コミュニティマネジメント研究所

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パチンコ寓話

パチンコ・イノベーションを促進させる短編寓話集

◆◇◆ 第79話 ファン感謝祭② ◆◇◆

 むかしむかしあるところにパチンコ店がありました。 もうすぐファン感謝祭です。
 主任が店長に声を掛けました。
「店長、もうすぐファン感謝祭ですよね」
「そうだね、またみんなには頑張ってもらわないとね」
 店長は店内カメラのモニターを見ながら答えました。
「ところで店長、最近、ファン感が3日じゃなく、4日になってますよね。どうしてですか?」
「おそらく、ファン感の動員数が少なくなってきたからだろう」
「なるほど、3日間の来店客数の合計より、4日間の来店客数の合計の方が多いので動員数は増えるというわけですね」
「そういうことさ」
 店長はホールコンでデータを確認し始めました。
「ところで店長、3日間のファン感のお客様の動員が少なくなってきたのは何故なんでしょう?」
「簡単に言えば、面白くないからさ。面白ければ、人は来るだろう」
「なるほど、そうですよね」
「じゃ、4日にしたら面白くなるんでしょうか?」
「そんなわけ無いだろう」
 店長は鼻で笑いました。
 店長の答えを聞いて、主任は言いました。
「じゃ、店長こういうことですか。3日間出していた料理の味が不味くなった。だから4日間マズイ料理を出すことにした。 でもこれってやっぱりマズイんじゃないですか?」
「主任、その言い方は棘(トゲ)があるな。でも大丈夫。マズイ料理を何回も食べるとそのうちお客様も慣れてくるから」
「・・・・・・、そんなもんですかね」
「心配ない。みんながやっているんだから。 うちだけお客様が減ると社長から責任を追及されるけど、エリア全体のお客様が減るなら、社長も分かってくれるからね」
「・・・・・、分かりました。取り合えずファン感の景品、店舗倉庫にいれてきます」
 そう言うと主任はファン感の荷物を取りに行った。

寓話

     ◇

 店長はファン感期間中の自分の商圏エリアのデータを見た。
 自店の客数は減ったが、予想通りエリアの客数はもっと減っている。
『とりあえず、ファン感を乗り切ることができた』店長はほっとした。
 店長は早速、社長向けの報告書を書き上げた。

      

 

<解説>

 赤信号、みんなで渡れば怒られない。

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