本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

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経営のヒントになりそうに思ったこと

 □□□ 今月の目次 □□□

■トランプさんのボーリング球発言から考える!

 テレビを見ると毎日のようにトランプ大統領について報道しています。 お昼のワイドショーなどでも盛んに取り上げています。 トランプさんの主張に対して、トランプさんは間違った認識をもっているので、 正しい情報を与えなければならないなどと言う人もいます。 多くの人は、奥歯に物が挟まったような言い方をします。 恐らく無駄だと思っているのでしょう。

 昔、「君の名は。」という大ヒットアニメがありました。 その中の1シーンにチンピラが、出された料理の中に爪楊枝が入っていたとクレームをいう場面があります。 それに対して、主人公の1人である立花瀧は、料理に爪楊枝を使用しておらず、入るはずがないと主張します。 それを聞いて、見ている人は「おそらくこのチンピラは納得してクレームを止めるだろう」と思った人がどれだけいたでしょうか?
 個人的には、ゼロでなかったのではと思います。 そんなチンピラがいたらパロディですよね。 論理的に正しさを証明すれば、相手が引き下がるのか? 相手が論理的な正しさを要求している場合は有効かもしれませんが、そうではないケースが多いと思います。 トランプさんの話が出ると、なぜかこのシーンを思い出します。

 最近もトランプさんは、日本は不当におかしな非関税障壁を設けているとして、SNSに 「Japan’s bowling ball test(日本はボーリングの球を落としてボンネットがへこむ車は不合格にしている)」と書き込んでいました。 日本政府が、それはボーリングではなく、頭部を模した球型のダミーですよ、と説明したとしてトランプさんが納得するでしょうか? 恐らくしないでしょう。 俺はボーリングのようなものを落としていると言っている。 そのダミーは正にその通りのものだろうと反論されるだけです。

 では、歩行者の頭を守るために、ボンネットが衝撃を吸収する性能を確認するための検査をしているので、おかしなことをしていないと説明した場合はどうでしょう。 これでも、日本は過剰な安全対策を強要することで、非関税障壁を設けていると主張するでしょう。 日本の主張は間違っていないが、トランプさんを黙らせることはできないでしょう。 アメリカ国民も、トランプさんを支持するのではないでしょうか。 ”泣くことトランプには勝てない”

 ところで「あしなが育英会」を創設した玉井義臣さんという方をみなさんはご存知でしょうか? 実は、この方はお母さんを交通事故で亡くされています。 自宅前で暴走車にお母さんがはねられ、頭を強打して手術の甲斐もなく、 昏睡状態が続き1か月後にお亡くなりになりました。
 その後、「交通死の7割が頭部外傷によるものだ」として、行政を動かし、脳外科医の充実、 救急医療を変えていく働きかけをしていきます。 今回問題なっているボンネットの衝撃検査は、その流れを汲み、 いかにして歩行者の頭部を守るべきかを考えて組み入れられた検査なのです。 その背景には交通遺児たちの切なる思いがあるのです。 交通遺児を一人でも少なくしたいという多くの人々の願いがあるのです。

 もし、このことをトランプさんに伝えたら、トランプさんは無視するでしょうか? もし、アメリカ国民にこの話を伝えたとしたら、アメリカ国民はそんなことは関係ないと言うでしょうか? 世界の人々に、交通遺児の思いと今回の検査の関係を伝えたら、日本の安全検査は不当だと思うでしょうか?
 私は、トランプさんは謝らなくても、 不用意にボーリング球検査と揶揄したことをすぐに撤回すると思います。 なぜなら、トランプさんは民衆を敵に回したくないからです。 多くの人が共感するものに敢えて反対はしないでしょう。

 昔から論理よりも情が勝ると言われます。 合理的に考えればAではあるが、心情的にはBであるという選択をする人がほとんどです。 これは、ホールの運営でも同じです。 お客様の情にアプローチする運営が大切です。 これができるとファンが増えます。 相手を説得する最強のアプローチ方法ではないでしょうか。

参考資料:「編集店長」読売新聞朝刊 2025.4.23

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■『チェンジングディスプレイ』から情報提供を考える!

 ニュース番組のWBSの中に「トレンドたまご」というコーナーがあります。 先日、WBSを見ていて面白いと思うものがありました。 デジタルディスプレイです。 すでにご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、 紹介されたディスプレイは、見る方向(角度)で見える内容が変わるというものです。 番組では『チェンジングディスプレイ』と言っていました。

 もし、このディスプレイが風除室にあれば、入ってくるお客様と出て行かれるお客様に、それぞれ違うメッセージを伝えることができると思ったからです。 入ってくるお客様には、「いらっしゃいませ」とメッセージを出し、出ていくお客様には、「ありがとうございました。またの来店をお待ちしています」という内容を表示できれば、お客様への情報訴求力があがるのではないでしょうか。  入ってくるお客様に「いらっしゃいませ」という言葉を表示する代わりに、 本日の賞品イベント等の面白イベントを紹介すれば、有益な情報伝達ができます。 同じように帰るお客様には、次回の新台入替や面白イベントを表示することで、来店動機のきっかけを与えることができます。

 多くの場合、お客様に有益な情報を伝えようといろんな情報を掲示しても、情報過多になり、 お客様の注意力が散漫になってしまいます。 一番良いのは、お客様が知りたいタイミングで知りたい情報だけを流すことです。 この『チェンジングディスプレイ』は知りたいタイミングをお客様に提供するのに役立ちそうです。

 別にこのようなツールを使わなくても、考えている店舗では、 入店する時の視線の位置を考えて、入店用のポスターやイーゼルを置き、 同じように店舗を出る時には、お客様がどのような視線の動きをするかを考えて、 持って帰って欲しい情報を、ポスターやポップなどで掲示するようにしています。 現状でも『チェンジングディスプレイ』が無くても対応はある程度できるのも事実です。
 でも最も大きな差は情報量というところでしょうか。 なぜなら、この『チェンジングディスプレイ』は動画も対応でしているからです。

 今後はさらに進化し、AIによる人物判定を基に、 デジタルサイネージの表示が一般化してくるように思います。 ファミリーマートのように店舗のデジタルサイネージを強化して、 地域企業とのコラボをする店舗も出てきています。 すでにこのような事例もあるので、地域密着型を目指す店舗は、将来の自店の在り方も考慮しながら、 店内のデジタルサイネージを強化していく必要があるのではないでしょうか。

参考資料:「チェンジングディスプレイ」ビーム電子工業

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■ビール業界の動きに合わせて賞品企画を立てる!

 最近、急に気温が上がってきました。 ビールが美味しい季節になってきています。 みなさんはビールを飲みますでしょうか?
 今月15日(2025年)、キリンから『キリン 一番搾り ホワイトビール』が出ました。 大麦麦芽と小麦麦芽を使い、少し白っぽく濁った感じのビールで、ホワイトビールという感じがするビールです。
 実は同じ日にアサヒビールも新商品を出しました。 『アサヒ ザ・ビタリスト』という名前です。 サントリーも『サントリー生ビール』の味やパッケージをこの間リニューアルしており、各ビール会社はビールの販売に力を入れています。

 力を入れる理由は、酒税の改正です。ビールにかかっている酒税が段階的に引き下げられているのです。価格が安くなり、消費が伸びると予想し、各社ともビールの販売に力を入れています。下のグラフは350ml缶にかかる酒税の推移です。

 ビール会社が力を入れてビールの商品開発を進めているので、 これを利用して賞品企画やポイント景品企画を立ててみるのも面白いと思います。 気温も上がり、ビール賞品企画にはちょうど良い季節です。

 ところで、みなさんは同じ日に発売された『キリン 一番搾り ホワイトビール』と『アサヒ ザ・ビタリスト』のターゲット層がまったく違うことをご存知でしょうか? よほどのビール好きは別として、新商品が出ても、その商品のターゲットまでは意識しないのではないでしょうか。

 今回面白いと思ったのは、この2つのボールのターゲット層がまったく違うからなんです。 当然味も大きく違うので、飲み比べにはちょうど良いと思います。
 まず『キリン 一番搾り ホワイトビール』は、お酒を飲んでもビールをほとんど飲まない人をターゲットにしています。そのために、ビールが苦手な人でも飲めるように、苦味や重さを抑えています。
 一方、『アサヒ ザ・ビタリスト』は、ヘビーなビールユーザーの満足度を高めるための商品開発をしいます。ズバリ、ターゲットは350ml缶を週6本以上飲む人です。この層は苦味を求めるので、苦味にこだわった商品づくりをしています。

 この二つは、美味しいと思う人がそれぞれ違うことになると思います。 それが本当に実現されているのか、店舗のお客様を巻き込んで、飲み比べをしてはどうでしょう。 店舗の中に、ビールのたくさん飲む人か、あまり飲まない人かに分けて、 それぞれ美味しい美味しくないを、イーゼルやポスターで掲示してある表に、 シールを貼ってもらうようにすればいいと思います。 もちろん、スーパー等で買って飲んだ人の参加もOKにしておくと、参加者も増えていいのではないでしょうか。

 毎日のように遊びに来て、遊技台だけで飽きずに打ち続ける人ばかりであれば、 店舗として、特に企画は必要ないかもしれませんが、 実際、人は変化がないと飽きてくるものです。
 飽きさせない工夫として、ビール飲み比べ祭りを定期的に行い、 お客様とスタッフに会話のネタを提供するのも悪くないと思います。

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■音がパチンコ店に新たな付加価値をもたらす!?

 音楽で人の気分が高揚したり、逆に気分が悪くなったり、影響があることは良く知られています。 今朝の読売新聞に「音で変わる遺伝子の働き」という記事が載っていました。 京都大学の粂田昌宏助教(細胞生物学)が音に対する細胞の働きを研究し、 音で遺伝子の働きが変わること確認したというモノでした。

 実験の内容は、培養液の中にマウスや人間の細胞を入れ、 その細胞に対して低い音や高い音、ノイズの音など5タイプの音波をそれぞれ2時間以上あて、 その後の遺伝子の働きが音を当てる前と後で違いがあるのかを解析するというものです。
 実験の結果、細胞の成長などに関わる延べ約190種類の遺伝子の働きが変化することが明らかになり、 音のタイプで反応する遺伝子も違うことが分かったそうです。 具体的には、細胞の形に変化を与えるもの、 脂肪を蓄える細胞の増殖を抑制するもの、などの変化が見られたとのことです。

 粂田助教は、特定の音を使用することで、肥満の治療や予防ができる可能性があり、 人間は音をコミュニケーションの道具に使っているが、音はさらに根源的な役割があるかもしれないと、 記事に書かれていました。   

 面白いと思ったのは、音が遺伝子に影響を与えているということです。 音が人の心に影響を与えることは知られていますが、まさか遺伝子レベルにまで影響を与えているとは驚きですね。 研究が進んでいくと、音による身体的影響が明らかになり、それがいろいろな技術の発展に寄与するかもしれません。 記事の中で粂田助教は、特定の音で肥満などの予防や治療ができる可能性があると言っています。

 パチンコ店も音があふれています。 しかも、2時間ぐらい遊技を楽しむ人はほとんどです。 細胞に影響を与えるレベルの音をお客様は浴びています。 もし、ダイエットに効く音波などが見つかれば、それをホールで流せば、 遊技をしている間にダイエットができることになります。
 音の解明が進むと、パチンコ店の在り方自体が変わる可能性があるのではないでしょうか。 注目していきたい研究ですね。

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■パチンコの遊技障壁を改めて考える!

 先だって大学の友人と久ぶりに食事をすることになり、 大阪のなんばに行きました。 早めに食事を始めたので、食べ終わっても午後7時過ぎ、 いつもはカラオケや喫茶店に行ったりするのですが、 せっかくなんばに来てるので、「パチンコでもしないか?」と誘うと、 それじゃ行こうということになって、パチンコ店に行きました。

 私は大学時代パチンコをやったことはなく、 私がやり始めたのはこの業界に入ってからなので、40歳を過ぎてからです。 私は友人がパチンコをした話は聞いたことはないので、 恐らくパチンコは初心者だと思い、なんばで一番低玉の0.25円パチンコに連れていきました。

 友人はどの台を選んだらいいのかわからないだろうと思い、 「アニメは見たことがあるか?」と聞くと「ない」というので、 次に「韓流ドラマは?」と聞くとあるというので、 「冬ソナは?」とさらに聞くと見たことがあるというので、 とりあえず「冬ソナ」の台に座らせて、 「この台でどう?」と尋ねると、とりあえず打ってみるということになりました。

 友人に「サンドにお金を入れて」と言ってもキョロキョロするばかりで、要領を得ない。 そうか「サンド」という言葉がわからいと気づき、ここと指さすのですが、 最近の台は台枠が大きくサンドが見えにくく、入れ口が分かりにくく、うろうろする始末。
 現金を入れても、どうやって玉が出てくるのかわからない。 「玉貸」ボタンを押して、「これを推すと玉が出てくる」と説明し、 サンドについている液晶に残金が出ると説明。
 友人の横で打ち始めると、友人が「玉を抜いて」と出てるけど、 どうしていいかわからないと聞いてきた。 0.25円なので、1回100円でも400玉がでるので、受け皿に入りきらない。 その表示が出ている。 友人に「このボタンを押すと玉が抜けるから」と言ってボタンを押して玉を抜くいて見せる。 友人は「へー」っていうような感じで見ながら、とりあえず台を打ちだしました。

 そういえば、私も初めて打った時は、パチンコの遊び方自体が分からなかったということを思い出し、 パチンコを遊ぶための知識の障壁は案外高いのが、問題だなと改めて思っていると、 横の友人に様子がおかしい。
 見ると「右打ちをしてください」と表示が出ているのに、相変わらず左打をしている。 友人に「当たっているよ」と告げながら、ハンドルをもっと回して右に玉を打たないと、 大当たりのアタッカーに入らないことを説明。 友人は「へーそうなんだ」という感じ。

 しばらくすると、「『抜けって』表示されているから抜いたけど、まだ表示が出ている」というので見てみると、 玉を抜くのではなく、カードを抜いているので、「そうではなく、このボタンを押し続けること」 と言って玉抜きのボタンを押し続けるように説明。 友人はわけがわからないまま、とりあえず、ボタンを押し続けてもらいました。
 帰る時になって、どうやって終われば良いかもわからない。 精算機の意味もわからないので、現金が入っているカードを入れるように説明。 玉の入ったカードはサービスカウンターに持っていくように案内。
 こうしてとりあえず友人とのパチンコは終わりました。

 友人はおっとりしたタイプであり、私に誘われたから来ただけなので、 余計に遊技に手間取ったのかもしれません。 パチンコをやりたい人は、それなりの知識があるかもしれませんが、 パチンコを全くやったことがない人にとっては、パチンコは難しい遊びになっているようです。
 私の大学時代の友人は、ほとんどパチンコやスロットをしません。 なので、他の友人にも試してみたいとは思いますが、友人の一連の行動を見て感じるのは、 パチンコやスロットは手軽に遊べるものではないということです。

 遊技を知っている人は、当たり前で何とも思わないかもしれませんが、 知らない人にとっては、わけわからないゲームのように思います。 パチンコ人口が減っていく中、新たに遊技をし始める人が少ないのは、 こういう最初に遊技に対する知識がないと遊べないことにあるのではないでしょうか。
 別に新社会人の話をしているわけではありません。 年をとっても新たに遊技をする初心者はいるはずです。 しかしそういう人が少ないのは、パチンコの遊技の壁が、 大きくなっているのも一つの要因だと思います。

 当たり前ですが、新たに遊技をする人がいなければ、 パチンコユーザーは減少していきます。 それはいくら頑張っても、現状のユーザーは必ず減っていくからです。 ファン感もいいですが、本当は「パチンコ体験会」のようなことを行い、 新規ユーザー獲得に注力することが業界の課題なのではないでしょうか。

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■大阪・関西万博を会話のネタにしよう!

 4月13日に「大阪・関西万博2025」が開幕しました。 関西の新聞・テレビなどは、万博の特集を組んで、万博を盛り上げようとしています。 もちろん、YouTube等のインターネット上にも情報はあふれています。 これだけ露出度が多いので、日本で万博をやっていることを、知らない人はいないのではないでしょうか。

 この万博は問題もいろいろあると言われています。 予算が倍になり、オープンしていないパビリオンもある。 チケットの販売は伸びず、並ばないはずの万博に大行列ができている。 その上、地下からメタンガスが噴き出してきている。 でも、そんなことに目を向けていても、商売には結びつきません。
 それよりメディアが力を入れているという話題性に注目しましょう。 具体的には、ニュースで毎日のように万博を取り上げているなら、 万博を話題にする企画を立ててみてはどうでしょう。

 一番おススメなのが、手軽にできる『万博、見に行きますかアンケート企画』ではないでしょうか。 せっかく、4月にオープンしたので、4月中に1週間ほど、 万博に行く予定があるかどうか簡単なアンケートで聞いてみたらどうでしょう。 例えば、
 ①見にてきた
 ②見に行く予定
 ③見に行かない
ぐらいの3つの枠をこしらえて、お客様にシールを貼ってもらうような感じですね。

 こういうよなものがあれば、アルバイトスタッフも、顔見知りのお客様と話がしやすいですし、 顔見知りでなくても、アンケートの協力をお願いしながら、「行かれるんですか?」などと、 話をつなぐこともできます。
 東北、北海道になるとかなり遠いので、行く人は少ないと思いますが、 全員行かないということはないと思います。 逆に言った人に対しては、「どうでしたか?」と聞き、場合によっては感想などをお客様の声として、 アンケート結果と一緒に載せたり、貼り付けたりするのも悪くないと思います。

 万博はこれから長期間開催しているので、万博で何か話題になるニュースがあれば、 また、アンケートなどもできると思います。 お客様と話をする差しさわりの無い会話ネタとしては最高ではないでしょうか。
 関西圏の人なら見に行く予定の人もいると思います。 実際に行って面白かったところをレポートしてお客様に紹介すると、 地元密着という雰囲気が出て、好感度アップにつながるのではないでしょうか。

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■ファミマの新しい価値の提供を参考にする!

 ニュース番組WBSで、現代(ヒヨンデ)自動車が、世田谷区にあるファミリーマートの駐車場を使い、 4月10日発売する最新のEV(電気自動車)「インスター」の試乗会を行ったことが紹介されました。
 ヒヨンデ ビリティ ジャパンの七五三木敏幸社長は、ファミマの集客力は魅力であり、 その集客力を利用して、顧客とのタッチポイントを増やしていきたいとインタビューに答えていました。
 ヒヨンデは、実店舗を持たず、オンラインのみでの販売をしているので、 お客様との接点を拡大させていくことが喫緊の課題なのです。

 この話を聞いて、俺の店舗でもやれるのでは?と思った人もいるのではないでしょうか。 郊外型のパチンコ店は大きな駐車場を持っています。 だから、うちの駐車場を利用して、クルマの試乗会をしてもらうことは、 可能ではないかと思うのも自然なことだと思います。

 弊所も以前から駐車場機能や店舗機能を利用して、 企業とのコラボや地域との関係づくりが可能である、という話をしてきました。 今回、他業種ではありますが、実際に駐車場を活用している事例が出てくると、イメージしやすくなるので、 自店でもこのような企画をして、お客様の来店動機を創りたいというホールも多くなると思います。

 このクルマ試乗会の企画ですが、WBSのインタビューから、 ファミマはこの動きをコンビニの機能をフルに活用した、販促事業を展開しようとしていることが分かります。 なぜなら、ファミマの担当者は、ファミマのデジタルサイネージ機能をリンクさせて、 この駐車場貸しを新たな収益源にしたいという考えを語っているからです。

「例えば、『シニアカー』のような欲しいが体験する場所が身近に無い商材など、 主にネットや通販で販売している事業者に、自社製品を(お客様に)体験してもらい、 さらにリテールメディア(デジタルサイネージ)で宣伝もセットでやってもらう」 こういうことをファミマの新しい価値として提供していきたいと話していました。

 パチンコ店も駐車場があり、デジタルサイネージを使用している店舗も多々あります。 おまけに店内にある程度のスペースのある店舗もあります。 そういう機能を組み合わせて、お客様が喜んでくれるような商品を紹介していくことで、 来店動機を創出していくのはありではないでしょか。
 コンセプトは、”P店は街の身近な展示場”というというのはどうでしょうか。 地域密着型として、地域住民に喜ばれると思います。

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■「完璧なゆで卵」から仕事の質の改善を考える!?

 読売新聞(3月31)の朝刊の編集手帳というコラムに、 イタリアの研究チームが「完璧なゆで卵」を突き止め、それが国際的な科学誌に掲載されたと書いてありました。
 その記事によると研究チームは、流体力学を取り入れたソフトウェアなどを駆使して、ようやくたどり着いたそうです。 そのやり方とは、卵を100度の熱湯と30どのぬるま湯に2分づつ浸し、これを8回繰り返せばOKということです。 所要時間は、2分が8回なので、16分。 けっこう手間な作業です。
 でもこれをするとクリーミーな黄身としっかりと固まった白身が合わさった最適な状態に仕上がるということです。

 さて、みなさんはこの文章を読んでどう思われましたでしょうか?
 世の中には暇な人間がいるもんだという感想もあるでしょう。 なぜ、このような研究をしたのかは書いてないのでわかりませんが、自分がゆで卵を食べるためにしたのであれば、 そう思ってしまうのも頷けます。
 もしこれがミュシュランの三ツ星レストランからの依頼であればどうでしょうか。 さすが一流レストランは違う、そこまで研究するのか、と思うのではないでしょうか。

 でも、そものそも「完璧なゆで卵」って何? 定義があやふやで、この研究チームの独りよがりではないのか!? などと言う人もいるのではないでしょうか。
 考えてみると身近なことって、完璧さを求めることって少ないですよね。 それは完璧でなくても困らないからです。 完璧なものでなくとも具都合は生じません。 「ゆで卵」もとりあえず作れると思います。 特別な努力はいらないと思います。 ただ、「完璧な」という言葉がつくと、そうはいかなくなります。 なんとなく作っても、「完璧なゆで卵」にならないと思うからです。

 ここに仕事の質を上げるヒントがあるように思います。 いつもの仕事に形容詞を付けると、そのための工夫をせざるを得なくなります。 例えば、「新台入替」という言葉がありますが、 今回は「完璧な新台入替」をするようにと社長に言われたらどうでしょう。 いつものような仕事をしていては、その要求に答えられないと感じるのではないでしょうか。 いつもの仕事に一言加えることで、部下は仕事の質をあげるざるを得なくなります。

 これって仕事の目標設定の話ですよね。 「完璧な」というのは抽象度が高いので汎用性があります。 使い方によっては、部下の能力向上を図るツールにかもしれません。
 例えば、「完璧な新台入替」ができたとしたら、入替から2週間の稼働は何アウトになる? などと質問すれば、部下の頭は高速回転をし始めるのではないでしょうか。 その答えと根拠を聞くによって、部下の見識と能力を知ることができます。

 部下の仕事ぶりがマンネリ化していると感じるなら、 部下の仕事に対して、「完璧な」とか「世界一」などの形容詞をつけて、 仕事に取り組んでもらうことも一つの方法ではないでしょうか。

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■出版社が、なぜインディーゲーム市場に進出!?

 みなさんはインディーゲームをしたことがありますてしょうか? インディーゲームとは、低予算かつ少人数で作るゲームのことです。 作者の個性が作品にダイレクトに反映されるので、自由な発想が魅力と言われています。 先月3月には、東京の吉祥寺で「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025」が開催され、 人気ゲームは実写での映画化が決まったりしているようです。

 このインディーゲーム市場に熱い視線を送り、ゲーム作成者を支援する企業が現れています。 どのような企業なのかというと、講談社や集英社という書籍の出版会社です。 この両社は結構有名なのでみなさんもご存知なのではないでしょうか。 でも、なぜ、出版社がゲーム業界へ触手をのばしているのでしょうか。 実は、このインディーゲーム業界が、出版会社のノウハウを活かせる業界であると気づいたからなんですね。

 出版社の仕事は、ただ原稿を預かって、本を出すだけではないんですね。 テレビのドラマでも見たことがあると思いますが、作家に出版社の担当がついて、作家の原稿を依頼したり、 締め切りに間に合うようにお願いしたりしていますよね。 それ以外にも、どのような本を書けば良いか一緒に考えたり、作家の原稿を読んでコメントしたり、アドバイスをしたり、 さらには生活環境を整えたりと、いろんな関りやお世話をしているんですね。 出版社はある意味、作家を支援し、一緒に本を作るというような機能を果たしています。

 出版社はノウハウとして、作品制作者のコンセプト提案機能、市場リサーチ機能、アドバイス機能、 スケジュール管理機能、生活支援機能を持っているということです。 もちろん、できた原稿をただ持ち込んで出版するだけの出版社もありますが、 出版社の中には、自社が育てたいと考える有望な作家に対しては、自社のノウハウを惜しみなく提供します。 このノウハウが、インディーゲームのクリエイターの育成にも使えるんですね。 だから、出版社がインディーゲームに乗り込み、有力な新人を発掘して、 新たなビジネスを展開しようとしています。

 自社の商品・サービスを強化するというのは、自社が持っている機能を強化するということです。 昔、本部長や店長に自社の商品(サービス)は何ですか?と尋ねると、「遊技台」と答える人がいました。 自社の商品とは自社で手を加えることができ、改良できるものです。 そういう意味では、「遊技台」はメーカーの商品であり、ホール企業の商品ではありません。
 先ほど出版社で言えば、「本」と答えるようなものです。 でも、冷静に考えれば、先ほどの上げた作家の支援機能が、出版社の商品、ノウハウであることに気づきます。 このことから自社の力をつけるために、何をしなけらばならないか、 社員にどういう教育をしなければならないか意識することができます。 そして、自社の商品やノウハウを、出版以外にも活用することを考えることができるようになります。

 メーカーのように形ある技術なら転用して、他の事業分野に進出する事例はたくさんありますが、 この出版社のように、目に見えないノウハウを意識して、他の事業分野に進出する典型的な事例はあまり知らないので、 このニュースを報道しているWBSを見て、みなさんに紹介してみようと思いました。
 市場が縮小していく中で、生き残るための店舗力の強化や他者の差別化など言いますが、 具体的にはどのような機能を強化していこうとしているのか、 その機能強化に必要なノウハウとは何なのか、みなさんは明確になっているでしょうか?

 こういう時よく話をするのが、プロのスポーツ選手とアマのスポーツ選手の練習の違いの話です。 プロのスポーツ選手は自分の体について詳しく知っており、自分の能力を強化するために、 どの筋肉を鍛えるべきかが分かっている。 だから、それを鍛えるために練習する。
 一方、アマの選手は、身体を鍛えれば能力が向上するとだけ考えているので、 漠然と筋肉強化のトレーニングをする。 その結果、効果的な能力向上ができない。
 企業もこれと同じで、自社の商品(ノウハウ)とは何かを明確に意識し、それを鍛えることで、 競合他社より効率的に企業力をアップしていけます。 また、この出版社のように、他の事業分野への進出も、意識してできるようになると考えます。

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■飲料メーカーのリサイクル表示から考える!

 サスティナブル(持続可能)な社会をつくるため、多くの会社がいろいろな取り組みをしています。 昔は、まさにサスティナブルに取り組んでいますというよな会社が多く、 リサイクルについても、そっけない表現が多かったように思います。

 最近、家内が買ってきたペットボトル表示を見て、気づいたことがあります。 消費者のリサイクルへの協力について、文言がだんだん柔らかくなってきたのではないでしょうか。 これがその表示です。

 以前は、無機質に「リサイクル」の表示と「ご協力お願いします」というような、 杓子定規な表現だったように思います。 それがラベルをよく見ると「リサイクルしてね」「いつもありがとう、またよろしくね」 と友達感覚の言葉遣いになっています。
 お客様とメーカーという関係から、 一緒にサスティナブルな社会を作っていく仲間というよな関係へと変化させているように感じます。 メーカーだけでなく、消費者もサスティナブルを当たり前の考え方として感じている現状では、 しっくりくるように思います。

 いつまでも杓子定規な対応を続けていると、その距離感を埋めようとしない意思表示とも取れます。 友達として長いのに、いつまでも名字で”さん”付で呼ぶような感じですね。 ホールのお客様対応も同じです。 お客様の店舗に対する見方や意識が変わるにつれて、表現や対応を変える必要があります。 特にコミュニティホールをつくる場合、お客様との距離感を適正に縮めることが必要です。 なので、距離感を意識したポスターやPOPなどは関係づくりの大切なツールとなります。
 例えば、賞品展示物でも、何の説明もなく、ただ交換玉数などを表示しているのは、 店舗として、お客様への距離感を縮める必要がないと判断しているという感じを受けます。 あくまでも商品を売る人と買う人という関係ですね。 これは、お客様との関係づくりをしたいというコミュニティホールの方向性とは違うものです。 例えてみれば、口では愛想の良いこと言いながら、目が笑っていないようなものです。

 大手メーカーでもお客様との距離感を縮める取り組みをしている中、 お客様との距離感が一番近い娯楽産業の距離感について、改めて考えてみるのも悪くないと思います。

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■神に選ばれたトランプさんは変えられない!

 トランプさんが世界の国々に関税をかけ始めました。 トランプさんの理屈は簡単で分かり易いものになっています。 各国が関税あるいはそれに相当するなんらかの規制を掛けていることで、アメリカで生産した商品が売れなかった。 一方、アメリカは世界中の国々の商品をほとんど無条件に受け入れた。 その結果、アメリカの消費者や生産者は、安い外国商品を買って国内で生産した商品を買わなくなった。 アメリカの製造業は衰退していき、投資も低迷していき、雇用も生み出せなくなった。 そして、アメリカ自体、衰退していった。 というような感じの主張をトランプさんがしていると思います。

 トランプさんの主張は荒唐無稽なのかというとそうでもない面もあります。 日本でもトヨタなどが最高収益を出していましたが、日本が儲かっている、景気が良くなっているという感じを受けません。 それは、トヨタが日本に投資をするのではなく、海外に投資をし、海外で雇用を生み出しているからですね。 儲かったといっても、国内でお金が循環しなければ、日本国が豊かになったといえません。 アメリカでも莫大な利益を上げている企業はいくつもありますが、 アメリカ国内に投資をしなければ、アメリカ国民は潤いません。 トランプさんはそういう利益の恩恵を受けてない人に、それではダメだと訴えているのです。

 これが真実かどうかは別として、分かり易い主張であり、 しかも、アメリカ人は悪くない、という要素も入っています。 アメリカの知識層以外の人が聞くと、理解ができる上に、納得できる話の流れになっています。 実際にこう主張して、世界の国々から揶揄されようがひるまず、断固として一方的に相互関税をかけ、 アメリカ国民を大切にしようとしているトランプさんを称賛する人は多いと思います。 他人に目を気にせず、良いことをやるのがヒーローです。 正にトランプさんはヒーローなのではないでしょうか。

 トランプさんは、個別に各国との交渉に応じるとは思いますが、 この相互関税に匹敵するなんらかの譲歩を与えない限りやめないでしょう。 それはトランプ銃撃事件が起きて、生きていたという時点から、 トランプさんはこれをやるために神によって生かされたと思い込んでいると思います。 神様が自分を応援してくれている。 だから、大統領選挙も逆転して勝利をした。 それは、神がこの相互関税をやれと私に命じているからだ、というような感じでしょうか。 とにかくトランプさんは自分を信じ、アメリカ再生を信じてやり続けると思います。

 ただ、これによってアメリカが、昔のように世界唯一の超大国となるかどうかは別問題です。 でも私は可能性はあると思います。 もし、これを契機にアメリカ国民が死に物狂いで頑張れば可能だと思います。 例えば、自動車業界では、各社が日本車に匹敵するだけの品質と安心を提供するクルマを作り上げれば、再生するでしょう。 同じ品質なら、安い方が売れるに決まっています。 アメリカ国民はアメリカ車をこぞって買い、昔の栄光を取り戻すでしょう。 そしてトランプさんは、アメリカを偉大にした大統領として、歴史に刻まれると思います。

 しかしながら、トランプさんによって甘やかされた企業や国民が、自己反省をし、 死に物狂いで自社製品の改善に乗り出すことは奇跡に近いようにも思います。 なぜなら、自己反省はなかなか難しいですよね。
 これまでの業績不振を、自分以外が原因であると思っている間は改革に取り組めません。 これはパチンコ業界でも同じですよね。 自店の業績不振の原因が、競合店やユーザー、会社の予算にあると思っている間は、自己改革はできません。 なぜなら、自店に改革の対象がないからですよね。

 いずれにしてもトランプさんの政策は日本の景気に大きな影響を与えるので、 最悪になった場合の準備をしておく必要があるかもしれません。 まずは、その前段階として、自店のお客様がどれくらい影響を受けるのか、 シールを貼って答えるような簡単なアンケートをしてみてはどうでしょう。

 

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■フジテレビの第三者報告会から学ぶことは何?!

 みなさんもご存知のように、フジテレビと親会社が設立した第三者委員会が先月31日、調査報告書を公表しました。 本当に報告書ができだろうか、出たとしても形式的な報告書ではないだろうか、などといろいろな憶測がありましたが、 思っていたよりも、しっかり調べているという感じを受けました。

 発端は、タレントの中居正広氏とフジテレビの元女性社員(アナウンサー)とのトラブルから始まった問題ですが、 フジ・メディア・グループを巻き込んだ大きな問題と発展していきました。 今回の第三者報告会で、中居さんと元社員の女性のトラブルについて、 「『業務の延長線上』における性暴力であったと認められる」という判断を示しました。 フジにとっては、社会的信用の低下を確定づけた報告となっています。

 みなさんは、今回の問題から何を学んでいるでしょうか? 今回のことは、その会社の問題であり、私には関係ないという考え方もあると思います。 でも、そういう考え方をしているから、この会社はダメになったんだということを、第三者委員会で報告しています。 学ぶべきだった典型的事例としては、ジャニーズ事件などを上げていました。 他人のふり見て我がふり直せということですよね。

 この事件で私が感じたのは、成功体験が強烈であると、人は変わることができないということですね。 大衆メディアとして成功したフジテレビは、社会の価値観が大きく変わっていく中で、 昔の体質を保持し続けてしまったということではないでしょうか。 フジテレビにも報道組織はあるので、人権問題、ハラスメント問題も分かっていたと思います。 しかし、世の中の変化を知識で知っているだけで、知恵にまで昇華できなかったようです。

 今問題にされている女性社員を取引先との食事会に同行させるという行為ですが、 30年40年前に嫌がられていたのかと考えると、そうではなかったのではないでしょうか。 そのころは現在のようにお笑い芸人主流でもなく、スポーツ選手や有名歌手、俳優、著名人などが、 食事会の主流だったのではないでしょうか。 その頃、テレビ局にいる女性社員も、そういう有名人や憧れの人物と話ができる機会はないので、 もしかしたら喜んで参加していたのではないでしょうか。 取引先相手も女性がいることで場が和やかになり、女性社員もテレビ局に入ったメリットということで、 お互いがウインウインであったとしたら、そういう慣行が形成されていっても不思議ではありません。 その頃の食事会を企画していたメンバーが、日枝さんをはじめ幹部になっていると思います。 ある意味、フジテレビにとって古き良き時代です。

 しかし、時代の変化とともに、取引先相手の質、女性社員の価値観も変わっていきます。 憧れの対象でもない人と半強制的に食事会? これまでの慣行が女性社員にとっては苦痛となっていた。 これまであった同じようなトラブルが、いつのまにかプライベートではなく、性犯罪になっていた。 そのことにフジのトップは気づかなかったのでしょう。 だから、過去と同じような対応をしてしまたのではないでしょうか。
 世間では、社員が社員旅行を苦痛に感じている。 上司が若い人をお酒に誘うのを嫌がっている。 さらには、ハラスメントという言葉が頻繁に使われ、物事の善悪は客観的なものではなく、 個人に受け止め方がすべてであり、それを容認する社会へと変化していきました。 要するに世間の常識が変わり、社会環境は大きく変化したとうことですね。

 これまでフジテレビのような女性社員への対応が、 各テレビ局や大手企業にまったくなかったとは言い切れないように思います。 でも、ほとんどの企業は時代の変化に合わせて、自己浄化をしていったように思います。
 第三者委員会が過去の調査を2014年だったと思いますが、それ以前は事実認定が困難ということで、 踏み込んでいいませんが、もしかしたら、フジテレビ以外への波及を恐れたのでは?という印象も受けました。 個人的には、2011年3月の東日本大震災から、日本の企業の価値観はいろいろと変わっていったような気がします。

 要するにみんなが変わっていった中で、変わらなかったのがフジテレビという印象です。 過去の良き時代の食事会の様子を、現実の食事会に「投影」して、 うちの会社は頑張っていると思い込んでいたのが、グループトップの日枝さんなのでしょう。 「投影」というのはプロジェクションマッピングをイメージしてもらうと分かり易いと思います。 現実はどうあろうと、その上にプロジェクションマッピングをしてしまえば、自分の理想の世界になってしまいます。 だから、他の人が何を言っても、自分の世界から抜け出せなかったのでしょう。 その点で日枝さんの責任は大きいのでしょう。
 このようなトップの過去の良き時代の「投影」は、テレビ局に限らず、どの業界、どの企業にも起こることです。 トップが高齢であることが問題ではなく、トップが過去の成功体験を「投影」し続け、 現実を把握することを怠ることが問題なのです。

 これを防ぐためには、トップ自ら現場にいき、事実を集める必要があるということです。 別に事実集めを毎日する必要はありませんが、自分の思い通りでなくなり、何か上手く行かない出来事が起こったとき、 自分は過去の成功体験を「投影」して、現実を見ていないのではないか、と疑うことが必要だということです。
 成功体験が強力であるというのは、プロジェクションマッピングの光の強さが強力ということです。 フジテレビも人権を無視し、世間の非難を浴びても、視聴率の上がる番組を作りたいと思っていたわけではないと思います。 しかし、強力な成功体験、それを絶えず現実に投影する日枝さんの存在が、 組織の自己浄化力を奪ってしまったのではないでしょうか。

 今幹部にいるのは、過去に何らかの成功体験を積み重ねた人だと思います。 ということは、日枝さんのようになる可能性はあるということです。 特に、過去の成功体験だけをよりどころにしている人は、要注意ですね。 そう考えるとフジテレビの問題は、他人事ではなく自分事までとはいかなくても、 身近な出来事である可能性があるということですよね。
 フジ・グループは崩壊した企業の信用をどう再生させるのでしょうか。 今後も注視していきたいと思っています。

 

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