本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

本で伝えたかったこと

商売の可能性、人とのつながり、スタッフの人間力向上

革新的なもの(コミュニティホール)に取り組むためには、
    まず関係者の『思考の背景』を共通なものにすること!

 本の中で、最初にコミュニティホールに取り組む必要性について かなりのページを割いています。 その理由はコミュニティホールに取り組むときに、 過去から持っている思い込みを、変えてもらう必要があるからです。

 人は過去の経験から判断し、適正不適正、善し悪し、効果の有無など判断していきます。 もし、判断する中で、これはダメだ、不適正だ、悪いことだ、 効果の無いことだと思ってしまうと、取り組みに力が入りません。止めたくなります。

 会社命令でやれと言われればやりますが、 本来の力は発揮できません。 ましてや力を120%出して頑張ることはできません。
 自分では効果がないと思っているのに、必要だからと言われても体が反応しません。 たとえそれが社長から言われても同じです。 過去のホール支援の中で、このような状況は何度も見てきています。

 人は経験を積むと脳は学習し、最も良いやり方を導き出します。 この時危ないのが、真理を掴んだ、ノウハウを確立したと思い込むことです。 こうなると、判断は条件反射的に行われ、変化についていけなくなります。

 本の前半部分は、従来から持っているパチンコ業界に対する思い込みを変えてもらうために、 小泉社長が山崎店長や関根翔太を説得する内容となっています。

 この強固な思い込みを発生させている要因の一つが、経験等で形成された強固な前提意識(思考の背景)です。 これがあると、どうしても物事がゆがんで見えてしまい、頑張れないのです。 これは通常、意識上に上がってこないので、そのことに自分が囚われていることに気づきません。 しかし、そのことにより確実に思考がゆがみ、正しい判断をできなくしています。

  

 上の図は錯視図といわれるもので、背景の線を無くしてしまうと、 どちらのおじいさんも同じ大きさとわかります。 ではよく見てください。あなたの脳は同じ大きさと感じていますか? 「説明は分かるが、現実は違う」という心の声が聞こえてきます。 図の背景に線があるので、錯覚するのです。 背景によるバイアスは思った以上に強いものです。

 だから、二人に服のプレゼントをしようと思い、 私が「同じ大きさの服を買えば大丈夫!」と言ったとしても、 あなたは「それはおかしい、後ろのおじいさんは、 どう見ても大きいサイズのものでないとダメだ」と主張します。 背景の線の無い図を見ている人と、有る図を見ている人では、 いつまで経っても議論がかみ合いません。
 仕方がないので、「いいから同じサイズを買っておいて」と指示をだすと、 善意で私のフォローをしようと、こっそり違うサイズの服を買って、 知らん顔をするという感じになります。

 そこで必要なのが、思考の背景、つまり前提意識を共通にすることなのです。 なぜ、コミュニティが有効なのか、分からない、理解できないとは、 前提意識の違いが理解を妨げている可能性が大きいと言えます。

 だから共通の前提意識を持つような場を設けたり、 機会があることに前提意識が共通になるように、繰り返し説明することが必要です。

  

 業課や世間の意識はだいぶ変わって来ているとは思いますが、 かなり昔のイメージを持っている方もいるのも事実です。
 パチンコは、賭博業ではなく本当に娯楽業であるという意識を、 経営者や幹部をはじめ、店長、役職者やスタッフがしっかり持っていないと、 同じホールへの繰り返し来店するというコミュニティのスタイルが、 新しいライフスタイルの提案に見えたりせず、依存症の誘惑に見えたりします。

  

 お客様に感情移入をしたとき、『賭博へいく』という前提意識では、左側のような思いがでるので、 会員募集をしても入らないのが当然と思い、入会の声掛けも力が入りません。 もちろん、言われるので声掛けの行動を起こすでしょうが、 無駄なことと思い、仕事のやりがいを持つことはできないでしょう。

 スタッフや役職者が、少なくとも右側の『娯楽へいく』という意識を、 お客様が持っていると考えることが出来れば、コミュニティ化は前進します。

 もし、コミュニティ化の施策をいくら考えても、実行が出来ないとか、 役職者やスタッフが協力的でないということであれば、 一度、自分達の認識がどうなっているのか、みんなでディスカッションをするのもよいでしょう。

 基本としては、イノベーション型コミュニティホールのような今までにない取り組みをする場合、 早目に前提意識を統一するように、繰り返し全社員に働きかけましょう。 くれぐれも新しく入ってきたスタッフが、何も説明を受けることなく、 コミュニティ作りの業務に駆り出されることが無いようにしてください。

 一つの方法は『本当の地域密着店の作り方』を読んでもらい、 自店がなぜ、コミュニティホールに取り組んでいるのか、文章を書かせることです。 書くためには本を見直すことになるので、学習効果が高まります。 もちろん、率先垂範ですから、最後は店長から趣旨を改めて説明することが大切です。

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