本当の地域密着店の作り方

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

ブログ

経営のヒントになりそうに思ったこと

 □□□ 2019年 7月の目次 □□□

 家電メーカーが作ったダイソン大学から学ぶ!

 掃除機のダイソンと言えば日本人のほとんどが知ってるのではないかと思います。 そのダイソンが大学を作っていたことはご存知でしたか? ニュース番組WBSで取り上げられるまで、私は全く知りませんでした。

 ダイソン大学は、イギリスのマルムズベリーというところにあります。 ロンドンから西に車で3時間ぐらい行ったところの街です。 ダイソンの研究施設と一緒になっており、大学では数理工学や電子回路などを学んでいるとのことです。 大学の特徴は、ダイソンの研究開発所の中にあるので、開発現場での実習を授業の中に組み込んでいるというところです。 知識を学ぶと同時に、それがどのように現場で活かされているか、実際に体験することができます。 大学で知識をまず覚えてから、社会に出てからそれを実際に活かしてみるという一般の知識と実践の分離方式に比べて、 知識と実践を交互に頭脳にインプットしていく方式の方が、知識の吸収も定着も早くなるような気がします。

 このような大学を作った理由をダイソン創業者のジェームズ・ダイソン氏はこう答えています。 「アイデアはたくさんあっても技術者や科学者が足りない。 もっと多くの技術者が必要と考えている。 今後の技術競争に勝ち抜くため、10年前より2~3倍の技術者が欲しい」
 要するにダイソンは優秀な技術者がまだまだ不足していて、 それを通常の技術者募集では間に合わない。 そこで、優秀な技術者を自ら育てて、採用することにしたということです。 実際、ダイソンは家電業界の枠を超えて、自動車業界の参入も表明しており、 電気自動車の開発とその大量生産体制の確立を急いでいます。 これ以外にもオープンにしていない計画がいろいろ有りそうです。 だから優秀な技術者に対するこだわりは相当強いと思います。

 現在、ダイソン大学で学ぶ人は74人ほどです。 ダイソンでは優秀な学生を集めるために様々な施策を行っています。 なんとダイソン大学では授業料が無料です。 さらに年間約240万円のお給料がでます。 そして優秀な成績を残せばダイソンに入社できます。 大学の競争率は23倍ということで、オックスフォート大学やケンブリッジ大学というイギリスのトップクラスの大学を受けるレベルの優秀な学生を集めています。

 ダイソン氏の頭の中には、『最高の教育が競争力強化に繋がる』という考えをもっており、 生産拠点を持っている世界中から優秀な人材を集めて、学んでもらう構想を持っています。 ダイソンはユニークな家電を次々に出していますが、そういうことを可能にするための仕組みの一つとして、人材教育を位置付けているのが分かります。

 ダイソンから学ぶことは人材教育の大切さといこともありますが、それ以上に欲しい人材とはどういう人材であるか、明確にしている点だと思います。 ダイソンは大学を作り、漠然と理工学の勉強をさせてとは思えません。 おそらく何を学ばせるか厳密にプログラムされていると思います。 その背景は、ダイソンに必要な技術者とはどのようなものであるか、明確になっているからです。

 経営者の方は優秀な人材が欲しいというお話は良く聞きます。 それではどういう人材が優秀なのか?という具体的なことになると、明確に答えられない方が多いのではないでしょうか。 そして、そういう人材を育成するためには、どのような教育や経験が必要なのか分っている方はさらに少なくないと思います。
 人事戦略や人材育成は会社の将来を左右する重要案件です。 会社に経営者と同等かそれ以上の能力をもつ戦略的人事部長がいるなら、そういうことに積極的に取り組んでるのでしょうが、 そうでない場合は経営者の見識が人材戦略のすべてです。
 ダイソン大学を知ったことを機会として、求める人材の明確化、さらには必要な教育について考察を広げてみると、今後の人材戦略の在り方が見えてくるのではないでしょうか。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 吉本興業の問題から対応ミスの在り方を考える!

 吉本興業問題、まだまだ続きそうですね。 所属芸人である宮迫博之が反社会的勢力からお金をもらったかどうかが発端でしたが、 問題はどんどん発展し、吉本興業自体の在り方にまで及んできているように思います。

 この問題の中で印象に残っているものがあります。 吉本興業の岡本昭彦社長が記者会見を行い、宮迫博之氏に対する契約破棄を撤回するという報道です。 テレビで見た岡本社長の記者会見の内容は、かなり酷かったように思いましたが、 それよりも気になったのが宮迫博之氏に対するその後の寛容な対応でした。 このとき頭に浮かんだのが古代中国の話です。

 紀元前の中国の春秋戦国時代の話です。 斉(せい)の桓公(かんこう)が酒に酔い冠を落としてしまった。 それが恥ずかしいといって三日も朝廷を出なかった。 端的に言えば羽目を外しすぎて失敗をしたということです。
 桓公があまりに気にし過ぎているので、首相の管仲(かんちゅう)が君主にアドバイスをしました。
「善政をなさって恥をそそがれることですね」
 それを聞いて桓公は、穀物倉を開いて民(たみ)く配り、軽犯罪者は監獄から出した。 自分の人気取りのために施しや恩赦をしたということです。
 その結果どうなったかと言えば、国中の人が「君主さま、もう一度冠を落としてください」という歌を作ってはやし立てた。

 民は君主がへまをすることで利得をうけるので、 君主がへまをやることを望んだというお話です。 これを吉本興業に置き換えると、岡本社長が下手な経営判断た会見を行ったことで、問題を起こした芸人が得をしたという同じ構造です。 吉本興業に求められるのは事実の追求と正しい対応です。
 今回の騒動の発端は宮迫博之氏が、反社会的勢力との金銭問題感覚が甘かったので、吉本興業に対して偽りの報告をしたということです。 この認識の甘さを問題として、これまで対応してきた思うのですが、それがウヤムヤになったように思えました。 先ほどの中国の話から類推すると、問題のある所属芸人は「吉本興業さま、もう一度ミスをしてください」と願うということになります。 組織の所属する人間が、その組織の正しさを願わなくなれば、モラルは崩壊していきます。

 でもこのよな話しは特別ではなく類似のケースは身近にあります。 自分が不得手なので、その部分に関しては部下に対する評価が甘くなるというのも同じようなものです。 店長が、自分はあまり遊技台整備に自信がないから、部下に対してもそれほど厳密な欲求はしないというのがこれにあたります。 もちろん、今の店長は遊技台整備の技術が優れているので店長になった人が多く、こんなことはないでしょう。
 しかし、その他分野ならどうでしょう。 店長が、自分はあまり接客が得意じゃないから、あまり高いレベルの接客を求めるのは気が引ける。 だから、そこそこの接客レベルで良しとしてしまう。 自分を基準にして甘くしていく。 目先のことしか分からない部下は楽ができると喜ぶでしょう。 まさに、先にほどあげた中国の故事と同じです。

 部下としては、上司ができていないのに高い要求をされても困ると思っている人もいるかもしれません。 しかしながら、管理者という立場の人はプレーヤーではないので、仕事の中身が違います。 管理者は現場の人間の能力アップさせ、高いレベルの仕事をさせるのが仕事ですから、 自分の能力とは関係なく、必要なレベルの仕事をさせるのが仕事です。 その時に自分のミスをごまかすために、部下に対する指導が甘くなるようならどうなるでしょう。 ちょっと想像するとお分かりのように、仕事の内容は低いレベルへと流されていきます。

 吉本興業に関する新たなニュースで、宮迫博之氏に対する契約解除を撤回するのを撤回するとか、話がダンダンややこしくなってきています。 この先吉本興業がどうなるかはわかりませんが、 自分のミスをかばうために周囲に何らかの便益を与えてしまうと、周囲の人は悪気なく、あなたのミスを望んでしまうことはお分かりいただけたかと思います。 こうなるといい仕事をするのが難しくなっていきます。 上に立つ人は、自分の判断がその後どのような影響を組織に及ぼすのかを考え、 頭の片隅に置いておくことは、正しい判断をする上で、重要なことではないでしょうか。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 百貨店の夏物在庫一掃セールを参考にする!

 梅雨が上がり夏本番ですが、冷夏の影響で百貨店などは夏物在庫を減らすためにいろんな工夫をしています。 他業界の販売促進を見てパチンコ業界に取り入れることは『リンク』すると言ってます。 同じパチンコ業界のモノを取り入れてやることは『パクリ』と言います。 業界でのオンリーワンを目指す店舗は、『パクリ』はしません。 『パクリ』はオンリーワンという方針に反しますからできないと思います。 しかし、アイデアに行き詰るというのは良くある話です。 そこでお勧めなのが他業界のマネをして自業界に取り入れる『リンク』です。

 ニュース番組WBSを見て、参考にできるものがあるので紹介したいと思います。 まず東京の松屋銀座です。 松屋銀座では24日から浴衣コーナーをしています。 浴衣は夏を身近に感じるグッズです。 浴衣を強調することで夏気分を盛り上げて、夏用品の購入を促進させる作戦です。 これは浴衣で季節感を強く感じてもらい、今消費を刺激するものです。

 人は季節感を感じると、家事や仕事に追われているという意識から離れやすくなるので、ストレスの軽減となると同時にレジャー気分にモードに入りやすくなります。 要するにテンションが高まるので、お金を使いやすい。 店舗で景品として浴衣を揃えることも可能でしょうが、来店してそれで季節感を感じるようにするためには、 大掛かりな仕掛けが必要となります。 そこまでやるのは面倒なので、スタッフの浴衣を着せて対応するというのが現実的でしょう。 若い女性の浴衣姿は良いものです。 それに加えて接客サービスがしっかりしていれば、夏レジャーやストレス解消を意識して来店する確率が上がるのではないでしょうか。 高齢者の方は、浴衣が好きだと思いますので、制服を浴衣に変えて接客をするという演出は有効だと思います。 スタッフ全員が浴衣である必要はないので、演出を考えてカウンタースタッフだけでも浴衣での対応をしてみるのはどうでしょうか。

 浴衣を着るという基本形はどの店舗でもしている可能性はあります。 だから、プラスアルファをどう考えるかがポイントです。 ちなみに松屋銀座では入り口でチラシを配布し、そのチラシを持って浴衣コーナーに来るだけで、 コーヒーゼリーをプレゼントするそうです。 購入すれば小型の携帯うちわもプレゼントです。 ホールはプレゼントできませんが、それをひねればいくらでもアレンジアイデアは出ると思います。

 次に東武百貨店池袋本店です。 ここでは、暑さネタにした販促企画をしています。 午前8時の気象庁の最高気温によって、サービスを行うというものです。 販売促進部のスタッフが気象庁のホームページを確認し、今日のサービスを放送担当者に連絡します。 放送担当者は店内放送でサービスの開始準備を店舗スタッフに伝達します。

 サービスの種類は2つで、「真夏日サービス」と「猛暑日サービス」です。 「真夏日サービス」は最高気温が30~34度と予想された時行うサービスです。 「猛暑日サービス」は35度以上になると行われるものです。 サービスの内容は、プレゼントやお試し品の提供、値引きなのです。 「真夏日サービス」参加店舗は少ないのですが、「猛暑日サービス」の参加店舗はかなり多く、 お客様が今日は暑いので外出したくないという人に、そういう時こそ外出した方が得ですよとアピールしています。 こんなに暑かったら百貨店に行くなら東武百貨店にしようと思ってもらうのが狙いです。

 以前、夏に良く言われた話で、28度までならアイスクリームが売れるが、28度を越えると氷が売れ出すというものがあります。 つまり、人は暑さの度合によりニーズも変わるので、サービスがそれに応じて変わると、お客様のことを考えていると、評価を高める可能性は高いと思います。 実際のところそこまで考えていなくても、最高気温でサービスが変わるというのは、なぜこのサービスをしているのかという理由をつけやすいので、お客様に声を掛けやすくなります。
 こんな感じですね。
「いつもはありがとございます。今日は最高気温が35度になりましたので、熱中症対策のアメを配っております」
 ところが、いつもアメを配っていると、スタッフがアメを渡すときに声を掛けにくいと思いませんか?
「いつもはありがとございます。アメをどうぞ」
会話が続きませんよね。
 店舗として、この東武百貨店のような販促の仕組みを作っておくと、スタッフの会話も楽なり、接客力も上がるように思いますがいかがでしょうか。 もちろん、これくらいの工夫をされている店舗も多いと思います。 でも、今の演出は完璧でしょうか? 世の中には完璧なものはないので、改善できる余地はあると思います。 そう思う方が工夫ができるので楽しいですよね。

 今回紹介した事例は百貨店でしたが、テレビを見ているといろんな業種のいろんな販促が紹介されています。 もし、アイデアに行き詰っているなら、みなさんも他業種の販促をリンクして、新しい発想を自分のものとしてはいかがでしょうか。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 ソニーの最新ミラーレスカメラを参考にする!

 ソニーからミラーレスカメラの新製品が発表されました。 製品名は「α7RIV」。特徴は最大画素数6100万画素で、フルサイズ機では世界一の画素数ということです。

 ミラーレスカメラは、従来のカメラのように撮影時に被写体をファインダーで確認するために使うミラーが無いものです。 レンズから入った光をイメージセンサーでデータに変換し、被写体を液晶などで確認して撮影する方式のカメラです。 ミラーが無くなったことで軽量化ができ、持ち運びや撮影が楽になり、しかも従来の一眼レフと同じ性能を持っていることから人気となりました。

 スマホのカメラが高機能なので、通常のデジタルカメラは駆逐されていきました。 その中で唯一成長しているのが、ミラーレス部門です。 より良い画像にこだわる人にとっては、スマホカメラは物足りなく、高性能カメラのニースは健在だということです。

 今回発表されたソニーの「α7RIV」は、世界一の画素ということで、 キャノンやニコンとの差別化を図っています。 ソニーマーケティングジャパンのデジタルイメージングビジネス部の小笠原啓克統括部長は、 ニュース番組WBSのインタビューに答えてこう言っています。 「キャノンやニコンよりも先に革新的な技術の商品を投入することで、 ミラーレスカメラマーケットをリードしていく」

 キャノンやニコンなどは顧客数も多く、彼らは各メーカーに適応した交換レンズを持っています。 それが他メーカーへの乗り換え障壁となっています。 ソニーとしてはそういう障壁を超えて購入してもらわなければなりません。 その決め手として革新的技術として、今回6100万画素のカメラを市場に投入したということです。

 競合他社のファンを引きはがして自社のファンにするのは容易ではありません。 ホールも同じですよね。他店のファンを引きはがして自店のファンにするためには、 競合店が大きなヘマをするか、自店の魅力度を他の追随を許さないほど上げるかです。 どちらが手堅いかと言えば、競合店のヘマを待つよりは、自店の魅力度を上げることですよね。

 ソニーから学ぶことは、競合他店からお客様を奪うためには、革新的技術といえるようなダントツのモノを持ってこないといけないということです。 競合他店より少々良いぐらいでは話にならないという認識を持たないと、他店からお客様を奪う努力をしたことにはならないということです。 少し努力して良くなったからといって稼働が上がらいのは当たり前と思うべきであって、万一上がったときはラッキーと思うくらいでちょうど良いということです。 努力したらすぐに成果が欲しくなるのは普通です。 しかし、世の中厳しく、競合店からお客様の奪還は簡単ではない。 だから成果は出ない。

 そこで諦めないためには、お客様の反応が無いのは、自分がダントツ(革新的技術)になっていないからと思えば、継続して改善努力に集中できます。 そして何が何でもダントツ1位になろうと努力することで、店舗も自分も磨かれていきます。 だから経営者や店長は、「ダントツに〇〇がなっているか」「今の〇〇で他店からお客様がうちに移動してくれるか」と声を掛け続けることが、 差別化作戦を成功させるキーになるのではないでしょうか。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 京アニの放火事件を教訓として安全対策を見直す!

 18日に起こった京都の凄惨な事件は非常にショッキングなものでした。 大量殺人を目的とした放火です。 京都アニメーション(京アニ)のスタッフ及び関係者の方が34人も亡くなられました。 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 私はアニメを見ますが制作会社で知っているのは、ジブリと京アニぐらいでした。 京アニの「響け!ユーフォニアム」や「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は印象に残っており、 特に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は内容が心温まるもので、何度も繰り返し見ていました。 挿入されている音楽も好きで、車のBGMとして聞いています。
 私はアニメは面白いだけではなく、高い文化性を持っている表現手法として認識しています。 その中でも京アニの作品はクオリティーの高いと思っていたので、 その京アニがこのような襲撃の対象となったことは非常にショックでした。

 パチンコ業界はアニメ業界との関連が深く、アニメを題材にした遊技台が数多く出ています。 私がアニメを見るようになったのは、パチンコ業界に入り「エヴァンゲリオン」が何か分からず、その世界観を知るために見るようになったのがきっかけです。 その後もアニメ系の遊技台を理解する、あるいはメーカーがどのようなアニメを遊技台にするのかを知るために見るようにしていました。 京アニの作品では「涼宮ハルヒの憂鬱」が遊技台として出ています。 アニメの制作会社まではしれなくても、「涼宮ハルヒの憂鬱」という台の名前を記憶されている方も多いのではないでしょうか。

 今回の事件から学ぶべきものとしては、絶対安全はないということだと思います。 犯人の動機はまだ分かりませんが、考えられない行動をとる人は必ずいるということです。 京アニという会社が憎ければ、夜に放火をすれば会社にダメージを与えられます。 しかし、今回のように昼間に多くの人がいることを知っていて、放火をするというのは大量殺人を目的としているのではないでしょうか。 爆発音があったということなので、人のいない1階でガソリンをまき、ガソリンの蒸発を待って火をつけたと考えられます。 1階全体を火の海にすれば逃げることができず多くの人が死ぬことを意図している行動です。

 犯人が捕まった時に、京アニに対する恨みを叫んでいたとテレビのニュースで報じられていました。 恨みの根拠が正しいかどうか、単なる思い込みかは別として、人間憎しみや恨みで凝り固まると何をしでかすか分からないということです。 お客様の中の多くはパチンコは遠隔をしているといまだに思い込んでいる方も多くいらっしゃいます。 そういう人が、自分の負けをパチンコ店が悪いと思い込む可能性があり、そうなると大変なことになる可能性があると感じました。

 過去にパチンコ店が放火されたという事件は有りましたが、放火でこのような大惨事が起こると予想していた方は多くないと思います。 せいぜい店舗の一部を焦がして終わりという認識ではなかったかと思います。 今後ガソリンの販売は厳格になると思いますが、車からガソリンを抜くことは可能なので油断はできません。 今回の事件で、ガソリンによる放火の威力が実証されたのは事実です。 模倣犯をいうものはかなりの確率で現れます。 そう考えると放火に対する対策は、この機会に見直しておく必要があるのではないでしょうか。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 知っているつもりが危ない!を考えて自店を強化する

 いきなりですが、ステーキではなく、質問です。

第1問)世界の平均寿命は約何歳でしょうか?

     ①約50歳  ②約60歳  ③約70歳

第2問)世界でわずかでも電気が使える人は何%でしょうか?

     ①約20%  ②約50%  ③約80%

第3問)低所得国で初等教育を修了する女子は何%でしょうか?

     ①約20%  ②約50%  ③約80%

 いきなりの質問で何なの?と思われたと思います。 実はこの質問は人間の思い込みを試す質問で、知識のある人ほど間違えるとニュース番組WBSの大江キャスターが言っていました。 答えは、すべて③が正解です。 いかがでしたでしょうか?

 私は第1問はせいぜい②の60歳と思っていました。 良くユニセフなどが募金を集める際に、アフリカの悲惨な状態の子供の映像を映します。 そして、多くの幼い命が奪われているという惨状を伝えます。 私の頭の中では、多くの小さい命が奪われているなら、平均寿命は上がってないはずだと思っていました。 また、戦争直後日本の平均寿命が60歳を割っていたという記憶があり、70歳は『古希』と呼ばれています。 ご存知のように『古希』とは「古来希なり」という意味なので、 世界の平均寿命が『古希』まで伸びているとは全く思っていませんでした。 したがってまず③は無いだろう、①かもしれないが最近の衛生状況は上がってきているだろうから、②ぐらいにしておこうという感じでした。

 第2問や第3問も事実を知らないので推測することになりますが、外れました。 でも冷静に考えれば、世界の人口はアジアに集中しており、アジア諸国で電気が全くない国は無いことを考えると、正解は③にすべきであったと反省しています。 第3問は「低所得国」が曲者で、所得がいくら以下が低所得なのか明確ではないので、答えられないと思います。 なぜなら、世界第2位の経済大国である中国でさえ、我々はまだまだ所得が低いとことあるごとに言うのですから、 定義があいまいな問題はあまり良い問題とは言えないと個人的に思いながら、とりあえず答えを間違えました。

 いかがでしょう。皆さんは正解されましたか? この問題を紹介したのは、もちろん皆さんの知識を試すためではなく、思い込みで知っていると思う危険を伝えるためです。

 実はこの問題は「FACT FULNESS」という本の中に書かれていることを基に作られた質問のようです。 この本は世界で100万部販売され、ベストセラーとなっているということです。 私も近くの本屋でこの本が山積みになっていたのを知っています。 現在でも山積みになっています。 サブタイトルは「あなたの常識は10年前で止まっている」というものだったと思います。

 この本の著者の言いたかったことは、事実をベースにして政治でも経済でも経営でも議論をしないと正しい解決策に到達できないというものです。 本のタイトルである『ファクト フルネス』とは事実や最新の統計に基づき物事を見る習慣をさす言葉です。 当り前と言えば当り前なのですが、この本が主張しているのは、一度事実あるいはデータを仕入れると、そのデータを更新するのを忘れていませんか?ということのなのです。

 人は知らない時には知る努力をしますが、一度分かったと思ってしまうと、知識の吸収をしなくなります。 それは脳科学からも良く指摘されることです。 脳は基本的に知っていると思うことは、学ぼうとしません。 だから古い知識や考え方のまま現実の問題を解決しようとするから、有効な解決策が見つけられないという状況に陥ってしまうのです。 これはデータだけでなく、知識でも同じです。

 例えば店長はどうあるべきか、どのような能力が必要なのか分かっていますか?と尋ねると分かっているとほとんどの人が答えます。 では、あなたは計画を達成するため、あるいは稼働を上げるために何が不足しているのかを聞くと具体的に答えられない。 「僕の力不足です」「僕の能力が足りないのです」 このような答えが返ってくるのは、店舗責任者(経営管理者)として必要な能力とは何かが分からないので、自分の能力の評価ができなくなってしまっているのです。

 店長となったとたんに自分は店舗管理者能力があると思ってしまうのは良くあることです。 業績が良く、計画を達成している時には何の問題もありません。 しかし、業績が上げられない、目標を達成できないとなったとき、どのような能力が不足しているか、 それが自身で分からなければ、自分自身で対策を打つことがわかりません。 もちろん会社組織なので、経営者や社員の育成を担当している人間が、分かれば問題は解決しますが、そういう方に知識がなければ最悪です。 これは現場監督者の指導にも言えることです。
 経営環境が厳しい中で、店の業績を良くするためには、店長は店長(店舗責任者)に必要とされる能力、ホールの現場を良くするのは現場監督者がそれぞれ必要なのです。 昔、遊技台の力があって集客ができた時は、経営管理者能力や現場監督者の能力はあまり要求されませんでした。 しかし、今は管理者能力や監督者能力が厳密に要求される時代になってきています。

 もし、思うように業績が行かなくて、管理者能力とな何か、現場監督者能力とは何かが明確にできないのであれば、 一度知識の更新を図った方が良いかもしれません。 自店の業績を回復させる管理者の能力に興味のある方は、弊所の管理者研修を参考にしてもらえればと思います。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 沖縄コンビニ戦争から自店の運営を見直す!

 先週11日に沖縄でセブンイレブンがオープンしました。 那覇市内を中心に一挙に14店舗のセブンイレブンが誕生です。 テレビでは開店前に地元の人が200人ほど並んで待っている様子を映し出していました。

 セブンイレブンはコンビニの中で最大の店舗数を持っていたのですが、 沖縄県にはまだ出店していませんでした。 セブンイレブンの出店戦略は基本ドミナント方式と呼ばれる集中出店戦略で、 物流面と宣伝効果面を考えた効率的な店舗展開で、沖縄を除くすべての都道府県に出店しています。 今回の沖縄は本土から遠く、独自の物流拠点に加え、鮮度を重視するため総菜などの製造工場もつくる必要もあり、 進出の準備が整うまでに時間がかかったようです。 大手コンビニのローソンとファミリーマートはかなり前から出店をしており、 ローソンは232店舗、ファミマは325店舗も出店しています。

 沖縄県の10万人あたりのコンビニ数は38.6店で、全国の10万人あたりのコンビニ数では45位と多くはありません。 今回、セブンイレブンが参入し、セブンイレブンが計画通り5年で250店舗を作った場合、10万人当たりの店舗数が55.9店となり、 東京都を抜いて全国3位のコンビニ激戦区となるということです。 『沖縄コンビニ戦争勃発』などと言われています。 セブンイレブンの進出を、どこまでローソンやファミマがくい止めるのか注目して見ていましたが、 ニュース番組WBSの報道を見る限りでは、セブンイレブンの方が有利なように感じました。

 セブンイレブンが掲げている作戦は、本土の良い味を沖縄のお客様に届けるというモノです。 それに対してローソンとファミマは地域密着戦略ということで、20年かかって沖縄の人が好む地元の味を取り入れてきており、 それで沖縄県民の支持を勝ち取るというモノです。

 セブンイレブンの本土の味作戦の背景は次のようなものです。 セブンイレブンは調査をした結果、沖縄の人は本土の味を求めており、 本土に旅行した時には、好んでそういうモノを食べ、お土産として持ち帰るというものです。 だから、手軽にその味が手に入るということであれば、喜んでお店に来てくれる。 だから本土の味を持ってくる。

 一方、ローソンやファミマの地域密着戦略での対抗ということでWBSが紹介したのは、20年かけて沖縄の人が好む味に近づけた総菜などでした。 確かに関西と関東では味の好みが違い、好みが合わないものは食べません。 そういう意味では、味を合わせてきているローソンやファミマは手堅いように見えます。 しかし、私は何となく地域に迎合する消極的な地域密着のような印象しか受けませんでした。 地域に溶け込むための地域密着だけでは、沖縄の人があえて支持する存在にはならないように思えるのです。 それは、自分と同質のものが増えたというだけに過ぎないからです。 地元に溶け込むだけで地元に対する新しい提案が無いのです。

 その結果として、セブンイレブンの市場調査にでてきているような「本土の味を求める」ということになっているのではないかと特集を見ながら感じました。 もちろんWBSの報道がすべてではないと思いますので、ローソンもファミマもいろんなことをしてるかもしれません。 しかし、TVを見て頭の体操として思考実験としてどうなるかということでは、セブンイレブンの方が分があると判断しています。

 コミュニティホールの基本講座でも地域密着の話をしていますが、 あくまでも積極的地域密着で消極的な地域密着ではありません。 消極的な地域密着をいくらしても、ホールの存在価値は高まらないからです。 今回の沖縄コンビニ戦争を見ていて、ローソンやファミマの戦略が反面教師になるのではないかと思っています。 みなさんもそういう目でもらえれば、自店の地域密着の改善につながるのはないでしょうか。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 行列のできる家具店から自店運営を振り返る!

 ニュース番組のWBSの行列コーナーで、行列ができる家具屋さんを紹介していました。 取材したその時には、朝、オープン前に50人もの行列ができているとのことでした。 パチンコ業界では、人気店に行列ができるのは珍しくありませんが、 家具小売業界では珍しいのではないでしょうか。 少なくともの私の近くにはあまり見かけません。

 行列ができる理由は何かと言えば、破壊的な価格です。 ありえない価格で販売する、その価格とはズバリ『1円』です。 通常45000円のベットが『1円』。 通常51408円のダイニング5点セットが『1円』という価格です。 『1円セール』ということで、毎週100点ほどの商品を1円で販売しているのです。

 でもオープンと同時にお客様が殺到して大変なことになりそうですが、 そこはお店もちゃんと考えています。 オープンの少し前にお客様が並んだ順番に1円家具の予約販売を行います。 具体的に言えば、お店の前で販売員がチラシをテーブルの上に置き、並んだ順番にお客様にどの家具を買うのか尋ねます。 お客様は自分が欲しいと思うチラシの家具を指さし、目の前で販売員がその家具にバツ印を付け、販売成立の札を渡します。 それを順々にやるのです。 パチンコ店のオープンの時にやる整理券配布と同じ要領ですね。
 オープンすると同時に札を持ったお客様は会計に行き、支払(1円)を済ませ、商品を受け取り帰ります。 この1円家具は配送はしないので、お客様は自分で持って帰るのを条件としています。

 このお店は昔高級家具を扱っていたそうですが、 近隣にニトリなどのお店ができ、売上が低迷していったそうです。 そこで大手と戦うための生き残り戦略として、インパクトのある低価格を売りにしたということです。
 「1円」で家具を販売して儲かるわけではありません。 でも周囲の住民は『1円セールのお店』ということで、知名度は高いみたいです。 したがって、『1円セール』の赤字費用は、この店の勘定科目では販売促進費なのです。 仕入は工夫しているみたいなので、かなり安く仕入れているとしても、平均3000円とすれば、1チラシ約100点のセールをしますので、1回約30万円の販促費ということになります。

 店長はWBSのインタビューの中で、「家具を買いたいと思ったときに、私たちの店を思い出していただき、まずアソコのお店を見てみようと思っていただければ成功です」といようなことを言われていたと思います。
 昔、私のいたコンピュータ業界(そのころは汎用コンピューターという大型のコンピューターを販売していた時代です)でも、1円セールではありませんが、『1円』受注というものが話題になり、問題となっていました。 コンピューターのハードの費用が何千万円、何億円もするので、ソフトを『1円』で作りますというようなことをしていました。 実質的には単なる『値引き』ですね。
 昔から「損して得をとれ」という言葉がありますが、そこまでして本当に得なのかということを検証してみる必要があると思います。 低価格で販売するのは良いのですが、どこで儲けるのか、その儲かる仕組みがしっかりしていないと、ただのジリ貧戦略となってしまいます。

 パチンコ業界でも同じですよね。 出玉をして本当に儲けを増やすことができるのか。 小売業界では、価格を下げた場合の売上の伸びを検証しています。 それを価格弾力性という言葉で表しています。
 ホールも同じです。 出玉をした分、稼働や売上が伸びるのか。 私はそれを『出玉弾力性』と名付けて、チェックすることをオススメしていました。 『出玉弾力性』が無くなっているのに出玉をすることは、単に利益を減らすだけで店舗に何も利益をもたらせないからです。

 この行列のできる安売り店が今後どうなっていくかはわかりません。 本当の儲かる話は公開をしないからです。 WBSで見る限りでは、地域の人が「安い家具が欲しい」と思った時は、必ず思い出してもらえるだろうということです。 ただ、「良い家具が欲しい」と思った時は、もしかしたら思い出してもらえないかもしれません。 お客様や地域の人の記憶を再生させるキーワードが『安さ』だからです。 パチンコ業界で言えば、『出玉』だけに反応するという状態ですね。
 出玉をする日には来るが、そうでない日はさっぱり来ないというホールは、ユーザーの記憶キーワードに『出玉』以外しか残っていないということです。 こうなるとキツイですよね。 そうなる前に記憶キーワードを増やしておく必要があります。 コミュニティホール化施策はこのキーワードを増やす施策と言っても過言ではありません。 そんなことを考えながら番組を見ていました。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 ヨネックスを使うトップ選手が増えている!

 テニスの有名選手をご存知ですか? 錦織圭、大坂なおみは有名ですよね。 有名な選手が使っているラケットを知っていますか? 実はテニスファンは、有名選手が使っているラケットを気にして見ています。 特に自分の好きな選手と同じラケットは、自分も使ってみたいという心理が働きます。 多くの人がそうだろうと思います。

 ラケットメーカーはそれに目をつけ、トップ選手に対しては自社の製品を使うように契約金を渡したりします。 いわゆる販売促進費ですね。 へたな宣伝広告を打つよりも、トップ選手が世界四大大会で使ってくれる方が、売上が上がるからです。 だからどのメーカーも自社の製品をトップ選手に使ってもらうように働きかけます。

 

 2017年におけるトップテニスプレイヤーが使うラケットメーカーは、 1位がウイルソン、2位がバボラ、3位がヘッド、4位がヨネックスでした。 ところがヨネックスを使う選手が徐々に増えてきて、 2019年では、1位はウイルソンと変わらずですが、2位にヨネックスが浮上してきました。 2017年に比べると倍近くのトップ選手が使っています。3位はヘッド、4位がバボラの順です。

 なぜ、ヨネックスを使うトップ選手が増えてきたのでしょうか。 契約金をどこよりも多く払ったのでしょうか? そうではないんですね。 ニュース番組のWBSがその理由を調べて報道していました。

 結論から先に言えば、関係づくりです。 選手と地道な関係づくりを行い、信頼を勝ち得て使ってもらっているのです。 その一例として伊達公子が指導している10代前半(小中学生)の女子選手のプロジェクトをWBSで紹介していました。 伊達さんは世界に通用する女子選手を育成する必要があるということで、将来有望な4人の若手選手を他の2人のプロテニス選手と共に指導しています。 このプレジェクトを運営しているのはヨネックスです。 そしてヨネックスの担当者が、プロ選手と若手選手のサポートをしていました。 若手選手と言葉を交わし、メーカーの立場からのアドバスをしていました。 そして、その若手女子選手の練習を見に来ている親御さんにも、声を掛けて関係づくりをしていました。

 ヨネックスの担当者の方は首藤康一さんは。 「ウイルソンなら契約金を1億円出せるかもしれない。 しかし、ヨネックスはお金がないので5千万円しかだせないかもしれない。 でも、日頃から関係づくりをし、信頼関係を築いていると、5千万円でもヨネックスと契約すると人がでてくる。 関係づくりは、この5千万円のギャップを埋めてくれるんです」 と言われていました。

 みなさんはこの話を聞いてどう思われますでしょうか。 これまで、ホールに来られたお客様との関係づくりは大切です、という話をセミナーや研修会でしてきました。 しかし多くのホールの方はあまりピンときていない感じでした。 でも、他業界ですがこのような話を聞くと、そういう方でも関係づくりの価値が実感できるのではないでしょうか。 もちろん今コミュニティホールを目指している方は、その重要性にすでに気づかれていると思います。 だから、一生懸命に接客するだけでなく、関係づくりされている。 そういう方にとっては、この話は今の方針の確かさを裏付けるものとして、価値ある情報になると思います。

 さらにこの事例から学ぶとすれば、親御さんとの関係づくりでしょうか。 これは、ホールに来ているお客様との関係づくりだけではなく、そのお客様の家族に対しても、 関係づくりを意識することが重要だということを学べると思います。 具体的に言えば、いつも来店しているご主人の奥様が喜びそうな景品を用意しておススメするなどです。 そうすれば、奥様からご主人にあなたのホールに行くようにオファーがあるかもしれないということです。
 いかがでしょうか。 ニュースを見ながら運営強化のヒントを探すのは面白いと思いませんか?

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 熟成技術と取り入れた寿司チェーンに学ぶ!

 みなさんは熟成技術という言葉を聞かれたことがありますか?
 最近、焼肉店で熟成肉を売りにしているところがあります。 食材は鮮度が大切ですが、この熟成技術は、食材をしばらく置いておくことで、うま味成分を増やし、美味しく食べるという技術です。 この熟成技術が寿司屋さんでも取り入れられ、発酵熟成魚として寿司ネタになり、手軽に味わえるようになってきているというニュースを先月WBSでしていました。

 これまで熟成技術は手間がかかり、失敗すると食材そのものがダメになるので、一部の店しか熟成の手法は取り入れられませんでした。 しかし、熟成を手軽に行える「エージングシート」というものが発明され、熟成食材をメニューに取り入れる店舗が増えてきました。 「エージングシート」は一見ただの布にしか見えないのですが、これを魚に撒いておくと、魚をダメにする雑菌をブロックし、 うま味成分のアミノ酸を増やす働きがあるそうです。 株式会社にっぽんが運営する「寿司魚がし日本一」は、7月1日よりグループ全店でこの熟成魚をネタとする寿司を販売しています。 私も関東に行った時には食べてみたいと思っています。

 ここで見習いたいのは最新技術を取り入れる会社の姿勢ですね。 「エージングシート」はかなり以前に話題になり、ガイヤの夜明けという番組でも取り上げていたように思います。 こういう新しいものに興味を持ち、自業界で試してみようという勇気を持つことは大切だと思います。
 業界で一番先にやるというのは、まさにファーストペンギンですよね。 ファーストペンギンはご存知のように、一番先に海に飛び込むペンギンさんです。 海の中に危険があります。 もしかしたらシャチやサメがいて、一瞬で命を落とすかもしれない。 しかし、その危険を乗り越えてエサを獲得していく勇気あるペンギンです。

 もちろん飛び込めば必ず成功するというわけではなく、成功するための努力も必要となります。 この「エージングシート」はとりあえず、魚に巻きつければいいのですが、 どれ位熟成させるのが一番良い味になるかは独自で研究する必要があります。 「寿司魚がし日本一」さんの研究によると、熟成の期間は魚の種類により、日数が異なるとのことです。 例えば、マグロは21日間、マダイは7日間、サーモンは12日間だそうです。 魚によっては熟成が適さないものもあり、今後も研究を続けていくそうです。

 新しいことを取り入れて、変化をしていくお店を見て、みなさんはどのような印象を持たれますか。 もちろんその変化がお客様のためになっているというのが大前提です。 お客様は、自分達のために努力をしている店舗を見ると好感を持つのではないでしょうか。 寿司店では美味しい寿司の追求は、確かに自分たちのメリットになり、その姿勢に好感をちます。

 それではパチンコ店ではどうでしょうか。 新台入替をしていれば、努力している店舗と思われるでしょうか? どこもやっていることは、寿司屋さんで言えば、魚を仕入れるのと同じなので当たり前ですよね。 それを努力としてお客様が捉えるかどうかは微妙なところです。 では他にどのようなところに新しいものを取り入れたり、努力をする余地があるのでしょうか。 実はそれを考えるのが管理者(経営管理者)の役割ということになります。 管理者能力の有無はこれで判断できると言われています。

 コミュニティホールの十分条件の3項目目に『努力』を取り上げています。 お客様のために努力をしているホールは好感を持たれるからです。 だから、その努力のネタを探すことは管理者(店長等)の重要な職務です。
 この世の中に完璧なものはないので、何がしかの改善などの努力の余地はあるものです。 特に新しいものが出た時はチャンスです。 努力は遊技だけに限りません。 景品でも、ワゴンサービスでも、スタッフの能力でもなんでもあります。 ちょっと視野広げて取り組んでみてはいかがでしょうか。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 キーマカレーの『こだわり』から差別化を考える!

 店舗に人を集めたい。 多くの人に打ち来てもらいたい。 絶えずお客様があふれる店舗にしたい。 社長をはじめ、店の責任者をしている人はそう願っている方が多いと思います。

 繁盛店を作る一つの要素は店の『こだわり』です。 その店で無ければならないと思わせるような『こだわり』を持つことです。 その『こだわり』でファンができ、素晴らしいと思った人が知り合いに話し、口コミを発生させます。 もちろん、そのこだわりが、お客様に受け入れられるものでなければならないことは言うまでもありません。

 では『こだわり』を作れば良いと言われて、自社や自店でこだわるものがすぐにイメージできたでしょうか。 抽象的な総論の話なら分かるけど、具体的にと言われるとイメージができず、前に進めないという方も多いのではないでしょうか。
 『こだわり』を持ちたいけど思いつかないという方は、業界を問わず、こだわりを持って経営している会社や店舗を参考にするのが一番早いと思います。 他企業や他業種の『こだわり』を観て、自社ならどうするのかを考える。 抽象度を上げて本質を考え、今度は抽象度を徐々に下げて具体化し、自社ならその『こだわり』が何になるかを考えてみるとヒントを得られると思います。

 ニュース番組のWBSに行列コーナーがあります。 行列ができる店舗を取材して紹介するというものです。 その中には結構『こだわり』を持って運営している店舗が多くあります。 例えば6月に紹介された神宮前にあるカフェ&バーの「モクバザ」もその一つです。 この店の一番の売りは「チーズキーマカレー」です。 この話を少し掘り下げてみましょう。

 店長の宮本英哲さんは、このキーマカレーを徹底的にこだわりを持って作っています。 15種類スパイスをふんだんに使い、しかも夜のバーでカレーを出そうと思っているので、 整腸作用のあるカルダモンをその中に加えて、お腹に負担がかからないように配慮しています。 肉もこだわり、味に深みを出すために、様々な部位の肉を混ぜ、しかもヘルシーにするために脂肪分は少なくしています。 そして20時間をかけて、カレーを作り上げます。 最後に盛り付けですが、そこにもこだわりあり、チーズをきれいに伸ばし、ライスとカレーを均一にきれいに覆うようにして、その上にタマゴの黄身を置きます。 チーズの被せ具合を一定するのが難しいので、店長自らが最後の仕上げをしています。 というよりもバーの仕事はスタッフに任せ、カレー作りの専念しています。

 なぜ、そこまでしているのかというと、実はこの宮本店長は元グラフィックデザイナーだったのですが、 「日本一、世界一美味しいキーマカレーを作りたい」と想い、カレーを出せるバーを作ったそうです。 最初はどうカレーを作っていいのか分からなかったので、食品メーカーでカレー開発をしていた知人を雇い、メニューはキーマカレー1本に絞り、研究に研究を重ねて行ったということです。 そして今では常時行列ができるお店になり、グラフィックデザイナーをやめ、キーマカレー作りをされている。 自分の想いを追求する凄い人だと思います。
 これだけキーマカレーにこだわって作っているのであれば、一度どのようなものか食べてみたいと思いませんか? こだわりが深い分、試しに食べてみたいという気になります。

 この事例の抽象度を上げてもらうと『こだわり』とは何をすることなのかが見えてきます。 まず志がある。こういうことをしたいという想いがあるということです。 それも高い志です。 ズバリ「日本一、世界一」です。 次にそのための絞込みです。 現実的にすべてを一番にすることは難しいです。 ヒト・モノ・カネの制限があるので、1つのモノに集中して伸ばすという発想です。 次に情報収集ですね。 カレーの作り方を良く知らないので、知っている人から情報を収集しています。 そして、カレーの材料の厳選と調理法の研究です。 最後に見た目を整え、インパクトを与える。

 数式で表すと次のような感じになります。

●こだわり=志×絞込み×情報収集×構成材料×調理法(運用法)×見た目

この式に当てはめてみると、だいたい自店がこだわっているこだわり度合いが分かるのではないでしょうか。

 もし、人を呼び込むだけの『こだわり』を作りたいと考えるなら、 この数式の構成要素のどれを強化していくかを考えるということになります。
 例えば、女性客を集めたいので、「日本一の女性用トイレ」を作りたいというテーマを掲げたとしましょう。 そうすると絞り込みをどうするのかを考えます。トイレ全体にするのか、洗面台に絞り込むのか。 そして、日本一とはどのようなトイレになれば言えるのか、情報を集めることになります。 そして、トイレを構成しているものを厳選し、どのように運用していくべきか、見た目はこれで良いかを感がるということになります。
 トイレにこだわる女性は多いので、こだわりは女性に伝わり、期待を大きく超えれば、口コミになります。 私は昔から新店で予算が無いが差別化したいと相談されたら、女性用トイレの強化の話をしています。

 いかがでしょうか、事例の抽象度を上げると業界は関係なく、自分の思考に役立てることができます。 弊所の管理者研修を受けた方は、今回の話は抽象化思考と数式化思考についての復習になると思います。 また、『こだわり』については、コミュニティホール基本講座の中で、コミュニティホールの必要条件の一つとして、これに関連したテーマを取り上げています。 再度見直しておいてください。
 結構長くなりましたので、この辺で終わりたいと思いますが、 本気で競合他社との差別化を図りたいということでは、『こだわり』は有効だと考えています。 何かトライされてはいかがでしょうか。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

 防災減災システムからホールの在り方を考える!

 最近の天気は油断ができないものになってきているように感じます。 特に雨は気になります。 昔は大雨警報が出ても、台風の直撃でもない限り、あまり災害まで至らなかったように思います。 しかしながら、最近は雨が一定の地域に集中して降るケースが増加し、 少し長雨になるととんでもない被害が出たりします。 私は昨年の7月鳥取で大雨(西日本豪雨)に会い、数日間電車が止まり、高速バスも運休したため、 奈良に帰るのに飛行機で鳥取から東京に行き、すぐに東京から大阪まで移動して奈良に帰ったことがあるので、余計に大雨には敏感になっているのかもしれません。

 このような災害を防ぐ、あるいは災害の規模を軽減するためにAI(人工知能)を利用しようという動きが、先月ニュースになっていました。 損害保険ジャパン日本興亜(日本興亜)が、AI技術のワン・コンサーンと気象情報会社のウエザーニューズと提携し、 災害による被害を予測して可視化するシステムを作り上げたという内容です。

 システムの中にはデータとして、過去に起きた浸水や損壊情報、地形の細かな高低差が入っており、 それとウェザーニューズが提供する実際の気象情報と予測情報とを連動させて予測するというものです。
 例えば、万一洪水が起こり、堤防が決壊した場合、どのように浸水被害が発生していくのかを自動的にシミュレーションして、モニターに被害マップを表示してくれます。 このシミュレーションはリアルタイムで行うことができるので、 実際の災害時の避難誘導にも活かすことができます。 また、防災の観点から災害前にシミュレーションを行い、災害の発生を防ぐ対策を考えることができます。

 ニュース番組WBSのインタビューで、日本興亜のビジネスデザイン戦略部の木村彰宏部長は、 「災害が起こった後ではなくて、災害が起こる前のお客様の生活をどのように守っていくか、最新のテクノロジーを使い取り組んでいきたい」 と語っていました。、
 このニュースを見ながら、日本興亜は自社がもらう保険料の意味付けを変えよとしているのではないかと思いました。 これまでは、万一があった場合に救済してもらうための費用負担から、万一の発生を防ぐための予防費用への転換です。

 皆さんは、同じ保険料を支払うならどちらの費用として支払いたいでしょうか。 前者の場合は、何事もなかった場合、ただの安心料ということで納得し、損保会社はラッキーしたという思いを持つのではないでしょうか。 実際はそうでもないのですが、人の不安を煽って丸儲けしたイメージをもつ可能性があります。 しかし、後者の場合、何事も起こらなくても、損保会社も努力をしているから防災への投資ということで、納得性が高いのではないでしょうか。 同じお金を払うなら納得性が高いお金を払いたいものです。 そう考えると日本興亜の防災減災システムの開発は、お客様の支払い納得度を高め、競争優位に立つアイデアだと思います。

 この発想をパチンコ業界に取り入れたらどうでしょう。 「パチンコで損をしたのは運が悪かった。 パチンコ店は丸儲けしている」 というようなお客様の考え方を、 「パチンコで負けたの仕方がない、でもこのホールで負けることは〇〇への投資になる、あるいは役に立つからこれでいいのだ」 と変えることができれば、同じ負けるならこのホールで打ちたいということになるのではないでしょうか。
 お客様の納得度の高い負けにつながる取り組みは、大切なことなことだと思います。 お客様に人との関係づくりをもたらすコミュニティホールは、その取り組みつながる施策の一つです。 コミュニティレベルを上げることで、その傾向は強まります。 継続は力なりです。どうぞ頑張ってください。

                          ・・・ 👆目次

          作成日:

inserted by FC2 system