コミュニティマネジメント研究所

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パチンコ寓話

パチンコ・イノベーションを促進させる短編寓話集

◆◇◆ 第58話 好きか嫌いか ◆◇◆

 むかしむかしあるところにパチンコ店を経営している社長がいました。
 社長をして長くなりますが、経営環境が変わり、従来の新台と出玉を中心とした経営では、なかなか先が見通せなくなってきました。
 社長は会社を長く続けるため地元から愛される店舗にすることが大切だと思っていました。 そこで地元密着型の地域から必要とされるパチンコ店をつくろうと考えました。   

 社長はとりあえず数店舗の中で1店舗をそういう店に変えることにしました。
 この店舗の成功で見極めをして、他のグループ店も順次変えていく予定でした。 社長は、社内で一番優秀と言われていた店長を、その店舗の店長にしました。
 とこがなかなか成果がでません。 社長はやはり新台や出玉にたよらないパチンコ店を作ることは無理なのではと思い始めてきました。

     ◇ 

 ある日出張で部会に参加した後、久しぶりに大学のクラブの先輩でもある社長と飲むことにしました。 お互い西と東で競合することもないので、気兼ねなく話ができます。 社長はその時、思わず愚痴ってしまいました。
「以前先輩から聞いた新台や出玉だけに頼らない店をつくろうとしましたが、あれは相当難しいですよね・・・」
「どうしたんだ、いつもの君らしくないな・・・」
「いえね。前に先輩の話を聞いて、私もやってみたいなと思ったんですよ。それで店舗の1つを試しにやってみたんですが、全然ダメなんです」
「なるほど、やってみたんだ。・・・・で、全然ダメって何が?」
「店舗運営をさせているんですけど、新台や出玉に頼らないとダメなんです」
「それは新台や出玉はゼロにはできないし、店舗の魅力演出には、ある程度必要なのは、君も知っているじゃないか」
「そうではななくて、これまでの新台と出玉の量が変わらないんです。 その上、地域密着型の為の施策をさせているので、余分な労力がかかる。 店長からは役職者やスタッフの負担が大きいので、お客様と関係をつくったり、地元商店や企業とのコラボなどは少し中止させて欲しいと言ってきているんですよ」
「なるほどね。それで君はあっさり止めたいと?」
「あっさりじゃないですよ。最初にコミュニティ型の店舗づくりの研修に行かせました。 その後も知識が足りないんじゃないかと、なんどか研修やセミナーに参加させました。 しかし、店舗は地域密着型にならない・・・」
「それで諦めてしまう?」
「会社の今後を考えると諦めたくないですよ。資金力の勝負では大手にかなわないですから・・・」
 そう言って社長は大きなため息をついた。そんな社長を見て先輩は言った。

寓話
「一つ質問させてくれ」
「何でしょうか?」
「店長はホールに出るのは好き?接客やコミュニティに興味がある?端的に言えば、お客様は好きか嫌いか、どっちなの?」
「・・・・・・」
「じゃ、台の整備と接客どっちが好きか?嫌い?どっちなの?」
「そりゃ、接客より、長年やってきた台整備が好きだと思いますよ」
「やっぱり、そうか」
「そう言うことです?」
「人間は好きなことは、頭が働くけど、嫌いなことは頭が働かない。記憶力も大幅にダウンする。 だから、そんな人間が店のトップなら、全体のパフォーマンスが低下してしまう。 コミュニティホールの理解も出来ていないし、効果的な施策も考えられない。 人間嫌なことをして成功するのは難しいよ」
「・・・・・・」
「嘘だと思うなら、帰ったら店長にコミュニティホールについて質問してみたら分かるよ。嫌いな人は答えられないから・・・」

     ◇

 社長は帰ると早速店長を呼んで、コミュニティホールについて質問してみました。
「コミュニティホールとはどんなホール?なぜコミュニティホールに人が集まるの?出玉より効果があるのは何故?・・・・」
 あれだけ研修やセミナーに行かせたのに、ほとんど答えることはできませんでした。
「最後の質問だ。ところで店長、君は台整備と接客、どちらが好き?」
「・・・・・・」
 社長は早速店長を更迭して、台整備やデータ分析より接客が好きな社員を店長にすることにしました。

     ◇

<解説>

 学生時代を思い返すと、好きな科目の成績が良かったことが分かります。 記憶もあまり苦労せずできた。 逆に、嫌いな科目は好きな科目に比べ成績が悪かったのではないでしょうか。 仕事内容も同じです。好きな仕事内容は記憶もでき、頭も働く。 それに対して、嫌いな仕事内容は記憶力が低下し、頭が働かない。 
 結果を出すためには、適材適所(好き嫌い)が大切です。

※コミュニティホールをする上では、社員の人選が重要です。 適任者は、『お客様が好き!』で『接客が好き』という人が一番です。 好きな人のために頑張ることはあまり苦になりません。

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