本当の地域密着店の作り方(実践編)

店舗(パチンコホール)が地域のコミュニティ広場としての取り組みを始めた

関根翔太のコミュニティホール指導回想録

『本当の地域密着店の作り方』の後継本となる予定の連載です。

◇◇◇ 進捗会議(7月第3週)

「それでは進捗会議を始めます。
 皆さんもご存知のように、今週の金曜日から店内で、改装のお休みと感謝キャンペーンの掲示を始めます。 皆さんに回覧で回したニュースレターは水曜日に出します。 本日は取り組みに漏れが無いか進捗チェックをします。
 また、取り組みをさらに良いものにする方法がないか、気がついたら意見を言って下さい。」
 この日の進捗会議の参加メンバーは、久米坂店のいつものメンバーと浅沼店から春日主任が参加していた。

「それではいつものように私からいきます」と西谷主任が、まず口を開いた。
 ニュースレターの内容については、スタッフを3~4人ずつ集めて、15分ほど内容の確認とレクチャーをして、 今回の感謝キャンペーンへの取り組みに対しての自分の役割を意識するようにしている、という報告をした。
 クリンリネスは特に問題はないが、24日からのラジオ体操に参加してから、掃除に行く予定にしていること。 もし、地域の人が来られたら、地域の人との交流ができ、その後で掃除に行った方が、PR面でも好ましいと判断しているという内容であった。
 続いて尾田主任は、感謝カードの進捗状況、写真コンテストの集まり状況を説明し、遊技機勉強会の準備状況を報告して終わった。  

「それでは吉村主任、報告をお願いします」
 吉村主任は、店休日に予定している普通救命講座の集客状況を説明した。
 結局お客様からの参加者は2人、周辺地域の方の参加は1人というというものであった。 しかし、店舗側の参加者は初回ということもあり30人近くになる。 実技があるので、これ以上の参加は実質的に難しく、第1回目としては、悪くないという話を翔太は補足としてコメントした。

 翔太としては、このような活動が初めから地域に認められ、多くの参加者が来ると思い込み、参加者が少ないのは失敗だという勝手な思い込みするのを避けるという意図があった。
 AEDの活用のようなもの一時的にやっても意味がない。 地道な訓練を重ねていって、初めて緊急時に対応できるようになる。 受講者証をもらうことが目的ではなく、本当にAEDを使える自分になることが目的であること。 そういうように自分を鍛えることが見えないが地域貢献につながっているという誇りをもって欲しかった。
 翔太は繰り返しそのことを伝え、吉村主任の労をねぎらった。

「ところで、普通救命講習当日の段取りはできていますか?」
と翔太が尋ねた。
「消防署の方が全面的にされますので、大丈夫です」
 吉村主任が答えた。
「そうではなくて、消防署の方を迎える段取りから、店舗以外の方を迎える段取り、万一、飛び込みで来られた方の対応方法。 講習日に出すのぼり、講習中の風景の撮影。講習最後の集合写真。外部のお客様に対するアンケート。 スタッフに対する知識確認テスト。などのもろもろの段取りのことです」
「ハイ、大丈夫です。ちなみに当日参加のお客様の対応は尾田主任、撮影は西谷主任にお願いしています。 私は、消防署の方と店舗との連絡係と司会進行役の予定です。 森川副店長には当日のグループ分けなどの指示をスタッフに出してもらう予定です」
 吉村主任の説明に、森川副店長、尾田主任、西谷主任が、それぞれが頷いた。相変わらず吉村主任は手回しが良い。

◇◇◇ 太極拳体操の段取り

「それでは次を、お願いします」
 吉村主任は太極拳体操の段取りについて説明した。
 すでに『ラジオ体操』『太極拳体操』と書いたのぼりも発注しており、金曜日に貼るポスターもほぼできている。 DMは店舗周辺に絞って出す予定にしている。
 この地域24日はとりあえず、ホールのお客様やスタッフの声掛けで近所の方を集めてもらっている。 スタッフから老人会等の紹介が1件あるので、末までに案内を持って訪問する予定にしている。
 マス的な告知活動としては、タウン誌への掲載は、とりあえず間に合ったので28日の配布になるが載せている。 また市役所に行って話をしているが、市民だよりは9月になるので、取り合えずペンディングしている。

「それで、うちのスタッフの参加者は?」
「早番のスタッフがほぼ全員参加です。遅番のスタッフも3人参加すると言ってます」
「役職者は?」
「私と、早番の西谷主任、岡田リーダーに寺島リーダー、それと関根店長です」
「俺も?」
「当然ですよ。地域密着の企画に店長が出てくることによって、本気度が伝わりますから、店長は欠かせません」
「了解した」
 翔太は、最悪でも10人以上で始められるので、悪くはないと思った。 世の中、経済産業省が中心となって、『健康経営』を推奨しているが、そういう視点でとらえれば、悪くはないと考えた。

「それでは、当日の段取りを報告します」
 吉村主任は、実行の手配状況を報告した。
 まず、ホール横に仮設テントを前日の23日の朝から組み立て、のぼりもPRとして周りに立てる。 24日は掃除担当スタッフと吉村、西谷主任、岡田リーダーが机とお水の用意をする。 お水は、今回、ホールに会員特典として新たに設置するアルカリイオン製水器の水を、ペットボトルに入れて用意をする。 加えて熱中症予防として、塩飴を用意する。
 なお、雨天の場合中止になるし、そうでなくても実行の問い合わせがあることが考えられるとして、事務所に問合せ待機要員として、寺島リーダーが当面待機する、というものであった。

 翔太は吉村主任からアルカリイオン製水器の話が出たので、その設置について触れた。
 吉村主任が言ったように、今度の店休日に設置はしてもらうが、お客様への公開は8月1日からとする。 それまでの間はカバーをかけて置く。 但し、営業時間外にスタッフはモニターとしてなるべく使用し、効果を確かめて、どう良かったのかを簡単にレポートを書いてもらうことをお願いしている。
 同じことは食堂にも、ワゴンサービスにもお願いしており、7月の末の夜に、その効果をイーゼルやポスターなどでPRするという演出を行う。 みんなに書いてもらったレポートは、まとめて製水器の脇に置いておく。
 そして、ポイント交換商品として、専用ペットボトルを加え、利用促進キャンペーンを盆休みまで行う。 基本的に会員特典とし、『便利カード』の利便性を向上させる施策の一環として行う。 製水器の設置自体は、珍しくもないので、お客様への提案は、お水自体よりも、お水の効果や利用法やPRしてインパクトを持たせるというものであった。

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