性は高いと思います。
パチンコ業界では、滞在時間が長いので、その間に相手を特定できる可能性が高く、 特に会員管理を徹底しているところでは、常連客を中心にOne-to-Oneを実践しているとことがあります。