新型コロナ運営対策コーナー

コミュニティマネジメント研究所

新型コロナウイルスの感染

 感染防止の視点を持つ

新型コロナウイルス感染の基本的な知識

 新型コロナウイルスの感染を防ぐために、新型コロナウイルスの感染メカニズムを理解しておくことが大切です。 ウイルス感染のパターンは、主に「接触感染」と「飛沫感染」の2つがあります。 それに加えて、「エアロゾル感染」という言葉も聞かれます。 それと、感染者が下痢の場合、糞便感染も考えられるとのことです。 インターネットに出でている情報を基にまとめて見たのが以下の表です。

◆接触感染についての知識

 「接触感染」は細かく分けると3パターンになりそうです。
 まず、感染者から直接に唾液や気道分泌物にあるウイルスを自分の口や目、鼻に直接摂取してしまうパターンです。 これは感染者との接吻や抱擁なことが無いと起こりえないと思います。 幸か不幸か日本にはあまりそういう習慣がないので、夫婦や恋人同士は別として、ダイレクトにウイルスが口等を通して体内に入って来ることはないと思います。 欧米の感染率と日本の感染率の違いが生活習慣や文化の違いということ言われますが、この部分がその一つだと思います。

 次に、感染者に触れて起こるものです。 これは感染者の飛沫が髪の毛や肌、服に付着し、それが第三者の手やハンカチなどにつき、口や目、鼻からウイルスが入ってくるパターンです。 もちろん、感染者の飛沫が一切肌や服についていなければ、感染者に接触しても何も問題は起こりませんが、呼吸をし、話をすれば、飛沫が服や肌に着くには避けられないということになります。 だからと言って感染者に触れると感染するかといえばそうではありません。 下の整理資料②の表に書いていますが、新型コロナウイルスは人の健康な肌から直接体内に入ることはできません。 ですから、こまめな手洗いを徹底すれば接触感染は防げることになります
 問題なのは、感染者の近くに行くことでの飛沫感染です。 飛沫を口や目、鼻などに浴びない工夫をしないといけません。 マスクをしてもダメと言われるのは、この飛沫の吸収を防ぐことが出来ないからです。 ファイスシールドでも空気のながれで入ってきそうです。 だから医療機関では防護服や専用のマスク、ゴーグルなどを着用しているのです。

 三番目は感染者の飛沫や第三者から運ばれたウイルスが付いたモノを手などで触り、偶然目をこすったり、口を拭いたりしてウイルスが体内に入るパターンです。 これを防ぐ第一のポイントは、モノに対する除菌の徹底ということになります。 上のグラフを見てもらうと、新型コロナウイルスは体内を離れても結構生きています。 だからこまめな除菌が必要となってきます。 そして、万一除菌の漏れがあり新型コロナウイルスが手に付いたとしても、手洗いや手指消毒を徹底することで、ウイルスが手などから口や目、鼻などから侵入することを押さえることができます。 逆に言えば、モノにどれだけウイルスが付いていても、こまめな手洗いを徹底すれば接触感染は防げることになります。

 以上のように自分の目や口、鼻に触れる可能性が一番高いのは、自分の手ということになります。 手洗いの徹底や手指消毒がくどいほど言われれるのも当然ということになります。 もちろん、誤って手で顔を触らないということで、ヘルメットやフェイスシールドの装着もありますが、顔を一切触らないということは現実的ではないので、やはり手洗いが「接触感染」の最良の予防策ということになります。

◆飛沫感染についての知識

「飛沫感染」は、ウイルスが唾液や気道分泌物に含まれた状態で、空気中に飛び出して別の人に感染することを指します。 一番危ないのが咳やくしゃみですが、会話においても飛沫は発生しています。 人が静止している状態で、飛沫がどれだけ飛ぶのかを専門家の話をまとめると以下のような感じになります。 もちろん感染者の個体差があるのでこれ以上飛ぶ場合も報告されています。 ソーシャルディスタンス(社会的距離)が2mの理由は、会話での飛沫が1m場合によっては2mぐらいまで飛ぶということのようです。

 最近注意を呼びかけられているのが、移動しながらの飛沫の飛んでいく距離で、特にランニングについて注意が呼びかけられています。 マスク無しでランニングをした場合、後方に飛沫が飛んでいき、10mぐらいまで届くという実験が公開されています。 基本的に運動をすると呼吸が深くなり、感染者の方の肺の中の新型コロナウイルスを多く吐き出すことになるようです。 また、大きな声でしゃべったっり、歌う行為、当然スポーツ観戦での大声での大声での応援行為も、飛沫感染リスクを上げることになります。

「エアロゾル感染」は一番上の図表にも書いていますように、医療界ではあまり使われないということですが、 位置づけはちょうど「飛沫感染」と「空気感染」の中間にあるものです。 飛沫の場合は水分を多く含んでいますが、それが段々蒸発し、最終的に水分が飛んで飛沫核だけになります。 その状態でも感染するのが空気感染ということになります。 ちなみにエアゾールとは、「気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子」を指すので、それを吸い込んだりして感染するのが「エアロゾル感染」と言われていようです。

 整理すると「飛沫感染」は人の口などから吐き出されたウイルスが水分を十分保ったまま、人の口や目、鼻などから入り込み感染するもので、 「エアロゾル感染」は人の口などから吐き出されたウイルスが一旦空気中の漂い、少し時間がたって水分がある程度無くなってから人の口や目、鼻などから入り込み感染するイメージです。 「空気感染」は水分がなくウイルスが干からびた状態で人の口や目、鼻などから入り込み感染するものです。 「エアロゾル感染」に関しては専門家の意見が分かれていますが、より安全安心を考えるなら「エアロゾル感染」の可能性を考えて、人が長時間集まるのは避け、換気に力を入れておくと良いでしょう。

 飛沫という言葉はよく聞きますが、どれだけ飛沫という微粒子が飛ぶのかという点については、上のグラフを参照していただけると分かると思います。 クシャミが約40000個と一番最悪というのがよくわかります。 咳は1回に約3000個なので思ったほど少ないですが、続けて咳をするとあっと言う間に万の数値なります。 5分間の会話でも約3000個の飛沫や飛沫核が出るので、マスクが必要なことが分かります。
 その下にアメリカの米国立保健研究所の実験もプラスして載せています。 これは黒い箱の内部に向かって言葉を発したもので、WHOと実験環境は違います。 しかし、これで分かることは大きい声を出すと感染リスクは高まるということです。 しゃべるだけで多くの飛沫が飛び散るので、マスクは新型コロナウイルスを相手にうつさない心遣いの印と言えるでしょう。
 以上のことから相手がマスクをしてなければ、自分が感染する可能性は結構あることが分かると思います。 なぜなら通常のマスクでは相手の飛沫を吸い込むことを完全に防止できないし、飛沫が目などに入る可能性も十分あるからです。 逆に言えば、全員がマスクの着用を徹底すると、かなり感染リスクが抑えられると考えます。 店舗のお客様全員にマスクの着用をお願いすることは理にかなった施策と言えます。 日本人の感染者が少ない文化的理由の2番目が、このマスク使用の習慣ということになります。

◆新型コロナウイルスの感染力についての知見

 新型コロナウイルスが感染するメカニズム(経路)の前提として、ウイルスが人を感染させるだけの力があることが前提です。 海外からの報告では、発症から1週間経てば他人に感染させるリスクはほぼなくなるとしています。(名古屋大学 小島勢二名誉教授)
「台湾」からの調査報告では、1次感染者100人から発生した2次感染者22人(濃厚接触者2761人)が、1次感染者が感染してからいつの時点で感染したかを調べた。 その結果、感染したのは発症してからすべて6日目までであることが分かった。(下図) このことから、新型コロナウイルスは感染して時間が経つと感染力自体は弱まるとしている。

「ドイツ」では新型コロナウイルスの感染力を調査する「分離培養」調査が行われ、台湾と同様に、感染直後が一番感s年力が高く、その後感染力は弱くなり、8日以降は感染力を失うとしている。

 台湾もドイツも共に新型コロナウイルスの感染力が一番強いのは感染直後であり、感染力を失うのは概ね感染から6~8日目と多少違いはあるが、共に同じような結果を出している。 台湾はこの結果を踏まえて、感染者の隔離政策を変更しているようです。

 そして、韓国では、再陽性者についてその後の経過を観察し、彼らは他人を感染させる恐れは無いとした発表を行っています。 再陽性について韓国はウイルスの死骸を検知したとしています。 感染後に日数が経ってからも感染力があるかないかということになると、台湾、ドイツと同様、感染力が無いということについては同じ結果となっています。

 感染力低下の詳しい仕組みはまだ解明されていないようですが、実際問題として感染しなければ、社会の対応を変えることが出来ます。 以上のような知見が積みかさなることで、今後新型コロナウイルスの感染者に対する国の扱いが違ってくると予想されます。 現在のように感染直後の放置は無くなり、発症から8日程度の隔離で社会復帰できる可能性が出てきているということになります。

参考資料:コロナ、1週間で感染リスクなし?(朝日新聞)

◆新型コロナウイルスの抗体(こうたい)について

 ウイルスに対して「抗体」とい言葉がよく使われます。 ウィキペディアによると抗体とは、 B細胞(リンパ球の一種)の産生する糖タンパク分子で、特定のタンパク質などの分子(抗原)を認識して結合する働きをもつ。 と定義されています。 抗体が抗原と結合することでウイルスを無力化するというものです。 しかしながら、これがどこまで有効であるかはウイルスによって違いがあり、実際は個々のウイルスで検証しないと分からないようです。
 多くの人は「抗体」が出来れば安心と思っている人が多くいます。 歌手のマドンナもSNSで抗体があるから長いドライブに出かけるなどの楽観的なことを言っていました。 でもそれは「抗体」が出来たことで、同じウイルスにかからないという過去の成功体験を前提としたものです。 今回の新型コロナウイルスも「抗体」が一度できれば二度とかからないかは、まだ検証されていません。
 おそらく明確になれば専門家会議や厚労省から発表があると思います。それまでは勝手な判断をしない方が無難です。

■一言

 新型コロナウイルスと共存していくという「ウイズ コロナ」という言葉が盛んに聞かれます。 その為には、新型コロナウイルスについて良く知る必要があります。 新型コロナウイルスの拡大防止や自分が感染しないようにする予防も、新型コロナウイルスの特性が分かっているのが前提です。
 しかしながら新型コロナ治療自体が始まったばかりで、新型コロナの特性はまだまだ分かっていません。 新型コロナウイルスの感染力にしても5月に入って報告されたものだと思います。 今後、新しい事実が分かり、新型コロナという感染症が明確になった時点で、完全収束となるでしょう。 その頃にはワクチンの完成し、インフルエンザと同じような状態になっているかもしれません。 しかし、それまでは慎重に対応する方が無難でしょう。
 以前から新型コロナウイルスの基本的な知識を、一箇所にまとめて見れるようにしておきたいと思い、このページ作っています。 今後も新しい知見が入り次第改訂していく予定です。

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